検番等の入手方法等


目次
第1 検番等の調べ方
1 代理人弁護士が調べる方法
2 被害者本人が自分で調べる方法
第2 大阪弁護士会の23条照会を利用する場合の提出書類
1 利用手続
2 必要な費用
第3 弁護士会照会の照会書の記載方法
第4 検番に関する事件事務規程の定め
第5 関連記事

第1 検番等の調べ方
1 代理人弁護士が調べる方法
(1)ア 被害者代理人である弁護士が大阪地検で実況見分調書等の刑事記録を入手する場合,交通事故証明書に記載されている警察署交通課又は高速道路交通警察隊(略称は「高速隊」です。)に対し,弁護士会照会(弁護士法23条の2に基づく照会)を利用して送致日,送致番号(警察署の管理番号),罪名,送致検察庁及び検番(検察庁の事件受付番号)を調査します。
    ただし,代理人弁護士が弁護士会照会を使って検番等の調査をする場合,3週間ぐらいかかります。
イ 送致日及び送致番号は検番と対応していますし,罪名及び送致検察庁は推測できる結果,検番だけで調査できることがあります。
(2) 大阪府下の高速道路上の事故の場合,弁護士会照会の宛先は「〒552-0023 大阪市港区港晴2丁目11番12号 阪神高速道路株式会社内 大阪府警察本部高速道路交通警察隊」(組織の略称は「大阪府高速隊本部」です。)となります(大阪府警察HPの「高速道路交通警察隊」参照)。
2 被害者本人が自分で調べる方法
(1)ア 被害者本人が本人確認書類(例えば,運転免許証)を持参して交通事故証明書に書いてある警察署交通課又は高速隊を平日に訪問すれば,弁護士会照会を利用しなくてもその場で検番等を教えてもらえます。
イ 交通事故証明書には「事件照会番号」が書いてありますから,交通事故証明書のペーパーを持参するか,スマホの画面で見せた方が手続は早くなります。
(2)ア 大阪府下の高速道路上の事故の場合,大阪府高速隊本部に行くか,交通事故捜査を担当している高速隊の分駐所に行けばいいです。
イ 交通事故捜査を担当している大阪府高速隊の分駐所は以下の3箇所です(大阪府警察組織規程9条4項のほか,大阪府高速道路交通警察隊運用細則2条,3条及び別表第6「交通事故捜査担当区」(PDF1頁及び18頁)参照)。
① 近畿吹田分駐所(大阪府茨木市大字小坪井)
② 阪神四ツ橋分駐所(大阪市西区西区南堀江1丁目)
③ 阪神泉大津分駐所(大阪府泉大津市新港町)
(3) 被害者本人が警察署に電話をしても本人確認ができませんから,検番等を教えてもらうことはできません。

第2 大阪弁護士会の弁護士会照会を利用する場合の提出書類
1 利用手続
(1) 大阪弁護士会館6階の総務部総合管理課23条照会係に対し,照会申出書1部,照会書3部及び回答書1部並びにレターパックプラス(赤色のもの)2部提出すればいいです。
    ただし,レターパックプラスは6階で販売していますから,6階で購入した後に宛名書きをすればいいです。
(2) レターパックプラスにつき,1部は,「お届け先」のおところとして照会先の住所を,「ご依頼主」のおところとして大弁の住所(6階にゴム印が置いてあります。)を,「品名」に「23条照会書在中」(6階にゴム印が置いてあります。)と記載すればいいです。
    もう1部につき,「お届け先」のおところとして大弁の住所を,「品名」として「23条照会書在中」(弁護士山中理司)と記載し,「ご依頼主」は空欄にしておけばいいです。
(3) 弁護士の職印を付く場所は,照会申出書にしかありません。
(4) 大阪弁護士会では,交通事故事案であっても照会先が警察署でない場合,交通事故証明書には関係者のプライバシー情報が多く含まれていることにかんがみ,弁護士会照会の照会書に疎明資料は添付しないのが原則になっています(月刊大阪弁護士会2019年2月号67頁)。
(5) 新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言が発令された後の令和2年4月27日以降,以下の記載をした返送用のレターパックプラスを追加で提出すれば,弁護士会照会の回答書を郵送してもらえるようになりました(この場合,合計で3部のレターパックプラスを大阪弁護士会に提出することになります。)。
お届け先欄:申出会員の住所・氏名
ご依頼主欄:大阪弁護士会の住所等
品 名 欄:「23条照会回答書」
2 必要な費用
・ 大阪弁護士会会員が同会の弁護士会照会(「23条照会」ともいいます。)を利用する場合,消費税が10%となった令和元年10月1日以降,往復のレターパック料金1040円,及び弁護士会照会の手数料4400円の合計5440円が必要となります。

第3 弁護士会照会の照会書の記載方法
    弁護士会照会の照会書における「2.申出の理由」及び「3.照会事項」は以下のとおり記載します。
① 「2.申出の理由」
   申出弁護士は,別紙交通事故証明書記載の交通事故(以下「本件交通事故」という。)について,依頼者より,加害者に対する損害賠償請求の依頼を受けており,事故態様を明らかにするため,刑事記録を閲覧・謄写する必要があります。
② 「3.照会事項」

   本件交通事故に関し,下記の者について,以下の事項にご回答下さい。
(1) 検察庁へ送致済ですか。
未送致の場合は送致後にご回答ください。
また,送致予定がない場合は,その旨をご回答ください。
(2) 送致済の場合は,送致日,送致番号,罪名,送致検察庁,検番。

(氏名) 「甲野太郎」及び「乙野次郎」

第4 検番に関する事件事務規程の定め
○事件受理の管理について定める事件事務規程5条は以下のとおりです。条文上は「検番」ではなく,「事件番号」と書いてあります。

1 事件担当事務官は,事件を受理したときは,検察システムによりその旨を管理するとともに,次の表に掲げる区別に従い,事件番号を事件記録表紙等に記入する。
受理の事由    事件番号の記入箇所
第3条第1号   送致(付)書の所定欄
同条第2号  移送書(甲)(様式第3号)又は移送書(乙)(様式第4号)
同条第3号  家庭裁判所で添付した送付書
同条第4号  直受事件表紙(様式第5号)を付し,その所定欄
同条第5号か 認知・再起事件表紙(様式第6号)を付し,その所定欄
ら第8号まで
2 事件番号は,第3条各号の所定の事由が生じるごとに,被疑者1名につき1番号を付し,暦年ごとに改める。この場合において,第3条第2号,第3号,第6号,第7号又は第8号に掲げる事由により受理手続をするときは,その事件が処理されたときに被疑者に付されていた事件番号の数に応じた事件番号を付するものとする。
3 被疑者の数が不明である事件については,その人員を1名として番号を付し,後に被疑者の数が判明した場合において,その数が2名以上であるときは,その1名を超える人員については,第3条第5号に掲げる事由があるものとして,新たに受理手続をするものとする。
4 事件番号は,「 年検第 号」と呼称する。 

第5 関連記事その他
1 交通事故証明書の「照合記録簿の種別」が「物件事故」となっている場合,実況見分調書は存在しません。
    そのため,担当の警察署に対し,交通事故直後の診断書を持参して「人身事故」に切り替えてもらう必要があります。
2 以下の記事も参照して下さい。
・ 交通警察
・ 弁護士会照会
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧


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