目次
1 東京地裁の民事部所長代行者2人及び刑事部所長代行者2人
2 合計9人の東京地裁所長代行者
3 東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書
4 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
5 関連記事その他
1 東京地裁の民事部所長代行者2人及び刑事部所長代行者2人
(1)ア 東京地裁民事部所長代行者につき,1位の人は,どこの部の部総括判事であるかは特に決まっていませんが,2位の人は保全部である9民の部総括判事です。
イ 東京地裁刑事部所長代行者につき,1位の人は,どこの部の部総括判事であるかは特に決まっていませんが,2位の人は令状部である14刑の部総括判事です。
(2) 東京地裁の民事部又は刑事部の所長代行者1位が他の地家裁の所長に転出した場合,部総括判事レベルでの玉突き人事が発生します。
2 合計9人の東京地裁所長代行者
(1)ア 東京地裁の場合,①民事部第一所長代行,②民事部第二所長代行,③刑事部第一所長代行,④刑事部第二所長代行,⑤執行部である21民を担当する所長代行,⑥知財部,商事部及び破産再生部を担当する所長代行,⑦労働部,行政部及び医事部を担当する所長代行,⑧東京簡裁司法行政事務掌理裁判官並びに⑨東京地裁立川支部長の合計9人が,所長代行者になっています。
イ 東京地裁司法行政事務処理規程24条が所長代行者について定めていますところ,①ないし④及び⑨の根拠は4項であり,⑧の根拠は6項であり,⑤ないし⑦の根拠は7項及び8項です。
(2) ①知財部,商事部及び破産再生部を担当する所長代行,並びに②労働部,行政部及び医事部を担当する所長代行は,平成29年6月29日に設置されました(東京地方裁判所司法行政事務処理規程(平成29年6月29日東京地方裁判所裁判官会議議決による改正後のもの)24条7項参照)。
(3) 東京地家裁立川支部長は,中小の地家裁所長を経験した後に就任するポストですが,その他の支部長は,中小の地家裁所長を経験する前に就任するポストです。
(4) 東京地裁の民事部第一所長代行及び刑事部第一所長代行は東京地裁の裁判所委員会委員となっています(裁判所HPの「東京地方裁判所委員会委員」参照)。
(5) 関東弁護士会連合会主催の法曹連絡協議会において,東京地裁所長代行という肩書で出席しているのは,東京簡裁司法行政事務掌理裁判官のことです。
(6) 東京簡裁司法行政事務掌理裁判官は,東京地裁部総括判事を兼任していませんから,新日本法規出版株式会社の裁判官検索を見る限り,単なる東京地裁判事・東京簡裁判事としか表示されません。
(7) 東京地裁HPの担当裁判官一覧を見ても,東京地裁の所長代行者が誰であるかは分かりません。
保釈請求から7日目を迎えていて、既に検察官の意見が今日返ってきたのに、「求意見の翌日判断」という何の合理性もないルールに拘泥して明日判断しようとする東京地裁刑事14部に怒りが収まらない。
— ニッケル・カドミウム (@issei9kop) October 26, 2021
1 大川原化工機事件において保釈を認めなかった裁判官の経歴
令和2年
4月6日及び6月18日時点,60期の遠藤圭一郎https://t.co/Y5ch66DHOD
7月3日時点,45期の楡井英夫,55期の赤松亨太及び72期の竹田美波https://t.co/nmF9SHE98ehttps://t.co/kVDNL1ipLihttps://t.co/VMOxh5x2hy…— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) December 29, 2023
3 東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書
(1) 東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和 2年度,令和3年度,令和4年度,令和5年度,
(平成時代)
平成29年度,平成30年度,平成31年度
* 「令和5年度東京地裁の常置委員及び所長代行者の選挙関係文書」といったファイル名です。
(2) 令和2年度以降については,「法令の規定により又は慣行として公にされ,又は公にすることが予定されている情報」には当たらないという理由により当選者及び落選者の得票状況が消されるようになりました(令和2年度(情)答申第31号(令和3年1月25日答申))。
(3) 31期の瀬木比呂志裁判官が著した絶望の裁判所25頁及び26頁には以下の記載があります。
首をかしげるような裁判所組織のあり方を示すものとして、東京地裁で行われている所長代行判事等の奇妙な選挙についても書いておこう。
東京地裁の所長代行判事は、前記のとおり、民事、刑事にそれぞれ二名ずつ置かれていて、各第一代行については司法行政だけに専念するという点が、通常の地裁の場合とは異なる。その選挙とともに、常置委員(裁判官の中から選ばれる、司法行政に関わる常置委員会の構成員。民事、刑事各五、六名程度)の選挙も行われている。
(中略)
前記の選挙は、選挙といいながら、所長代行についても常置委員についてもあらかじめ決まっていて、各裁判官に対し、各期(司法研修所修了の「期」をいう)の一人を通じて、代行については誰と誰に、常置委員については誰と誰に投票するかが指示されるのである。常置委員については、指定された期のメンバーの間で互選しておく(やりたい人はあまりいないので、よく押し付け合いになる)のだが、所長代行については「上」から指定が来る。そして、判事補たちは、この指定のことを、しばしば、「天の声」と呼んでいた。
大阪地裁R4.5.26
過半数代表者の選挙において落選者から得票数開示を求められたが会社は応じず
→「候補者ごとの得票数の開示を義務付ける旨の法令の定めは見当たらないし、各候補者の得票数を開示しなかったことをもって、選挙に不正があったともいえない」と判示まあ、普通は開示しますよね。。
— 弁護士 西川暢春 弁護士法人咲くやこの花法律事務所 新刊『問題社員トラブル円満解決の実践的手法』 (@nobunobuno) December 27, 2022
4 裁判官の人事評価における所長代行者の役割
(1) 裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には以下の記載があります。
高等裁判所長官や地方裁判所長・家庭裁判所長が,どのような調査や資料に基づいて,報告書を作成するかという点であるが,多くの裁判所においては,所属する裁判官はそれほどの数ではないので,長官,所長は各裁判官と接触する機会が相当程度あり,裁判官の仕事振り,力量,人物,健康状態等について,直接知る機会がある(大規模な裁判所においては,所長代行が所長を補佐している)。その他に,陪席裁判官については,部総括から話を聞くことが多いであろう。逆に,部総括に関する話を同じ部の陪席裁判官や職員から聞くということもあろう。裁判官の力量や適性は,同じ事件を担当したり,一緒に仕事をしてみると,よくわかるという面がある。その点では,次に述べる上級審裁判官も同様である。こうした形で仕事を通じて本人の力量等を知る裁判官の数は,長い間には相当の数に上る。その評価の集積により,その裁判官の評価が固まってくるのであって,この評価には相当の信頼性があると考えられる。高等裁判所長官,地方裁判所長・家庭裁判所長の評価も,こうした裁判官の中での評価を踏まえている。
(2) 裁判所HPの「最高裁判所事務総局に直接寄せられた裁判官の意見」に載ってある「人事評価の在り方に関する研究会に対する意見の送付について 東京地方裁判所刑事部人事評価関係検討チーム」には,「o 地裁においては,所長あるいは所長代行者を評価権者とするのが相当と考えられる」と書いてあります。
巨大組織の無言の圧力は、なかなかのものです😓
この私が大人しくなるほどにね😞 https://t.co/2z41Njd3fD— 西園寺金持 (@nanacocard77) November 7, 2021
5 関連記事その他
(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 東京地方裁判所司法行政事務処理規程(平成31年4月1日からの適用分)
・ 常置委員及び所長代行者の選出方法及び任期に関する規程(平成30年6月28日からの適用分)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の東京地裁所長
・ 東京地裁の歴代の第一所長代行者
・ 東京家裁の歴代の家事部所長代行者
・ 大阪地裁の所長代行者,上席裁判官等
・ 下級裁判所の裁判官会議から権限を委任された機関
・ 下級裁判所の裁判官会議に属するとされる司法行政事務