目次第1部 自賠責保険の支払基準第2部 支払基準の改正経緯等第3部 関連記事その他第1部 自賠責保険の支払基準
・ 令和元年12月12日金融庁告示・国土交通省告示第3号による改正後の,自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準(令和2年4月1日以降の交通事故に適用されるもの)は以下のとおりです(改正部分は赤文字表記です。また,自賠責保険の支払基準の根拠は自賠法16条の3です。)。
・ 平成14年4月から令和2年3月までに発生した交通事故の場合,休業損害は1日につき5700円であり,通院慰謝料は1日につき4200円となります。
第1 総則
1 自動車損害賠償責任保険の保険金等の支払は、自動車損害賠償保障法施行令(昭和30年政令第286号)第2条並びに別表第1及び別表第2に定める保険金額を限度としてこの基準によるものとする。
2 保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者1人につき、自動車損害賠償保障法施行令第2条並びに別表第1及び別表第2に定める額とする。ただし、複数の自動車による事故について保険金等を支払う場合は、それぞれの保険契約に係る保険金額を合算した額を限度とする。
第2 傷害による損害
傷害による損害は、積極損害(治療関係費、文書料その他の費用)、休業損害及び慰謝料とする。
1 積極損害
(1) 治療関係費
① 応急手当費
応急手当に直接かかる必要かつ妥当な実費とする。
② 診察料
初診料、再診料又は往診料にかかる必要かつ妥当な実費とする。
③ 入院料
入院料は、原則としてその地域における普通病室への入院に必要かつ妥当な実費とする。ただし、被害者の傷害の態様等から医師が必要と認めた場合は、上記以外の病室への入院に必要かつ妥当な実費とする。
④ 投薬料、手術料、処置料等
治療のために必要かつ妥当な実費とする。
⑤ 通院費、転院費、入院費又は退院費
通院、転院、入院又は退院に要する交通費として必要かつ妥当な実費とする。
⑥ 看護料
ア 入院中の看護料
原則として12歳以下の子供に近親者等が付き添った場合に1日につき4,200円とする。
イ 自宅看護料又は通院看護料
医師が看護の必要性を認めた場合に次のとおりとする。ただし、12歳以下の子供の通院等に近親者等が付き添った場合には医師の証明は要しない。
(ア) 厚生労働大臣の許可を受けた有料職業紹介所の紹介による者
立証資料等により必要かつ妥当な実費とする。
(イ) 近親者等
1日につき2,100円とする。
ウ 近親者等に休業損害が発生し、立証資料等により、ア又はイ(イ)の額を超えることが明らかな場合は、必要かつ妥当な実費とする。
⑦ 諸雑費
療養に直接必要のある諸物品の購入費又は使用料、医師の指示により摂取した栄養物の購入費、通信費等とし、次のとおりとする。
ア 入院中の諸雑費
入院1日につき1,100円とする。立証資料等により1日につき1,100円を超えることが明らかな場合は、必要かつ妥当な実費とする。
イ 通院又は自宅療養中の諸雑費
必要かつ妥当な実費とする。
⑧ 柔道整復等の費用
免許を有する柔道整復師、あんま・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師が行う施術費用は、必要かつ妥当な実費とする。
→(山中注)整骨院の保険外施術費は支払対象外です。
⑨ 義肢等の費用
ア 傷害を被った結果、医師が身体の機能を補完するために必要と認めた義肢、歯科補てつ、義眼、眼鏡(コンタクトレンズを含む。)、補聴器、松葉杖等の用具の制作等に必要かつ妥当な実費とする。
イ アに掲げる用具を使用していた者が、傷害に伴い当該用具の修繕又は再調達を必要とするに至った場合は、必要かつ妥当な実費とする。
ウ ア及びイの場合の眼鏡(コンタクトレンズを含む。)の費用については、50,000円を限度とする。
⑩ 診断書等の費用
診断書、診療報酬明細書等の発行に必要かつ妥当な実費とする。
→(山中注)警察用の診断書作成にかかった費用は支払対象外です。
(2) 文書料
交通事故証明書、被害者側の印鑑証明書、住民票等の発行に必要かつ妥当な実費とする。
(3) その他の費用
(1) 治療関係費及び(2)文書料以外の損害であって事故発生場所から医療機関まで被害者を搬送するための費用等については、必要かつ妥当な実費とする。
転んで擦り傷なんかができた場合にまずやるべきことは「流水(水道水等)でとにかく洗う」
感染予防にもなるし、異物もある程度取れる
ただ洗っても砂利などが取れない場合は出来るだけ早く整形外科を受診して!
異物が残ったまま治癒すると外傷性刺青となり、自然に消えないことはもっと知られるべき
— おると🔨🐦整形外科医 (@Ortho_FL) November 8, 2022
2 休業損害(1) 休業損害は、休業による収入の減少があった場合又は有給休暇を使用した場合に1日につき原則として6,100円とする。ただし、家事従事者については、休業による収入の減少があったものとみなす。(2) 休業損害の対象となる日数は、実休業日数を基準とし、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して治療期間の範囲内とする。(3) 立証資料等により1日につき6,100円を超えることが明らかな場合は、自動車損害賠償保障法施行令第3条の2に定める金額を限度として、その実額とする。3 慰謝料(1) 慰謝料は、1日につき4,300円とする。(2) 慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内とする。→(山中注)「慰謝料の対象となる日数」につき,治療期間(事故から完治日又は症状固定日まで)の全日数と,実通院日数(入院日数+実際に通院した日数)の二倍のいずれか少ない方の数値が対象となります(交通事故サポートセンターHPの「自賠責保険のしくみと慰謝料計算方法」参照)から,2日に1回以下の通院ペースの場合,1回につき8600円が自賠責保険基準の通院慰謝料となります。(3) 妊婦が胎児を死産又は流産した場合は、上記のほかに慰謝料を認める。
相手保険会社「休業損害は事故前3ヶ月間の総支給額を90日で割って、実際の休業日数をかけます」
当職「いけっ!2018年赤い本下巻37頁!」
— 意識低い系弁護士 (@hatarakedo1988) February 10, 2023
第3 後遺障害による損害 後遺障害による損害は、逸失利益及び慰謝料等とし、自動車損害賠償保障法施行令第2条並びに別表第1及び別表第2に定める等級に該当する場合に認める。 等級の認定は、原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行う。1 逸失利益 逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額に該当等級の労働能力喪失率(別表Ⅰ)と後遺障害確定時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数(別表Ⅱ-1)を乗じて算出した額とする。ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額(別表Ⅲ)の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない。(1) 有職者 事故前1年間の収入額と後遺障害確定時の年齢に対応する年齢別平均給与額(別表Ⅳ)の年相当額のいずれか高い額を収入額とする。ただし、次の者については、それぞれに掲げる額を収入額とする。① 35歳未満であって事故前1年間の収入額を立証することが可能な者 事故前1年間の収入額、全年齢平均給与額の年相当額及び年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。② 事故前1年間の収入額を立証することが困難な者ア 35歳未満の者 全年齢平均給与額の年相当額又は年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。イ 35歳以上の者 年齢別平均給与額の年相当額。③ 退職後1年を経過していない失業者(定年退職者等を除く。) 以上の基準を準用する。この場合において、「事故前1年間の収入額」とあるのは、「退職前1年間の収入額」と読み替えるものとする。(2) 幼児・児童・生徒・学生・家事従事者 全年齢平均給与額の年相当額とする。ただし、59歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別平均給与額の年相当額とする。(3) その他働く意思と能力を有する者 年齢別平均給与額の年相当額とする。ただし、全年齢平均給与額の年相当額を上限とする。2 慰謝料等(1) 後遺障害に対する慰謝料等の額は、該当等級ごとに次に掲げる表の金額とする。① 自動車損害賠償保障法施行令別表第1の場合第1級 第2級1,650万円 1,203万円② 自動車損害賠償保障法施行令別表第2の場合第1級 第2級 第3級 第4級 第5級1,150万円 998万円 861万円 737万円 618万円第6級 第7級 第8級 第9級 第10級512万円 419万円 331万円 249万円 190万円第11級 第12級 第13級 第14級136万円 94万円 57万円 32万円(2)① 自動車損害賠償保障法施行令別表第1の該当者であって被扶養者がいるときは、第1級については1,850万円とし、第2級については1,373万円とする。② 自動車損害賠償保障法施行令別表第2第1級、第2級又は第3級の該当者であって被扶養者がいるときは、第1級については1,350万円とし、第2級については1,168万円とし、第3級については1,005万円とする。(3) 自動車損害賠償保障法施行令別表第1に該当する場合は、初期費用等として、第1級には500万円を、第2級には205万円を加算する。
頸椎捻挫でやたらめったら変な部位に痺れや痛みが多発している事案って非該当になりやすい傾向にある気がする。12級が取れそうな事案ならともかく、14級が相当な事案の場合、頸椎捻挫の自覚症状は『頸部痛』一択である。
— ミドル巻き (@igiarigodoudesu) July 23, 2022
アディーレさんの後遺障害等級認定の本。ざっと斜め読みしてみた感想としては、初心者向けかなぁと。もう少し丁寧に認定のポイントを説明してもいいかなとは思うが、事案が網羅的だし診断書や認定理由書の記載もあるから、申請したことない後遺障害で等級認定目指すなら辞書的に使いやすそう。
— まーやん (@masayar2) June 2, 2022
高次脳なら
①頭部外傷後の意識障害についての所見
②神経系統の障害に関する医学的意見は後遺障害診断書作成と同時に作ってもらいます(①は初診時の病院で)。
特に①は、カルテ上に意識障害ありとかかれていても、「意識障害なし」と書かれてしまう割合が多いです。
— ミドル巻き (@igiarigodoudesu) April 17, 2023
第4 死亡による損害 死亡による損害は、葬儀費、逸失利益、死亡本人の慰謝料及び遺族の慰謝料とする。 後遺障害による損害に対する保険金等の支払の後、被害者が死亡した場合の死亡による損害について、事故と死亡との間に因果関係が認められるときには、その差額を認める。1 葬儀費 葬儀費は、100万円とする。2 逸失利益(1) 逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数(別表Ⅱ-1)を乗じて算出する。ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額(別表Ⅲ)の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない。① 有職者 事故前1年間の収入額と死亡時の年齢に対応する年齢別平均給与額(別表Ⅳ)の年相当額のいずれか高い額を収入額とする。ただし、次に掲げる者については、それぞれに掲げる額を収入額とする。ア 35歳未満であって事故前1年間の収入額を立証することが可能な者 事故前1年間の収入額、全年齢平均給与額の年相当額及び年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。イ 事故前1年間の収入額を立証することが困難な者(ア) 35歳未満の者 全年齢平均給与額の年相当額又は年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額。(イ) 35歳以上の者 年齢別平均給与額の年相当額。ウ 退職後1年を経過していない失業者(定年退職者等を除く。) 以上の基準を準用する。この場合において、「事故前1年間の収入額」とあるのは、「退職前1年間の収入額」と読み替えるものとする。② 幼児・児童・生徒・学生・家事従事者 全年齢平均給与額の年相当額とする。ただし、59歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別平均給与額の年相当額とする。③ の他働く意思と能力を有する者 年齢別平均給与額の年相当額とする。ただし、全年齢平均給与額の年相当額を上限とする。(2) (1)にかかわらず、年金等の受給者の逸失利益は、次のそれぞれに掲げる年間収入額又は年相当額から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数(別表Ⅱ-1)を乗じて得られた額と、年金等から本人の生活費を控除した額に死亡時の年齢における平均余命年数のライプニッツ係数(別表Ⅱ-2)から死亡時の年齢における就労可能年数のライプニッツ係数を差し引いた係数を乗じて得られた額とを合算して得られた額とする。ただし、生涯を通じて全年齢平均給与額(別表Ⅲ)の年相当額を得られる蓋然性が認められない場合は、この限りでない。 年金等の受給者とは、各種年金及び恩給制度のうち原則として受給権者本人による拠出性のある年金等を現に受給していた者とし、無拠出性の福祉年金や遺族年金は含まない。① 有職者 事故前1年間の収入額と年金等の額を合算した額と、死亡時の年齢に対応する年齢別平均給与額(別表Ⅳ)の年相当額のいずれか高い額とする。ただし、35歳未満の者については、これらの比較のほか、全年齢平均給与額の年相当額とも比較して、いずれか高い額とする。② 幼児・児童・生徒・学生・家事従事者 年金等の額と全年齢平均給与額の年相当額のいずれか高い額とする。ただし、59歳以上の者で年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を下回る場合は、年齢別平均給与額の年相当額と年金等の額のいずれか高い額とする。③ その他働く意思と能力を有する者 年金等の額と年齢別平均給与額の年相当額のいずれか高い額とする。ただし、年齢別平均給与額が全年齢平均給与額を上回る場合は、全年齢平均給与額の年相当額と年金等の額のいずれか高い額とする。(3) 生活費の立証が困難な場合、被扶養者がいるときは年間収入額又は年相当額から35%を、被扶養者がいないときは年間収入額又は年相当額から50%を生活費として控除する。3 死亡本人の慰謝料 死亡本人の慰謝料は、400万円とする。4 遺族の慰謝料 慰謝料の請求権者は、被害者の父母(養父母を含む。)、配偶者及び子(養子、認知した子及び胎児を含む。)とし、その額は、請求権者1人の場合には550万円とし、2人の場合には650万円とし、3人以上の場合には750万円とする。 なお、被害者に被扶養者がいるときは、上記金額に200万円を加算する。第5 死亡に至るまでの傷害による損害 死亡に至るまでの傷害による損害は、積極損害〔治療関係費(死体検案書料及び死亡後の処置料等の実費を含む。)、文書料その他の費用〕、休業損害及び慰謝料とし、「第2 傷害による損害」の基準を準用する。ただし、事故当日又は事故翌日死亡の場合は、積極損害のみとする。第6 減額1 重大な過失による減額 被害者に重大な過失がある場合は、次に掲げる表のとおり、積算した損害額が保険金額に満たない場合には積算した損害額から、保険金額以上となる場合には保険金額から減額を行う。ただし、傷害による損害額(後遺障害及び死亡に至る場合を除く。)が20万円未満の場合はその額とし、減額により20万円以下となる場合は20万円とする。減額適用上の 減 額 割 合被害者の過失割合 後遺障害又は死亡に係るもの 傷害に係るもの7割未満 減額なし 減額なし7割以上8割未満 2割減額 2割減額8割以上9割未満 3割減額 2割減額9割以上10割未満 5割減額 2割減額2 受傷と死亡又は後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難な場合の減額被害者が既往症等を有していたため、死因又は後遺障害発生原因が明らかでない場合等受傷と死亡との間及び受傷と後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難な場合は、死亡による損害及び後遺障害による損害について、積算した損害額が保険金額に満たない場合には積算した損害額から、保険金額以上となる場合には保険金額から5割の減額を行う。附 則 この告示は、平成十四年四月一日から施行し、同日以後に発生する自動車の運行による事故に係る自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払から適用する。附 則 (平成二十二年金融庁・国土交通省告示第一号) この告示は、平成二十二年四月一日から施行し、同日以後に発生する自動車の運行による事故に係る自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払から適用する。附 則 (令和元年金融庁・国土交通省告示第三号) この告示は、令和二年四月一日から施行し、同日以後に発生する自動車の運行による事故に係る自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払から適用する。
被害者請求をしたら調査事務所から「○○病院の画像があるはずなので、入手して送ってほしい。費用はこちらで持つ」と言われることがあり、その取り付け依頼より「後」に画像を取得したら、その費用は支払ってもらえる。
画像の存在は知っていても病院によっては費用がバカ高いときがあり(以下自粛)— ミドル巻き (@igiarigodoudesu) June 13, 2022
私は、訴訟になったら減るリスクのない事案は、訴外でも100%から譲りません。
無理なら訴訟しますと言えば、認めてきますから。— 北見洋 (@mNpc6OQNra1jafa) July 6, 2022
第2部 支払基準の改正経緯
1 改正内容の概要については,令和元年11月2日締切のパブリックコメントに際して掲載された,「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準の一部を改正する告示案について」のとおりであって,リンク先によれば,改正の背景は以下のとおりです(年3%の法定利率は民法404条2項で定められています。)。
自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準(平成 13 年金融庁・国土交通省告示第1号。以下「支払基準」という。)は、自動車損害賠償保障法(昭和 30 年法律第 97 号)第 16 条の3第1項(第 23 条の3第1項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、定められている。
民法の一部を改正する法律(平成 29 年法律第 44 号)の施行(令和2年4月1日)により、法定利率が年5パーセントから年3パーセントとなる。支払基準においては、現行の法定利率(年5パーセント)を前提としたライプニッツ係数(※)を用いているところ、法定利率の変更に合わせて、同係数を変更する必要がある。
また、平均余命年数、物価水準及び賃金水準の変動や近年の保険金等の支払の実態を支払基準に反映させる必要がある。
※ ライプニッツ係数:逸失利益の現在価額を算定するため中間利息を控除する係数。
2(1) 自賠責保険の支払基準の改正案につき,令和元年11月2日締切のパブリックコメントで提出された意見は1件だけでしたから,改正案に対する修正はありませんでした(「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準の一部を改正する告示案に係る意見募集の結果について」参照)。
(2) 重次法律事務所HPの「自賠責保険の支払基準改正の告示(2019.10.4)」では,自賠責保険の支払基準の改正案の内容について詳しく説明されています。
物損って金額が小さいからという理由もあり、話し合いで解決をするなら、裁判をしたらそんな費目は出ないよっていうものまで出してくれる場合もある。
物損に限っては、一般人が対応した方が金額が上がる場合もあるので、やりたくない。やる意味がないし、手間は割と取られるし。報酬低いし。
— ミドル巻き (@igiarigodoudesu) September 9, 2022
後遺障害の被害者請求する際は、送付書に「整理表も送ってね はーと」と書いたら、整理表を送ってくれます。
この整理表には事故日、生年月日、入通院の回数などの基本的な情報ががまとめられていますし、治療経過のところを見たら、どこを調査事務所が注目しているかが分かる場合があります。
— ミドル巻き (@igiarigodoudesu) April 17, 2023
第3部 関連記事その他
1(1) 国土交通省HPの「統計情報」に,自賠責保険(共済)の損害別支払保険金(共済金)の推移(会計年度)等が載っています。
(2) 金融庁HPの「自動車損害賠償責任保険審議会」に,自賠責保険審議会の議事録・資料等が載っています。
(3) 日本損害保険協会HPに「自動車損害賠償責任保険約款」が載っています。
(4) 交通事故トラブル解決ガイドに「ライプニッツ係数・ホフマン係数(年2%~5%の利率別)」が載っています。
2 損害保険料率算出機構HPの「刊行物」に,自賠責保険(共済)損害調査のしくみ,自動車保険の概況,火災保険・地震保険の概況,傷害保険の概況とかが載っています。
3(1) 国民健康保険の被保険者である交通事故の被害者が,保険者から療養の給付を受けるのに先立って、自動車損害賠償保障法16条1項の規定に基づき損害賠償額の支払を受けた場合には,保険会社が支払に当たって算定した損害の内訳のいかんにかかわらず,右被保険者の第三者に対する損害賠償請求権は右支払に応じて消滅し,右保険者は,国民健康保険法64条1項の規定に基づき,療養の給付の時に残存する額を限度として損害賠償請求権を代位取得します(最高裁平成10年9月10日判決)。
(2) 療養の給付とは,保険証を持って医療機関等にかかった際に,現物給付(窓口負担分以外のお金を窓口で支払わなくても受けられる医療)を受けることをいいます(東京都後期高齢者医療広域連合HPの「療養の給付と療養費の違いはなんですか?」参照)。
5 不法行為に基づく一個の損害賠償請求権のうちの一部が訴訟上請求されている場合に,過失相殺をするにあたっては,損害の全額から過失割合による減額をし,その残額が請求額をこえないときは右残額を認容し,残額が請求額をこえるときは請求の全額を認容することができます(最高裁昭和48年4月5日判決)。
6 交通事故による後遺症のために身体的機能の一部を喪失した場合においても,後遺症の程度が比較的軽微であって,しかも被害者が従事する職業の性質からみて現在又は将来における収入の減少も認められないときは,特段の事情のない限り,労働能力の一部喪失を理由とする財産上の損害は認められません(最高裁昭和56年12月22日判決)。
7 車両損傷を理由とする損害と身体傷害を理由とする損害とは,これらが同一の交通事故により同一の被害者に生じたものであっても,被侵害利益を異にするものであり,車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権は,身体傷害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権とは異なる請求権です(最高裁令和3年11月2日判決)。
7 あん摩マツサージ指圧師,はり師,きゆう師等に関する法律19条1項は,憲法22条1項に違反しません(最高裁令和4年2月7日判決 )。
8 国土交通省HPの「「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」の報告書を公表します!」(平成30年3月20日付)に,研究会報告書(概要版,全体版)が載っています。
9 以下の記事も参照してください。
・ 「自動車損害賠償保障法及び関係政省令の改正等に伴う事務の実施細目について」と題する,国土交通省自動車交通局保障課長の通知(平成14年3月11日付)
・ 昭和48年9月1日付の,日本損害保険協会及び日弁連交通事故相談センターの覚書(交通事故損害賠償に関するもの)
・ 交通事故でも健康保険を利用できること
・ 損益相殺
・ 東京地裁民事第27部(交通部)
・ 弁護士費用特約
高野真人「自賠責保険における高次脳機能障害の等級認定と裁判例における等級評価の動向」青い本〔22訂版〕357頁以下を読了。
青い本付録の「脳外傷による高次脳機能障害事案の相談における留意点」と併せて読んだけど、等級相互間の境界線の「相場」が分かりやすく解説してあって、有益だと思った。
— K (@iroha123456789m) October 6, 2022
可動域制限について、①後遺障害診断書作成時より②リハビリ期間中の数値がよいことを理由に、保険会社が後遺障害該当性を争うことがあります。②がリハビリ直後に測定されていた場合は、通常時より良い条件下での数値なので、通常時の状態に近い①の数値で後遺障害該当性を認定すべきと主張し得ます
— 弁護士狩野優理子@元検察官 (@knyrk00) April 12, 2023
【後遺障害のリアル2】
後遺障害診断書は超重要書類です…!!
これがちゃんとしてないと、おりる後遺障害もおりません。
気をつけましょう…!!#弁護士 #漫画が読めるハッシュタグ #たぬじろう #食っていけない弁護士 pic.twitter.com/dhOeBXEJQa— 【漫画】弁護士のたぬじろう (@B_Tanujiro) November 11, 2022