◯本ブログ記事は,留置管理業務の手引き(令和6年2月の大阪府警察本部総務部留置管理課作成の執務資料)に基づき,専らAIで作成したものです。
目次
第1 総則と組織の基本原則
1 捜査と留置の分離の重要性
2 留置業務の三原則と任務
3 組織体制と各職位の責務
第2 留置開始時の適正な手続
1 新規留置前の審査と判断
2 身体検査と金属探知機の運用
3 所持金品の厳格な管理
4 告知書の提示と権利の保障
第3 被留置者の日常生活と処遇
1 標準的な日課時限の運用
2 給食,入浴,運動の実施
3 自弁物品の購入基準
第4 外部交通の管理と制限
1 弁護人等との面会
2 一般面会の実施要領
3 信書の発受と検査
4 接見等禁止決定への対応
第5 健康管理と医療上の配慮
1 健康状態の把握と診療
2 特筆すべき疾患への対策
3 薬務管理と誤投薬の防止
第6 保安管理と事故防止策
1 見張り勤務と動静監視
2 戒具の使用と留置保護室
3 問題被留置者への組織的対応
第7 特別な配慮を要する対象者
1 女性被留置者への処遇
2 外国人被留置者と領事官通報
3 性同一性障害者への配慮
第8 裁判手続に伴う実務
1 勾留状の確認と執行
2 「勾留状に代わるもの」の最新運用
3 公判出廷に向けた措置
第9 不服申立て制度
1 審査の申請と事実の申告
2 苦情の申出
第10 非常災害対策と情報管理
1 災害時の避難誘導と解放
2 留置情報の登録と管理
第1 総則と組織の基本原則
1 捜査と留置の分離の重要性
留置管理業務の根幹は,捜査部門と留置管理部門の完全な分離にあります。これは,自白の強要や冤罪を防止し,被留置者の人権を適正に保護するための大原則です。
(1) 代用監獄制度への批判と対応
日本弁護士連合会等は,長年にわたり代用監獄の廃止を訴えています。国際人権B規約委員会からも,捜査と分離された当局の管理下にないことへの懸念が示されています。
(2) 分離の徹底に向けた具体的指針
警察組織内では,捜査と留置を完全に分離しています。取り調べが日課時限を超えた場合,留置主任官は捜査側に打ち切りを検討するよう要請します。
(3) 利益供与の禁止
捜査員が取り調べ中に飲食物や煙草を提供することは厳禁です。これは供述の任意性に影響を及ぼすためです。留置担当者は,出入場時間の記録を分単位で行い,不自然な短時間出場がないか監視します。
2 留置業務の三原則と任務
留置担当者の任務は,被留置者の身柄拘禁に関するすべての業務を適正に行うことです。
(1) 拘禁目的の達成
逃走及び罪証隠滅を防止し,刑事手続を円滑に進める責任があります。
(2) 適正な処遇の実施
被留置者の状況に応じ,人権を尊重した適切な処遇を行います。
(3) 法令の厳守
刑事収容施設法,規則,規程等の関係法令を遵守し,国民の信頼を損なわない運営に努めます。
3 組織体制と各職位の責務
効率的かつ厳正な管理のため,明確な指揮系統が確立されています。
(1) 留置主任官
留置業務管理者を補佐し,現場の留置担当者を直接指揮監督します。警察署では通常,留置管理課長がこの任に当たります。
(2) 留置主任官代理
主任官を補佐し,護送に関する実務の代行や看守勤務員の指導を行います。
(3) 留置副主任官
留置業務に係る事務処理や若手職員への指導を行います。原則として護送業務には従事せず,施設内の規律維持に専念します。
第2 留置開始時の適正な手続
1 新規留置前の審査と判断
身柄を受け入れる前に,捜査主任官による留置要否の判断が必要です。
(1) 判断基準
事案の軽重,逃亡や罪証隠滅の恐れ,被疑者の年齢や健康状態を総合的に考慮します。
(2) 共犯者の分離
真にやむを得ない場合を除き,共犯者を同一の施設に留置してはなりません。これは通謀を防止するためです。
(3) 留置前診療
健康不良者については,留置前に医師の診察を受けさせます。現在の疾患や外傷を明確にし,必要な投薬が行われた後に留置を開始します。
2 身体検査と金属探知機の運用
施設内の安全と規律を維持するため,新規留置時には厳格な身体検査を実施します。
(1) 検査の目的
凶器や薬物,自傷行為に使用可能な紐などの危険物を発見することにあります。
(2) 実施方法
「手」による直接の検査を実施した後,必ず金属探知機を併用します。着衣,頭部,腕部,胴体,脚部の順に綿密に行います。
(3) プライバシーへの配慮
検査は身体検査室などの遮蔽された場所で行います。女性被留置者に対しては,必ず女性職員が検査に当たります。
3 所持金品の厳格な管理
預かった物品については,被留置者の面前で確認し,詳細に記録します。
(1) 保管区分
物品は,危険物(甲),貴重品(乙A),その他の領置物(乙B),居室内で使用可能な私物(保)に区分されます。
(2) 現金の管理
少額現金と高額現金に分けて保管します。高額現金は専用の金庫に収納し,厳重に管理します。
(3) 貴重品の封入
保険証やカード類は封筒に入れ,被留置者の指印をもって封かんします。時価100万円以上の物品は会計課へ保管を委託します。
4 告知書の提示と権利の保障
被留置者が施設内で守るべきルールと,保障されている権利を理解させる必要があります。
(1) 告知の時期
新規留置時,または釈放後の再逮捕などで身分が変わった際に行います。
(2) 告知内容
日課時限,遵守事項,面会や信書のルール,不服申立ての方法など14項目にわたります。
(3) 言語対応
日本語のほか,英語,中国語,韓国語等の多言語による告知書を備え付けています。
第3 被留置者の日常生活と処遇
1 標準的な日課時限の運用
規則正しい生活を通じて,心身の安定を図ります。
(1) 起床から就寝まで
午前7時に起床し,寝具の回収,清掃,洗面を行います。午後9時に就寝・消灯となります。
(2) 自由時間の制限
日課は分単位で定められており,特に支障がない限りこれに従わなければなりません。
2 給食,入浴,運動の実施
基本的な生活水準の維持に努めます。
(1) 給食の検査
食中毒防止のため,支給前に留置主任官が目視で検査を行います。賞味期限の確認を徹底します。
(2) 入浴の機会
週に2回以上の入浴日を設けています。
(3) 運動の実施
1日につき概ね30分間,屋外または適当な場所で運動する機会を与えます。
3 自弁物品の購入基準
生活に必要な日用品や嗜好品を,本人の費用で購入することを認めます。
(1) 購入可能な物品
衣類,一部の食品(菓子・清涼飲料水),文具類,書籍などが対象です。
(2) 制限事項
施設の規律維持に支障がある物品や,過剰な量の購入は制限されます。
第4 外部交通の管理と制限
1 弁護人等との面会
憲法上の権利として,弁護人との面会は最大限尊重されます。
(1) 立会いの不在
弁護人との面会には,警察職員の立会いはつきません。
(2) メモ等の持込み
弁護人が面会室にメモや資料を持ち込むことは自由です。写真撮影については,施設管理上の理由から原則として認められませんが,証拠保全等の正当な理由があれば個別に判断します。
2 一般面会の実施要領
家族や知人との面会については,保安上の管理が必要です。
(1) 実施時間と回数
原則として平日の執務時間内に行います。回数は1日1回,時間は20分以内です。
(2) 立会いと記録
職員が必ず立ち会い,内容を記録します。不適切な言動がある場合は,面会を中止させることがあります。
3 信書の発受と検査
手紙のやり取りは認められますが,厳格な検査が行われます。
(1) 検査の範囲
弁護人等との信書は,原則として外形的な検査にとどめます。一般人との信書は,内容を精査します。
(2) 差し止めと抹消
逃走の計画や罪証隠滅を疑わせる記述,施設の規律を著しく害する内容は,削除や抹消の対象となります。
4 接見等禁止決定への対応
裁判所から接見禁止決定が出されている場合,外部との接触は厳しく制限されます。
(1) 制限の範囲
弁護人等以外の者との面会や信書の発受が原則として禁止されます。
(2) 解除の確認
起訴時や第1回公判終了時など,制限が解除されるタイミングを正確に把握しなければなりません。疑義がある場合は,直ちに検察官に確認します。
第5 健康管理と医療上の配慮
1 健康状態の把握と診療
被留置者の生命と健康を守ることは,管理者の重大な責任です。
(1) 健康診断
月に2回,医師による定期的な健診を実施します。
(2) 随時の診療
本人からの申し出や,職員が異常を察知した場合は,速やかに受診の措置を執ります。
2 特筆すべき疾患への対策
集団生活の場で注意が必要な症状について解説します。
(1) エコノミークラス症候群
狭い居室内で長時間同じ姿勢を続けることで発症します。適度な運動と水分補給を促すよう指導します。
(2) 偶発性低体温症(凍死)
冬場,保護室等に収容された際にリスクが高まります。衣類が濡れていないか,十分な寝具が提供されているかを確認します。
(3) 食物アレルギー
給食業者と連携し,アレルギー原因物質を排除した代替食を提供します。
3 薬務管理と誤投薬の防止
複数の被留置者がいる中での投薬は,細心の注意を要します。
(1) 投薬用ケースの活用
朝・昼・夕・眠前・頓服と色分けされた専用ケースを使用し,視覚的に誤りを防止します。
(2) 本人確認の徹底
投薬時には複数の職員で,留置番号と氏名を確認します。口の中に薬が残っていないか,飲み込むまで見届けます。
第6 保安管理と事故防止策
1 見張り勤務と動静監視
事故の多くは一瞬の隙に発生します。
(1) 見張りの基本
看守台から常に居室内を見渡し,雑談や読書をせず,職務に専念します。
(2) 巡回
不規則な時間間隔で巡回を行い,死角をなくします。被留置者の表情や行動のわずかな変化を察知することが重要です。
2 戒具の使用と留置保護室
これらは人権への制約が極めて大きいため,厳格な法的要件が必要です。
(1) 戒具の種類
捕縄,手錠,拘束衣の3種類です。逃走や自傷,他人に危害を加える恐れがある場合に使用します。
(2) 留置保護室の収容要件
大声を出して制止に従わない,設備を損壊するなどの場合に収容します。期間は原則72時間以内です。
(3) 医師の意見聴取
拘束衣の使用や保護室への収容時には,速やかに医師の意見を聞き,健康状態を確認します。
3 問題被留置者への組織的対応
不当な要求を繰り返す者に対しては,個人の判断で対応せず,組織として対処します。
(1) 採証の徹底
ビデオカメラや録音機を使用し,言動を客観的に記録します。
(2) 毅然とした態度
規律違反に対しては,反則行為としての制裁や戒具の使用を躊躇せず検討します。
第7 特別な配慮を要する対象者
1 女性被留置者への処遇
羞恥心への配慮と安全確保が求められます。
(1) 女性職員による対応
身体検査や入浴の立会いは,必ず女性職員が行います。
(2) 生理用品の取扱い
居室内に予備を置くことを認め,廃棄についてもプライバシーを保護します。
(3) 特例公務員暴行陵虐罪
合意の上であっても,身体接触は厳禁です。教養を徹底し,不祥事防止に努めます。
2 外国人被留置者と領事官通報
国際条約に基づいた適切な対応が必須です。
(1) 権利の告知
逮捕後,速やかに領事官に通報する権利があることを告知します。
(2) 通訳の活用
言葉が通じない場合は,通訳センターを通じて専門の通訳人を要請します。
3 性同一性障害者への配慮
戸籍上の性別と自認する性別が異なる場合,個別の対応を検討します。
(1) 居室の選定
本人の要望を尊重し,原則として単独室への収容を検討します。
(2) 検査の立会い
本人の申出に応じ,男性警察官または女性警察官のどちらが適当かを慎重に判断します。
第8 裁判手続に伴う実務
1 勾留状の確認と執行
勾留場所の誤記は,即座に釈放事案へと発展する重大なミスとなります。
(1) 記載内容の点検
人定事項,勾留場所,有効期間,裁判官の印影などを何重にもチェックします。
(2) 執行の手順
被留置者に勾留状を提示し,内容を読み聞かせます。
2 「勾留状に代わるもの」の最新運用
令和6年2月15日から導入された新しい制度です。
(1) 制度の趣旨
性犯罪等の被害者の氏名や住所が被疑者に知られないよう,個人特定事項を伏せた書類を提示するものです。
(2) 取扱い上の注意
被留置者に提示するのは「代わるもの」のみです。原本(被害者名が記載されたもの)を見られないよう,バインダーで隠すなどの措置を徹底します。
3 公判出廷に向けた措置
裁判所へ間違いなく送り届けるための準備です。
(1) 召喚状の受領
特別送達で届いた召喚状を被留置者に手渡し,コピーを保管して日程を管理します。
(2) 護送計画の作成
前日までに護送ルートや人員配置を決定し,副署長の決裁を受けます。
第9 不服申立て制度
1 審査の申請と事実の申告
管理者の処分や職員の行為に対し,法に基づき申し立てることができます。
(1) 秘密の保持
申し立ての内容を職員が検閲することは禁止されています。封筒に入れ封印させた状態で受理します。
(2) 期間の制限
原則として,処分があった日の翌日から30日以内に行う必要があります。
2 苦情の申出
より広範な処遇に関する不満についても,申し出ることができます。
(1) 申出先
警察本部長,実地監査官,または留置業務管理者(署長)のいずれかを選択できます。
(2) 誠実な対応
すべての苦情は真摯に受け止め,調査の結果を本人に通知します。
第10 非常災害対策と情報管理
1 災害時の避難誘導と解放
被留置者の生命を守るための究極の判断が求められます。
(1) 垂直避難
津波の恐れがある場合は,5分以内に庁舎の上階へ避難させる体制を整えています。
(2) 一時解放
避難の手段が全くなく,生命に危険が迫っている場合は,管理者の判断で一時的に解放することが法律で認められています。
2 留置情報の登録と管理
全国的なデータベースを活用し,安全な管理を実現します。
(1) 登録対象
特異な動静を示した者や,重篤な疾患を持つ者の情報を登録します。
(2) 移送先への引継ぎ
拘置所や他署へ移送される際,これらの情報が引き継がれることで,一貫した適切な処遇が可能となります。
まとめ:適正な管理こそが司法の信頼を支える
留置管理業務は,派手な捜査活動とは対照的に,地道で神経を使う仕事です。しかし,この「最後の砦」が適正に運営されていなければ,刑事手続き全体の正当性が失われてしまいます。
私たちベテラン職員は,常に「法と正義」を胸に,被留置者一人ひとりと向き合っています。厳格な規律と温かい人権意識。この二つのバランスを保つことが,日本の警察の誇りです。
この記事を通じて,大阪府警察がどのような覚悟とルールで留置場を運営しているか,その一端をご理解いただければ幸いです。