裁判官の号別在職状況等

1  裁判官の号別在職状況に関する最高裁の開示文書
   以下のとおりです。
① 平成14年7月1日から平成23年12月1日までの分
→ 平成26年7月28日付の司法行政文書不開示通知書によれば,同日当時は最高裁判所に存在しなかった文書です(裁判所の情報公開参照)。
② 平成24年12月1日から平成26年12月1日までの分
③ 平成27年7月1日及び同年平成27年12月1日の分
④ 平成28年7月1日の分及び同年12月1日の分
⑤ 平成29年7月1日の分及び同年12月1日の分
⑥ 平成30年7月1日の分及び平成30年12月1日の分

2 裁判官の報酬月額,号別在職状況等の推移
(1)ア 平成14年7月1日以降の,裁判官の報酬月額,号別在職状況等の推移については,裁判官の報酬月額・号別在職状況等の推移表(平成14年7月1日以降)のとおりです。
イ 平成30年7月1日時点の裁判官の年収及び退職手当(推定計算)を見れば,修習期及び勤務地別の推定年収が分かります。
(2)ア 平成25年12月1日からの1年間,56期の昇給がなく,平成27年12月1日からの1年間,54期の昇給がなかったみたいです。
イ 自由と正義2017年4月号28頁において,39期の田口紀子裁判官(弁護士任官者)が,「昇給は,以前に比べ遅くなり,退職金も減ってはいるものの,必要経費は少なく,生活に困ることはなく,特に不満はありません。」と書いています。

3 裁判官の号別定数が分かる文書等は存在しないこと等
(1) 平成28年度(最情)答申第4号(平成28年4月14日答申)によれば,①裁判官の号別定数が分かる文書,②下級裁判所における指定職相当の裁判官の内訳が分かる文書,及び③下級裁判所におけるその他の裁判官1160人の内訳が分かる文書は存在しません。
(2) 平成31年4月8日付の理由説明書には以下の記載があります。
最高裁判所において,平成30年度の高等裁判所裁判官及び地方・家庭裁判所裁判官の配置定員の合計と裁判官の号別在職状況(平成30年7月1日現在)における判事及び判事補の合計が異なる理由について説明した文書は作成しておらず,取得もしていない。
また,本件申出が単に平成30年度の高等裁判所裁判官及び地方・家庭裁判所裁判官の配置定員の合計を裁判官の号別在職状況(平成30年7月1日現在)における判事及び判事補の合計の差の内訳を示す文書を含む趣旨であたとしても,これを作成しておらず,取得もしていない。

4 裁判官の号別在職状況に関する国会での質疑応答例
(1) 平成10年10月8日の参議院法務委員会における質疑応答
○松岡滿壽男君 今回の裁判官の報酬と検察官の俸給に関する問題、私も今までの議事録をひもといてみましたら、一、二年前に、昔の仲間でありました志村哲良さんが、報酬と俸給がどうしてこう表現が違うんだという質問をしているんです。それに対して、裁判官の報酬というのは憲法に書いてある、それから検察官の俸給等は法律に書いてあるというような答弁なんです。また同じような答弁をすると、やっぱりこれはどういうことなんだ、同じものじゃないのかという素朴な疑問がある。そういうものにやはりきちっとこたえていくことが必要ではないかと思うんです。
 それで、こういう裁判官の報酬、検察官の俸給は財政民主主義の要諦から法定されておって、国民の意思に基づきその代表者で構成されている国会で決定されることになっている。したがって、この給与体系の号俸別の在職状況等の情報は国民に公開されることが原則ですね。情報の公開と謙虚であるということがやっぱり司法を国民に近づける大切な条件だというふうに思うんです。
 ところが、参議院の法務委員会調査室のこの資料を見てみますると、裁判官の号俸別の在職状況については記載されていないんです。検察官の号俸別の在職状況は記載されている。最高裁判所はなぜ裁判官の号俸別の在職状況について国会に報告しないのかということが非常に疑問に思うわけでありまして、これはある面では国民の知る権利を無視するものじゃないかと思うんです。公表しない理由をひとつ明らかにしていただきたい。
 それからまた、先ほど冒頭に申し上げた報酬等と俸給等という言葉、どうしてこれがいつまでも統一されないのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
最高裁判所長官代理者(金築誠志君) それでは、私の方から裁判官の報酬の号俸別現在員の関係について申し上げますと、この号俸別現在員というものにつきましては、人事管理上の問題が実はございまして公表しておらないわけでございます。
 裁判官につきましては、各裁判官の職務の困難、責任度合いに応じまして、同期の裁判官でも報酬の号に違いが生ずることがあるわけでございますけれども、号俸別の現在員を開示いたしますと、例えば裁判官がその現在員数を見ますと、裁判官の報酬については号の刻みの数が非常に少ないものでございますから、およそ同期の裁判官に対して自分がどういうふうに、どこにいるのかということがわかってしまうわけです。
 そういう観点から、裁判官は職務上一人一人独立して判断、職権行使をする、こういう立場にあるものですから、その辺のところに無用な影響を与えてはいけないという懸念から従来公表していないわけでございます。
○松岡滿壽男君 しかし、それはわかってしまつてもやむを得ないことだと私は思います。そういう感覚から正していただきたいと思います。これ以上もう申し上げません。
(2) 平成12年3月28日の参議院法務委員会における質問
○中村敦夫君 これは最後の質問ですけれども、平成十年十月八日の参議院法務委員会で、裁判官の号俸別在職状況、つまり給与の各級別の定数についての質問について、金築人事局長は情報公開を拒否したわけです。その理由は、裁判官に無用の影響を与えるといけないという妙なものであったわけなんです。
 どの年俸に何人いるのかというのを公開するのは予算検討上不可欠のことだと思うんですね。しかも、個人名が特定できる資料ではありませんから、裁判官同士のねたみだとか心理状態だとかを資料公開拒否の理由にするのはちょっとナンセンスだというふうに思っておりました。そして、今回もその要求をしましたが、けさになって初めてこの内容の報告書をいただいて、大変びっくりすると同時にありがたいというふうに思いました。
 裁判所の透明化、民主化というのはどうしても必要なことであり、これは裁判所のためにもなると思いますので、今後もこれでストップしないでどんどん情報公開されることを期待しまして、質問を終わります。
(3) 平成13年3月16日の衆議院法務委員会における質疑応答
金築最高裁判所長官代理者 裁判官の昇給につきましては、これは最高裁の裁判官会議で決めることになっております。
ただ、実際を申しますと、判事の四号までは、特段の長期病休等がない限りは、大体同じように上がっているというのが実情でございまして、それ以上のところについては、そのポストでありますとか仕事の状況でありますとかその他が勘案されて、これもやはり最高裁の裁判官会議で決められておりますが、この場合には、高等裁判所等の意見を十分に聞きまして、適正なものになるように努めているということでございます。
○植田委員 要するに、内規みたいなものはないわけですね、そういう基準というのは。四号までは年次で決まるけどということですね。いや答弁は結構です、そういうことでうなずいていただければ結構です。
そこで、私自身、これは平成十一年度のデータしかないんですが、聞くところによると、裁判官の号別在職状況という、この表をいただいたんですが、これもなかなか最高裁は出したがらへんという話も聞いているんですが、ここで判一以上、いわゆる事務次官級以上の報酬をもらっているのは二百人超えておるということなんです。このいわゆる次官級以上で、私が関心を持っているのは、裁判官がたくさん報酬をもらう場合、評価というのは、どんな裁判をやってきたか、裁判官としての経験が問われるだろうと思うんですよ。
ですから、そこで私がお伺いしたいのは、先ほどの出向とのかかわりで、実は幾つか私が個別に調べてみますと、例えば、九年裁判官をやっていました、二十九年間は出向していました、そういう方がしかるべき職について、判一以上の方でいらっしゃるという場合もあるようです。ですから、これは個々の事例になると個人が抽出されてしまうので問題だと思うわけですけれども、少なくとも判一以上の者が経験した、まさに裁判官としての実務経験数というのは平均すればどれぐらいになるのかということ、また、裁判官としての経験よりもいわゆる司法官僚の方、裁判してへん経験の方がむしろ長くて判一以上になっている人というのはどれぐらいいるのかというのはわかりますでしょうか。
金築最高裁判所長官代理者 御指摘ありましたように、判事一号の裁判官の総数が約二百人もございますので、その経歴を全部出しまして分類、分析する作業というのは結構時間がかかりまして、現在のところそういうデータは持ち合わせておりません。

5 毎年1月16日時点の現在員の算出方法
「最高裁判所においては,毎年12月1日現在の判事及び判事補の現在員を算出しており,12月1日以外の基準日の現在員を算出する必要が生じた場合には,直近に算出した12月1日時点の数値をもとに,同日以降の任官者数,退官者数等を集計して算出する」と説明されています(平成30年度(最情)答申第78号(平成31年3月15日答申))。