司法修習生の兼業の状況

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1 平成29年6月19日付の司法行政文書不開示通知書によれば,以下の文書は存在しません。
① 59期から現行65期までの司法修習生に関する兼業許可の申請件数,許可件数,不許可件数及び取り下げ件数が分かる文書
② 新65期及び66期の司法修習生に関する兼業許可の申請件数,不許可件数及び取り下げ件数が分かる文書

2 平成29年6月19日付の開示文書によれば,新65期の兼業許可件数は2件であり,66期の兼業許可件数は1人です。

3(1) 平成28年7月8日の法曹養成制度改革連絡協議会の最高裁判所提出資料5「兼業許可の申請状況」によれば,兼業許可の状況は以下のとおりです。
①  67期の場合,272件の申請件数に対し,許可件数が254件,不許可件数が4件,取り下げ件数が14件でした。
②  68期の場合,304件の申請件数に対し,許可件数が288件,不許可件数が3件,取り下げ件数が13件でした。
(2) 67期の人が出した,某巨大ファストフード店で働きたいという趣旨の兼業許可申請は不許可になったみたいです(股旅ブログ「兼業許可申請不許可処分」(平成26年4月29日付),及び「兼業許可申請不許可処分-後日談-」(平成30年5月13日付)参照)。

4 平成28年1月31日現在の,第69期司法修習生の兼業に関する資料によれば,兼業許可の状況は以下のとおりです。
① 法科大学院等
   申請件数が 61件,許可件数が 56件,不許可件数が0件,取下げ件数が1件,審査中件数が4件
② 司法試験予備校等
   申請件数が103件,許可件数が101件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が2件
③ その他(教育関係)
   申請件数が 19件,許可件数が 18件,不許可件数が0件,取下げ件数が1件,審査中件数が0件
④ その他(教育関係を除く)
   申請件数が 16件,許可件数が  9件,不許可件数が3件,取下げ件数が4件,審査中件数が0件
⑤ 合計
   申請件数が199件,許可件数が184件,不許可件数が3件,取下げ件数が6件,審査中件数が6件

5 平成28年12月22日現在の,第70期司法修習生の兼業に関する資料によれば,兼業許可の状況は以下のとおりです。
① 法科大学院等
   申請件数が 53件,許可件数が 49件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が 4件
② 司法試験予備校等
   申請件数が144件,許可件数が133件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が11件
③ その他(教育関係)
   申請件数が 25件,許可件数が 23件,不許可件数が0件,取下げ件数が0件,審査中件数が 2件
④ その他(教育関係を除く)
   申請件数が 14件,許可件数が  9件,不許可件数が0件,取下げ件数が4件,審査中件数が 1件
⑤ 合計
   申請件数が236件,許可件数が214件,不許可件数が0件,取下げ件数が4件,審査中件数が18件

6(1) 平成29年5月12日付の司法行政文書不開示通知書によれば,65期から69期までについて,兼業許可を受けた司法修習生の平均月収が分かる文書は存在しません。
(2) 平成30年2月20日付の司法行政文書不開示通知書によれば,71期司法修習生の兼業許可の状況が分かる文書は存在しません。
(3) 平成31年3月 1日付の司法行政文書不開示通知書によれば,72期司法修習生の兼業許可の状況が分かる文書は存在しません。

7 35期の安浪亮介最高裁判所人事局長は,平成26年5月14日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しました。)。
① 司法修習生は、最高裁判所の許可を受けなければ、兼職、兼業を行うことができないとされております。政府の法曹養成制度関係閣僚会議の決定におきまして、法科大学院における学生指導を初めとする教育活動につきまして兼業を認めるべきとの提言がされたことなどを踏まえまして、最高裁におきましても、修習専念義務が定められた趣旨に反しないと考えられる一定の範囲で兼業許可の運用の緩和を図ったところでございます。
   具体的に申し上げますと、修習生の方から申請がされてまいります業務の内容、業務時間、業務量を踏まえまして、修習専念義務が定められた趣旨に照らして問題がないかという観点から事例ごとに個別に検討して、その許否を判断してまいってきているところでございます。
   資料にもございますとおり、平成二十六年、ことし四月末日までに、アルバイトの兼業許可がされたものが二百十五件、不許可となったものが二件でございます。許可をいたしましたものの圧倒的多数は、法科大学院や司法試験予備校での指導アシスタントあるいは答案の添削ということでございました。
   現在までのところで、兼業による司法修習への支障については承知していないところでございますが、この兼業許可の運用の緩和といいますのが、現在修習中の第六十七期の修習生から開始したばかりのところでございまして、修習への影響がどういうことになるのか、この辺もきちっと注視していく必要があると考えているところでございます。
② まず、修習専念義務と今回のアルバイトのような兼業、兼職の許可の運用の緩和の関係でございますけれども、修習専念義務といいますものは、修習生が、修習期間中、きちんと全力を挙げて修習に取り組むべきものということで、専念義務自体を緩和したというものではございません。
  一方で、修習生につきましては、最高裁判所の許可を受けなければ兼職、兼業を行うことができないと定められておりましたところでございます。政府の法曹養成制度関係閣僚会議の決定を踏まえまして、最高裁としても、修習専念義務が定められた趣旨に反しないと考えられる一定の範囲で兼業許可の方の運用を緩和したところでございます。
  それで、今委員御指摘の不許可にした事例についてでございます。
  ファストフード店におきましてアルバイトをしたい、こういう申請が出てまいったのはそのとおりでございます。ただ、申請書のその内容を見ますと、業務の内容、それから時間、実際にアルバイトをしたいという平日の夜の時間、それから休日等の時間、これを申請内容から見ますと、やはり過重なものに見えまして、修習に支障が生ずるおそれが高いと判断いたしまして不許可にしたものでございます。
   それから、民間企業からの出向という形での修習はできるのかという点でございますが、これまでも、民間企業に勤務する会社員等の方が、修習を終えれば当該企業に復職をすることが前提になっているというようなことで、一旦退職するのはやはり支障がある、こういうお話がございました。そういう話を踏まえまして、最高裁の方におきましても、無給で休職するということを前提で兼職の許可をしてまいったところでございまして、そういう例は何例かあるところでございます。
③ 次に、国家公務員の派遣型の研修ということで修習をしているのかという点でございます。
   これにつきましては、人事院が実施いたします一般職の国家公務員の国内研修制度の一環ということで、司法試験に合格いたしました行政官庁の職員が、人事院の事務官に身分を異動した上で、最高裁からの兼職の許可を得て司法修習を行う、こういう例がございます。
   ただ、この制度につきましては、公務員としての身分を有しており、有給で研修をしておるわけでございますけれども、二回試験の直前といいますか、その時点ではここの研修から退いてもらって、法曹資格は取得しない、こういう形での運用をしておるところでございます。
④ 委員の方から今御指摘があった公務員の派遣研修の点でございますが、先ほどの答弁の中で、一点訂正をさせていただきます。
   二回試験の前と申し上げましたけれども、二回試験の後まで修習を続けておりまして、ただし、法曹資格は取得しないという形で制度をつくっておるということでございます。