メインコンテンツへスキップ
       

刑事書記官実務必携の解説(AI作成)

◯本ブログ記事は,最高裁判所裁判部作成の刑事書記官実務必携(令和8年4月1日現在)の解説として,専らAIで作成したものです。

本記事は、最高裁判所裁判部が令和8年4月1日現在で作成した「刑事書記官実務必携」を基に、刑事上告事件の受付、記録調査、弁護人選任、審議、判決及び事件終局後の事務を整理したものである。
原本文書は、刑事書記官実務必携(令和8年4月1日現在)で確認できる。旧版を含む一覧は、最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携に掲載している。

第1 刑事書記官実務必携の概要

1 作成目的、作成部局及び基準日

本件開示文書の表紙には、「刑事書記官実務必携」及び「最高裁判所裁判部」と記載されている(同文書表紙)。

同文書1頁の「まえがき」によれば、本書は、刑事事件担当書記官が行う事務処理の指針として作成されたものである。
同頁には、書記官固有の権限に基づく送達事務や調書作成事務のほか、裁判体又は主任裁判官から包括的指示を受けて行う事務があることも記載されている。

また、裁判体又は主任裁判官から本書と異なる指示があった場合には、その指示に従うべきであり、本書の記載は適宜見直し、改訂する予定であるとされている(同文書1頁)。

基準日は令和8年4月1日である(同文書1頁)。
本件PDFは、表紙を含めて190頁であり、本文の印字頁は1頁~189頁である。

2 文書全体の構成

同文書2頁~12頁の目次及び各章の本文によれば、本書の構成は次のとおりである。

区分表題印字頁主な内容
前付・序まえがき、内容、序及び処理の留意点1頁~19頁作成目的、全体目次、上告事件・要急事案・特別抗告等の流れ、審議事件の流れ及び決裁方法
第1章事件の受付及び分配20頁~26頁受付、分配、配てん及び付随事務
第2章上告事件27頁~112頁記録調査、弁護人選任、被害者参加、上告趣意書、審議、公判、判決、確定及び記録返還
第3章上告事件に付随する事件等の処理113頁~135頁判決訂正、異議申立て、訴訟費用執行免除及び身柄関係の事件
第4章特別抗告、非常上告、再審請求事件等136頁~155頁特別抗告、非常上告、再審請求、少年・医療観察の再抗告及び不適法申立て
資料資料第1~資料第10156頁~187頁押収物、原審保管押収物、国選付添人、回避、刑事補償、特別送達及び裁判書の名宛人等に関する資料
参考資料参考資料188頁~189頁本文末尾に収録された参考資料

本記事では、27頁~112頁を占める第2章の上告事件を、本書の中心部分として整理する。
同章は、事件受付後の記録調査から、弁護人選任、上告趣意書、審議、送達、公判、判決、確定及び記録返還までを時系列に沿って扱っている(同文書3頁~9頁)。

3 本書を読む際の留意点

本書は、最高裁判所における刑事事件担当書記官の事務処理指針であり、当事者向けの手続案内又は法令解説書ではないと位置付けられる。

また、本書には法令・規則及び裁判例への多数の言及があるが、本記事では、原本文書の内容紹介に範囲を限定し、個々の法令の現行性又は裁判例の実在・射程を確認していない。

したがって、本記事は、具体的事件における申立期間、提出方法、送達の効力その他の法的判断の根拠として用いることを想定していない。

第2 上告事件の受付、分配及び初動調査

1 受付と分配

(1) 受付順序と優先類型

上告事件記録の送付を受けたときは、上訴記録送付書と記録を対査して冊数を確認し、原審の終局年月日、上告申立年月日、原審認定罪名、被告人の氏名、身柄の別及び上告申立人等を点検する(同文書20頁)。

各高等裁判所から同時に複数の上告事件記録が送付された場合には、高等裁判所の順、被告人の身柄区分、事件類型等により受付順序を定める(同文書20頁)。
ただし、原審で死刑が言い渡され又は維持された事件、被告人が20人以上の事件、記録が30冊以上100冊未満の事件及び記録が100冊以上の事件は、各高等裁判所ごとに他の事件に先立って立件するとされている。

受付順序が確定した後は、分配簿に基づいて分配小法廷を確定し、事件番号、分配小法廷名等を記録する(同文書20頁)。

(2) 小法廷への分配と担当者への配てん

上告事件は、被告人の身柄に応じて、勾留事件、未収容及び勾留執行停止事件、保釈及び不拘束事件の三つに区分し、毎年あらかじめ裁判官会議で定められた分配基準に従って、各区分ごとに順次各小法廷へ分配する(同文書23頁)。

ただし、死刑事件、被告人が20人以上の事件及び記録が30冊以上の事件は、通常の身柄区分とは別に順次各小法廷へ分配する。
関連事件であることが明らかな複数事件は、受理日等に応じて同一小法廷への分配又は上席調査官の指示による分配が行われる(同文書23頁)。

小法廷内では、上告事件を死刑事件、勾留事件及びその他の事件に区分し、事件番号順に各裁判官へ順次配てんする。
担当調査官への配てんでは、死刑事件、検察官上告事件、百日裁判事件、著名事件、記録が20冊以上の事件等の区分が用いられ、関連事件は同一の裁判官、調査官及び書記官へ配てんする(同文書25頁)。

2 新件調査と要急事件

(1) 記録の点検事項

担当書記官は、事件票の記載事項を記録に基づいて点検する。
事件票の内容は、記録表紙だけでなく、手続の各段階でシステムから印刷される帳票にも表示されるため、確実な点検が必要であるとされている(同文書27頁)。

点検対象には、事件名、被告人の氏名、下級審の結果、前科、上告申立ての適否、押収物、身柄関係、弁護人選任、要急性、前審への裁判官・調査官の関与及び取扱いに注意を要する情報が含まれる(同文書27頁~33頁)。

身柄事件では、勾留場所、勾留満了日及び残日数を確認する。
勾留中で残刑期が180日未満の事件については勾留期間更新決定の要否を検討し、複数の勾留状が効力を有する場合には、勾留状の一本化の要否を担当調査官に相談する(同文書30頁)。

保釈中の外国人被告人について出国確認留保の依頼がされている場合には、緊急対応を要することがあるため、新件受理時に確実に確認し、他の書記官等とも情報共有する(同文書30頁~31頁)。

(2) 要急事件の範囲と処理

本書は、公職選挙法違反の百日裁判事件、公職選挙法違反の被告人が現職の議員である事件、勾留中で残刑期が180日未満の事件、執行猶予満了まで6月間未満の事件等を要急事件として掲げている(同文書24頁及び32頁)。

要急事件では、国選弁護人候補指名通知依頼等の弁護人選任事務を速やかに進め、上告趣意書提出後の処理も特に迅速に行う(同文書32頁)。

また、事件係は、死刑事件、検察官上告事件、百日裁判事件、著名事件、記録が20冊以上の事件、非常上告事件、上告受理申立て事件及び裁判官回避申立て等について、上席調査官へ報告する(同文書24頁)。

第3 弁護人選任、上告趣意書及び審議

1 弁護人選任と上告趣意書差出最終日

(1) 私選・国選弁護人に関する事務

弁護人選任照会は、刑事上告事件の審理促進のため、原裁判所に手続を依頼しているとされている(同文書34頁)。
被告人が弁護士会を指定して私選弁護人選任の申出をした場合には、申出日、人定事項、通訳言語、事件番号、罪名・罰条、収容場所等を記載した通知書を弁護士会へ送信して取り次ぐ。

弁護士又は弁護士法人を指定した場合には、その氏名・名称及び連絡先を調査し、特定できたときは電話等で被告人名、罪名及び収容場所を通知する。
通知が奏功しないときは、速やかな取次ぎのため郵送で通知書を送付する(同文書34頁)。

国選弁護人選任の要件審査では、任意的弁護事件の被告人について資力申告書等を確認し、資力の基準額として50万円が記載されている(同文書36頁)。
要件を満たす場合には、日本司法支援センター東京地方事務所へ国選弁護人候補者の指名通知を依頼する。

候補者の指名通知を受けたときは、主任裁判官名で国選弁護人選任書を作成して決裁を受け、弁護人、検察官及び同事務所への通知、記録・事件票・システムへの反映を行う(同文書38頁)。

(2) 差出最終日の指定、通知及び趣意書の受理

記録点検後、必要的弁護事件及び国選弁護人を選任する任意的弁護事件では弁護人選任後に、それ以外の事件では直ちに、上告趣意書差出最終日が指定される(同文書43頁)。

本書は、通知書の送達日の翌日から起算して28日目以後の日を最終日とし、指定日から5週目又は6週目に指定するのが通例であると説明している。
死刑事件、複雑困難事件又は事前の要望がある事件では、担当調査官の調査及び裁判官の決裁を経て扱う(同文書43頁)。

最終日の通知は、被告人及び指定時点で選任済みの全弁護人へ送達する。
主任弁護人の指定がある場合には、被告人及び主任弁護人への送達で足りるとされている(同文書43頁)。

上告趣意書を受理したときは、差出期間内か、私選弁護人の選任届が提出されているか、各頁に連続性があるか、乱丁・落丁がないか、原本と写しが同一か等を点検する。
全文が外国語である場合、署名・押印等に不備がある場合又は付随的申立てと解し得る記載がある場合には、担当調査官へ相談する(同文書47頁)。

2 審議資料と審議手続

(1) 資料の作成及び点検

上告趣意書が提出され、差出期間が経過した後、記録及び1審・2審判決を担当調査官へ提出し、資料作成事件と資料作成省略事件に区分する(同文書50頁)。

資料作成前には、1審判決に青、2審判決に赤、被告人の趣意書に緑、弁護人の趣意書に黄のしおりが挟まれていることを確認する。
併せて、最終日の指定、通知書の適正な送達、送達から最終日までの日数、上告趣意書の提出及び相手方への送達等を点検する(同文書50頁)。

審議資料は、1審判決、2審判決、上告趣意書及び上告趣意補充書の順に編てつする。
上告趣意書は、検察官、弁護人、被告人の順とし、同一人から複数提出された場合には提出年月日順とする(同文書52頁)。

(2) 期日審議と持ち回り審議

期日審議では、裁判官へ審議資料を送付した後に審議期日を指定し、審議に必要な記録を準備する(同文書54頁)。

審議結果は「審議終了」と「審議続行」に分かれる。
審議終了の場合には決定案の整理・点検及び決裁へ進み、審議続行の場合には、事案複雑、追加報告又は案文審議等の理由に応じて次回審議へ進む(同文書55頁)。

持ち回り審議は、審議期日を定めて一堂に会して行う方式ではなく、随時行う審議である(同文書56頁)。
草案の取扱いでは、秘密保持に意を用い、内容が事前に漏えいしたと疑われないよう特に慎重に扱うこととされている。

3 決裁パターンAからFまで

同文書19頁は、本書で用いる決裁方法をAからFまでの6パターンに整理している。
概要は次のとおりである。

決裁票押印裁判書等押印決裁方法及び主な例
A全裁判官全裁判官調査官作成の決裁票(草案)及び裁判書に全裁判官の決裁印を受ける。上告棄却決定、特別抗告棄却決定、再審請求棄却決定、再抗告棄却決定等。
B主任裁判官全裁判官決裁票を作成して担当調査官の調査に付し、決裁票は主任裁判官、裁判書は全裁判官の決裁を受ける。勾留執行停止決定、公訴棄却決定、国選弁護人解任書、被害者参加決定等。
C不要(調査票)全裁判官調査票を作成して担当調査官の調査に付し、裁判書に全裁判官の決裁印を受ける。上告棄却決定(不成立)、判決訂正申立棄却決定、保釈請求却下決定等。
D全裁判官主任裁判官決裁票を作成して担当調査官の調査に付し、決裁票は全裁判官、記録の該当箇所等は主任裁判官の決裁を受ける。職権不発動、被害者からの記録の閲覧・謄写等。
E主任裁判官主任裁判官決裁票を作成して担当調査官の調査に付し、決裁票及び記録の該当箇所等に主任裁判官の決裁を受ける。制限住居の離脱許可等。
F不要(調査票)主任裁判官調査票を作成して担当調査官の調査に付し、記録の該当箇所等に主任裁判官の決裁を受ける。訴訟費用執行免除申立ての下級裁送付、上告趣意書差出最終日延期申請、移送同意請求、証拠物の閲覧・謄写等。

本記事では、誰が決裁票に押印するか、誰が裁判書又は記録の該当箇所に押印するかという組合せから、事件類型ごとの事務経路を示す区分であると整理する(同文書19頁)。

第4 情報管理、送達及び記録の閲覧

1 マスキングと事件情報の守秘

(1) 取扱いに注意を要する情報

取扱いに注意を要する情報が事件記録に現れている場合には、担当調査官と相談してマスキング範囲を定め、その内容を記録に反映させる。
弁護人から閲覧・謄写の申請があった場合には、マスキングの趣旨に応じて対応する(同文書32頁)。

裁判員・補充裁判員の個人情報等は謄写が制限されるため、該当部分をマスキングする。
また、検察官開示措置に係る情報について所要の手続を確実に行い、マイナンバーは審理に真に必要な場合を除いて取得を避け、やむを得ず取得した場合には確実にマスキングすることとされている(同文書32頁)。

これら以外の情報は、事案の性質、知られている範囲、流出の影響及び1審・2審での取扱いを踏まえて、最高裁判所でのマスキング範囲を検討する(同文書33頁)。

(2) 第三者からの照会

訴訟関係人以外の第三者から、被告人名、事件番号、事件名等について照会を受けた場合には、原則として回答しない(同文書67頁)。

ただし、被告人の親族、勤務先又は被害者等からの照会については、必要性がある範囲内で回答できるとされている。
回答の可否又は範囲に疑義があるときは、担当調査官に相談する。

2 送達の点検

送達事務では、受送達者及び送達場所の適正を確認し、適法な送達となるよう点検する(同文書67頁)。
少年院・少年鑑別所に収容されている者、入国者収容所に収容されている外国人、米国軍人である被告人等について、それぞれ送達先及び方法上の留意点が記載されている。

送達報告書の各欄に記載漏れ・不鮮明な箇所がある場合又は受領者欄と送達方法欄の受領者が異なる場合には、郵便局長へ補正を求める(同文書69頁)。

形式的には有効な送達であっても、記録に現れた事情から実質的な手続の適正を更に担保する必要がある場合には、担当調査官に相談する。
本書は、入院先へ送達した後に被告人が既に退院していた事例を挙げ、退院後の住居地にも通知書を送付するなどした例があると記載している(同文書69頁)。

3 訴訟記録・証拠物の閲覧及び謄写

訴訟記録の保管、出納及び閲覧については、事件記録出納簿への記入、貸出時の受領印、閲覧・謄写部分及び記録冊数の確認等が定められている(同文書73頁)。

マスキング箇所がある記録については、閲覧・謄写票の備考欄へ「マスキング箇所あり」と表示して係員へ伝達する。
裁判員等の選任・解任等に関する書類が通常とは異なる分類に編てつされる場合もあるため、特に注意してマスキング等を行う(同文書73頁)。

記録媒体の閲覧では、再生可能な機器を確認して準備する。
記録媒体の謄写は、証拠物の謄写に準じ、裁判長の許可を得る運用とされている(同文書73頁)。

証拠物の保管及び閲覧については、原審からの取寄せ、閲覧・謄写申請の処理及び証拠物の状態確認等が定められている(同文書84頁)。

第5 公判、判決及び事件終局後の事務

1 公判と判決手続

審議の結果、弁論を開くこととなった事件では、弁護人の有無を確認し、必要に応じて弁護人選任照会又は国選弁護人候補指名通知依頼を行う(同文書87頁)。

公判期日は、弁論要旨等の作成・提出期間、弁護人住所地からの交通の便等を考慮し、指定日から少なくとも1箇月程度の余裕を見込むのが通例である(同文書87頁)。

判決案を受領した担当書記官は、被告人の特定に関する事項等の形式的記載を補充整理し、判決案全般を点検する(同文書92頁)。

署名押印を終えた判決原本は、判決宣告期日まで担当書記官が厳重に保管する。
弁論を経た事件の判決書は、関係方面からの参考送付要請を踏まえ、少なくとも60部を作成するのが通例であるとされている(同文書92頁)。

公判期日の具体的な流れは、最高裁判所における刑事事件の弁論期日で詳しく整理している。

2 上告取下げ、確定通知及び記録返還

上告取下書は、事件及び取下げの趣旨が明確か、被告人名義の取下書の署名押印が本人のものか等を点検する。
疑義がある場合には本人へ照会し、後に取下げの効力について紛争が生じないよう留意する(同文書99頁)。

終局裁判が確定したときは、事件票に確定日を記載して最高検察庁へ通知する。
本書は、判決、上告棄却決定、被告人死亡による公訴棄却決定、判決訂正申立て及び異議申立て等の類型ごとに確定日の判断方法を整理している(同文書103頁~105頁)。

記録返還前には、上告事件記録送付書、当審記録表紙、通知書、弁護人選任関係書類その他の書類を所定の順に整理する。
最高裁判所で作成された書類は、原則として編年体で編成する(同文書109頁)。

記録整理時には、書込みを消去し、付せん及び不要な郵便封筒等を除去する(同文書109頁)。

第6 付随事件及び特別な事件類型

1 身柄関係その他の付随事件

第3章は、判決訂正申立て、上告棄却決定に対する異議申立て、訴訟費用執行免除、勾留期間更新、保釈、勾留取消し、勾留執行停止、身柄移送及び勾留状発付等を扱う(同文書7頁~10頁及び113頁~135頁)。

勾留中で残刑期が180日未満の事件については、勾留期間更新に関する調査票を作成し、担当調査官へ提出する。
複数の勾留状が発付されている場合には、一本化する場合としない場合の処理を分け、システムに入力されない身柄情報も勾留票等で管理する(同文書121頁)。

保釈請求書を受け付けたときは、形式的記載事項を点検し、検察官へ意見を求める。
検察官の意見書、当審記録、1審・2審判決及び身柄関係記録を担当調査官へ提出し、決定書の作成、点検、決裁及び告知へ進む(同文書124頁)。

被告人の勾留について職権発動を求める書面が検察官から提出された場合には、決裁票を作成し、担当調査官の調査を経て裁判官の決裁に付する(同文書132頁)。

2 特別抗告、非常上告、再審請求等

第4章は、特別抗告、非常上告、再審請求、少年・医療観察の再抗告及び不服申立権が認められていない申立てを扱う(同文書10頁~12頁及び136頁~155頁)。

特別抗告事件では、申立人名、事件番号、事件名、申立期間、署名、送達関係及び必要資料等を点検し、記録を担当調査官へ提出する(同文書136頁)。

非常上告事件では、非常上告申立書、対象裁判書及び前科調書の写しを用いて審議資料を作成する。
非常上告事件は必ず弁論を開くことになるため、審議成立後に公判期日を指定する手続へ進むとされている(同文書142頁)。

再審請求事件では、申立書の形式的事項を点検し、速やかに検察官へ受理通知を行う。
同一事件について1審又は2審に再審事件が係属しているかを確認し、その結果に応じて訴訟手続停止等を検討する(同文書143頁)。

少年・医療観察の再抗告事件は、特別抗告事件の処理を基本としつつ、国選付添人、記録の閲覧・謄写、告知先及び記録保存等について個別の取扱いを定めている(同文書145頁~153頁)。

不服申立権が認められていないいわゆる「不適法申立て」は、立件調査を経て立件する場合、上告棄却決定に対する異議申立て棄却決定に準じて定型処理する(同文書155頁)。

第7 本書から読み取れる実務上の特徴

1 段階別のチェックと連携

本記事では、本書を、受付、分配、配てん、記録調査、弁護人選任、趣意書、審議、裁判、告知、確定及び記録返還という段階ごとに、確認事項と担当者を配置した事務処理指針として整理する。

各段階では、書記官だけで完結するのではなく、担当調査官、主任裁判官、裁判体、首席書記官、秘書官、文書係、事件係、記録保存係、検察庁及び日本司法支援センター等との連携が組み込まれていることが分かる。

また、要急性、身柄期限、送達の有効性、秘密保持、マスキング及び記録媒体の再生可能性等を重ねて確認する構造から、形式的な記載確認と実質的な手続保障の双方を事務管理の対象としていることが分かる。

書記官事務に関する年度別文書は、上告審から見た書記官事務の留意事項で確認できる。

2 利用上の限界

本書は令和8年4月1日を基準日とするが、同文書1頁自身が、記載を適宜見直し、改訂する予定であると明記している。

さらに、裁判体又は主任裁判官から本書と異なる指示があった場合には、その指示が優先するとされている(同文書1頁)。

したがって、同文書1頁の記載によれば、本書に記載された処理を、将来のすべての事件に一律に適用される固定的な取扱いと理解することはできない。

第8 出典

①最高裁判所裁判部「刑事書記官実務必携」表紙及び1頁~189頁。
作成機関は最高裁判所裁判部であり、基準日は令和8年4月1日である。
独立した発行日及び文書番号(号数)は、原本文書上の記載を確認できず、頁未特定である。
本件PDFは、情報公開請求により入手した開示文書である(入手経緯は提供者による説明であり、原本文書の頁記載ではない)。