当連合会は,令和元年12月5日から司法修習を開始する第73期司法修習生及び司法修習予定者に関し,司法修習の実効を期すとともに司法修習生等の職業選択の自由を尊重するため,下記のとおり要請いたします。 貴会会員に対し,この要請の趣旨を周知徹底していただくとともに,行き過ぎた勧誘行為等が認められた場合には, 当該会員に対し,個別に実情に応じた対応をとっていただくなどして,平穏な司法修習環境を維持し,司法修習の実をあげるべく御協力いただきますよう,お願い申し上げます。 記 ① 会員は,第73期の司法修習生及び司法修習予定者(以下合わせて「司法修習生等」という。)について,事務所見学,採用選考等の日程及び時刻を決定するにあたっては,司法修習に対する影響を低減するように配慮しなければならない。 なお,導入修習期間中(令和元年12月5日から同年12月25日までの期間)は,司法修習を欠席することを要することとなるような事務所見学,採用選考等を行ってはならない。 ② 会員は,司法修習生等に対し,過度の飲食提供,その他不相当な方法による採用のための勧誘行為を行ってはならない。 ③ 会員は,第73期司法修習生等に対する採用決定(内定を含む。)により,司法修習生等を拘束してはならない。会員は,第73期司法修習生等の会員に対する採用の申込み又は会員からの採用の申込みに対する第73期司法修習生等の承諾につき,司法修習生等が撤回することを妨げてはならない。 ④ 会員は,職業選択に関する司法修習生等の自由な意思を尊重しなければならない。
1 総論
(1) 司法修習生は,最高裁判所の許可を受けなければ,公務員となり,又は他の職業に就き,若しくは財産上の利益を目的とする業務を行うことはできません(司法修習生に関する規則2条)。
(2) 令和3年度司法修習生採用選考申込書の記載要領5頁及び6頁からすれば,兼職,兼業及び兼学の定義は以下のとおりと思います。
① 兼職とは,民間企業(弁護士事務所を除く。)の従業員又は役員等及び地方公務員(司法修習のために休職することができる場合)の方が,現在の就業先に在籍したまま司法修習を受けることをいいます。
② 兼業とは,大学や予備校(塾)での答案添削・採点・授業の講師及び教材作成等をいいます。
③ 兼学とは,大学等に在籍を続けることをいいます。
3 74期以降の司法修習生に対する兼学の禁止の緩和 (1) 73期までの司法修習生の場合,司法修習生の兼学について申請の予定がある場合,司法研修所事務局企画第二課調査係に速やかに連絡し,申請方法や提出書類等の指示を受けることとされていました(令和元年度司法修習生採用選考申込書の記載要領7頁参照)。
(2) 74期司法修習生の場合,司法修習生の兼学について申請の予定がある場合,採用選考申込書に申請方法や提出書類等が記載されるようになるとともに,典型的な兼学の類型として以下の場合があることが明示されるようになりました(令和2年度司法修習生採用選考申込書の記載要領6頁並びに11頁ないし13頁)。
① 修習終了後に復学等するために,休学した上で在籍する場合
② 令和3年4月1日以降に卒業(修了)予定の方で,在籍期間以外の卒業要件を満たしており(卒業必要単位修得済み及び卒業論文作成不要),学位取得のために休学することなく形式的に在籍する場合
(3)ア 75期司法修習生の場合,司法修習生の兼学について申請の予定がある場合,採用選考申込書に申請方法や提出書類等が記載されるようになるとともに,典型的な兼学の類型として以下の場合があることが明示されるようになりました(令和3年度司法修習生採用選考申込書の記載要領9頁及び10頁)。
① 修習終了後に復学するために,休学した上で在籍を続ける場合
② 在籍期間以外の卒業要件を満たしており,学位取得のために休学することなく形式的な在籍を続ける場合(卒業に必要な単位を修得済みかつ卒業論文の作成が不要な場合)
イ 採用選考申込書の「7 現在の職業等」につき,「A:採用日までに退職,卒業(修了),退学する」,「B:自営業であるが,修習中は業務を行わない」及び「C:兼職,兼業,兼学許可申請を行う予定」のいずれかを選ぶこととなりました。
2 行政官国内研究員は司法修習生の修習を終了しないこと
(1) 行政官国内研究員(司法修習コース)派遣要綱(昭和63年2月9日付の人事院事務総長決定)によれば,以下のような取扱いになっています。
① 研究員は,研究従事命令に基づき,司法修習生として専ら所定の研究に従事します。
② 二回試験初日の1ヶ月前までに,司法修習生としての退職願を人事院を通じて最高裁判所に提出し,二回試験終了日の翌日,司法修習生の身分を失いますから,司法修習生の修習を終了することができません。 (2) 35期の安浪亮介最高裁判所人事局長は,平成26年5月14日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しました。)。 ① 次に、国家公務員の派遣型の研修ということで修習をしているのかという点でございます。 これにつきましては、人事院が実施いたします一般職の国家公務員の国内研修制度の一環ということで、司法試験に合格いたしました行政官庁の職員が、人事院の事務官に身分を異動した上で、最高裁からの兼職の許可を得て司法修習を行う、こういう例がございます。 ただ、この制度につきましては、公務員としての身分を有しており、有給で研修をしておるわけでございますけれども、二回試験の直前といいますか、その時点ではここの研修から退いてもらって、法曹資格は取得しない、こういう形での運用をしておるところでございます。 ② 委員の方から今御指摘があった公務員の派遣研修の点でございますが、先ほどの答弁の中で、一点訂正をさせていただきます。 二回試験の前と申し上げましたけれども、二回試験の後まで修習を続けておりまして、ただし、法曹資格は取得しないという形で制度をつくっておるということでございます。