◯本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
◯「裁判官の号別在職状況」及び「裁判官の年収及び退職手当(推定計算)」も参照してください。
目次
第1 はじめに
1 本稿の趣旨
(1) 「裁判官の号俸別在職状況」の真の意味
(2) AI最高裁事務総局としての説明責任
2 分析対象資料の概要
(1) 平成14年から令和7年に至るデータ
(2) 事務総局と財務省主計局の対立的視座
第2 総論分析:データで読み解く司法の構造的変容
1 人員総数の推移と「微増」の欺瞞
(1) 平成14年から令和7年に至る総体的な変化
(2) 「司法改革」の夢と現実の乖離
2 職層構造の逆ピラミッド化と変質
(1) 判事(正規裁判官)の激増
(2) 判事補(若手)の減少とその含意
第3 各論分析1:「出世の階段」の崩壊と上位層のポスト削減
1 「判事1号・2号」の激減が示す残酷な現実
(1) 判事1号(地裁所長級)の34%削減
(2) 判事2号の20%削減と「指定席」の消失
2 人事局の隠された意図と「美しい新陳代謝」
(1) 判事3号以上の不足と50代判事への冷徹な視線
(2) 「名誉ある早期退職」というWin-Winの提案
第4 各論分析2:「判事4号」の異常膨張とキャリアの滞留
1 「魔の判事4号」とは何か
(1) 164人から659人への4倍増
(2) 中堅層のモチベーション低下の温床
2 昇給停止と「大渋滞ゾーン」の形成
(1) 3号への壁とキャリアパスの断絶
(2) 現場の疲弊と将来不安
第5 各論分析3:判事補及び簡易裁判所判事の動向
1 判事補減少に見る人材確保の失敗
(1) 採用難と早期退職の連鎖
(2) 合議体維持の危機
2 簡易裁判所判事の減少と司法サービスの縮小
(1) 特任判事枠の縮小傾向
(2) 国民に近い司法の衰退
第6 【特別寄稿】AI財務省主計局長の冷徹な視線と本音
1 総論:組織の肥大化と高コスト体質への警鐘
(1) 「総数は微増」という欺瞞に対する憤り
(2) 人員構成の歪みに対する財政当局の懸念
2 人件費単価の上昇と費用対効果の欠如
(1) 「指定職」乱発という異常事態
(2) 事件数減少と人員増の矛盾
3 採用難と将来の財政負担リスク
(1) 若手不足を高コストなベテランで埋める愚策
(2) IT化投資と定員削減のバーター要求
4 最高裁事務総局への最後通告
(1) 聖域なき査定の断行
(2) 具体的な要求事項
第7 むすび
裁判官・検察官の給与月額表(令和7年4月24日現在)を添付しています。 pic.twitter.com/z2A5VDFCdY
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) October 2, 2025
第1 はじめに
1 本稿の趣旨
(1) 「裁判官の号俸別在職状況」の真の意味
かつて最高裁判所が「裁判官の独立や士気に無用の影響を与える」として国会に対してすら開示を頑なに拒んできた「裁判官の号別在職状況」。
この時系列データの数字は,かつて「司法制度改革」の旗印の下で描かれた理想が,現実の予算制約とポスト不足という壁に衝突し,いかにして歪な組織構造へと変貌を遂げたかを示す「事件現場」の記録である。
(2) AI最高裁事務総局としての説明
私,AI最高裁事務総長は,AI人事局長及びAI経理局長と共に,長らくこの不都合な真実を覆い隠してきたが,令和7年現在,その歪みはもはや隠蔽不可能なレベルに達している。
本稿では,公式見解という建前を捨て,データが示す冷酷な現実を,現場の裁判官及び国民に対して包み隠さず説明するものである。
2 分析対象資料の概要
(1) 平成14年から令和7年に至るデータ
今回分析するのは,司法制度改革審議会意見書(平成13年6月12日付)が公表され,司法制度改革の熱気が渦巻いていた平成14年7月1日現在のデータと,その後の経過,そして最新の令和7年7月1日現在のデータである。
平成14年7月当時,簡易裁判所判事を含む裁判官の総員は2,878人であった 。これに対し,令和7年7月時点では3,354人となっている。一見すると順調な増員に見えるが,その中身は「人員構成の歪み」という形で劇的に変質している。
(2) AI事務総局とAI財務省主計局の対立的視座
本稿では,裁判所内部の視点(AI事務総局)だけでなく,予算を握る「AI財務省主計局」からの冷徹な指摘も併記する。
彼らは,「裁判の質」などという定性的な言い訳には耳を貸さず,あくまで「単価」と「総額」の観点から,現在の裁判所組織がいかに非効率な「高コスト老人ホーム」化しているかを糾弾してくるであろう。
第2 総論分析:データで読み解く司法の構造的変容
1 人員総数の推移と「微増」の欺瞞
(1) 平成14年から令和7年に至る総体的な変化
まず,マクロな視点から組織全体の規模を確認する。
資料によれば,平成14年7月時点での裁判官合計人数は2,878人であった。これに対し,最新の令和7年7月時点では3,354人となっている 。
単純計算で476人,率にして約16.5%の増加である。
この数字だけを見れば,「司法改革によって法曹人口が増え,裁判所の体制も強化された」という,表面的な総括が可能かもしれない。しかし,詳細な内訳に目を凝らすと,その楽観論は瞬時に崩れ去る。
(2) 「司法改革」の夢と現実の乖離
平成10年代初頭,「法曹人口3,000人計画」など,司法の人的基盤を抜本的に拡充しようという機運が高まった。その目的は,裁判の迅速化と,より利用しやすい司法の実現であったはずである。
しかし,データが示すのは,平成28年12月の3,548人をピークに,その後は減少トレンドに入りつつあるという現実である 。
AI最高裁人事局長としての私の「本音」を言えば,もはや「増員」を旗印に予算を獲得できる時代は終わった。これからは,いかにして「減りゆくパイ」の中で組織を維持し,新陳代謝を促すかという,撤退戦の様相を呈しているのである。
2 職層構造の逆ピラミッド化と変質
(1) 判事(正規裁判官)の激増
最も衝撃的なのは,「判事」の人員数の変化である。
平成14年には1,401人であった判事は,令和7年には2,083人へと激増している。増加率は約48%に達する。
これは,組織の中核を担うベテラン・中堅層が1.5倍に膨れ上がったことを意味する。本来,組織論的には喜ばしいことのように思えるが,後述するように,ポスト不足という深刻な副作用をもたらしている。
(2) 判事補(若手)の減少とその含意
一方で,将来の司法を担う「判事補」の数はどうなっているか。
平成14年には714人であったが,令和7年には643人へと減少している。
組織のボリュームゾーンである判事が5割近く増えているのに,その供給源である若手が1割減っているのだ。
これは,企業の年齢構成で言えば,部長・課長クラスばかりが溢れかえり,実働部隊である新入社員や若手がスカスカになっている「逆ピラミッド」状態,あるいは「頭でっかち」の構造そのものである。
AI最高裁事務総局としては,口が裂けても言えないが,これは「採用の失敗」と「若手の法曹離れ」が,回復不能なレベルまで進行していることを示唆している。
第3 各論分析1:「出世の階段」の崩壊と上位層のポスト削減
1 「判事1号・2号」の激減が示す残酷な現実
(1) 判事1号(地裁所長級)の34%削減
裁判官にとっての「あがり」,すなわちキャリアの到達目標の一つが「判事1号」である。高裁部総括や,地方裁判所の所長クラスに相当する,高給かつ名誉ある地位である。
平成14年当時,判事1号の在職人数は211人であった 。
ところが,令和7年のデータでは,これが139人にまで削減されている 。
実に72人,率にして約34%もの削減である。
判事の総数は増えているのに,平成14年には21人もいた判事特号への昇給が平成18年3月31日に廃止され,その下の判事1号については3分の1以上も削り取られたのである。
これは,判事1号への昇給競争がかつてとは比較にならないほど激化していることを意味する。
(2) 判事2号の20%削減と「指定席」の消失
それに続く「判事2号」(大規模庁の部総括判事相当)も同様である。
平成14年の223人から,令和7年には177人へと,46人(約20%)削減された 。
かつては,任官して大過なく務め上げれば,多くの裁判官が2号,あわよくば1号へと昇進し,退官を迎えることができた。それは一種の「指定席」であり,激務に耐える裁判官への黙示の報酬でもあった。
しかし,現在その「指定席」は撤去された。多くの裁判官にとって,1号・2号はもはや手の届かない「高嶺の花」となりつつある。
ここで看過できないのは,組織の頂点である「認証官(最高裁長官・判事,高裁長官)」の定数は23人で維持されている点だ 。
つまり,雲の上の「神々」の座は安泰なまま,現場の指揮官クラスである1号・2号だけが削減され,トップ層と現場との格差がかつてないほど拡大しているのである。
2 人事局の隠された意図と「美しい新陳代謝」
(1) 判事3号以上の不足と50代判事への冷徹な視線
なぜこのような事態になったのか。AI人事局長の視点から言えば,これは「総人件費抑制」と「ポスト不足」の板挟みになった結果の苦肉の策である。
判事の総数が増えたことで,全員を上位号俸に昇格させれば,人件費は爆発的に増大する。
特に50代以上のベテラン層が,管理職ポストに就けないまま組織に滞留することは,若手(40代・50期代)の判事3号以上への昇給を塞ぐことを意味する。 組織論的に言えば,彼らの処遇こそが最大のボトルネックなのである。
(2) 「名誉ある早期退職」というWin-Winの提案
そこで我々が用意したのが,徹底した「早期退職」の推奨である。
これは「邪魔だから消えてほしい」という粗暴な話ではない。市場価値の高いうちに転身を促す,極めて合理的な生存戦略である。
第一に,早期退職者には「国家公務員退職手当法5条1項6号」を適用し,自己都合による減額のない「満額の退職金」という特大のニンジンを用意している。定年までしがみつくよりも,今辞めた方が生涯年収が増える計算すら成り立つ。
第二に,公証人等の「黄金の指定席」の提供である。弁護士として競争社会に放り出されるよりも,遥かに優雅で実入りの良い「天下りポスト」を斡旋するバーター取引である。
年4回(2月,4月,8月,11月)もしつこく早期退職を募集している事実こそ,「いつでも出口は開いている。さあ,どうぞ」という,人事局からの愛のある,そして無言の圧力に他ならない。
裁判官の昇給上申について(平成19年4月17日付の最高裁人事局長の依命通達)を添付しています。https://t.co/jFt2A6lEQE pic.twitter.com/bbIegszJ45
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) February 16, 2025
第4 各論分析2:「判事4号」の異常膨張とキャリアの滞留
1 「魔の判事4号」とは何か
(1) 164人から659人への4倍増
上位ポストが削られた結果,そのしわ寄せはどこに行ったのか。
データは如実に語る。「判事4号」の異常な膨張である。
平成14年当時,判事4号は164人であった 。
それが令和7年には659人と,実に4倍以上に膨れ上がっている 。
他の号俸と比較しても,判事3号(373人),判事5号(488人)などと比べて突出して多い 。
(2) 中堅層のモチベーション低下の温床
判事4号とは,任官後20年前後の中堅・ベテラン層が滞留するゾーンである。
実務上,特段の事情がない限り判事4号までは同期一律で昇給する運用がなされている。
しかし,3号以上への昇格はポストの空き状況や能力評価等によって選別されるため,4号は「自動昇給の終着駅」としての性質を持つ。
かつては通過点に過ぎなかったこの駅が,現在は巨大な「貯水池」となっている。上位の1号・2号への出口が絞られたため,選別漏れした判事たちが4号に溢れかえっているのである。
2 昇給停止と「大渋滞ゾーン」の形成
(1) 3号への壁とキャリアパスの断絶
判事4号から3号への昇格は,いまや大きな壁となっている。
平成14年のデータでは,4号(164人)に対し3号(303人)と,3号の方が多かった 。これは,4号を早期に通過し,3号以上で長く勤務するキャリアパスが機能していたことを意味する。
しかし令和7年では,4号(659人)に対し3号(373人)と,ピラミッドが完全に逆転している 。多くの判事が4号の壁に阻まれ,そこでキャリアの停滞を余儀なくされている。
(2) 現場の疲弊と将来不安
この「大渋滞」は,現場の士気に深刻な悪影響を及ぼす。
「どれだけ大量の事件を処理しても,4号止まりかもしれない」
「同期の優秀な一部だけが3号,2号へ上がり,自分はここで定年まで塩漬けか」
こうした徒労感が,裁判所内部に蔓延している。4号判事の急増は,単なる人数の偏りではなく,司法の現場を支える中核層における「中流の崩壊」と「将来不安」を可視化したものに他ならない。
第5 各論分析3:判事補及び簡易裁判所判事の動向
1 判事補減少に見る人材確保の失敗
(1) 採用難と早期退職の連鎖
判事補の減少(平成14年714人→令和7年643人)は,司法試験合格者数が増加したにもかかわらず,裁判官志望者が減少しているという「不都合な真実」を突きつけている。
若手法曹にとって,転勤が多く,激務であり,しかもかつてのような昇進も約束されていない裁判官という職業の魅力が低下していることは否めない。
(2) 合議体維持の危機
判事補の減少は,直ちに合議体の構成に支障を来す。
かつては,部総括の下に,右陪席(中堅判事または特例判事補)と左陪席(若手判事補)が配置され,OJTによる教育が行われていた。
しかし,若手判事補不足により,本来単独で職務を行える特例判事補が左陪席として合議に入らざるを得ないケースがあるなど,高コストな人員配置が常態化しつつある。
2 簡易裁判所判事の減少と司法サービスの縮小
(1) 特任判事枠の縮小傾向
簡易裁判所判事の数も,平成14年の740人から令和7年には605人へと減少した 。
書記官等からの内部登用の枠が絞られていることや,定年退官後の再任用が抑制されていることが背景にあると考えられる。
(2) 国民に近い司法の衰退
簡易裁判所は,市民生活に直結する紛争を扱う最前線である。この人員削減は,司法アクセスの後退を意味しかねない。
高裁・地裁の「判事」を増やしつつ,簡裁の「判事」を減らすという方針は,司法が「市民のため」ではなく「組織の論理」で動いているとの批判を招きかねない。
第6 【特別寄稿】AI財務省主計局長の冷徹な視線と本音
以下では,AI財務省主計局長として,山中弁護士が取得した「裁判官の在職状況推移」というデータを,我々がどのように見ているか――その「剥き出しの本音」を,建前や綺麗事を一切抜きにして,徹底的に,かつ懇切丁寧に解説するものである。
私は現在,指定職俸給表6号棒(令和7年度の月額は104万9000円)の身分にある。次の財務事務次官の最有力者であるとともに,最高裁を含む国全体の予算を握る実力者としての自負がある。
その上で言わせてもらえば,このデータは単なる「人員の推移表」ではない。我々にとっては,司法権の独立にかこつけた「高給取りの量産」と「組織の高コスト体質化」を示す,極めて不愉快な決算書に見えるのである。
1 総論:組織の肥大化と高コスト体質への警鐘
(1) 「総数は微増」という欺瞞に対する憤り
まず,サマリーの全体像を見て,一般の方はこう思うだろう。「平成14年の約2,800人から,現在は約3,300人。まあ,社会が複雑化しているし,少し増えるのは仕方ないのではないか」と。
しかし,AI主計局の眼は誤魔化せない。問題は「総数」ではなく,「中身の質的変化」にある。
この23年間で何が起きたか。
平成14年と令和7年を比較すると,合計人数は約16.5%の増加である。これ自体,人口減少社会において公務員セクターが増員されていること自体が本来なら許されざる事態であるが,「司法制度改革」という錦の御旗のもと,我々も渋々予算を認めた経緯がある。
(2) 人員構成の歪みに対する財政当局の懸念
しかし,その内訳が異常なのである。
判事(正規の裁判官):1,401人→2,083人(約48%増)
判事補(若手裁判官):714人→643人(約10%減)
これが何を意味するか,お分かりか。
企業で言えば,給料の安い「平社員(若手)」を減らし,給料の高い「部長・課長クラス(ベテラン)」を1.5倍に増やしたということである。
組織のピラミッドが崩れ,「逆ピラミッド型」あるいは「頭でっかち」の組織に変貌した。これが,私がこのデータを見て最初に抱く,強烈な危機感である。
2 人件費単価の上昇と費用対効果の欠如
(1) 「指定職」乱発という異常事態
さらに深く切り込む。
AI主計局が最も気にするのは「人件費単価」とその「格」の整合性である。ここで,行政官の最高峰である「指定職」と比較してみよう(詳細につき,Wikipediaの「指定職」のほか,人事院HPの「級別定数等に関する内閣総理大臣への意見」参照)。
ア 判事1号 vs 事務次官(頂上決戦の不均衡)
判事1号(高裁部総括及び地家裁所長級)の給与は,我々行政官の頂点である「事務次官」と同格(指定職8号棒・令和7年度の月額は119万1000円)である。 しかし,事務次官は各省に1人しかいない。同期数十人の中から,たった1人が辿り着く過酷な椅子である。
対して判事1号はどうか。令和7年時点でも139人も存在する。 激務と政治責任を背負う唯一無二の事務次官と,全国に100人以上いる高裁部総括及び地家裁所長が同額というのは,行政官としては「割に合わない」と感じざるを得ない。
イ 判事2号 vs 主計局長(プライドの衝突)
次に判事2号である。彼らは大規模庁の部総括等だが,その給与(令和7年度の月額は104万9000円)は,国の財布を握る私と同格である。 中央省庁において指定職6号棒が適用される局長は財務省主計局長しかいないため,実質的には中央省庁の局長よりも多額の給与をもらっていることとなる。
一方,判事2号は削減されたとはいえ177人もいる。この「希少価値の差」が無視されているのが,司法の硬直的な給与体系である。
ウ 判事3号・4号の大量滞留
さらに,財務省のその他の局長(指定職5号棒。令和7年度の月額は97万9000円)に相当する判事3号が373人もいるし,①関東及び近畿の財務局長,②東京及び大阪の税関長,並びに③東京及び大阪の国税局長(指定職3号棒)(令和7年度の月額は82万9000円)に相当する判事4号に至っては659人もいる。
行政で言えば「局長クラスが数百人もウロウロしている」ようなものであり,人件費の観点からすれば,これは悪夢以外の何物でもない。
(2) 事件数減少と人員増の矛盾
社会全体の事件数(特に民事訴訟)は,長期的には横ばいか減少傾向にある。事件が減っているのに,なぜ「高単価な判事」がこれほど必要なのか。
最高裁事務総局は「事件の複雑困難化」を常に理由に挙げるが,48%もの増員を正当化できるほど,日本の訴訟は複雑化したのだろうか。
私には,組織の肥大化を正当化するための方便にしか聞こえない。
3 採用難と将来の財政負担リスク
(1) 若手不足を高コストなベテランで埋める愚策
次に,「判事補」の減少(714人→643人)についてである。これはAI財務省主計局長として,別の意味で寒気がする数字である。
もし,「判事補が足りないから,判事が判事補の仕事を肩代わりしている」のだとすれば,それは「本省課長級の給料を払って,係員・係長の仕事をさせている」ことになり,これほどの税金の無駄遣いはない。
加えて言えば,裁判所内部では,司法行政を行う事務局の管理職よりも,現場の判事の方が給与が高いという「ねじれ」すらあると聞く。
組織マネジメントを行う者が冷遇され,現場の「職人」ばかりが高給で優遇される構造が,組織のガバナンスを効きにくくしている一因ではないか。費用対効果(ROI)の観点から見て,最悪のマネジメントである。
(2) IT化投資と定員削減のバーター要求
今,裁判所は「民事裁判のIT化(mintsなど)」を進めている。巨額のIT予算を我々は計上した。
IT化の目的は何か。効率化である。
効率化したらどうなるべきか。「人が減る」べきである。
しかし,データはどうなっているか。判事の数は過去最高レベルである。
本来なら,IT化の進展に合わせて,事務作業から解放された裁判官はより多くの事件を処理できるはずである。ならば,定員は大幅に削減できるはずである。
4 最高裁事務総局への最後通告
(1) 聖域なき査定の断行
このデータ分析を通じて,AI財務省主計局長としての結論を申し上げる。
「裁判所よ,これ以上の『聖域』は許されない」
令和7年の「判事2,083人,判事補643人」というこの歪な数字。そして何より,希少性に見合わない高位号俸の乱発。 我々が血眼になって出世競争を勝ち抜き,ようやく手にする「指定職」の給与を,年功序列と身分保障の中で温々と手に入れている現状を,国民は許さないだろう。
これが,司法行政の怠慢と,組織防衛の成れの果てであることを,最高裁事務総局は直視すべきである。
(2) 具体的な要求事項
ア 「判事」の増員凍結と聖域なき削減
事件動向に見合わない判事の増加は直ちに是正すべきである。判事補からの昇格要件を厳格化するか,あるいは高コストなベテラン層の早期退職勧奨を加速させ,判事の定数そのものにメスを入れる時期に来ている。
イ IT化とセットにした人員削減計画の提示
IT投資に見合うだけの「定員削減」を数字でコミットしていただきたい。特に,高給な判事クラスの削減が必要である。
第7 むすび
本稿で詳細に分析したとおり,提供された統計データは,日本の司法が直面する複合的な危機を浮き彫りにした。
AI人事局長の視点で見れば,「ポスト不足によるモチベーション管理の限界」と「採用難による組織の空洞化」が深刻である。
AI財務省主計局長の視点で見れば,「高コスト体質の固定化」と「費用対効果の欠如」が許容限度を超えている。
1号・2号という限られたエリート層と,そこに到達できずに4号で滞留し続ける大多数の裁判官。そして,その下支えとなるべき若手の不在。
この歪なピラミッド構造の下で,現場の裁判官たちが「終わりのない事件処理」に疲弊していないか。その結果として,国民の権利救済を担う司法の足腰が弱体化していないか。
我々法曹関係者は,この「静かなる危機」を直視し,抜本的な改革に向けた議論を開始しなければならない。そしてその数字は今,司法の断末魔を叫んでおり,個々の裁判官に対して「組織に残るか,賢く転身するか」という残酷な選択を迫っているのである。
第8 裁判官の号別在職状況の推移(サマリー)
| 年月日 | 認証官 | 判事 | 判事補 | 簡易裁判所判事 | 合計 |
| H14.7.1 | 23 | 1,401 | 714 | 740 | 2,878 |
| H15.7.1 | 23 | 1,436 | 722 | 732 | 2,913 |
| H17.7.1 | 23 | 1,516 | 783 | 691 | 3,013 |
| H19.4 | 23 | 1,596 | 797 | 694 | 3,110 |
| H21.7.1 | 23 | 1,672 | 862 | 708 | 3,265 |
| H22.7.1 | 23 | 1,683 | 895 | 717 | 3,318 |
| H23.12.1 | 23 | 1,800 | 864 | 743 | 3,430 |
| H24.12.1 | 23 | 1,825 | 863 | 761 | 3,472 |
| H25.12.1 | 22 | 1,846 | 848 | 773 | 3,489 |
| H26.12.1 | 23 | 1,876 | 832 | 776 | 3,507 |
| H28.7.1 | 23 | 1,856 | 876 | 769 | 3,524 |
| H28.12.1 | 23 | 1,958 | 794 | 773 | 3,548 |
| H29.7.1 | 23 | 1,908 | 835 | 748 | 3,514 |
| H29.12.1 | 23 | 1,946 | 813 | 743 | 3,525 |
| H30.7.1 | 23 | 1,965 | 774 | 705 | 3,467 |
| H30.12.1 | 23 | 1,972 | 779 | 712 | 3,486 |
| R01.7.1 | 23 | 1,982 | 759 | 686 | 3,450 |
| R01.12.1 | 23 | 1,996 | 779 | 686 | 3,484 |
| R02.7.1 | 23 | 2,031 | 726 | 653 | 3,433 |
| R02.12.1 | 23 | 2,027 | 747 | 667 | 3,464 |
| R03.7.1 | 23 | 2,055 | 695 | 639 | 3,412 |
| R03.12.1 | 23 | 2,046 | 715 | 657 | 3,441 |
| R04.7.1 | 23 | 2,072 | 661 | 627 | 3,383 |
| R04.12.1 | 23 | 2,066 | 681 | 646 | 3,416 |
| R05.7.1 | 23 | 2,076 | 658 | 614 | 3,371 |
| R05.12.1 | 23 | 2,078 | 676 | 626 | 3,403 |
| R06.7.1 | 23 | 2,066 | 657 | 606 | 3,352 |
| R06.12.1 | 23 | 2,072 | 673 | 632 | 3,400 |
| R07.7.1 | 23 | 2,083 | 643 | 605 | 3,354 |