第1 掲載資料の範囲
1 本記事の目的
本記事は,大阪高等検察庁及び大阪地方検察庁と西村謄写館又はOPO謄写センターとの間で平成26年に作成された事件記録等謄写業務協定書等を掲載し,その内容を整理するものである。
掲載資料は,事件記録等謄写業務協定書,謄写対象物管理計画及び情報セキュリティ計画の合計9件である。
2 資料の対象時点
平成26年4月1日付けの協定書は同日から,西村謄写館の大阪地検堺支部に関する平成26年9月1日付けの協定書は同日から適用するものとされている。
各協定書には適用終了日の記載がないが,掲載資料が令和8年9月2日現在も同一内容で効力を有することまでは確認できないため,以下の業務区分,料金及び使用媒体は平成26年当時の協定内容として記載する。
第2 平成26年4月1日付け協定書の当事者及び対象場所
1 協定の当事者
平成26年4月1日付けの各協定書では,大阪高等検察庁検事長及び大阪地方検察庁検事正が甲となり,西村謄写館又はOPO謄写センターが乙となっている。
謄写業務のために使用を許可する場所は,大阪中之島合同庁舎内の指定場所とされている。
2 出張謄写の対象場所
同日付け協定書は,大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁が管理する事件記録等について,謄写申請人の依頼を受けて業者が当該検察庁へ赴く出張謄写業務も定めている。
これは平成26年当時の対象場所であり,現在の出張範囲を示すものではない。
第3 平成26年4月1日付け協定書が定める謄写業務
1 紙媒体の謄写業務
紙媒体の謄写業務は,次の3種類に区分されている。
① 対面業務式は,使用許可を受けた場所に乾式複写機を設置し,謄写申請人の依頼を受けた業者が事件記録等を謄写する業務である。
② セルフ式業務は,指定された乾式複写機を謄写申請人が使用し,自ら事件記録等を謄写する業務である。
③ 出張謄写業務は,業者が前記3庁へ赴いて事件記録等を謄写する業務である。
2 セルフ式業務の料金
セルフ式業務では,白黒のJIS A4判1枚当たりの料金を,国及び地方の消費税を含めて20円を超えない額に設定するものとされている。
この金額は平成26年協定書の上限額であり,現在の料金を示すものではない。
3 外部電磁的記録媒体の謄写
平成26年4月1日付け協定書は,パソコン等を設置し,CD-R,DVD,BD-R,USBメモリ,フロッピーディスクその他の外部電磁的記録媒体に記録された情報を別の外部電磁的記録媒体へ謄写する業務を,対面式業務及び出張謄写業務に含めている。
もっとも,協定書は,紙媒体に関する定義では「対面業務式」,外部電磁的記録媒体に関する条項では「対面式業務」と記載しており,用語が一致していない。
第4 西村謄写館及びOPO謄写センターの掲載資料
1 西村謄写館の資料
大阪高検,大阪地検本庁,大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁に関する西村謄写館の掲載資料は,次のとおりである。
① 平成26年4月1日付け事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年4月1日付け謄写対象物管理計画
③ 平成26年4月1日付け情報セキュリティ計画
事件記録等謄写業務協定書及び謄写対象物管理計画は判読できる。
情報セキュリティ計画は,表題,項目番号,日付及び事業者名等を除く実質的記載部分が黒塗りである。
2 OPO謄写センターの資料
大阪高検,大阪地検本庁,大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁に関するOPO謄写センターの掲載資料は,次のとおりである。
① 平成26年4月1日付け事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年4月1日付け謄写対象物管理計画
③ 平成26年4月1日付け情報セキュリティ計画
OPO謄写センターについても,事件記録等謄写業務協定書及び謄写対象物管理計画は判読できる。
情報セキュリティ計画の実質的記載部分は黒塗りである。
第5 大阪地検堺支部に関する西村謄写館の資料
1 平成26年4月1日付け協定との違い
平成26年9月1日付け協定書の当事者は,大阪地方検察庁検事正と西村謄写館であり,大阪高等検察庁検事長は当事者ではない。
使用許可場所は大阪地検堺支部内の指定場所であり,紙媒体については対面業務式及びセルフ式業務の2種類が定められているが,出張謄写業務は定められていない。
同協定書でも,セルフ式業務における白黒のJIS A4判1枚当たりの料金は,国及び地方の消費税を含めて20円を超えない額とされている。
また,外部電磁的記録媒体としてCD-R,DVD,BD-R,USBメモリ,フラッシュメモリ,フロッピーディスク及びVHS等が例示されている。
2 掲載資料
大阪地検堺支部に関する掲載資料は,次のとおりである。
① 平成26年9月1日付け事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年9月1日付け謄写対象物管理計画
③ 平成26年9月1日付け情報セキュリティ計画
このうち,事件記録等謄写業務協定書及び謄写対象物管理計画は判読できる。
情報セキュリティ計画の実質的記載部分は黒塗りである。
第6 事件記録の閲覧と謄写の関係
1 刑事確定訴訟記録法及び記録事務規程
刑事確定訴訟記録法4条は,保管記録の閲覧について定めている。
これに対し,記録事務規程17条は,保管検察官が保管記録又は再審保存記録の閲覧を許すときは,その謄写を許すことができると定めている。
2 謄写不許可に関する最高裁決定
最高裁第一小法廷平成14年6月4日決定(平成13年(し)第299号,裁判集刑事281号515頁)は,保管検察官による謄写不許可は,刑事確定訴訟記録法8条1項の「閲覧に関する処分」に当たらないとした。
したがって,本記事に掲載する協定書は業者が行う謄写業務の条件を定めた資料であり,閲覧又は謄写が当然に認められることを示す資料ではない。
第7 現在の案内及びデジタル化との関係
1 現在案内されている謄写業者
全国弁護士協同組合連合会が掲載する大阪弁護士協同組合の案内には,令和8年9月2日現在,大阪地検本庁の謄写業者としてOPO謄写センター及び西村謄写館が,大阪地検堺支部・岸和田支部の謄写業者として西村謄写館が掲載されている。
同案内は現在の業者名及び連絡先を示すものであり,平成26年協定書が現在も同一内容で効力を有することを示すものではない。
現在の料金,取扱媒体,出張料,納期及び受領方法は,業者又は検察庁へ個別に確認する必要がある。
大阪地方検察庁の「事件の記録を見たい」も,記録の閲覧等が法律の範囲で認められる場合があると案内している。
2 成立済みで施行前の改正
令和7年法律第39号には,確定記録の電磁的保管並びに表示及び再生による閲覧を導入する刑事確定訴訟記録法の改正が含まれている。
もっとも,令和8年9月2日現在,この改正部分は施行前であり,e-Gov法令検索の現行条文には反映されていないため,施行後の謄写業者の役割又は料金を本記事から判断することはできない。
第8 関連記事
西村謄写館及びOPO謄写センターでは,両業者の連絡先,謄写件数等報告書及び料金資料を掲載している。
謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所では,謄写業者の利用及び確定後の刑事記録の保管場所を説明している。
交通事故事件の刑事記録の入手方法では,交通事故事件の刑事記録を入手する場合の一般的な留意事項を説明している。
本記事は平成26年の協定書等の掲載及び内容確認に対象を限定し,現在の申込み方法又は料金の詳細は前記関連記事へ委ねる。
第9 出典・参考資料
1 法令・行政規程
① e-Gov法令検索「刑事確定訴訟記録法」(令和8年9月2日現在)
② 法務省「記録事務規程」(令和7年5月29日最終改正,PDF5頁の第17条)
③ 令和7年法律第39号
2 裁判例
① 最高裁第一小法廷平成14年6月4日決定(平成13年(し)第299号,裁判集刑事281号515頁)
3 公文書・歴史資料
① 大阪高等検察庁検事長,大阪地方検察庁検事正及び西村謄写館「事件記録等謄写業務協定書」(平成26年4月1日,PDF1頁~10頁)並びに同日付け謄写対象物管理計画及び情報セキュリティ計画
② 大阪高等検察庁検事長,大阪地方検察庁検事正及びOPO謄写センター「事件記録等謄写業務協定書」(平成26年4月1日,PDF1頁~10頁)並びに同日付け謄写対象物管理計画及び情報セキュリティ計画
③ 大阪地方検察庁検事正及び西村謄写館「事件記録等謄写業務協定書」(平成26年9月1日,PDF1頁~10頁)並びに同日付け謄写対象物管理計画及び情報セキュリティ計画
4 行政・職能団体の案内
① 大阪地方検察庁「事件の記録を見たい」(令和8年2月26日最終更新)
② 全国弁護士協同組合連合会「大阪弁護士協同組合」(令和8年9月2日確認)