◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
目次
第1 過失を記載する際の結論
1 過失の記載は4層で組み立てる
(1) 注意義務発生事実から結果までを一続きにすること
過失運転致死傷罪の起訴状では,単に「前方不注視で事故を起こした」と記載するのでは足りない。実務上は,次の4層を一続きの因果経過として示す必要がある。
- どのような道路状況,見通し,交通状況又は対象物の存在が,具体的な注意義務を発生させたのか。
- 被告人は,誰又は何を,どの方向に,どの時点までに確認し,どの運転操作をすべきであったのか。
- 被告人は,その義務に対応するどの行為をしなかったのか。
- その不作為から,衝突,死傷結果までがどのようにつながったのか。
最も重要なのは,注意義務と義務違反とを鏡像にすることである。「対向直進車の有無及び動静を注視し,その安全を確認すべき義務」があると記載したならば,義務違反は「対向直進車の有無及び動静の注視並びに安全確認を十分にしないまま右折した」などと対応させる。義務と違反の対象がずれると,審判対象も防御対象も曖昧になりやすい。
(2) 事故の物語と訴因とを区別すること
実況見分調書,供述調書及び捜査報告書には,事故の背景から事故後の状況まで多数の事実が現れる。しかし,起訴状は事故記録の要約ではない。死傷結果を回避するために必要であった具体的行為を選び,その行為をしなかったことを中核的過失として記載する文書である。
飲酒,疲労,脇見,制限速度違反,合図不履行等が認められても,それぞれが本件の結果と因果的に結び付くとは限らない。事故の原因となった過失,注意義務を理解するために必要な事実及び独立の罪となる事実を分けて検討する必要がある。
2 本稿の前提
(1) 一般的な検討枠組みであること
本稿は,過失運転致死傷罪の訴因を検討するための一般的な枠組みを示すものであり,個別事件の結論を示すものではない。実際の起訴状の記載は,事故態様,証拠構造,予想される争点及び防御上の不利益を個別に検討して決める必要がある。
(2) 法令の基準日
法令は,2026年7月14日現在のe-Gov法令検索の現行条文を基準とする。法改正の施行日前後にまたがる事件では,行為時法及び経過措置を別途確認する必要がある。
第2 法的枠組み
1 過失運転致死傷罪の構成
(1) 自動車運転処罰法5条
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条は,自動車の運転上必要な注意を怠り,それによって人を死傷させた者を,7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する旨を定める。また,傷害が軽い場合には,情状により刑を免除できる旨のただし書がある。
起訴状では,少なくとも,運転行為,具体的注意義務,その義務の違反,死傷結果及び因果関係が読み取れる必要がある。過失の記載は,構成要件の語を繰り返すだけでなく,事故時に実行できた具体的行為へ変換しなければならない。
(2) 結果回避可能性と因果関係
具体的注意義務は,結果を回避するために実行可能な行為であることを要する。例えば,前方を注視しても危険を認識できたのが衝突回避限界を過ぎた後であれば,前方注視義務違反と結果との結び付きは認めにくい。反対に,適切な注視により回避限界より前に対象を発見でき,その時点で制動又は進路変更をすれば結果を回避できたのであれば,注意義務と結果との因果的な接続を説明しやすい。
したがって,起訴状の文案を考える前に,発見可能地点,反応に必要な時間,制動開始地点,空走距離,制動距離,衝突地点及び回避限界を時系列で検討する必要がある。ただし,これらの数値を起訴状にどこまで記載するかは,訴因特定及び防御上の必要性に応じて判断する。
広島高裁令和3年9月16日判決・令和2年(う)第145号は,歩道手前での一時停止及び安全確認を本位的訴因の注意義務とした事案について,その地点では左方から来る自転車を視認できず,当該措置が事故回避に有効でなかったとして,本位的訴因に基づく過失責任を否定した。その上で,控訴審で追加された予備的訴因に基づき過失責任を認めた。注意義務は,履行すれば偶然に衝突時刻がずれるというだけでなく,問題となる危険を認識し,又は回避するために有効な措置として設定する必要がある。
2 刑事訴訟法256条3項による訴因の特定
(1) 審判対象を画定する機能
刑事訴訟法256条3項は,公訴事実を訴因を明示して記載し,できる限り日時,場所及び方法により罪となるべき事実を特定することを求める。過失犯では,「方法」に当たる部分として,注意義務の内容及びその違反行為を特定することが中心となる。
裁判所が審理し判断する中核は,事故一般ではなく,起訴状で示された具体的過失である。起訴側は,立証予定の事故原因と訴因の過失とが一致しているかを確認し,弁護側は,証拠によって主張されている過失が起訴状の範囲内にあるかを確認する必要がある。
(2) 防御対象を告知する機能
訴因には,被告人に防御対象を知らせる機能もある。「安全運転義務を怠った」とだけ記載されても,視認可能性を争うのか,速度を争うのか,右左折時の安全確認を争うのかが分からない。少なくとも,誰又は何を対象とし,どの方向を,どの時点で確認し,どの措置を講ずべきであったかが理解できる程度に記載する必要がある。
もっとも,注意義務の存在を裏付ける全ての証拠的事実を起訴状に盛り込む必要はない。起訴状の役割は,証拠の先取りではなく,審判対象及び防御対象の特定にある。
3 中核的過失とその基礎事実との区別
(1) 最高裁昭和63年10月24日決定
最高裁昭和63年10月24日第一小法廷決定・昭和62年(あ)第1051号・刑集42巻8号1079頁は,自動車運転者に速度調節義務を課す根拠となる路面状況の具体的事実が,訴因変更手続を経て公訴事実から撤回された事案を扱った。最高裁は,当該事案の防御状況を踏まえ,その具体的事実を認定しても違法ではないとした。
この決定から,注意義務の中核と,その義務を裏付ける証拠的又は背景的事実とを同一視すべきでないことが分かる。ただし,どの事実が訴因の中核であるかは,記載の仕方,争点及び防御への影響により異なり得るため,本決定を根拠に注意義務発生事実を一律に省略できると理解するのは相当でない。
(2) 記載範囲を決める実務上の基準
記載範囲は,次の3段階に分けると整理しやすい。
| 区分 | 内容 | 起訴状での扱い |
|---|---|---|
| 中核的過失 | 注意義務の内容及びこれに対応する義務違反 | 原則として明示する |
| 重要な注意義務発生事実 | 交差点形状,見通し,対象物の位置,交通状況等 | 義務を理解し,防御するために必要な範囲で記載する |
| 証拠的又は背景的事実 | 実況見分の細部,個々の供述,写真の撮影条件等 | 原則として証拠及び冒頭陳述で示す |
第3 過失の記載を組み立てる手順
1 結果から事故機序を逆算する
(1) 衝突までの時系列を固定すること
最初に検討すべき事項は,「どの注意義務を書きたいか」ではなく,「どの時点で何をすれば結果を回避できたか」である。事故発生から逆算し,次の順序で時系列を固定する。
- 衝突地点及び衝突態様を確定する。
- 被告人車両及び相手方の進路を確定する。
- 衝突直前の速度,制動,操舵及び加速の状況を確定する。
- 危険を現実に認識した地点と,適切に注視すれば認識できた地点とを分ける。
- 結果を回避できた最終地点又は最終時点を検討する。
この作業により,前方注視,速度調節,一時停止,右左折時の安全確認又は適切な制動操作のうち,どの義務違反が結果に結び付いたのかを選別できる。
(2) 最後の有効な回避措置を特定すること
結果回避措置は,抽象的な「安全運転」ではなく,事故時に実行できた行為として特定する。具体例は,次のとおりである。
- 対向直進車の通過を待って右折を開始する。
- 横断歩道手前で減速し,必要に応じて停止する。
- 見通しの悪い交差道路の安全を確認できる速度まで減速する。
- 危険を認識した時点で直ちに制動する。
- アクセルペダルから足を離し,ブレーキペダルを踏み込む。
複数の回避措置が考えられる場合には,証拠上最も確実で,結果との因果関係を説明しやすいものを中核に据える。相互に両立しない過失を一つの文章に混在させると,何を立証する訴因なのかが不明確になり得る。
2 注意義務発生事実を選別する
(1) 注意義務を導く事実
注意義務発生事実として検討すべき典型例は,次のとおりである。
- 道路の幅員,勾配,曲線,交差点形状及び見通し
- 信号,標識,標示及び優先関係
- 昼夜,天候,照明及び路面状態
- 歩行者,自転車,対向車及び先行車の位置並びに動静
- 被告人車両の速度,車線及び進行方向
- 車両の死角,積載状況,制動性能及び運転支援機能の作動状態
このうち起訴状に記載するのは,選択した注意義務を理解するために意味を持つ事実である。例えば,前方注視義務違反を問う場合,対象物の存在及び視認可能性に関係する照明や遮蔽物は重要であるが,事故原因と無関係な道路幅員まで詳細に書く必要は通常ない。
(2) 背景事情を盛り込み過ぎないこと
起訴状に事実を多く書けば,訴因が明確になるとは限らない。むしろ,証明が不安定な背景事情を記載すると,その事実が注意義務の前提なのか,単なる証拠的事実なのかが争点となり,訴因変更の要否や防御上の不利益をめぐる問題が増える。
記載の要否は,「その事実を削除しても,どの危険に対し,何をすべきであり,何をしなかったのかが理解できるか」という問いで判断するとよい。削除しても中核的過失が明確であれば,証拠又は冒頭陳述で示すことを検討する。
3 注意義務と義務違反とを鏡像にする
(1) 注意義務の記載
注意義務は,対象,方向,時点及び措置を用いて具体化する。
対向直進車両の有無及び動静を注視し,その通過を待つなどして,右折先の安全を確認した上で右折進行すべき自動車運転上の注意義務
「事故を起こさないよう安全に運転すべき義務」又は「前方をよく見るべき義務」だけでは,防止対象及び実行すべき措置が十分に示されない。
(2) 義務違反の記載
義務違反は,注意義務で挙げた行為をしなかったこととして記載する。
対向直進車両の有無及び動静の注視並びに安全確認を十分にしないまま,漫然と右折進行した過失
この場合の「漫然」は補助的な評価語にとどまる。中核は,「対向直進車両の有無及び動静を十分に注視せず,安全を確認しなかった」という具体的な義務違反である。
4 因果経過と死傷結果を接続する
(1) 因果経過の可視化
義務違反の後には,衝突までの経過を簡潔に示す。例えば,発見の遅れ,制動開始の遅れ,回避限界の通過,衝突という順序である。単に「その過失により衝突した」と記載するだけで足りる事案もあるが,介在事情がある場合には,因果経過を示した方が訴因及び立証方針が明確になる。
被害者又は第三者の行動,別車両との先行衝突,衝突後の転倒等が死傷結果に影響する場合には,その介在事情を記載しなければ結果との結び付きが理解できないことがある。ただし,因果関係の法的評価に不要な細部まで記載する必要はない。
(2) 傷害結果の記載
傷害結果は,診断名だけでなく,起訴時までに確認できる治療経過を踏まえて記載する。初診時の診断書に記載された見込みが,実際の治療期間又は後遺障害と一致しないこともあるため,診療録,画像,手術記録,退院時要約及び追加診断書を確認する。
死亡結果では,死亡日時,死亡場所及び死因を原資料で照合する。衝突から死亡までに治療行為,基礎疾患その他の事情が介在する場合には,死因及び因果関係に関する医学的証拠を踏まえて記載する。
第4 12項目の確認表と標準的な記載骨格
1 12項目の確認表
(1) 主体及び運転状況
| 番号 | 項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 1 | 主体 | 被告人の特定 |
| 2 | 日時 | 年月日,時刻及び必要な幅 |
| 3 | 運転行為 | 自動車を運転していたこと |
| 4 | 車両 | 車種及び必要に応じた登録番号等 |
| 5 | 場所 | 道路,交差点,番地先等の特定 |
| 6 | 進行状況 | 方向,車線,速度及び右左折等 |
(2) 過失及び結果
| 番号 | 項目 | 確認内容 |
|---|---|---|
| 7 | 注意義務発生事実 | 道路状況,見通し,対象物及び交通状況 |
| 8 | 具体的注意義務 | 注視,確認,減速,停止,制動又は操舵等 |
| 9 | 義務違反 | 注意義務と対応する具体的な不作為 |
| 10 | 因果経過 | 発見の遅れ,回避限界の通過又は制動の遅れ等 |
| 11 | 衝突 | 双方の部位及び衝突態様 |
| 12 | 結果 | 死亡又は傷害の内容及び因果関係 |
2 標準的な記載骨格
(1) 汎用骨格
被告人は,令和○年○月○日午前又は午後○時○分頃,普通乗用自動車を運転し,○県○市○町○番地先道路を○方面から○方面に向かい時速約○キロメートルで進行するに当たり,〔注意義務発生事実〕であったから,〔対象を特定した注視,確認,減速,停止,制動又は操舵等の具体的措置〕をして進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,〔注意義務と表裏をなす具体的義務違反〕のまま〔速度及び進行態様〕で進行した過失により,〔発見の遅れその他の因果経過〕,同車〔部位〕を〔被害者又は被害車両の部位〕に衝突させ,よって,同人に〔傷害内容〕を負わせ,又は同人を〔死亡日時,場所及び死因〕により死亡させた。
これは完成文ではなく,検討項目を漏らさないための骨格である。事故類型及び証拠に応じ,不要な部分を削り,必要な注意義務発生事実及び因果経過を具体化する。
(2) 場所及び運転区間の表現
衝突地点を示す場合は「○番地先道路」とし,一定区間の運転状況を示す場合は「○番地付近道路」とするなど,地点と区間とを区別すると分かりやすい。交差点名称,キロポスト,車線又は進行方向を併記する必要があるかは,事故場所の一義的特定及び防御の必要性により決める。
3 文章上の統制
(1) 長文を論理単位で点検すること
公訴事実は一文で記載されることが多いが,検討時には,運転状況,注意義務発生事実,注意義務,義務違反,因果経過,衝突及び結果の各単位に分解して点検する。各単位を色分けし,削除した場合に論理の接続が失われないかを確認する方法も有用である。
(2) 用語を統一すること
「対向車」,「相手車両」及び「被害車両」を混在させず,同一対象には同一の表現を用いる。地点も,「交差点入口」,「横断歩道手前」及び「衝突地点」を区別する。速度は,事故直前速度,危険認識時速度及び衝突時速度を混同しない。
第5 事故類型別の記載例
以下の記載例は,具体的事件へ機械的に転用するものではない。括弧内の事実を証拠で確定し,結果回避可能性及び因果関係に応じて修正する必要がある。
1 前方注視義務違反
(1) 基本例
進路前方を注視し,歩行者等の有無及び動静を確認して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,進路前方を十分に注視しないまま進行した過失により,同所を進行中の被害者を前方至近距離に至って初めて認め,制動の措置を講じたが間に合わず,同車前部を同人に衝突させた。
「前方不注視」とだけ書かず,注視対象が歩行者,先行車,停止車両又は落下物のいずれであるかを特定する。衝突態様に応じ,制動だけでなく操舵又は停止保持が回避措置となる場合もある。
(2) 発見可能性が争われる場合
夜間,逆光,雨天,遮蔽物又は対象物の姿勢が問題となる場合には,「前方を注視すれば発見できた」という前提自体を立証する必要がある。起訴状に視認可能距離等を記載するかは争点の特定に必要かで判断するが,立証計画では,発見可能地点が回避限界より前にあることを確認しなければならない。
2 右折時の安全確認義務違反
(1) 対向直進車との衝突
対向直進車両の有無及び動静を注視し,その通過を待つなどして,右折先の安全を確認した上で右折進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,対向直進車両の有無及び動静の注視並びに安全確認を十分にしないまま右折進行した過失により,対向進行してきた被害車両に自車を衝突させた。
右折合図,交差点中心直近の通行及び徐行は,道路交通法上の論点となり得る。しかし,対向車との衝突原因が安全確認不足である場合には,これらを全て中核的過失へ取り込む必要はない。
(2) 横断歩行者又は自転車との衝突
右折先の横断歩道及びその周辺を注視し,横断する歩行者又は自転車の有無及び動静を確認して,その安全を確かめながら右折進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,右折先の安全確認を十分にしないまま進行した過失により,横断中の被害者に自車を衝突させた。
対向車への注視と右折先への注視とは対象が異なる。どちらが事故回避に必要であったかを明確にし,必要な場合に限り併合して記載する。
3 見通しの悪い交差点及び速度調節義務違反
(1) 交差道路の安全確認
左右の見通しが困難な交差点であり,交差道路から車両等が進入する可能性があったから,交差道路左右の安全を確認し,必要に応じて停止できるよう減速して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,交差道路の安全確認を十分にせず,かつ,減速しないまま進行した過失により,交差道路から進入した被害車両に自車を衝突させた。
安全確認と減速の双方を過失とする場合には,それぞれが結果回避にどう寄与したかを検討する。見通しが得られる地点まで徐行すれば足りたのか,一時停止が必要であったのかを証拠に即して定める。
(2) 安全に停止できる速度
進路前方の見通しが制限されていたのであるから,前方に車両等を認めた場合に直ちに停止できる速度まで減速して進行すべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,時速約○キロメートルのまま進行した過失により,前方の被害車両を認めて制動したが間に合わず,同車に自車を衝突させた。
速度超過を記載するだけでは,結果回避義務の内容が明らかにならないことがある。制限速度との比較だけでなく,見通し,停止可能距離及び危険発生の予測可能性から,どの程度まで減速すべきであったかを検討する。
4 操作誤り及び運転支援装置使用中の事故
(1) ペダル等の操作誤り
車両を発進させるに当たり,アクセルペダル及びブレーキペダルの位置を確認し,車両の動静に応じて適切に制動操作をすべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,ブレーキペダルと誤ってアクセルペダルを踏み込み,その後も適切な制動操作をしないまま車両を進行させた過失により,前方の被害者に自車を衝突させた。
操作誤りの原因と,誤りを認識した後の対応とを分ける。最初の踏み間違いを過失とするのか,車両の急加速後に制動へ切り替えなかったことを過失とするのかにより,必要な証拠及び防御対象が異なる。
(2) 運転支援装置使用中の監視及び介入
運転支援装置を作動させて同車を運転中,同装置の使用条件及び機能上,運転者が常時進路前方左右を監視し,危険を認めた場合には直ちに制動又は操舵の操作を行う必要があったから,進路前方左右を注視し,必要に応じて直ちに自ら運転操作を行うべき自動車運転上の注意義務があるのにこれを怠り,進路前方左右を十分に注視せず,かつ,必要な制動又は操舵を行わないまま進行した過失により,〔因果経過及び結果〕。
装置の名称又は自動化レベルだけで注意義務を決めてはならない。事故時の使用条件,制御権限,警報,引継ぎ要求,運転者による認識可能性及び介入可能性を確認し,人の運転行為として問える過失を特定する。
第6 起訴状に入れる事実と入れない事実
1 因果的に必要な事実を入れる
(1) 記載すべき事実
記載すべきなのは,中核的過失を理解し,その過失から結果までの因果関係をたどるために必要な事実である。典型的には,次の事実が該当する。
- 注視又は確認の対象及び方向
- 減速,停止,制動又は操舵を開始すべき時点
- 義務違反時の速度及び進行態様
- 発見の遅れ又は制動の遅れ
- 衝突の部位及び態様
- 死傷結果に至る重要な介在事情
(2) 原則として外す事実
次の事実は,事故原因又は防御対象と直接関係しない限り,起訴状から外し,証拠又は情状で扱うことを検討する。
- 結果との因果関係が認められない交通違反
- 事故後の対応のうち,別罪又は因果関係に関係しない事実
- 捜査過程における供述の変遷
- 被告人又は被害者に対する評価的な表現
- 注意義務を導かない道路及び車両の細部
2 道路交通法違反及び捜査段階の事実との関係
(1) 交通違反と刑法上の過失とを区別すること
道路交通法違反があることと,その違反が死傷結果を生じさせた過失であることとは別の問題である。合図を出さなかったとしても,相手方が合図の有無と関係なく被告人車両の進路を認識していた場合には,合図不履行と結果との因果関係は慎重に検討すべきである。速度違反があっても,適法速度であっても回避不能であった場合には,速度違反を結果発生の過失とすることは難しい。
反対に,道路交通法上の義務が具体的事故の危険を防止する機能を持ち,違反しなければ結果を回避できた場合には,その義務違反を過失の内容として記載し得る。
(2) 送致事実から起訴状へ選別すること
捜査段階の送致事実には,右折合図,交差点中心直近の通行,徐行,安全確認等,考えられる違反が広く記載されることがある。しかし,起訴状では,証拠により立証でき,かつ,結果と因果的に結び付く中核的過失へ絞ることが望ましい。
教材記録に見られる右折事故でも,捜査段階で複数の運転行為が挙げられた一方,起訴状では,対向直進車両の有無及び動静を注視し,安全を確認して右折すべき義務と,これに対応する安全確認不足へ絞り込まれている。この差は,起訴状が事故情報の網羅ではなく,審判対象の選別を行う文書であることを示している。
3 評価語に頼らない
(1) 「漫然」の限界
「漫然と進行した」という表現は,具体的な過失内容を代替しない。「漫然」は,何を見ず,何を確認せず,何をしなかったのかを記載した後に,補助的に用いるべき表現である。
(2) 具体的行為へ置き換えること
| 抽象的表現 | 具体化の方向 |
|---|---|
| 前方不注視 | 進路前方の被害者の有無及び動静を十分に注視しなかった |
| 安全確認不足 | 対向直進車の有無及び接近状況を確認しなかった |
| 速度超過 | 前方の危険を認めた場合に停止できる速度まで減速しなかった |
| 操作を誤った | ブレーキペダルと誤ってアクセルペダルを踏み込んだ |
第7 手続の選択
1 検察官側の選択
(1) 当初訴因の絞り込み
当初訴因は,証拠上確実な事故機序を中心に構成する。複数の注意義務違反を並べる場合には,各義務違反について,予見可能性,結果回避可能性及び因果関係を個別に検討する。証拠が弱い過失を併記すると,中核的過失まで不明確に見えることがある。
(2) 予備的又は択一的な訴因
刑事訴訟法256条5項は,数個の訴因及び罰条を予備的又は択一的に記載できると定める。事故機序について相互に両立しない合理的可能性があり,いずれも同一の公訴事実の範囲内で審理する必要がある場合には,予備的又は択一的な構成を検討する。
ただし,単に証拠評価が困難であるという理由で,多数の過失を網羅的に並べるべきではない。各訴因について,被告人が防御できる程度の特定と,独立した立証計画が必要である。
(3) 訴因変更の時機
刑事訴訟法312条1項は,公訴事実の同一性を害しない限度で,検察官の請求により訴因又は罰条の追加,撤回又は変更を許すものとする。同条2項は,審理の経過に照らして相当な場合に,裁判所が訴因又は罰条の追加又は変更を命じ得る旨を定める。
証拠調べにより,危険の認識時点,衝突態様又は有効な回避措置が当初の想定と異なることが明らかになった場合には,その相違が中核的過失を変更するものかを速やかに検討する。変更が必要であれば,防御準備の期間を確保できる時期に請求することが望ましい。
2 弁護人側の選択
(1) 求釈明の対象
起訴状から防御対象が読み取れない場合には,次の事項について釈明を求めることを検討する。
- 注視又は確認の対象
- 注意義務が発生した地点又は時点
- 求められた減速,停止,制動又は操舵の内容
- 危険を発見できたとされる地点
- 結果を回避できたとされる最終地点又は最終時点
- 複数の義務違反が併合的,選択的又は予備的のいずれで主張されているか
(2) 訴因変更の要否を争う視点
冒頭陳述又は論告が,起訴状と異なる対象,時点又は回避措置を過失としている場合には,それが証拠的事実の補充にとどまるか,中核的過失の変更に当たるかを検討する。例えば,前方注視の開始時点が争点となっている事件で,起訴状より相当前の時点から減速すべきであったとの主張へ移行する場合には,防御対象が実質的に変わる可能性がある。
反対に,注意義務の中核が同じで,その根拠となる路面状況又は視認条件を証拠で具体化したにすぎない場合には,直ちに訴因変更が必要とは限らない。前記最高裁昭和63年10月24日決定も,具体的事案の防御状況を重視している。
(3) 防御上の不利益を具体化すること
訴因変更又は釈明の問題を主張する際には,「不意打ちである」と述べるだけでなく,どの証人への反対尋問,どの再現実験,どの専門家意見又はどの客観記録の検討が新たに必要となるかを示す。防御上の不利益を具体化することにより,審理計画の変更,証拠調べの追加又は準備期間の付与を求める理由が明確になる。
刑事訴訟法312条7項は,訴因又は罰条の追加又は変更により被告人の防御に実質的な不利益を生ずるおそれがあるときは,被告人又は弁護人の請求により,十分な防御準備に必要な期間,公判手続を停止しなければならないと定める。したがって,準備期間を求める場合は,新たに必要となる証拠検討又は反対尋問事項と,そのために必要な期間を具体的に示す。
3 被害者側からの意見提出
(1) 法的評価と証拠情報を分けること
被害者側から捜査機関へ意見を提出する場合には,処罰感情の表明と,事故原因に関する証拠情報とを分ける。過失の内容については,誰又は何を確認すべきであったか,どの措置で結果を回避できたか,その根拠となる記録は何かを整理する。
(2) 因果的に重要な資料を示すこと
ドライブレコーダー,防犯カメラ,車載記録,通話記録,現場写真及び診療記録等がある場合には,資料の存在,保管者,保存期間及び取得可能性を早期に示すことが有用である。個人情報及び第三者の権利に配慮し,適法な方法で保全及び提出を行う。
第8 立証計画と想定反論への備え
1 訴因と証拠との対応表
(1) 客観証拠を先に配置すること
| 立証事項 | 主な客観証拠 | 想定される反論 | 訴因への反映 |
|---|---|---|---|
| 進路及び衝突地点 | 実況見分,痕跡,映像,車両損傷 | 衝突地点又は進路が異なる | 場所及び衝突態様を必要な範囲で特定 |
| 速度 | 映像解析,EDR,走行記録,痕跡 | 解析条件又は誤差が不適切 | 必要な場合に約数又は速度帯で記載 |
| 発見可能性 | 見通し実験,照明測定,映像,写真 | 人の見え方を再現していない | 注視対象及び発見時点を慎重に特定 |
| 回避可能性 | 制動性能,空走及び制動の解析,実験 | 反応時間又は路面条件が異なる | 実行可能な回避措置のみを記載 |
| 傷害又は死亡 | 診療録,画像,鑑定,死亡診断書等 | 既往症又は介在原因がある | 医学的因果経過に沿って結果を記載 |
(2) 実験条件を固定すること
見通し実験及び走行実験では,次の条件を事故時と照合する。
- 日時,照度,天候及び路面状態
- 車種,座席位置,観察者の視点及びフロントガラスの状態
- 前照灯の種類,照射方向及び点灯状態
- 対象物の位置,姿勢,服装,反射及び背景との明暗差
- 対向車等の灯火及び遮蔽物
- 静止観察か走行観察か,観察時間及び暗順応の状況
- 撮影機器の露出,感度及び画像補正
カメラに写ることと,人が走行中に認識できることとは同じではない。実験の目的が,存在の確認,視認可能性の確認又は認識可能時点の測定のいずれであるかを明確にする。
2 札幌地裁令和6年6月5日判決から得られる示唆
(1) 判決の内容
札幌地裁令和6年6月5日判決・令和5年(わ)第732号は,深夜の道路上に横臥していた被害者との事故について,捜査機関の見通し実験の問題点等を検討し,前方注視義務を尽くしても,回避可能な地点より前に被害者を発見できなかった可能性を否定できないとして,過失運転致死の点を無罪とした。裁判所ウェブサイトの詳細画面には,判例集等の巻号頁の表示はない。
同判決は個別事案の証拠評価を示すものであり,夜間事故一般について結論を示すものではない。しかし,前方注視義務違反の成否を検討する際に,視認可能性と回避可能性とを連続した時系列で立証する必要があることを明確に示す事例である。
(2) 前方注視義務の立証への示唆
前方注視義務違反を立証するには,対象物が「見えたはずである」とするだけでは足りない。少なくとも,次の連鎖を証拠で確認する必要がある。
- 適切な注視をしていれば,対象物を危険として認識できた。
- 認識時点は,衝突回避限界より前であった。
- その時点で実行可能な制動又は操舵があった。
- 当該措置を講じれば,衝突又は死傷結果を回避し,又は法的に意味のある程度に軽減できた。
この連鎖の一部に合理的な疑いが残る場合には,注意義務,義務違反又は因果関係のいずれに影響するかを明確にする。
3 典型的な反論への備え
(1) 発見不能又は回避不能との反論
発見不能との反論には,視認可能性だけでなく,対象物を危険として認識できる情報があったかを検討する。回避不能との反論には,危険認識時点,反応に要する時間,制動性能,路面条件及び操舵余地を検討する。検察側は,不利な条件を含む合理的な幅で回避可能性を示し,弁護側は,実験条件,測定誤差及び代替シナリオを具体化する。
(2) 被害者等の予想外の行動との反論
被害者又は第三者の行動が通常と異なる場合でも,それだけで過失又は因果関係が否定されるわけではない。注意義務の対象となる危険の範囲,予見可能性,危険が現実化した時点及びその後の回避可能性を分けて検討する。
起訴状では,その行動が注意義務発生事実又は因果経過として不可欠な場合に限り,品位ある中立的な表現で記載する。被害者に責任を転嫁するように読まれる評価語は用いない。
(3) 因果関係又は機器不具合に関する反論
別車両の衝突,治療経過又は基礎疾患が介在する場合には,義務違反から最終結果までの因果経過を分節する。どの結果までが被告人の過失に帰属するかを,工学的及び医学的証拠により検討する。
車両又は運転支援装置の不具合が主張される場合には,故障コード,点検記録,整備履歴,リコール情報,事故後の車両状態及び電子記録を確認する。不具合の存在だけで人の過失が否定されるわけではなく,認識可能性,介入可能性及び結果回避可能性が問題となる。
第9 運転支援・自動運行機能が関係する場合
1 行為主体と制御主体を時系列で分ける
(1) 運転者の過失を問う場合
運転支援機能の使用中であっても,人が自動車運転処罰法5条の運転者として監視及び介入を求められる状況であれば,事故時に何を認識でき,何を操作できたかを特定する。装置への依存を抽象的に非難するのではなく,使用条件,警報,制御状態及び介入可能時間に即して注意義務を記載する。
(2) 運転者以外の過失を検討する場合
事故時に人が道路交通法上の運転者であった場合と,同法上の特定自動運行として運転者がいない状態で走行していた場合とを,まず区別する。レベル3の自動運行装置使用中は,同法71条の4の2を踏まえ,運転者が使用条件外となったことを直ちに認知し,確実に操作できる状態を維持していたかを検討する。特定自動運行,設計,保守,運行管理等の過失が問題となる場合には,自動車運転処罰法5条の運転者の過失と,刑法211条の業務上過失致死傷罪等の可能性とを区別する。開発担当者,特定自動運行実施者,特定自動運行主任者,運行管理者,保守担当者等の役割を一括せず,具体的な作為義務,権限,危険の認識可能性及び結果回避可能性を主体ごとに検討する。
2 電子記録を訴因の言葉へ変換する
(1) 保全すべき記録
事故時の機能及び制御主体を確認するため,次の記録を早期に保全する。
- EDR(事故情報計測・記録装置),道路交通法63条の2の2にいう作動状態記録装置の記録(DSSAD等)その他の車載作動記録
- 車載カメラ,周辺監視センサー及び通信記録
- 警報,引継ぎ要求及び運転者操作の時刻記録
- ソフトウェアの版,設定及び使用条件
- 整備,更新,点検及び故障の記録
- 道路地図,規制,天候及び通信環境の記録
上書き,遠隔更新又は車両修理により消失する可能性があるため,保存主体及び保存期間を確認する。
(2) 記載上の注意
起訴状には,ログの項目名を羅列するのではなく,その記録から認定する人の行為を記載する。例えば,「引継ぎ要求に応じなかった」だけでなく,要求を認識できた時点,安全に運転操作を引き継げた時間及び講ずべき制動又は操舵を具体化する。
装置の説明は,注意義務を理解するために必要な範囲にとどめる。単なる運転支援であることに争いがなく,通常の前方注視義務だけで訴因を特定できる場合には,技術説明を過度に書かない。
第10 最終確認表
1 訴因特定の確認
(1) 過不足の確認
- 被告人,日時,場所,車両,方向,速度及び運転操作が特定されているか。
- 衝突地点と一定区間の運転状況とを区別しているか。
- 注視,確認又は操作の対象が特定されているか。
- 注意義務発生事実が,義務の内容を理解するのに足りるか。
- 証拠的事実又は情状事実を盛り込み過ぎていないか。
(2) 鏡像関係の確認
- 注意義務と義務違反の対象,方向,時点及び措置が対応しているか。
- 「漫然」,「不注意」又は「安全運転義務」だけで過失を表現していないか。
- 複数の過失を併合する場合,各過失が結果と因果的に結び付くか。
- 義務違反から衝突及び死傷結果までの経過を理解できるか。
2 立証及び手続の確認
(1) 回避可能性の確認
- 適切な注視又は確認により,回避限界より前に危険を認識できたか。
- 義務として掲げた減速,停止,制動又は操舵を実行できたか。
- その措置により,死傷結果を回避し,又は法的に意味のある程度に軽減できたか。
- 見通し実験及び走行実験の条件が事故時と対応しているか。
- 不利な客観証拠及び代替的な事故機序を検討したか。
(2) 訴因変更等の確認
- 冒頭陳述,立証及び論告の過失が,起訴状の過失と一致しているか。
- 不明確な対象,時点又は回避措置について求釈明が必要か。
- 中核的過失が変わった場合,訴因変更が必要か。
- 変更により必要となる反対尋問,実験,鑑定又は証拠収集を特定したか。
- 予備的又は択一的な訴因の方が,争点を明確にできるか。
3 まとめ
(1) 良い起訴状の基準
良い起訴状は,長い起訴状ではない。被告人が何について防御すべきか,裁判所がどの注意義務違反を判断すべきか,検察官がどの因果経過を立証すべきかが,一読して分かる起訴状である。
そのためには,事故の原因を具体的に特定し,その原因を除去して結果を回避するために実行できた行為を注意義務として示し,その行為をしなかったことを義務違反として鏡像的に記載する。そして,義務違反から衝突及び死傷結果までを簡潔に接続する必要がある。
(2) 慎重な表現の必要性
交通事故では,被害を受けた方及びその関係者の生活に重大な影響が生じる一方,被告人の刑事責任は厳格な証明に基づいて判断される。事故結果の重大性と過失の立証とを混同せず,関係者の尊厳に配慮した中立的な表現を用いる必要がある。
裁判例は,個別の証拠関係に対する判断である。少数の事例から裁判所の一般的傾向を断定せず,それぞれの判示が前提とした訴因,争点及び証拠を確認した上で用いることが重要である。
第11 出典
1 法令
- 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条(e-Gov法令検索)
- 刑事訴訟法256条3項及び5項並びに312条1項,2項及び7項(e-Gov法令検索)
- 道路交通法63条の2の2,71条の4の2及び75条の12以下(e-Gov法令検索)
- 刑法211条(e-Gov法令検索)
2 裁判例
- 最高裁昭和63年10月24日第一小法廷決定・昭和62年(あ)第1051号・業務上過失傷害・刑集42巻8号1079頁
- 広島高裁令和3年9月16日判決・令和2年(う)第145号・過失運転致傷被告事件・判例集等巻号頁の表示なし
- 札幌地裁令和6年6月5日判決・令和5年(わ)第732号・過失運転致死,道路交通法違反被告事件・判例集等巻号頁の表示なし
3 文献
- 『基礎から分かる交通事故捜査と過失の認定(二訂版)』東京法令出版,21頁ないし28頁及び163頁ないし164頁
- 『新・交通事故捜査の基礎と要点 付・交通事故犯罪事実要点記載例』東京法令出版,254頁ないし262頁
- 法曹会『事件記録教材(第9号 自動車運転過失致死被疑事件)』
- 宮田正之編著『すぐに役立つ・わかりやすい交通事件犯罪事実情状意見記載例集』立花書房,2012年
- 髙森高德原著・宮友一著『新 刑法犯・特別法犯 犯罪事実記載要領〔改訂第6版〕』立花書房,2024年,326頁以下
- 三好一幸『刑事公判の理論と実務〔第2版〕』司法協会,2019年,171頁
- 警察庁「自動運転」
- 国土交通省「自動運転車の安全確保に関するガイドライン」