法務総合研究所


目次
1 法務総合研究所の組織及び所在地
2 法務総合研究所の各部の所掌事務等
3 法務総合研究所教官
4 法務省浦安総合センター
5 法務総合研究所の沿革
6 検察事務官向けの法務総合研究所の研修教材
7 関連資料及び関連記事

1 法務総合研究所の組織及び所在地
(1) 法務総合研究所(略称は「法総研」です。)には,以下の七部があります(法務総合研究所組織規則3条)。
① 総務企画部
② 研究部
③ 研修第一部
④ 研修第二部
⑤ 研修第三部
⑥ 国際連合研修協力部
⑦ 国際協力部
(2) 法務総合研究所のパンフレットによれば,それぞれの所在地は以下のとおりです。
① 総務企画部,研修第一部,研修第二部及び研修第三部は,法務本省が入居している赤れんが棟(東京都千代田区)にあります。
② 研究部は,法務省浦安総合センター(千葉県浦安市)にあります。
③ 国際連合研修協力部(国連アジア極東犯罪防止研修所)(略称はアジ研又はUNAFEI(ユナフェイ))及び国際協力部は,国際法務総合センター(東京都昭島市)にあります。

2 法務総合研究所の各部の所掌事務等
(1)ア   研究部は刑事政策全般に関する総合的な調査・研究を行っており,調査・研究の対象は,検察,刑事裁判,矯正及び更生保護となっており(法務総合研究所組織規則11条),毎年,犯罪白書を作成しています。
イ   研修第一部は法律実務家研究等を行っています(法務総合研究所組織規則12条)。
ウ   研修第二部は検事,副検事,検察事務官及び保護観察官に対する各種の研修を行っています(法務総合研究所組織規則13条)。
エ   研修第三部は法務局職員,入国審査官,入国警備官に対する各種の研修を行っています(法務総合研究所組織規則14条)。
オ   国際連合研修協力部は国連アジア極東犯罪防止研修所(略称はUNAFEI=ユナフェイ)の運営を行っています(法務総合研究所組織規則15条)。
カ   国際協力部は法務省が行う国際協力の一環として,関係機関と協力してアジア諸国に対する基本法令の起草・改正,司法制度の整備,法曹人材の育成への支援などの法整備支援活動を行っています(法務総合研究所組織規則16条)。
(2) 59期の飯島暁裁判官は法務総合研究所研修第三部教官でしたから,法務局職員,入国審査官,入国警備官に対する各種の研修を担当していたことになります。

3 法務総合研究所教官
(1) 平成27年7月21日現在,研修第一部には研修第一部長を含めて7人の教官がいて,研修第二部には研修第二部長を含めて9人の教官がいて,研修第三部には研修第三部長を含めて8人の教官がいて,国際連合研修協力部には国際連合研修協力部長を含めて10人の教官がいて,国際協力部には国際協力部長を含めて11人の教官がいました。
(2) 裁判官出身の教官は,研修第三部に1人,国際連合研修協力部に1人,国際協力部に2人いました。
(3)ア 法務総合研究所教官職員名簿を以下のとおり掲載しています。
・ 令和 5年4月 1日時点の名簿
・ 令和 4年4月26日時点の名簿
・ 令和 3年4月26日時点の名簿
・ 令和 2年4月23日時点の名簿
・ 平成31年4月 5日時点の名簿
・ 平成30年4月13日時点の名簿
・ 平成28年8月 5日時点の名簿
イ   平成28年8月5日時点の名簿につき,裁判官出身の教官は以下の4人でした。
・ 59期の飯島暁 研修第三部教官
・ 新60期の平野望 国際連合研修協力部教官
・ 新60期の東尾和幸 国際協力部教官
・ 新62期の湯川亮 国際協力部教官
(4)ア 法務総合研究所教官は,少年院や少年鑑別所などに勤務する法務教官とは異なります。
イ 
全国の刑務所,少年刑務所,拘置所,少年院,少年鑑別所等に勤務する矯正職員に対する研修は,法務省矯正研修所(〒183-0057 東京都府中市晴見町2-8)が担当しています(法務省HPの「法務省 矯正研修所」参照)。


4 法務省浦安総合センター
(1) 法務省浦安総合センターは,毎年10月下旬の土日に司法試験予備試験の口述試験が実施されています(法務省HPの「司法試験予備試験の実施について」参照)ところ,その案内図及び構内の配置図は以下のとおりです。

(2) 司法試験予備試験の受験票の写真が以下のとおりツイートされています。


5 法務総合研究所の沿革
 文部科学省HPの「法務総合研究所(法務省)」に以下の記載があります。
 昭和22年5月3日現行憲法が施行され、裁判所が司法省から分離独立しましたが、このときにそれまで判事、検事及び司法官試補の研究・研修機関で司法省に設置されていた「司法研修所」(昭和14年7月6日司法研究所として設置され、その後、昭和21年5月15日司法研修所と改称)が最高裁判所に設置の「司法研修所」と司法省に設置の「司法省研修所」に分割されました。後者が「法務総合研究所」の前身です。
 司法省研修所は、検察官、検察事務官、司法事務官等司法大臣所部の職員に対する研修及び司法に関する研究を行うものとされ、その後、司法省が法務庁、法務府と名称を変更したことに伴い、「法務庁研修所」(昭和23年2月15日)、「法務府研修所」(昭和24年6月1日)と改称されました。そして、同27年8月に現在の法務省に改組された際、それまで幹部検察官を対象として別に設置されていた「検察研究所」(昭和25年4月1日)を統合して「法務研修所」が設立されました。
 法務研修所は、法務大臣所部の職員に対する研修及び法務に関する専門的研究を行うことを目的としましたが、更に同30年代に入り、少年犯罪の激増・凶悪化など犯罪現象の量的・質的変化に対応し得る総合的科学的な刑事政策研究の必要性が痛感され、刑事政策の専門的な研究部門を加えて組織・機構を整備拡充することとなり、同34年4月「法務総合研究所」として発足するに至っています。
 その後、同36年6月に国際連合との協定により、国際連合と日本国政府との共同運営の形態で「アジア極東犯罪防止研修所」が我が国に設置され、日本政府機関としてこれに協力するために国際連合研修協力部が新たに設立されました。
 平成7年4月には、法務総合研究所部内の意見をくみ取るとともに、官房、関係部局と連携し、法務総合研究所における研修・研究ニーズを的確にとらえ、21世紀の法務省にふさわしい研修・研究の在り方を総合的な視点から企画立案し実施準備を進める部署として総務企画部が新設されました。
 さらに、平成13年4月には、アジア諸国を始めとする発展途上国の要請にこたえて、民商事法分野における法整備支援を実施する部署として国際協力部が新設されて今日に至っています。

6 検察事務官向けの法務総合研究所の研修教材
・ 七訂版 検察庁法(平成31年3月の法務総合研究所の文書)
・ 事件事務解説
・ 執行事務解説
・ 証拠品事務解説
・ 徴収事務解説
・ 記録事務解説
・ 犯歴事務解説
・ 刑事手続概要
・ 関係機関概要
・ 検務事務入門
・ 文書事務解説
・ 会計事務解説
・ 立会事務



7 関連記事その他

(1) 法務省HPに「~国際研修~第50回ベトナム法整備支援研修」(筆者は52期の塚部貴子検事)が載っています。
(2) 法務省HPに載ってある「ICD教官体験記」(ICDは「法務省法務総合研究所国際協力部」の略称です。)(筆者は新63期の鈴木一子)には以下の記載があります。
 裁判官の仕事と法整備支援は全然異なる業務だと思われる方もいるかもしれません。しかし,ICD 教官になって一番比重が大きいのは,日本の制度について改めて調べ,よくある質問に対応できるように暗記するなど,日本の制度について勉強することでした。ICD 教官を経験して日本の制度に関する理解が深まったと思います。また,月並みですが,日本において当たり前のことは他国では当たり前でないことを実感することが多く,翻って日本の司法制度について振り返ることばかりです。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 検事の研修日程
・ 法務・検察幹部名簿(平成24年4月以降)
・ 検察事務官


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