謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所


目次
第1 謄写業者

1 大阪地家裁及び大阪地検の場合
2 京都地家裁及び京都地検の場合
3 神戸地検の場合
4 謄写申請書等の書式
第2 確定した刑事記録の保管場所
1 一般的な取扱い
2 大阪地検の取扱い
第3 検察庁HPの説明
第4 「謄写」の意義に関する裁判例
第5 関連記事

第1 謄写業者
1 大阪地家裁及び大阪地検の場合
(1)   刑事記録を謄写(コピー)する際に利用する謄写業者は以下のとおりです。
①  加害者の刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の場合(一般財団法人司法協会HPの「記録謄写(複写)」参照)
・ 大阪地裁本庁に係属している場合
〒530-8521
大阪市北区西天満2丁目1番10号
大阪高等・地方裁判所庁舎1階
司法協会大阪出張所(電話:06-6336-1290)
・ 大阪地裁堺支部に係属している場合
〒590-8511
大阪府堺市堺区南瓦町2番28号
大阪地家裁堺支部庁舎6階
司法協会堺出張所(電話:072-227-4781)
・ 大阪地裁岸和田支部に係属している場合
〒596-0042
大阪府岸和田市加守町4丁目27番2号
大阪地家裁岸和田支部庁舎1階
司法協会岸和田出張所(電話:072-441-4374)
② 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録
・ 大阪地検本庁に保管されている場合
西村謄写館(電話:06-6455-2280)又はOPO謄写センター(電話:06-4796-2299)
・ 大阪地検堺支部又は岸和田支部に保管されている場合
西村謄写館(電話:06-6455-2280)
③ 不起訴事件の刑事記録
②の場合と同じです。
2 神戸地検の場合
(1) 神戸地検の刑事記録の謄写については,兵庫県弁護士協同組合の謄写部が担当しています。
神戸地検の刑事記録に関して謄写申請書を郵送する場合の宛先は,「〒650-0016 神戸市中央区橘通1-4-3」(兵庫県弁護士会と同じ住所です。)であるのに対し,謄写申請書を持参する場合,神戸地裁1階の謄写館室に持参します。
(2) 兵庫県弁護士協同組合の「事業内容」には,①乾式複写機の設置場所及び謄写の形態,並びに②兵庫県内における記録謄写の申請先一覧表が載っています。
3   謄写申請書等の書式
・ 愛知県弁護士協同組合HP「謄写申請用紙 一般向け」に以下の書式が載っています。謄写料金は1枚当たり44円(白黒)とのことです。
①裁判所用  記録謄写申請用紙
②検察庁   公判部用申請用紙 (公判提出予定記録・任意開示証拠など)
③検察庁   保存記録用申請用紙 (不起訴記録)
④検察庁   保管記録用申請用紙 (確定記録)
⑤処分調査票 (送付先FAX052-951-1695 名古屋地方検察庁記録係)

第2 確定した刑事記録の保管場所
1 一般的な取扱い
(1) 刑事事件について控訴又は上告された場合であっても,判決が確定した後は,第一審の裁判所を通じて対応する検察庁に送付されます(刑事訴訟規則304条)。
そのため,刑事記録の保管場所は,地裁が第一審の刑事事件の場合は地方検察庁であり,簡裁が第一審の刑事事件の場合(例えば,罰金の略式命令の場合)は区検察庁です(刑事確定訴訟記録法2条1項参照)。
(2)ア 道交法違反又は保管場所法違反の刑事記録については,本籍地方検察庁の検察官が保管検察官となる(刑事確定訴訟記録法付則6条・刑事確定訴訟記録法施行規則付則2項)ものの,保管検察官が保管しているのは交通切符等原票(交通切符の第2枚目,又は交通反則切符の第1枚目の裁判書)だけであり,それ以外の刑事記録は,第一審対応検察庁の検察官が保管検察官から嘱託を受けたものとして保管しています(記録事務規程の改正について(平成25年3月19日付の法務省刑事局長の依命通達)第4の2(1)及び(2)参照)。
イ 電算処理の対象とならない犯歴の把握は,本籍地方検察庁の犯歴担当事務官が担当しています(犯歴事務規程7条5項,9条2項及び10条2項参照)。
2 大阪地検の取扱い
(1) 大阪の場合,大阪地検・大阪区検は,大阪池田区検,豊中区検,吹田区検,茨木区検,東大阪区検及び枚方区検に関する問い合わせを受け付けています。
大阪地検岸和田支部・岸和田区検は,佐野区検に関する問い合わせを受け付けています。
羽曳野区検は,富田林区検に関する問い合わせを受けて付けています(大阪地検HPの「管内検察庁の所在地・交通アクセス」参照)。
(2) 「大阪地検の記録事務取扱要領」も参照してください。 

第3 検察庁HPの説明
   京都地検HPの「検務部門の業務」の「記録担当」には,以下の記載があります。
裁判が終結するなど全ての手続が終了した書類(記録)を一定期間保管・管理しています。
記録の閲覧についても取り扱っています。ただし,法律により閲覧が制限されることがあります。
〇交通事故の記録については膨大な数が取り扱われているため,閲覧の申込みには次の点に留意願います。
(1) 警察から検察庁に書類が送付されているか。
   警察から書類が送付されていない場合,検察庁で処理できませんので,まず事故の取扱警察署に確認してください。
(2) 検察庁の処分等が終わっているか。
   捜査中の記録等は閲覧できないため,検察庁の事件担当に処分状況をおたずねください。
〇被害者の方については,当庁の被害者支援員に相談して頂ければ,閲覧までのアドバイスを受けることができます。


第4 「謄写」の意義に関する裁判例
1 株式会社の計算書類等に関する裁判例ですが,宮崎地裁平成14年4月25日判決は以下の判示をしています。
 株主は,会社に対して,商法263条(現在の会社法31条)1項に掲げる書類の閲覧又は謄写を求めることができ(同条2項),ここにいう謄写とは,手書きによる筆写のみならず,写真撮影又はコピー機による複写を含むものであると解するのが相当である。
 しかしながら,商法263条2項と同法282条2項(現在の会社法442条3項)との規定のしかたの差異を考慮すると,商法263条2項は株主の会社に対する謄本ないし謄写物交付請求権まで認めたものと解するのは相当でない。したがって,被告が原告の謄本ないし謄写物交付請求を拒否したことに違法性はない。
2 平成13年11月28日法律第128号による改正前の場合,商法263条2項は「
株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ前項ニ掲グル書類ノ閲覽又ハ謄写ヲ求ムルコトヲ得」と定めていたのであって,謄本又は抄本の交付請求は認めていませんでした。
 これに対して商法282条2項は「株主及会社ノ債権者ハ営業時間内何時ニテモ前項ニ掲グル書類ノ閲覧ヲ求メ又ハ会社ノ定メタル費用ヲ支払ヒテ其ノ謄本若ハ抄本ノ交付ヲ求ムルコトヲ得」と定めていました。

第5 関連記事
・ 西村謄写館及びOPO謄写センター
・ 西村謄写館及びOPO謄写センターと検察庁との間の協定書等
・ 検番等の入手方法等
・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)

・ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)
・ 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録の入手方法
・ 不起訴事件記録(例えば,実況見分調書及び物件事故報告書)の入手方法
・ 被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録
・ 交通事故事件の刑事記録の入手方法
・ 実況見分調書等の刑事記録の保管期間


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