目次
1 裁判文書の場合
2 司法行政文書の場合
3 関連記事その他
1 裁判文書の場合
(1) 平成13年1月1日からA4判・横書きとなるとともに,参考書式の仕様は1行37文字・1頁26行・左余白30㎜・上余白35㎜とされました(日弁連HPの「裁判文書」参照)。
(2) 平成12年12月31日までは,かつての民事訴訟規則(平成10年1月1日廃止)6条が「訴訟書類には、できる限り、日本工業規格B列四番の用紙を二つに折ったもの又は日本工業規格B列五番の用紙を使用しなければならない。ただし、図面、統計表その他これに準ずるものについては、この限りでない。」と定めていたため,B判・縦書きでした。
(3) 日弁連HPの「裁判文書」には,「その他(平成12年11月16日日弁連企第231号)」として以下の記載があります。
弁護士会から最高裁事務総局に照会しました結果は以下のとおりです。
・ 印刷仕様は片面印刷
・ A3判の袋とじは使用せず、A4判によるものとする。
・ 複数枚の文書の綴じ方は左綴じとし、左余白30㎜以内のところで、ホチキスにより2か所をとめる。
・ 使用文字の大きさは12ポイントの文字で、見出しの文字の大きさを変更するのは任意である。
・ 読点の種類について裁判文書は「,」に統一しているので、「,」の使用する。ただし「、」を使用されている文書も用いることができる。
・ 裁判所書式の一部改正について
(平成30年11月12日日弁連法2第223号)
平成30年10月17日から、証人等尋問調書の様式が一部改正されています。被害者または証人等の秘匿情報管理の観点から、証人等尋問調書の様式の住居欄、年齢欄および職業欄を削除したとのことです。
(4) 45期の門田友昌最高裁判所民事局長は,令和4年4月3日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
裁判官が個別の事案において判決書をどう起案するかについては、各裁判官の判断と責任に委ねられているところでございまして、最高裁判所が個別事案における裁判官の判決起案の在り方やその過程について調査、検証等の対応を取ることは、裁判官の職権行使の独立との関係で相当ではないと考えているところでございます。
したがって、最高裁としては、今回報道されました判決の起案過程において、いわゆるコピペが行われたかどうかについて調査、検証することは難しいということを御理解いただければと存じます。
(5)ア 裁判文書の表記方法につき以下の記事が参考になります
・ 裁判文書作成の技術HPの「裁判文書表記法」,
・ 実務の友HPの「裁判文書(裁判所提出書類)の標準的な書式,表記法」
イ 以下の文書を掲載しています。
・ 判決書の書式等の標準的な設定について(平成29年7月24日付の最高裁判所総務局長等の書簡)
・ 判決書の書式等の標準的な設定に従った参考書式等の送付について(平成29年7月24日付の最高裁判所総務局第一課長,民事局第一課長,刑事局第一課長等の事務連絡)
新年度が始まりまして、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ところで、お気付きの方も多いと思いますが、新年度になってからの最高裁判決の判決書、テンが「,」ではなく「、」です。https://t.co/RHywgN2RVDhttps://t.co/9vY9qkbKtW— 匿名裁判官 (@courts_jp) April 20, 2022
2 司法行政文書の場合
(1) 昭和61年1月1日,縦書きから左横書きとなりました。
(2) 平成 7年1月1日,以下の通達に基づき,A判の用紙が使用されるようになりました。
① 司法行政文書の用紙規格及び左横書きについて(平成6年9月1日付の最高裁判所事務総長依命通達)
② 司法行政文書の用紙規格及び左横書き実施要領について(平成6年9月1日付の最高裁判所事務総局秘書課長依命通達)
(3) 例えば,最高裁判所裁判官会議議事録に「部の事務を総括する裁判官の名簿」についていえば,昭和62年度分(昭和61年12月作成)からB判・横書きとなり,平成8年度分(平成7年12月作成)からA4判・横書きとなりました。
(4) 以下の資料を掲載しています。
・ 一元的な文書管理システム教材の改訂版(令和2年3月24日付の配布文書)
・ 文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)
・ 公文書の左横書きについて(昭和47年12月22日付の内閣法制局の文書)
・ 閣議関係文書のA4判化等について(平成5年11月25日付の内閣法制局長官総務室第一課の連絡文書)
文書事務における知識付与を行うためのツールの改訂版(平成31年3月7日付の配布文書)からの抜粋です。
3 関連記事その他
1 文化庁HPの「「公用文作成の考え方」について(建議)」に「公用文作成の考え方(令和4年1月7日付の文化審議会の建議)」が載っていますところ,前書きには「昭和26年に当時の国語審議会が建議した「公用文作成の要領」は、翌27年に内閣官房長官依命通知別紙として各省庁に周知されてから約70年を経ている。基本となる考え方は現代にも生きているものの、内容のうちに公用文における実態や社会状況との食い違いがあることも指摘されてきた。」と書いてあります。
2 以下の記事も参照して下さい。
・ 新様式判決
・ 裁判文書の文書管理に関する規程及び通達
・ 司法行政文書に関する文書管理
・ 最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携
公文書で読点として「,」を使う従前のルールが変更された。
「句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは、読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。」
最高裁の判決書も、本年4月以降、読点を「、」に変更している。https://t.co/70v0V2DbCa
— 圓道至剛(まるみちむねたか) (@marumichi0316) April 21, 2022
R031224 最高裁の理由説明書(裁判所の標準的なワープロソフトとして,一太郎からワードに変更した理由が分かる文書)を添付しています。 pic.twitter.com/rrh4CVvRUo
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) January 9, 2022
西暦と元号の換算が苦手で、早見表が手放せなかったけど、この方法は分かりやすい。https://t.co/isJaXT8NYQ
— 霞が関一般職 (@NonCareer55) August 30, 2022
起案の際のマイルール。
・1文に主語はひとつ。
・受動態は極力使わない。能動態を主に使う。
・主語と述語を近づける。
・5w1hは、省略可能な場合は省略する(5w1hを常に全て盛り込むと文章がくどくなる。)。
・1通りの解釈しか不可能な文章を書く(複数の解釈が可能な文章を書かない。)。— やつはし (@yatsuhashidayo) March 21, 2023