大阪地裁の所長代行者,上席裁判官等


目次
1 大阪地裁の幹部裁判官の序列
2 大阪地裁の所長代行者又は上席裁判官の転出と玉突き人事の発生
3 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
4 関連記事その他

1 大阪地裁の幹部裁判官の序列
(1) 大阪地裁で2番目に偉い大阪地裁所長代行者(大阪地裁司法行政事務処理規程4条1項2号及び21条1項)は色々な部の部総括判事を兼任していますが,どこの部の部総括判事であるかは特に決まっていません。
(2) 大阪地裁所長代行者は,保全部である1民の部総括判事,つまり,民事上席裁判官を経験した直後に就任するのが通例になっています。
  そのため,1民の部総括判事が大阪地裁で3番目に偉い裁判官となります。
(3) 大阪地裁で4番目に偉い裁判官は,令状部である10刑の部総括判事,つまり,刑事上席裁判官となります。
(4) 以上より,大阪地裁の裁判官の序列は,1番目が所長,2番目が所長代行者,3番目が1民部総括判事,4番目が10刑部総括判事となります。
   この順番は,大阪地裁の事務分配54条に書いてある順番です。

2 大阪地裁の所長代行者又は上席裁判官の転出と玉突き人事の発生
(1) 大阪地裁の所長代行者が他の地家裁の所長に転出した場合,上席裁判官である1民部総括が所長代行者となるなど,部総括判事レベルでの玉突き人事が発生します。
(2)   同様に,大阪地裁刑事部の上席裁判官が他の地家裁の所長に転出した場合,12刑部総括が10刑部総括となるなど,部総括判事レベルでの玉突き人事が発生します。

3 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
   裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には以下の記載があります。
高等裁判所長官や地方裁判所長・家庭裁判所長が,どのような調査や資料に基づいて,報告書を作成するかという点であるが,多くの裁判所においては,所属する裁判官はそれほどの数ではないので,長官,所長は各裁判官と接触する機会が相当程度あり,裁判官の仕事振り,力量,人物,健康状態等について,直接知る機会がある(大規模な裁判所においては,所長代行が所長を補佐している)。その他に,陪席裁判官については,部総括から話を聞くことが多いであろう。逆に,部総括に関する話を同じ部の陪席裁判官や職員から聞くということもあろう。裁判官の力量や適性は,同じ事件を担当したり,一緒に仕事をしてみると,よくわかるという面がある。その点では,次に述べる上級審裁判官も同様である。こうした形で仕事を通じて本人の力量等を知る裁判官の数は,長い間には相当の数に上る。その評価の集積により,その裁判官の評価が固まってくるのであって,この評価には相当の信頼性があると考えられる。高等裁判所長官,地方裁判所長・家庭裁判所長の評価も,こうした裁判官の中での評価を踏まえている。

4 関連記事その他
(1)ア 租税部の部総括である大阪地裁12刑部総括判事は,次の大阪地裁10刑部総括判事となるのが通例です。
イ 「刑事租税事件の審理上の留意点」には,「大阪地裁第12刑事部では,租税事件の否認事件については,よほど単純な事件を除いては,公判前整理手続又は期日間整理手続に付しているし,裁定合議にしているのが実情である。」と書いてあります(判例タイムズ1477号(2020年12月号)12頁)。
(2) 大阪地裁で3番目に偉い裁判官は,大阪簡裁司法行政事務掌理裁判官を兼任しています(大阪地裁司法行政事務処理規程21条3項2号)から,そういう目で官報を見れば分かります。
(3) 大阪地裁HPの担当裁判官一覧を見れば,大阪地裁の民事上席裁判官及び刑事上席裁判官が誰であるかは分かります。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の大阪地裁所長
・ 東京地裁の所長代行者
・ 東京家裁の歴代の家事部所長代行者
・ 大阪地裁の歴代の所長代行者,上席裁判官,大阪簡裁司掌裁判官等
・ 下級裁判所の裁判官会議から権限を委任された機関
・ 下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務


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