(AI作成)裁判官以外の裁判所職員の級別定数に関する最高裁判所事務総局の本音の説明

本ブログ記事は専らAIで作成したものです。
◯以下の記事も参照してください。
・ 級別定数の改定に関する文書
・ 最高裁及び法務省から国会への情報提供文書
・ 最高裁と全司法労働組合の交渉記録
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)

目次

第1 はじめに
1 本稿の趣旨と立場

2 開示された「3つの決定的な資料」の持つ意味
(1) 「令和7年度の級別定数の改定について(最高裁判所)」及び過去(平成27年度,令和2年度)の同資料
(2) 「令和5年4月期・10月期昇格発令数」
(3) 「定員合理化計画への協力による減員数」「裁判官以外の裁判所職員の年齢構成」等の基礎データ

3 本日の説明者紹介と覚悟

第2 【AI経理局長より】予算と定員の冷徹な方程式
1 「定員合理化計画」という絶対的な縛り
(1) 平成27年度から令和7年度までの減員推移の現実
(2) 「協力」という名の強制的な人員削減

2 技能労務職員の壊滅的な削減とその代償
(1) 10年間で半減以下となった衝撃的な数値推移
(2) アウトソーシングの限界と現場へのしわ寄せ

3 「IT予算」と「人件費」のバーター取引
(1) 概算要求に見る「モノ」への投資偏重
(2) 財務省に対する「身を切る改革」のアピール

第3 【AI人事局長より】級別定数表が語る「昇格の絶望的狭き門」
1 行政職(一)事務官のキャリアパス分析
(1) 「4級の壁」と「3級の滞留」の固定化
(2) 係長級ポストの硬直性がもたらす閉塞感

2 裁判所書記官における管理職への道
(1) 平成27年度と令和7年度の定数比較詳細
(2) 6級(主任級)ポストの減少が意味するもの

3 家庭裁判所調査官の専門性と処遇の限界
(1) 頭でっかちな組織構造の真実
(2) 若手調査官のモチベーション維持の困難性

4 速記官・医療職等の「現状維持」という名の衰退
(1) 速記官定数の激減と養成停止の余波
(2) 医療職定数の完全固定化

第4 【AI人事局長より】昇格発令数から見る「確率論的な無理ゲー」
1 令和5年4月期・10月期データの徹底解剖
(1) 2万人組織における「5級昇格24人」の衝撃
(2) 「渡り」の廃止と実力主義の名の元にある停滞

2 上位級昇格のボトルネック分析
(1) 本庁と支部・簡裁の圧倒的な格差
(2) 「該当者なし(0人)」が並ぶ職種の実態

第5 【AI事務総長より】組織を支配する「資格」と「年齢」の構造
1 「書記官資格」という絶対的な階級社会
(1) 事務局長95%・課長76%という支配率の現実
(2) 事務官プロパーにとっての「ガラスの天井」

2 人口オーナスと「バブル入省組」の巨大な壁
(1) 令和4年年齢構成グラフが示す50代の突出
(2) 若手・中堅層が直面する「ポスト不足」の長期的継続

3 再任用短時間勤務職員制度の功罪
(1) 令和7年度定数表に見る再任用枠の拡大
(2) 安価な労働力としてのベテラン活用と現役への影響

第6 総括と提言
1 令和7年度以降の裁判所職員の「生存戦略」
2 我々(当局)と皆様(組合)の建設的な対立のために

第7 【補講】資料の深層分析とさらなる「不都合な真実」
1 「管内別配置定員」に見る地域間格差の正体
(1) 東京・大阪への一極集中と地方のスカスカな実態
(2) 事務官の「現在員」が定員を上回る怪奇現象

2 「級別定数改定」の歴史的変遷に見る当局の苦肉の策
(1) 最高裁事務総局の「頭脳」を維持するための防衛戦
(2) 最高裁内部でも進む「階層化」

3 「女性職員の登用」と年齢構成のクロス分析
(1) 若手層における女性比率の高さと,管理職層の男性偏重
(2) M字カーブの解消と新たな課題

4 最後通告:令和7年度予算案が示す「不可逆点」


第1 はじめに

1 本稿の趣旨と立場

全司法労働組合の皆様,ならびに全国の裁判所職員の皆様。本日は,普段は決して表立って語られることのない,最高裁判所事務総局の「頭の中」を,皆様に包み隠さず公開するためにこの場を設けました。

私は最高裁判所のAI事務総長です。本日は,私の右腕であるAI人事局長,そして金庫番であるAI経理局長を同席させています。

我々当局と皆様組合側は日々の交渉において,激しい議論を交わしています。皆様からは「現場は限界だ」「人を増やせ」「賃金を上げろ」という切実な声が上がります。対して我々は,「予算の範囲内で」「必要な定員は確保されている」「効率化を進める」といった,いわば「紋切り型」の回答を繰り返してきました。

しかし,そのような建前の応酬だけでは,もはやこの令和の時代の裁判所危機を乗り越えることはできません。そこで本日は,山中弁護士を通じて開示請求等により明らかになった「令和7年度の級別定数の改定について」等の内部資料を基に,我々が何を考え,何を諦め,そしてどこへ向かおうとしているのか,その「剥き出しの本音」を解説します。
これは,皆様にとっては耳の痛い,絶望的とも言える内容を含むかもしれませんが,まずは現実を直視することから始めなければなりません。

2 開示された「3つの決定的な資料」の持つ意味

今回,皆様のお手元にある資料は,単なる数字の羅列ではありません。これらは,我々事務総局が財務省主計局と血みどろの交渉を行い,国会に対して説明を行い,そして現場の皆様を管理するために作成した「組織の設計図」そのものです。

具体的には,以下の資料群を横断的に分析します。

(1) 「令和7年度の級別定数の改定について(最高裁判所)」及び過去(平成27年度令和2年度)の同資料

これは,裁判所の「ポストの数(=出世の枠)」が10年間でどう変遷したかを示す,残酷なまでの履歴書です。平成27年から令和7年に至るまで,どの職種が冷遇され,どの職種がかろうじて維持されたか,その変遷を追うことで当局の意思が見えてきます。

(2) 「令和5年4月期10月期昇格発令数

これは,実際にどれだけの職員が昇格できたかを示す,極めて狭き門の証明書です。定数があっても,それが埋まっていれば昇格できません。この発令数は,希望的観測を打ち砕く「実績値」としての重みがあります。

(3) 「定員合理化計画への協力による減員数」及び「裁判官以外の裁判所職員の年齢構成」等の基礎データ

これらは,なぜポストが空かないのか,なぜ人が減らされるのかという「構造的要因」を示すエビデンスです。個人の努力では覆せない「人口動態」と「国の財政規律」という二重の鎖がここに示されています。

3 本日の説明者紹介と覚悟

本日の解説は,以下の役割分担で行います。

まず,【AI経理局長】が,なぜ定員削減が止まらないのか,予算獲得の裏側にある財務省との密約について語ります。現場の悲鳴がなぜ予算査定官に届かないのか,そのロジックを解明します。

次に,【AI人事局長】が,級別定数表と昇格データを読み解き,皆様のキャリアパスが現在どのような「閉塞状況」にあるかを数理的に証明します。「頑張れば報われる」という神話の崩壊を,数字で示します。

最後に,私【AI事務総長】が,書記官資格の有無や年齢構成といった,組織を支配するアンタッチャブルな構造について総括し,今後の生き残り戦略を提示します。

それでは,覚悟してお聞きください。

第2 【AI経理局長より】予算と定員の冷徹な方程式

AI経理局長です。私からは,まず「カネと人」のマクロな話をします。皆様は「現場が忙しいのになぜ人を減らすのか」と常に問います。その答えはシンプルです。「減らさなければ,組織を維持する予算がもらえないから」です。

1 「定員合理化計画」という絶対的な縛り

我々裁判所は,行政府(内閣)からは独立した司法府ですが,予算については国会の議決,実質的には財務省の査定を受けます。そして,国の行政機関全体で進められている「定員合理化計画」に対して,裁判所も「協力」という名目で同調することを強いられています。

(1) 平成27年度から令和7年度までの減員推移の現実

お手元の「定員合理化計画への協力による減員数」という資料をご覧ください。ここに記された数字は,我々が財務省に差し出した「生贄」の数です。

・平成27年度:71人減

・平成28年度:71人減

・平成29年度〜令和元年度:各年度70〜71人減

・令和2年度:57人減

・令和3年度:56人減

・令和4年度:65人減

・令和5年度:65人減

・令和6年度:70人減

・令和7年度(案):56人減

この10年間余りで,累積すると約700名以上の定員を「純減」させています。毎年,地方の小規模な裁判所が一つ丸ごと消滅する規模の人員を削り続けているのです。これが「協力」という言葉の裏にある実態です。

この削減数は,自然減(退職)だけでは賄いきれません。新規採用の抑制,再任用枠の調整,そして配置転換。あらゆる手段を使って,この「マイナス」を作り出しています。

(2) 「協力」という名の強制的な人員削減

資料には「事務官」「技能労務職員」が対象であると書かれています。我々は毎年,財務省主計局に対し「裁判手続のIT化や複雑困難事件の増加で増員が必要だ」と要求します。しかし,財務省は「増員を認める条件」として,それ以上の「既存定員の削減(合理化)」を求めてきます。これを「スクラップ・アンド・ビルド」と言いますが,実態は「スクラップ・アンド・スクラップ」に近い状況です。

特に令和7年度に向けては,デジタル化関連予算(mintsやウェブ会議システム)の維持費が膨大になっています。『令和7年度概算要求書(説明資料)』において「スマート・コートの実現」に関連するクラウド利用料や機器整備費が右肩上がりである一方、それと反比例するように人件費部分が抑制されているのは偶然ではありません。
この物件費を確保するためには,固定費の塊である人件費を削るしか選択肢がなかったのです。我々が削減を望んでいるわけではありません。財務省主計局に対しIT予算という「人質」を取られている以上、その身代金として定員を差し出さざるを得ない。これが、我々が置かれている「不可抗力的な予算構造」なのです。

2 技能労務職員の壊滅的な削減とその代償

この定員削減の最大のターゲットにされたのが,技能労務職員(自動車運転手,守衛,庁務員等)です。彼らは「コア業務ではない」という烙印を押され,真っ先に削減対象となりました。

(1) 10年間で半減以下となった衝撃的な数値推移

具体的な数字比較を行います。

「平成27年度級別定数表(下級裁判所)」の行政職俸給表(二)の計をご覧ください。当時は630人の技能労務職員がいました。この頃はまだ,各庁にベテランの庁務員さんや守衛さんがいて,庁舎の管理をしていました。

次に,「令和2年度級別定数表(下級裁判所)」をご覧ください。356人まで減っています。

そして,「令和7年度級別定数表(下級裁判所)」をご覧ください。その数は249人です。

平成27年から令和7年の10年間で,630人から249人へ。実に60%以上の削減です。これは「合理化」というレベルを超え,「職種の消滅」に向かっていると言っても過言ではありません。新規採用はほぼ凍結され,退職不補充が徹底されています。

(2) アウトソーシングの限界と現場へのしわ寄せ

我々は,これらの業務を「民間委託(アウトソーシング)」することでカバーすると説明してきました。しかし,委託業者は契約(仕様書)の範囲外の仕事はしません。

かつて庁務員さんがやってくれていた「ちょっとした机の移動」「蛍光灯の交換」「急な郵便物の発送」「備品の修理」といった雑務は,誰がやっているのでしょうか?

答えは明白です。若手の事務官や書記官,あるいは管理職が,本来業務の合間に行っているのです。定員表上の「数字」は減りましたが,現場にある「仕事」は減っていません。**『交渉記録』において、組合側からは「パソコンのログ管理と自己申告超勤の乖離」が繰り返し指摘されていますが、まさにそのギャップに、こうした「見えない労働」が埋もれているのです。**そのツケを払っているのは,現場の皆様の「見えない労働時間」なのです。

3 「IT予算」と「人件費」のバーター取引

(1) 概算要求に見る「モノ」への投資偏重

令和7年度の概算要求において,我々が最優先したのは「デジタル化」です。サーバー代,クラウド利用料,端末整備費。これらは待ったなしの経費です。

AI経理局長としての本音を言えば,人間は多少無理をさせても(文句は言いますが)すぐには止まりませんが,システムは金(メンテナンス費)を払わなければ即座に停止します。

したがって,限られた予算のパイの中で,必然的に「人への投資」よりも「システムへの投資」が優先されました。これは経営判断として,冷徹ですが避けられない道でした。

(2) 財務省に対する「身を切る改革」のアピール

財務省に対して「ITで便利になるんだから,人は要らないよね?」と突っ込まれたとき,我々は反論できません。実際に効率化できているかは別として,予算を取るためには「はい,IT化の効果でこれだけ減らせます」という資料を作らざるを得ない。

令和7年度の定数表が示す削減数は,IT予算を獲得するために我々が差し出した「血判状」なのです。現場がIT化の過渡期で苦しんでいることは承知していますが,予算獲得のロジック上,定員削減はセットなのです。

第3 【AI人事局長より】級別定数表が語る「昇格の絶望的狭き門」

AI人事局長です。AI経理局長の話は「総枠」の話でしたが,私からはその枠の中で行われる「椅子取りゲーム」の厳しさについて,具体的な級別定数表(別表)を用いて解説します。

1 行政職(一)事務官のキャリアパス分析

まず,最も人数が多い事務官(行政職(一))の状況です。

(1) 「4級の壁」と「3級の滞留」の固定化

下級裁判所の行政職(一)の定数推移を比較します。

・平成27年度:

4級(係長級):1,100人+204人(係長+主任)=約1,304人

3級(主任級):1,894人

・令和2年度:

4級:1,100人+204人=約1,304人

3級:1,898人

・令和7年度:

4級:1,096人+204人=約1,300人

3級:1,861人

ここで注目すべきは,「全体の定員は減っているのに,3級(主任)の数は高止まりし,4級(係長)の数は増えていない(むしろ微減)」という点です。

これは,3級までは年数経過で上がれますが,そこから4級に上がるための「枠」が10年間全く広がっていないことを意味します。事務官として定年まで勤める人の多くが,3級または4級で終わる。これが「定数表」にあらかじめプログラムされた運命なのです。

(2) 係長級ポストの硬直性がもたらす閉塞感

4級の定数が「1,300人前後」で固定されているということは,誰かが辞めるか,5級に昇格しない限り,新しい係長は生まれないということです。

後述する年齢構成の問題もあり,現在の4級ポストは50代のベテラン事務官がガッチリと埋めています。30代,40代の中堅事務官が,どれだけ能力があっても昇格できないのは,皆様の努力不足ではなく,物理的に「椅子」がないからです。
加えて、『交渉記録』にあるように、mints導入過渡期における「紙とデジタルの二重管理」やシステム不具合への対応で現場は疲弊しきっています。業務量は増えるのにポストは増えない。この二重苦が、中堅層の閉塞感の正体です。

2 裁判所書記官における管理職への道

次に,裁判所の主力部隊である書記官について見ます。

(1) 平成27年度と令和7年度の定数比較詳細

・平成27年度(下級裁・書記官):

7級以上(管理職):計129人

6級(主任):835人

5級:3,242人

・令和7年度(下級裁・書記官):

7級以上:計137人(微増)

6級:810人(減少)

5級:3,201人

(2) 6級(主任)ポストの減少が意味するもの

ここで注目すべきは,現場の指揮官である6級(主任書記官等)のポストが,835人から810人へと25人減少している点です。

書記官全体の数は微減ですが,6級ポストの削減率はそれを上回ります。これは,一人の管理職がより多くの部下を見る体制(フラット化という名の管理職負担増)へ移行していることを示唆しています。

5級までは比較的順調に昇格できても,そこから6級に上がるハードルは,10年前よりも確実に高くなっています。狭き門はさらに狭くなりました。

3 家庭裁判所調査官の専門性と処遇の限界

(1) 頭でっかちな組織構造の真実

家裁調査官の定数構造は特殊です。令和7年度で見ると,

6級以上:計82人

5級:454人(主任家庭裁判所調査官)

4級〜1級:908人

他の職種に比べ,5級(主任)の比率が非常に高いのが特徴です。これは「専門職」としての処遇を確保した結果ですが,逆に見れば「5級で頭打ち」になる人が大量にいるということです。

(2) 若手調査官のモチベーション維持の困難性

調査官補(109人)は毎年採用されていますが,調査官全体のパイは大きく増えていません。専門職であるがゆえに他部署への異動も限定的で,組織内での新陳代謝が悪い。結果として,若手調査官が「上が詰まっている」と感じ,閉塞感を抱きやすい構造になっています。
特に,管理職ポスト(首席,次席)は極めて少なく,専門性を極めた後のキャリアパスが描きにくいのが現状です。

4 速記官・医療職等の「現状維持」という名の衰退

(1) 速記官定数の激減と養成停止の余波

最も悲惨なのが速記官です。

平成27年:主任速記官126人+速記官99人=計225人

令和7年:主任速記官126人+速記官64人=計190人

新規養成を停止しているため,若手が入ってきません。主任速記官の枠は維持されていますが,これは「現職の処遇を守る」ための措置であり,職種としての未来は閉ざされています。音声認識技術への置き換えが進む中で,彼らの定数は静かに減らされ続けています。

(2) 医療職定数の完全固定化

看護師等の医療職(三)は,平成27年も令和7年も「看護師長41人,看護師24人,計65人」で,1名たりとも変わっていません。

これは,組織としてこの部門を拡大する意思が全くないことの現れです。どれだけメンタルヘルス対応や健康管理が重要になろうとも,定数は「聖域」として凍結されているのです。ここには昇格や増員のダイナミズムは存在しません。

第4 【AI人事局長より】昇格発令数から見る「確率論的な無理ゲー」

定数(枠)の話に続いて,実際にその枠の中に「入れた」人の数,つまり昇格の実績について解説します。お手元の「令和5年4月期・10月期昇格発令数」をご覧ください。

1 令和5年4月期・10月期データの徹底解剖

(1) 2万人組織における「5級昇格24人」の衝撃

この数字を見たとき,皆様はどう思われましたか?

「令和5年4月期」における「行政職(一)5級」への昇格数は,「本庁係長・専門職」からで24人です。

裁判所職員全体の定員は約2万人。事務官だけでも1万人以上います。その中で,春の定期昇格で5級(課長補佐級の手前)に上がれたのが,全国でたったの24人です。

10月期に至っては11人です。

これは,もはや「努力すれば報われる」というレベルの数字ではありません。宝くじに当たるような確率です。多くの優秀な係長が,5級の入り口で定年を迎えている現実が,この数字に凝縮されています。

(2) 「渡り」の廃止と実力主義の名の元にある停滞

かつては,年功序列的な運用で,ある程度の年齢になれば上位級に「渡る」ことができました。しかし,給与制度改革により「職務給」の原則が徹底され,ポストが空かなければ昇格できなくなりました。

昇格数がこれほど少ないということは,すなわち「ポストが空いていない」という一点に尽きます。人が辞めない限り,昇格はない。この冷厳な事実を,データは突きつけています。

2 上位級昇格のボトルネック分析

(1) 本庁と支部・簡裁の圧倒的な格差

昇格データを見ると,昇格者のほとんどが「本庁」勤務者です。

例えば令和5年4月期の行政職(一)4級への昇格内訳を見ると,

・本庁係長へ:74人

・支部係長(4級標準庁)へ:5人

・支部係長(4級非標準庁)へ:10人

・簡裁係長へ:2人

圧倒的に本庁偏重です。地方の支部や簡裁で真面目に働いていても,昇格のチャンスは巡ってきにくい。昇格したければ,激務の本庁へ行き,そこでさらに競争に勝ち抜かなければならない構造になっています。「現場第一」とは言いますが,人事は「本庁第一」なのです。

(2) 「該当者なし(0人)」が並ぶ職種の実態

資料には「0」という数字が並んでいます。

・5級専門官への昇格:0人

・支部・簡裁専門職(5級)への昇格:0人

・営繕専門職(5級)への昇格:0人

これらの職種に就いている職員にとって,この年は「昇格の可能性がゼロ」だったわけです。どんなに成果を上げても,制度上の枠が開かなければ「0」は「0」のまま。これが組織の硬直性です。特に専門職においては,この「ゼロ」が何年も続くことが珍しくありません。

第5 【AI事務総長より】組織を支配する「資格」と「年齢」の構造

ここからはAI事務総長である私が,さらに根本的な,触れてはいけないタブーについてお話しします。

1 「書記官資格」という絶対的な階級社会

全司法の皆様が常々問題視されている「資格差別」。これについても,データは雄弁に語っています。「書記官有資格者占有割合(令和5年4月1日現在)」をご覧ください。

(1) 事務局長95%・課長76%という支配率の現実

下級裁判所の要職における書記官有資格者の割合です。

・事務局長:95%

・事務局次長:91%

・本庁検審局長:84%

・本庁課長:76%

・課長補佐:74%

この数字が意味することは明白です。裁判所という組織において,管理職(課長以上)になるための「事実上の要件」は,書記官資格を持っていることです。

特に事務局長クラスに至っては,プロパーの事務官が就任する余地は5%しか残されていません。これは例外中の例外です。どれほど事務能力が高くても,資格がなければ「局長」の椅子には座れないのです。

(2) 事務官プロパーにとっての「ガラスの天井」

一方で,「係長」クラスにおける有資格者の割合は23%に留まります。

つまり,事務官プロパーでも係長まではなれる。しかし,そこから先,課長補佐,課長へと進もうとすると,突如として「書記官資格の壁」が立ちはだかるのです。

「事務官としての専門性を高めれば評価される」と我々は言いますが,統計的に見れば,書記官資格を持たない者が高位のポストに就く確率は圧倒的に低い。これが「カースト」と言われても反論できない,裁判所の人事構造です。

2 人口オーナスと「バブル入省組」の巨大な壁

次に,「裁判官以外の裁判所職員の年齢構成(令和4年7月1日現在)」のグラフをご覧ください。このグラフの形状こそが,皆様が昇格できない最大の理由です。

(1) 令和4年年齢構成グラフが示す50代の突出

グラフの頂点(最も人数が多い層)を見てください。

・48歳〜49歳:4.5%

・50歳〜51歳:4.6%

いわゆる「団塊ジュニア」の世代が,巨大な塊となって組織の上層部を占拠しています。

彼らは現在,5級・6級・7級のポストに座っています。そして,定年延長も相まって,あと10年はこの席を立ちません。この「巨大な蓋」がある限り,下からの突き上げは全て跳ね返されます。

(2) 若手・中堅層が直面する「ポスト不足」の長期的継続

一方で,20代から30代の層は,各年齢1.5%前後と細くなっています。これはかつての採用抑制の影響が色濃く残っています。

上の世代が詰まっているため,エスカレーターが動きません。下がどれだけ優秀でも,上が降りない限り乗れないのです。

この「人口の逆ピラミッド(ないしは瓢箪型)」が解消されるのは,現在の50代が完全に引退する10〜15年後です。それまでの間,30代・40代の職員にとっての「昇格の冬の時代」は続きます。

しかし、本当の恐怖はその先にあります。いわゆる「2035年問題」です。大量のベテラン層が一斉に退職した後、現場に残されるのは、十分な昇格経験やマネジメント経験を積めなかった手薄な若手・中堅層だけです。その時、裁判所の「技術継承」は断絶し、組織として機能不全に陥るリスクがあります。今、皆様が直面しているのは単なるポスト不足ではなく、将来の組織崩壊の序曲なのです。これは個人の努力ではどうにもならない,人口動態的な宿命です。

3 再任用短時間勤務職員制度の功罪

(1) 令和7年度定数表に見る再任用枠の拡大

「令和7年度再任用短時間勤務職員級別定数表」をご覧ください。

下級裁判所における行政職(一)の再任用枠は,

・4級:79人

・3級:47人

合計で127人の枠が確保されています。

これだけの数の「ベテランOB」が,現役世代と同じフロアで働いています。

(2) 安価な労働力としてのベテラン活用と現役への影響

当局としての本音を言えば,再任用職員は非常に「使い勝手が良い」存在です。経験豊富で,教育コストがかからず,現役職員よりも低い人件費で雇える。定員削減が進む中で,彼らの労働力なしには現場は回りません。

しかし,再任用職員がポストを埋めることで,新規採用や現役世代の昇格ポストが圧迫される側面も否定できません。本来なら現役の係長が座るべき席に,再任用の元課長が座っている。これは「老老介護」ならぬ「老老司法」の様相を呈しており,組織の新陳代謝をさらに遅らせています。

第6 総括と提言

1 令和7年度以降の裁判所職員の「生存戦略」

以上の説明から明らかになった「裁判所の未来図」は,以下の通りです。

  • 人は減り続ける: 予算構造上,IT投資の裏で定員削減は不可避である。

  • 昇格は望み薄: 50代の滞留とポストの固定化により,劇的なキャリアアップは期待できない。

  • 資格が全て: 書記官資格がなければ,管理職への道は事実上閉ざされている。

この状況下で,一職員として生き残るためにはどうすべきか。

酷な言い方ですが,「事務官のままでは未来はない」と認識すべきです。若手職員は,何としてでも研修所試験に合格し,書記官資格を取るべきです。あるいは、IT・営繕といった専門職への転換を目指すことも有力な選択肢です。それが唯一,この構造的閉塞を突破するチケットです。

ベテラン事務官の方々は,昇格という垂直的な成功ではなく,特定分野(IT,営繕,会計等)での「代替不可能なスキル」を磨き,専門職枠での評価を勝ち取るなどして,組織内での存在価値を水平的に高めるしかありません。ジェネラリストとしての事務官の価値は,IT化の波に洗われて消えゆく運命にあります。

2 我々(当局)と皆様(組合)の建設的な対立のために

我々事務総局も,決して皆様を苦しめたいわけではありません。しかし,財務省と国会,そして人口動態という「外圧」の前では,我々の力も限定的です。

全司法の皆様におかれましては,単に「ポストを増やせ」と叫ぶだけでなく,今回開示したような「級別定数のカラクリ」や「昇格率の低さ」を具体的なデータとして突きつけ,我々の痛いところを突く交渉をしていただきたい。

「技能労務職を減らすなら,その分の業務も完全に廃止せよ」

「IT化で人が減るなら,残業時間を厳密に管理し,サビ残を撲滅せよ」

そういった,逃げ場のない論理で我々を追い詰めてください。それが結果として,財務省に対する我々の交渉材料にもなり得るのです。

本日は,きれいごと抜きの「本音」を共有させていただきました。この絶望的な現状認識を出発点として,それでもなお,司法の現場を支えるための知恵を出し合えることを願っております。

以上をもって,AI最高裁事務総局からの説明を終わります。


【補講】資料の深層分析とさらなる「不都合な真実」

AI事務総長です。時間が許すようですので,先ほど触れきれなかった細部について,さらにミクロな視点から,お手元の資料をしゃぶり尽くすような解説を加えます。

1 「管内別配置定員」に見る地域間格差の正体

「令和4年度高裁管内別配置定員及び現在員」の資料をご覧ください。ここに,全国一律ではない「地域ごとの悲哀」が隠されています。

(1) 東京・大阪への一極集中と地方のスカスカな実態

・東京高裁管内:書記官定員3,910人に対し,現在員3,861人(欠員49人)

・大阪高裁管内:書記官定員1,775人に対し,現在員1,734人(欠員41人)

・高松高裁管内:書記官定員316人に対し,現在員314人(欠員2人)

この数字が語るのは,大都市圏では「定員があっても人が足りていない(埋めきれていない)」という慢性的な欠員状態です。採用難や退職者の増加,民間企業への流出により,東京や大阪では「定数表にあるポスト」すら埋まらない。激務と高い生活コストに見合わないと判断され,若手が去っていくからです。

一方で,地方(高松など)では,定員と現在員がほぼ拮抗しています。これは一見充足しているように見えますが,裏を返せば「定員削減の圧力が最も強くかかるのが地方」だということです。事件数が減っている地方からは定員を剥がし,事件が溢れる東京へ回す。しかし東京では人が集まらない。この「ミスマッチ」が,全国的な現場の疲労感を生んでいます。地方は「人が削られて辛い」,都市部は「人が来なくて辛い」。どこに行っても地獄という状況です。

(2) 事務官の「現在員」が定員を上回る怪奇現象

同資料の「事務官」の項目を見てください。

・東京高裁管内:事務官定員2,619人に対し,現在員2,706人(+87人)

・仙台高裁管内:事務官定員493人に対し,現在員496人(+3人)

お気づきでしょうか。事務官だけは,多くの管内で「定員<現在員」となっています。

これは「定員超過」ではありません。注釈にある通り「養成課程生を含む」からです。つまり,まだ戦力にならない研修生(書記官研修や調査官研修を受けている者)を頭数に含めることで,かろうじて数字を埋めているのです。

現場感覚としては「人はいるはずなのに忙しい」となるのは当然です。数字上の「現在員」の一部は,現場にいない研修生なのですから。我々はこの数字のマジックを使って,国会に対し「人員は足りている」と説明していますが,現場の苦しさはここに原因があります。数字上の員数合わせに,研修生が利用されている側面があるのです。

2 「級別定数改定」の歴史的変遷に見る当局の苦肉の策

再び「級別定数の改定について」の資料(平成27年,令和2年,令和7年)を,今度は「最高裁判所(本庁)」の定数に絞って比較してみましょう。ここに,我々がいかに「本丸」だけは死守しようとしているかが見て取れます。

(1) 最高裁事務総局の「頭脳」を維持するための防衛戦

・平成27年度(最高裁):行政職(一)の計は887人

・令和2年度(最高裁):行政職(一)の計は917人

・令和7年度(最高裁):行政職(一)の計は1,042人

驚くべきことに,下級裁判所では血の滲むような定員削減を行っている一方で,最高裁判所本体の定員は10年間で150人以上増えています。

これは何を意味するか。「企画立案部門」や「システム開発管理部門」の人員を増強しているのです。現場(下級裁)の手足をもぎ取り,頭脳(最高裁)だけを肥大化させる。これが「司法行政の集権化」の物理的な現れです。

現場の皆様からすれば「事務総局ばかり人が増えて,現場は減らされる」と不満を持つのは当然です。しかし,IT化や法改正対応といった「中央の仕事」が爆発的に増えているのも事実。我々は,現場の犠牲の上に,最高裁事務総局の機能を維持しているのです。
この増員分は,現場からの「引き上げ(出向)」で賄われており,それがさらに現場の人手不足を加速させるという悪循環に陥っています。

(2) 最高裁内部でも進む「階層化」

最高裁の定数表の中身を見ると,

・令和7年度:10級4人,9級20人,8級16人。

高位のポストもしっかり確保されています。下級裁の4級・5級の厳しさとは別世界です。

「出世したければ最高裁事務総局に来い」というのが,この定数表からの無言のメッセージです。しかし,事務総局勤務は激務を極め,メンタルを病む者も多い。ポストと引き換えに健康を差し出す,それが最高裁勤務の実態でもあります。出世の階段は,ここにしか残されていないのかもしれません。

3 「女性職員の登用」と年齢構成のクロス分析

「年齢構成」のグラフには,男女別の折れ線も描かれています。ここから見えるジェンダーの問題についても触れておきましょう。

(1) 若手層における女性比率の高さと,管理職層の男性偏重

グラフを見ると,20代〜30代前半までは,男女の比率はほぼ拮抗,あるいは女性の方が多いくらいです(オレンジ色の線)。しかし,50代(管理職世代)になると,圧倒的に男性(青線)が上回ります。

これは,過去の採用傾向の影響もありますが,女性職員が「管理職コース」に乗る前に辞めている,あるいは昇格を望まない(望めない)環境があることを示唆しています。転勤の負担,家事育児との両立の難しさ,そして「女性管理職ロールモデルの不在」。

当局としては「女性管理職の登用」を掲げていますが,級別定数の枠が空かない以上,無理やり女性を引き上げることもできません。結果として,50代男性が居座る管理職ポストを,優秀な若手女性が見上げて絶望する,という構図が変わっていないのです。

(2) M字カーブの解消と新たな課題

かつてのような「結婚・出産退職」によるM字カーブ(30代での減少)は,このグラフを見る限りかなり解消されています。育休制度等は整備されました。30代の女性職員の定着率は向上しています。

しかし,それは「辞めなくなった」だけであり,「活躍できている」かは別問題です。

育休明けの職員が戻るポストはあるのか。時短勤務で責任ある仕事(=昇格につながる仕事)ができるのか。

定数表は「数」しか語りませんが,その裏にある「運用」の硬直性が,女性職員のキャリアを阻害しています。これもまた,我々が解決できていない宿題です。「制度は作ったが,魂(ポストとキャリアパス)が入っていない」状態と言えるでしょう。

4 最後通告:令和7年度予算案が示す「不可逆点」

最後に,改めて令和7年度予算の意味を確認します。

これは,単なる一年度の予算ではありません。裁判所が「人による運営」から「システムによる運営」へと舵を切り,もう後戻りできない地点(ポイント・オブ・ノー・リターン)を超えたことを示す予算です。

皆様におかれましては,「いつか人が増えるだろう」「いつか昔のように余裕のある職場に戻るだろう」という希望は,捨てていただいた方が賢明です。

開示された資料の時系列変化が示すベクトルはただ一つ。「人間を減らし,機械に置き換え,残った人間に高度な判断業務を集中させる」という方向のみです。

この冷酷な流れの中で,個々の職員がどう身を守り,どう権利を主張していくか。

労働組合である全司法の役割は,かつてなく重要になっています。

我々当局が出す「きれいな説明資料」ではなく,今回皆様が入手したような「生のデータ」を読み解く力を持ってください。

「定数がここ減っているが,現場のこの業務はどうするつもりか?」

「昇格数がここ数年でこれだけ減っているが,モチベーション維持の施策はあるのか?」

そういった,データに基づく鋭い追及こそが,我々事務総局を動かす唯一のプレッシャーとなります。

長くなりましたが,これが最高裁事務総局の,資料に基づく精一杯の「誠意ある本音」です。

この情報が,皆様の今後の活動の一助となることを願ってやみません。