14期の裁判官

高桑昭裁判官(14期)の経歴

生年月日 S12.4.1
出身大学 東大
退官時の年齢 39 歳
S51.12.31 辞職
S49.4.1 ~ S51.12.30 法務省民事局参事官
S45.6.1 ~ S49.3.31 法務省民事局付
S43.6.15 ~ S45.5.31 法務大臣官房訟務部付
S40.4.1 ~ S43.6.14 法務省訟務局付
S37.4.10 ~ S40.3.31 東京地家裁判事補

*0 以下の記事も参照してください。
・ 平和条約における請求権放棄条項に関する3つの説及び最高裁判例
・ 最高裁平成19年4月27日判決が判示するところの,サンフランシスコ平和条約の枠組みにおける請求権放棄の趣旨等
・ 類型ごとの戦後補償裁判に関する最高裁判例
*1の1 広島市に対する原子爆弾投下に関する東京地裁昭和38年12月7日判決(担当裁判官は期前の古関敏正,期前の三渕嘉子及び14期の高桑昭)(判例秘書掲載)の裁判要旨は以下のとおりです(判決書等は日本反核法律家協会HP「下田事件(東京原爆訴訟)まとめ」に載っています。)。
① 広島市のような無防守都市に対する原子爆弾の投下行為はヘーグ陸戦規則及び「空戦に関する規則案」等実定国際法規の原則に照らし国際法に違反する戦闘行為である。
② 国際法上違法な戦闘行為によって被害を受けた個人は,具体的に条約によって承認された場合を除き,一般に国際法上その損害賠償を請求する方法はない。
③ 国家が他の国家の民事裁判権に服しないことは,国際法上確立した原則であり,わが国においてもこの原則を承認している(大審院昭和3年12月28日決定)(判例秘書掲載)から,原告らが日本国の国内裁判所による救済を求めることはできない。
④ 米国の国内法においては,1946年8月の連邦不法行為請求権法の制定後においても,原告らが米国及び大統領トルーマンに対して不法行為に基づく責任を問うことはできない。
⑤ 対日平和条約19条(a)で放棄された「日本国民の請求権」は,日本国の外交的保護権ではなく,「日本国民の連合国及び連合国民に対する、日本国及び連合国における国内法上の請求権」であり(この部分の判示は最高裁大法廷昭和43年11月27日判決等と異なります。),個人の国際法上の請求権は含まれていない。
⑥ 原告らは対日平和条約19条(a)によって喪失すべき権利を持っていないから,これによる被告の責任を問うことはできない。
*1の2 東京新聞HPの「朝ドラ「虎に翼」の三淵嘉子さんと共に「原爆裁判」を担当した元裁判官、いま振り返る判決の意味 」(2024年7月28日付)には,14期の高桑昭 元裁判官のコメントとして,「国際法違反かどうかにかかわらず賠償請求を棄却する方法もあったが、逃げずに理屈を立てて国際法を検証した。やはり原爆投下を正当視することはできなかった」と書いてあります。


*2の1 ①昭和32年4月に原子爆弾被爆者の医療等に関する法律(略称は「原爆医療法」です。)が施行され,②昭和43年9月に原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律(略称は「原爆特別措置法」です。)が施行され,③平成7年7月に原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(略称は「被爆者援護法」です。)が施行されました(厚生労働省HPの「被爆者援護施策の歴史」参照)。
*2の2 ①核兵器不拡散条約(NPT)は昭和43年7月1日に署名のために開放され,昭和45年3月5日に発効し,②国際司法裁判所(ICJ)は平成8年7月8日,核兵器の威嚇又は使用の合法性に関する勧告的意見を出し,③核兵器禁止条約(TPNW)は平成29年7月7日に国連総会で採択され,令和3年1月22日に発効しました。

*3の1 最高裁大法廷昭和43年11月27日判決の裁判要旨は「平和条約が締結された結果、同条約第一四条(a)項2(1)の規定により在外資産を喪失した者は、国に対しその喪失による損害について補償を請求することはできない。」というものであり,最高裁昭和44年7月4日判決の裁判要旨は「 平和条約が締結された結果、同条約一九条(a)項の規定により損害賠償請求権を喪失した者は、国に対しその喪失による損害について補償を請求することは許されない。」というものです。
*3の2 最高裁昭和62年6月26日判決は以下の判示をしています。
    戦争犠牲ないし戦争損害に対しては単に政策的見地からの配慮が考えられるにすぎないもの、すなわち、その補償のために適宜の立法措置を講ずるか否かの判断は国会の裁量的権限に委ねられるものと解すべきことは、当裁判所の判例の趣旨に徴し明らかというべきである(昭和四〇年(オ)第四一七号同四三年一一月二七日大法廷判決・民集二二巻一二号二八〇八頁参照)。
*3の3 最高裁平成19年4月27日判決は,「請求権の「放棄」とは,請求権を実体的に消滅させることまでを意味するものではなく,当該請求権に基づいて裁判上訴求する権能を失わせるにとどまるものと解するのが相当である。」と判示しています。

*4の1 最高裁平成18年7月21日判決は以下の判示をしています。
    今日においては,外国国家は主権的行為について法廷地国の民事裁判権に服することを免除される旨の国際慣習法の存在については,これを引き続き肯認することができるものの(最高裁平成11年(オ)第887号,同年(受)第741号同14年4月12日第二小法廷判決・民集56巻4号729頁参照),外国国家は私法的ないし業務管理的な行為についても法廷地国の民事裁判権から免除される旨の国際慣習法はもはや存在しないものというべきである。
*4の2 国及びその財産の裁判権からの免除に関する国際連合条約(略称は「国連国家免除条約」です。)は平成16年12月2日に第54回国連総会で採択され,平成17年1月17日にニューヨークにて署名のため開放されたものの,令和6年8月現在,未発効です。
    外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律(略称は「対外国民事裁判権法」です。)は,平成22年4月1日に施行されました(法務省HPの「外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律の概要」参照)。

黒田京子裁判官(14期)の経歴

生年月日 S12.12.17
出身大学 東北大
退官時の年齢 26 歳
S39.3.31 依願退官
S37.4.10 ~ S39.3.30 神戸家地裁判事補

*1 13期の黒田直行裁判官と初任地が同じです。
*2 判事補に任官した時点の氏名は「小泉京子」であり,判事補を退官した時点の氏名は「黒田京子」でした。
*3 昭和52年6月に第一東京弁護士会で弁護士登録をして,昭和58年5月に大阪弁護士会に登録換をしました(ヤマトインターナショナル株式会社HPの「「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」の継続及び独立委員会委員選任に関するお知らせ」参照)。
*4 以下の記事も参照してください。
・ 判事補時代に退官した元裁判官507人の名簿(昭和時代及び平成時代)

古川正孝裁判官(14期)の経歴

生年月日 S11.9.11
出身大学 京大
退官時の年齢 65 歳
H13.9.11 定年退官
H2.4.1 ~ H13.9.10 大阪高裁12民判事
S58.7.1 ~ H2.3.31 大阪地裁24民部総括
S55.4.1 ~ S58.6.30 大阪高裁判事
S53.4.1 ~ S55.3.31 札幌地裁3民部総括
S50.4.1 ~ S53.3.31 高松地家裁丸亀支部判事
S47.4.10 ~ S50.3.31 大阪地裁判事
S47.4.1 ~ S47.4.9 大阪地裁判事補
S45.4.10 ~ S47.3.31 富山地家裁高岡支部長
S44.4.21 ~ S45.4.9 富山地家裁高岡支部判事補
S40.4.16 ~ S44.4.20 大阪地家裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 名古屋家地裁判事補

(殿山ダム水害訴訟に関する大阪高裁判決)
*1の1 大阪高裁平成12年12月22日判決(担当裁判官は17期の井筒宏成14期の古川正孝及び37期の和田真。判例体系に掲載)は,関西電力が日置川(ひきがわ)上流に設置した殿山ダム(昭和32年5月運転開始。有効貯水容量は1379万5000トン)において平成2年9月の台風19号に伴い実施した放流による下流域の浸水被害について,関西電力と二級河川管理者である和歌山県に対してした損害賠償請求がいずれも棄却された事例です。
*1の2 大阪高裁平成12年12月22日判決は,例えば,「原判決別図第2の流域平均雨量、貯水位、流量の変化からも明らかなとおり、6門のゲートを全て開放せざるを得ない状況になった(山中注:この場合の放流量は毎秒3000トンになります。)のは、19日17時から20時までの異常な降雨による。たとえ、台風の上陸が確実視され、大雨・洪水警報が発令されていたとしても、右のような、特異な降雨状況をたどることまで予測することは通常できない。」とか,
「河川法52条に基づく指示(山中注:洪水調節のための指示)が、前記のとおり緊急・例外的な措置であると考えられる点等を総合考慮すると、(山中注:従前から豪雨の都度洪水が発生する日置川の現状にかんがみ,台風の上陸が確実視され,日置川周辺に大雨・洪水警報が発令された段階で,)知事(実際上は、被控訴人県の土木部河川課長等)が、河川法52条の指示を行わなかったことが裁量権を逸脱した著しく不合理なものであるとは認められない。」と判示しています。
*1の3 四国最大のダムである早明浦ダム(有効貯水容量は2億8900万㎥であり,殿山ダムの20倍以上です。)の場合,計画最大放流量は毎秒2000㎥(つまり,2000トン)です(国土交通省四国地方整備局HPの「早明浦ダム定期報告書 概要版」18頁参照)。
(殿山ダム)
*2の1 Wikipediaの「殿山ダム」には以下の記載があります。
① 1990年平成2年)および1997年(平成9年)の水害に対しては、被害に見舞われた流域住民が殿山ダムを管理する関西電力、そして日置川を管理する和歌山県を相手取り、損害賠償をめぐって訴訟を起こす事態になった。裁判では原告側の敗訴という結果となっているが、このように水害の度に殿山ダムの責任を問う声が上がるのは、殿山ダムが日置川水系唯一のダムであるためでもあり、関西電力も殿山ダムの改修や運用の見直しを行っている。
② 殿山ダムが完成した当時は電力不足という時代背景もあって、発電を最優先し水位を満水位近くで維持する運用がとられていた。
(中略)
殿山ダムのオリフィスゲート(山中注:ダムの比較的浅い位置に設置される放流ゲートのこと。)は任意の開度で固定しておくことができなかった。これでは、たとえ1門ずつ開いていったとしても、1門あたりの放流量が最大525立方メートル毎秒と大きいため、下流はたちまち大洪水である。関西電力は低水位運用の開始に合わせてオリフィスゲートを部分開操作(パーシャル操作ともいう)できるよう改修を行った。
(中略)
関西電力は課題であった部分開時の振動および噴流の問題を研究・解決し、2006年平成18年)にようやく全門の部分開操作を可能とした。

*2の2 前坂俊之オフィシャルウェブサイト「高杉晋吾レポート(24)ルポ ダム難民⑧ ダム災害にさいなまれる紀伊半島⑧殿山ダム裁判の巻①」には以下の記載があります(42期の林功弁護士(令和4年8月7日死亡)は私の所属事務所の前所長でした。)。
ダム(山中注:殿山ダム)本体にはクレストゲートが六門あり、その下部にオリフイスゲートが六門ある。計12門のゲートがある。
私たちが現地に行ってみたとき、このゲートの大規模な取り換え工事を行っていた。
林功弁護士は国土研究」で説明している。
「一門開けると毎秒約500トンが流れ出る」。
単純計算すると、六門開けると3000トン流れる。一分間で一八万トン流れ、一時間で一千八十万トン流れる。例によって巨船に例えると二十二万トンの巨船が約五十隻、猛烈な噴流となって日置川に流れるということになる。
林氏の説明は続く。
「このゲートの内側の二門は開き具合の調節が出来ます。ゲートの開き方を調節して、毎秒二百トンの流量にしようというような事が出来るわけです。しかし外側の四門についてはそういう調節が不可能で、途中で自由な開閉操作は出来ない。操作できる二門も開け始めて開け終わるまでに二十分間は掛り、閉じ始めても二十分間はかかる。
ダムゲートの開閉と簡単に言うが、その開閉にはかなりの時間がかかるというのである。
(中略)
「最近になって住民の批判が鋭くなって、関西電力は若干態度を改めて、和歌山県と協議して治水に役立つように、事前に放水を行うように協定を結ぶ方向に姿勢を改めています」
だが、裁判所も、事実を調査して判決を下すのではなく、完全に、大企業や行政の立場しか耳をかさずに住民原告の全面敗訴を言い渡していた。
消防団も、河川での漁を行っている人も、ダムの放水で急激に日置川が増水し、避難する暇もなく水害の中を逃げ惑ったという証言を216人が行った。しかし裁判官はこれらの証言を一切無視し住民原告の敗訴を言い渡したのである。
(事前放流)
*3の1 庄司勝和歌山県県土整備部長は,令和2年6月19日の和歌山県議会において以下の答弁をしています。
 本県におきましては、平成23年9月の紀伊半島大水害を契機として、全国に先駆けて、洪水対策の一つとして、事前にダムの水位を低下させ空き容量を確保する事前放流を積極的に実施してきました。
 具体的には、県内の二川ダム、椿山ダム、七川ダム、殿山ダムの四つのダムにおいて、平成24年5月に、利水事業者である関西電力株式会社と事前放流に関する協定を締結しました。
 本協定に基づき、これまで計50回の事前放流を行い、下流地域における浸水被害の軽減を図るなど、住民の安全・安心の確保に努めています。
*3の2 和歌山県HPに載ってある「知事からのメッセージ 令和4年7月19日」には以下の記載があります。
 下部の利水のために貯められた水は関西電力の営業資産であって、このため、関西電力はダム建設の時も応分の負担を払っているのですが、通常はこの水を抜いて、それによってできる空間を治水のために使おうなどと考えた人はいませんでした。
 しかし、人の命にはかえられませんので、私は思い切って、関西電力に洪水が予想されるときは利水用の水も県の要請によって事前に放流してくれませんかと頼むことにしました。そして、(山中注:平成23年の紀伊半島大水害によって)ちょうど全県でズタズタになった電力供給の復旧の経過報告に来庁された当時の関西電力の八木社長に直訴したわけです。そうしたら、八木社長は「商売も大事ですが、人命にはかえられません」と一発で快諾してくれました。
(中略)
 私は、このアイデアと実際の顛末を国交省に何度も報告し、全国のほかの河川のダムでも同じような方法をとったら洪水リスクがうんと減るのではないかと進言しました。しかし、その後何年もこの方式が採用されることはありませんでした。和歌山県だけが大型台風の襲来の度ごとに、県から関電に協力要請をしてダムの水を極限まで抜き続けていたのです。他はやっていません。そしてついに悲劇が起こりました。平成30年7月豪雨で愛媛県の国管理河川の肱川が増水し、そこにある野村ダム、鹿野川ダムが洪水調整のできる量を超える増水のため、「ただし書放流」(山中注:洪水調節ができないほどダムに水が溜まった場合に行う,流入量と同じ量となる放流)のやむなきに至り、結果的には8人もの尊い人命が失われました。
*3の3 和歌山県HPに載ってある「事前放流実績(運用開始~現時点)」によれば,平成24年から令和3年までの10年間で,殿山ダムでは事前放流が12回実施されました。
*3の4 和歌山県と関西電力の以下の協定書を掲載しています。
・ 緊急時におけるダム利水容量の有効活用に関する協定書(平成24年5月29日付の,和歌山県と関西電力の協定書)→二川ダム,椿山ダム及び七川ダム
・ 緊急時におけるダム利水容量の有効活用に関する協定書(平成24年5月29日付の,和歌山県と関西電力の協定書)→殿山ダムに関するもの
*3の5 国土交通省HPに「事前放流ガイドライン」(令和2年4月の国土交通省水管理・国土保全局の文書)が載っています。


(その他)
*4の1 国土交通省の川の防災情報HP「殿山ダム 日置川水系 日置川」が載っていて,和歌山県HPに「ダム観測所:殿山ダム」が載っています。
*4の2 八ッ場あしたの会ブログ「豪雨が来たら気をつけたい。専門家が選ぶ「危険なダム ワースト10」」(2018年9月1日付)によれば,和歌山県の殿山ダムは危険なダム10位になっています。
(関連記事)
*5 以下の記事も参照してください。
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部

近藤壽夫裁判官(14期)の経歴

生年月日 S7.10.1
出身大学 不明
退官時の年齢 61 歳
叙勲 R2.10.1瑞宝中綬章(高齢者叙勲)
H6.4.1 依願退官
H3.4.1 ~ H6.3.31 神戸家裁判事
S63.4.1 ~ H3.3.31 神戸地裁尼崎支部2民部総括
S59.4.1 ~ S63.3.31 東京地家裁八王子支部判事
S58.4.1 ~ S59.3.31 静岡地裁2民部総括
S53.4.1 ~ S58.3.31 静岡地家裁判事
S49.7.1 ~ S53.3.31 岡山地家裁津山支部長
S47.4.10 ~ S49.6.30 東京地裁判事
S46.4.10 ~ S47.4.9 東京地裁判事補
S43.4.1 ~ S46.4.9 宮崎地家裁判事補
S40.4.16 ~ S43.3.31 大阪家地裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 鹿児島家地裁判事補

田川和幸裁判官(14期)の経歴

生年月日 S9.2.8
出身大学 東大
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H16年春・旭日中綬章
H11.2.8 定年退官
H9.4.1 ~ H11.2.7 奈良地家裁五條支部長
H7.4.1 ~ H9.3.31 神戸地家裁洲本支部判事
H6.4.1 ~ H7.3.31 奈良地家裁葛城支部判事
H5.8.1 ~ H6.3.31 京都地裁判事(弁護士任官・奈良弁)

*0 以下の記事も参照してください。
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
・ 弁護士任官者研究会の資料
・ 弁護士任官候補者に関する下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申状況
・ 弁護士任官希望者に関する情報収集の実情
・ 弁護士任官に対する賛成論及び反対論
・ 法曹一元
*1 近弁連枠の,昭和63年度日弁連副会長でした(「近畿弁護士会連合会管内の単位弁護士会別の,日弁連の歴代副会長」参照)。
*2 平成24年2月,南都総合法律事務所を退所しました(同事務所HPの「沿革」参照)。
*3 「弁護士 裁判官になる」の著者でありますところ,95頁には「裁判所に入って驚いたことの一つは、先にも書いたとおり予想以上に手引・処理要領・執務資料などマニュアルがあるという事実である。」と書いてあります。
*4 14期の安倍晴彦裁判官が著した「犬になれなかった裁判官」223頁には以下の記載があります。
    弁護士任官(弁護士をしていた人が裁判官になるということ)をした同期、すなわち同じ時期に司法修習を終え、裁判官、弁護士等の経験合計が同じ年数である前述の田川和幸元裁判官の裁判官任官時の本俸が一号で、私の二階級上であった。ということは、その経験年数では、判事の最高給である一号が、私の場合でも当然の処遇ということであったのであろう。

安倍晴彦裁判官(14期)の略歴

生年月日 S8.2.16
出身大学 東大
退官時の年齢 65 歳
H10.2.16 定年退官
H4.4.1 ~ H10.2.15 東京地家裁八王子支部判事
S63.4.1 ~ H4.3.31 浦和地家裁川越支部判事
S59.4.1 ~ S63.3.31 静岡地家裁浜松支部判事
S54.4.1 ~ S59.3.31 浦和地家裁川越支部判事
S49.4.15 ~ S54.3.31 横浜家裁判事
S47.4.10 ~ S49.4.14 福井地家裁判事
S43.4.1 ~ S47.4.9 岐阜地家裁判事補
S40.4.16 ~ S43.3.31 和歌山地家裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 東京地家裁判事補

*0 以下の記事も参照してください。
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
*1 安倍晴彦裁判官が著した「犬になれなかった裁判官」には以下の記載があります。
(219頁の記載)
    同期の多くが、その時に(山中注:裁判官になって21年経ったときに)-あるいは遅れても半年か一年遅れるくらい-三号になる。そうして、私以外の全員(と思われる)が昇給していくのに、私は昇給しなかった。いわゆる「三号問題」である。
    結局、私が昇給したのは、それから三つの任地にわたり、同期の最初の昇給時期から五年半も遅れた後であった。ということは、同じ「裁判官」であっても、私の五年後輩の者が私より先に三号に昇給していくということになるのである。
(224頁の記載)
    どういう風の吹き回しかそのようなこと(山中注:平成5年8月1日に弁護士任官した,14期の田川和幸 元日弁連副会長について任官時から判事1号棒が適用されたことにかんがみ,現職のまま,国を相手として,バックペイと慰謝料請求の訴訟を提起しようかということ)を外部へ向けて言いだした「直後」、私は二号に昇給したのである。
(中略)
    私が一号になったのは一九九八年二月一五日、定年退職の当日で、一日限りの一号であった。それなりの恩恵か、嫌がらせの処置か知らないが、この一日だけの一号昇給という措置を受けている裁判官は、全国裁判官懇話会の世話人その他にも何人かいるようである。
*2 判事2号は財務省主計局長等と同じ給料であり,判事1号は事務次官と同じ給料です(「裁判官の年収及び退職手当(推定計算)」参照)。
*3 魚の目HP「安倍晴彦元裁判官独占インタビュー」と題する記事に5本の動画が載っています。

松田光正裁判官(14期)の経歴

生年月日 S7.7.6
出身大学 不明
退官時の年齢 65 歳
叙勲 R1.7.31瑞宝中綬章
H9.7.6 定年退官
H5.4.1 ~ H9.7.5 浦和家裁少年部部総括
H1.4.1 ~ H5.3.31 東京地家裁八王子支部判事
S60.4.1 ~ H1.3.31 浦和地家裁熊谷支部判事
S56.4.1 ~ S60.3.31 金沢地裁第3部部総括
S52.4.1 ~ S56.3.31 千葉地裁判事
S47.4.10 ~ S52.3.31 東京地家裁八王子支部判事
S46.4.15 ~ S47.4.9 東京地家裁八王子支部判事補
S43.7.1 ~ S46.4.14 浦和地家裁判事補
S40.4.16 ~ S43.6.30 横浜家地裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 山口地家裁下関支部判事補

大森政輔 元内閣法制局長官(14期)の経歴

生年月日 S12.5.11
出身大学 京大
退官時の年齢 62 歳
叙勲 H19年秋・瑞宝大綬章
H11.8.24 依願退官
H8.1.11 ~ H11.8.23 内閣法制局長官
H4.12.18 ~ H8.1.10 内閣法制次長
H1.8.18 ~ H4.12.17 内閣法制局第一部長
S60.11.19 ~ H1.8.17 内閣法制局第二部長
S58.11.1 ~ S60.11.18 内閣法制局総務主幹
S57.4.1 ~ S58.10.31 法務省民事局参事官
S53.4.1 ~ S57.3.31 法務省民事局第二課長
S53.3.25 ~ S53.3.31 東京地裁判事
S50.4.1 ~ S53.3.24 大阪地裁判事
S47.4.10 ~ S50.3.31 岡山地家裁判事
S46.4.10 ~ S47.4.9 岡山地家裁判事補
S43.7.1 ~ S46.4.9 最高裁家庭局付
S42.4.16 ~ S43.6.30 秋田地家裁判事補
S40.5.1 ~ S42.4.15 秋田地家裁大曲支部判事補
S37.4.10 ~ S40.4.30 京都地家裁判事補

*0 法令審査事務提要(改定)(平成23年12月作成)を掲載しています。
*1 衆議院議員金田誠一君提出官吏服務紀律に関する質問に対する答弁書(平成12年12月26日付)には以下の記載があります。
   国家公務員(国会及び裁判所の国家公務員を除く。以下同じ。)のうち、官吏服務紀律(明治二十年勅令第三十九号)の適用があると解される官職は、内閣総理大臣、国務大臣、検査官、内閣法制局長官、内閣官房副長官、政務次官、内閣総理大臣等の秘書官、公正取引委員会の委員長及び委員、宮内庁長官、侍従長、侍従、特命全権大使並びに特命全権公使である。
*2 参議院議員藤末健三君提出特別職公務員の守秘義務に関する質問に対する内閣答弁書(平成21年7月10日付)には以下の記載があります。
   内閣総理大臣、国務大臣、副大臣、大臣政務官、内閣官房副長官及び内閣法制局長官については、官吏服務紀律(明治二十年勅令第三十九号)第四条第一項の規定の適用があると解されており、同項においては「官吏ハ己ノ職務ニ関スルト又ハ他ノ官吏ヨリ聞知シタルトヲ問ハス官ノ機密ヲ漏洩スルコトヲ禁ス其職ヲ退ク後ニ於テモ亦同様トス」と規定され、また、これらのうち内閣総理大臣、国務大臣、副大臣(内閣官房副長官を含む。)及び大臣政務官については、「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」(平成十三年一月六日閣議決定)1(8)において「職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。(中略)これらについては、国務大臣等の職を退任した後も同様とする。」と規定されており、これらの規定に違反した場合の罰則は定められていない。
*3 官吏服務紀律4条1項の「官ノ機密」は,国家公務員法100条1項の「職務上知ることのできた秘密」とその内容において差異はないものと解されています(参議院議員秦豊君提出官吏服務紀律の解釈と運用の実態等に関する質問に対する答弁書(昭和56年1月16日付)参照)。

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吉川義春裁判官(14期)の経歴

生年月日 S11.3.10
出身大学 立命館大
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H18年秋・瑞宝重光章
H13.3.10 定年退官
H8.4.7 ~ H13.3.9 大阪高裁10民部総括
H6.3.3 ~ H8.4.6 旭川地家裁所長
S63.4.1 ~ H6.3.2 京都地裁3民部総括
S60.4.1 ~ S63.3.31 大阪高裁判事
S59.4.1 ~ S60.3.31 福岡高裁宮崎支部判事
S56.3.25 ~ S59.3.31 宮崎地裁民事部部総括
S55.4.1 ~ S56.3.24 大阪高裁判事
S53.4.1 ~ S55.3.31 大阪地裁判事
S50.4.1 ~ S53.3.31 和歌山地家裁新宮支部判事
S47.4.10 ~ S50.3.31 大阪地裁判事
S46.4.1 ~ S47.4.9 大阪地裁判事補
S43.4.16 ~ S46.3.31 京都地家裁舞鶴支部判事補
S40.4.16 ~ S43.4.15 静岡家地裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 大阪地家裁判事補

井野場明子裁判官(14期)の経歴

生年月日 S10.5.6
出身大学 明治大
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H17年秋・瑞宝中綬章
H12.5.6 定年退官
H10.2.21 ~ H12.5.5 秋田地家裁所長
H7.4.1 ~ H10.2.20 山形地裁刑事部部総括
H3.4.1 ~ H7.3.31 福島地裁刑事部部総括
S62.4.1 ~ H3.3.31 仙台高裁判事
S54.4.1 ~ S62.3.31 仙台家裁判事
S51.4.1 ~ S54.3.31 福岡高裁宮崎支部判事
S48.4.25 ~ S51.3.31 東京家裁判事
S47.4.10 ~ S48.4.24 新潟家地裁判事
S43.4.16 ~ S47.4.9 新潟家地裁判事補
S40.4.16 ~ S43.4.15 横浜家地裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 長崎家地裁判事補

田中明生裁判官(14期)の経歴

生年月日 S10.4.21
出身大学 京大
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H17年春・瑞宝中綬章
H12.4.21 定年退官
H10.7.9 ~ H12.4.20 神戸家裁所長
H8.4.1 ~ H10.7.8 高松高裁第1部部総括
S63.4.1 ~ H8.3.31 神戸地裁1刑部総括
S59.4.1 ~ S63.3.31 大阪高裁判事
S54.4.1 ~ S59.3.31 長野地家裁飯田支部長
S51.4.1 ~ S54.3.31 神戸家裁判事
S48.4.2 ~ S51.3.31 広島地家裁呉支部判事
S47.4.10 ~ S48.4.1 京都地家裁判事
S45.4.1 ~ S47.4.9 京都地家裁判事補
S40.4.16 ~ S45.3.31 岐阜家地裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 広島地家裁判事補

上野利隆裁判官(14期)の経歴

生年月日 S5.4.3
出身大学 不明
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H12年春・勲二等瑞宝章
H7.4.3 定年退官
H6.4.1 ~ H7.4.2 高松高裁第2部部総括
H3.4.1 ~ H6.3.31 高松高裁第2部判事
S63.4.1 ~ H3.3.31 大阪高裁判事
S60.4.1 ~ S63.3.31 高松高裁判事
S56.4.1 ~ S60.3.31 徳島地裁民事部部総括
S53.4.1 ~ S56.3.31 高松高裁判事
S50.4.1 ~ S53.3.31 高松地家裁判事
S47.4.10 ~ S50.3.31 高知地家裁判事
S46.4.1 ~ S47.4.9 高知地家裁判事補
S43.4.10 ~ S46.3.31 京都地家裁判事補
S40.7.1 ~ S43.4.9 大阪家地裁判事補
S37.4.10 ~ S40.6.30 松山家地裁判事補

根本久裁判官(14期)の経歴

生年月日 S9.2.9
出身大学 東大
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H16年春・瑞宝中綬章
H11.2.9 定年退官
H9.8.1 ~ H11.2.8 大分地家裁所長
H9.1.11 ~ H9.7.31 福岡高裁宮崎支部長
H7.6.30 ~ H9.1.10 福岡高裁宮崎支部第1部部総括
H5.3.18 ~ H7.6.29 横浜地家裁川崎支部長
H1.7.3 ~ H5.3.17 横浜地裁川崎支部民事部部総括
S56.4.1 ~ H1.7.2 東京地裁10民部総括
S55.4.1 ~ S56.3.31 東京地裁判事
S52.3.1 ~ S55.3.31 国鉄法務課参事
S49.4.1 ~ S52.2.28 盛岡地裁民事部部総括
S47.4.10 ~ S49.3.31 東京家裁判事
S46.4.1 ~ S47.4.9 東京家裁判事補
S43.4.1 ~ S46.3.31 長野地家裁伊那支部判事補
S40.4.16 ~ S43.3.31 東京地家裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 岐阜家地裁判事補

大山貞雄裁判官(14期)の経歴

生年月日 S6.11.27
最終学歴 香川県立高松中学校
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H14年春・勲二等瑞宝章
H8.11.27 定年退官
H5.11.22 ~ H8.11.26 徳島地家裁所長
S63.4.1 ~ H5.11.21 名古屋地裁部総括(刑事部)
S56.4.1 ~ S63.3.31 富山地裁刑事部部総括
S52.4.1 ~ S56.3.31 岐阜地家裁大垣支部長
S49.3.20 ~ S52.3.31 名古屋地裁判事
S47.4.10 ~ S49.3.19 徳島地家裁判事
S43.4.1 ~ S47.4.9 徳島地家裁判事補
S40.4.16 ~ S43.3.31 名古屋家地裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 富山地家裁判事補

萩原昌三郎裁判官(14期)の経歴

生年月日 S8.7.9
出身大学 静岡大
退官時の年齢 65 歳
叙勲 H15年秋・瑞宝中綬章
H10.7.9 定年退官
H8.8.23 ~ H10.7.8 神戸家裁所長
H5.10.31 ~ H8.8.22 札幌高裁第3部部総括
S63.10.31 ~ H5.10.30 大阪高裁判事
S60.9.1 ~ S63.10.30 京都地裁3刑部総括
S59.4.1 ~ S60.8.31 大阪地裁20刑部総括
S55.4.1 ~ S59.3.31 広島高裁松江支部判事
S52.4.1 ~ S55.3.31 大阪地裁判事
S49.4.1 ~ S52.3.31 仙台高裁秋田支部判事
S47.4.10 ~ S49.3.31 東京地裁判事
S46.4.1 ~ S47.4.9 東京地裁判事補
S43.4.30 ~ S46.3.31 新潟地家裁柏崎支部判事補
S40.4.16 ~ S43.4.29 東京地家裁判事補
S37.4.10 ~ S40.4.15 前橋家地裁判事補