司法修習の希望場所の記載方法

1(1) できる限り第1希望地に配属してもらいたい場合,第1希望地の理由を具体的に記載するほか,第2希望地以下については第1希望地の近くの実務修習地を書くことで,第1希望地へのこだわりが強いことをアピールした方がいいと思います。
その際,平成30年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」8頁で例示されている以下の記載例を参考に,具体的に書けばいいと思います。
① 配偶者(内縁者・修習終了までに婚姻する予定の婚約者を含む。)・子との同居希望
現在,民間企業に勤務している妻及び〇歳の子と同居して生活しているところ,今後も同居を継続するため,現住所地から通える地を希望する。
② 通院・病気
〇〇病に罹患しており,現在月1回△△病院(□□県●●市)に通院して高度に専門性を有する治療を受けており,今後もその治療を継続する必要があるため,現住所地から通える地を希望する。
③ 親族の介護
現在同居中の父親が身体障碍者(1級,介護認定・要介護5)で,母と私で入浴・食事等の介護を行っており,私がいないと介護に支障が生じるため,現住所地から通える地を希望する。
④ 経済的事情
法科大学院在学中の奨学金の返済額が1か月●万円(総額●●●万円)となっているので,現住所地(自宅)から通える地を希望する。
(2) 内縁関係(事実婚関係と同じ意味です。)にあることを書類で証明したい場合,続柄欄に「妻(未届)」という記載がある住民票を提出すればいいと思います(ビズジャーナルHPの「事実婚,消える法律婚との差?メリットの多さに関心高まる「妻(未届)」」参照)。
(3) 外部ブログの「悲喜交々の修習地発表」によれば,親族の介護及び経済的事情は,理由として強いみたいです。

2(1)ア 以下の場合,希望順位が低い,又は希望外の実務修習地に配属される可能性が高くなるといわれています。
① 1群の実務修習地を三つ以上記載するといったルール違反をした場合
② 第1希望地から第6希望地までの選択内容に脈絡がなかった場合
③ 第2希望地として,第1希望地とは全く関係がない,希望者数が極端に少ない実務修習地を書いた場合
イ 平成30年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」9頁に,「希望地の記載がない場合又は表1の実務修習希望地の選択規則に反した記載をしている場合は「一任」として,途中順位までの記載しかない場合には「以下一任」として取り扱う。」と書いてあります。
→ 「表1の実務修習希望地の選択規則に反した記載」の典型例は,1群の実務修習地(東京,立川,横浜,さいたま,千葉,宇都宮,静岡,甲府,大阪,京都,神戸,大津,名古屋,福岡,仙台,札幌)を三つ以上記載することです。
(2) 平成30年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」9頁の「(表3) 実務修習希望地の記載例」につき,「①全部記載の場合」の例として,「第1希望:東京,第2希望:さいたま,第3希望:広島,第4希望:和歌山,第5希望:高知,第6希望:松江」という記載がありますところ,実際にこのような記載をした場合,「第1希望地から第6希望地までの選択内容に脈絡がなかった場合」に該当する結果,第4希望以下で決まる気がします。
また,「②一部一任の場合」の例として,「第1希望:大阪,第2希望:鳥取,第3希望:以下一任」という記載がありますところ,実際にこのような記載をした場合,「第2希望地として,第1希望地とは全く関係がない,希望者数が極端に少ない実務修習地を書いた場合」に該当する結果,第2希望の鳥取修習になる可能性が極めて高い気がします。
そのため,「(表3) 実務修習希望地の記載例」は,できる限り第1希望地又はその周辺の実務修習地への配属を希望する司法修習予定者にとっては,不適切である気がします。

3 配属して欲しい実務修習地だけ具体的理由を挙げて希望し,それ以外については「以下一任」と記載した場合,「以下一任」という記載だけで,希望順位が低い,又は希望外の実務修習地に配属される可能性が高くなるわけではないといわれています。

4(1) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(略称は「育児・介護休業法」です。)26条は,「事業主は、その雇用する労働者の配置の変更で就業の場所の変更を伴うものをしようとする場合において、その就業の場所の変更により就業しつつその子の養育又は家族の介護を行うことが困難となることとなる労働者がいるときは、当該労働者の子の養育又は家族の介護の状況に配慮しなければならない。」と定めています。
そのため,司法研修所の記載例には「子との同居希望」しか書いてありませんが,子の養育に関するその他の事情も実務修習地の希望理由として考慮されるかもしれません。
(2) 厚労省HPの「育児・介護休業法について」に,育児・介護休業法に関する指針及び施行通達が載っています。

 「実務修習地の選び方」も参照してください。