司法修習

司法研修所の食堂に関する修習日誌の記載は不開示情報であること

目次
1 理由説明書の記載
2 答申書の記載
3 関連記事その他

1 理由説明書の記載
・ 司法研修所の食堂に関する修習日誌の記載は不開示情報であるとする,平成31年3月27日付の理由説明書の「最高裁判所の考え方及びその理由」には以下の記載があります。

ア 苦情申出人は,修習日誌の本文は不開示情報に該当しない旨主張している。
   しかし,修習日誌における具体的な内容が記載されている,文書の存在を答えると「食堂の飯は案外美味かつた。不味いって言う奴は第三者の意見に乗っかって食堂行ってない奴。自分の目で判断すること大事。」という趣旨の記載がされた修習日誌が存在する事実が明らかとなる。
   修習日誌は,司法修習生が記載したものであり,そこに記載されているのは,修習生個人の内心,思想,考えを含めた個人的な情報である。修習生としては, 日誌に記載する内容は,司法研修所内で教官や事務局職員に読まれることを想定して記載しており,たとえ記載どおりの表現ぶりでなく,その趣旨や要旨であったとしても,その内容が広く世間に公開されることは,全く想定していない。修習日誌に記載された内容によっては,他の情報(修習生間の相互のやり取り等) と照合することにより特定の個人を識別することが可能な場合が考えられるし,特定の個人を識別することができないとしても,公になることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがある(行政機関情報公開法(以下「法」という。)第5条第1号) 。
   また,修習日誌は,修習生に担当日の修習等に限らず,修習全般に関するきたんのない感想等を記載させ,司法修習の在り方等の参考とするために使用するものであり,修習日誌に記載した内容が,たとえその趣旨や要旨であったとしても,公にされることがあるとすれば,修習生が修習日誌の記載に際して萎縮をし,修習生の意見を司法研修所が得ることができなくなり,司法修習運営上の大きな事務支障となる(法第5条第6号) 。
   なお,司法研修所長,教官及び事務局職員が,修習日誌の内容について,司法修習生に対して読み上げたり,周知したりということがあったとしても,それは守秘義務を負っている司法修習生という限られた対象者に対し,講義の一環であったり,事務運営の必要上行われるものであって,そのことをもって修習日誌の内容が不特定多数の者に広く公表されたことにはならず,修習日誌の内容を開示する理由とはならない。
イ よって,原判断は相当である。

修習日誌論証パターン
今日は〇〇をした。
私は〇〇について、〇〇と考えた。
しかし、裁判官の方から、〇〇は〇〇と考えるべきではないかとご指導いただいた。私は〇〇について、もう一度文献を調べ直した。それにより、私の当初の考え方は誤りであったと認識できた。
以降、反省し教訓としたい。

— 小さい弁護士73期 (@1JnrSmgg0NLUiKU) March 30, 2021

2 答申書の記載
・ 令和元年10月18日付の答申書には,「委員会の判断の理由」として以下の記載があります。
   本件開示の申出の内容からすれば,本件開示申出文書の存否を明らかにすると,特定の記載がある特定の期の導入修習時の修習日誌が存在する事実,ひいては特定の期の司法修習生が導入修習時において修習日誌に当該特定の記載をしたという事実の有無が公になると認められる。
   最高裁判所事務総長の上記説明によれば,修習日誌は,修習生に修習全般に関するきたんのない感想等を記載させ,司法修習の在り方等の参考とするために使用するものであり,修習生個人の内心,思想,考え等を含めた個人的な情報が記載されるところ、修習生としては,修習日誌に記載する内容について,たとえ記載どおりの表現ぶりでなく,その趣旨や要旨であったとしても, これが公開されることは全く想定していないとのことである。このような修習日誌の性格を踏まえて検討すれば,特定の期の修習生が導入修習時において修習日誌に特定の記載をしたという事実の存否が公になると,仮に当該事実が存在した場合には,修習生間のやり取り等の他の情報と照合することにより,修習日誌に当該特定の記載をした修習生が特定され得る事態が考えられ, また,特定することができないとしても,なお当該修習生の権利利益を害するおそれがあると認められる(法5条1号)。さらに,上記のとおりの修習日誌の性格を踏まえれば,特定の記載がある修習日誌の存否について公になると,今後,修習生が修習日誌を記載するに際して萎縮するなどして,修習生から司法修習に関するきたんのない感想等が得られなくなることが想定され,司法修習運営上の事務に支障を及ぼすおそれがあると認められる (同条6号) 。
   なお,苦情申出人は,本件開示申出文書については司法研修所長が名前を隠して最終日に全体の前で読み上げた旨主張するが,苦情申出人が指摘する事実関係が仮に存在したとしても,修習日誌の内容を広く公表したとはいえず,上記の判断を左右するものではない。
   したがって,本件開示申出文書については,その存否を答えるだけで同条1号及び6号に規定する情報に相当する不開示情報を開示することになると認められる。

修習日誌は裁判所のすごい偉いさんまで、かなりちゃんと読んでいるのでしっかり書いた方が良いよ。

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司法修習生の採用選考で不合格となった人が出た修習期等

目次
1 司法修習生の採用選考申込みで不合格となった人に関する文書
2 司法修習生の採用選考手続に関して存在しない文書
3 地裁で罰金刑を受けて控訴中であったことに基づく不採用事例等
4 関連記事その他

1 司法修習生の採用選考申込みで不合格となった人に関する文書
(1) 以下の文書を掲載しています。
・ 平成29年6月23日付の司法行政文書不開示通知書
→ 59期から新61期まで,新62期,新63期から新65期まで,67期から69期までについて,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人の数が修習期ごとに分かる文書は存在しません。
・ 現行62期,現行63期及び66期採用時の最高裁判所裁判官会議議事録
→ これらの期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人がいたとのことです。
・ 70期採用時の最高裁判所裁判官会議議事録
→ 70期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人がいたとのことです。
・ 71期採用時の最高裁判所裁判官会議議事録
→ 71期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人がいたとのことです。
・ 平成31年1月23日付の司法行政不開示通知書
→ 72期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人の数が分かる文書は存在しません。
・ 令和2年1月29日付の司法行政文書不開示通知書
→ 73期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人の数が分かる文書は存在しません。
・ 令和3年6月2日付の司法行政文書不開示通知書
→ 74期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人の数が分かる文書は存在しません。
・ 令和4年3月28日付の司法行政文書不開示通知書
→ 75期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人の数が分かる文書は存在しません。
・ 令和5年5月2日付の司法行政文書不開示通知書
→ 76期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人の数が分かる文書は存在しません。
・ 令和6年11月1日付の司法行政文書不開示通知書
→ 77期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人の数が分かる文書は存在しません。
・ 78期採用時の最高裁判所裁判官会議議事録
→ 78期について,司法修習生の採用選考申込みに不合格となった人がいたとのことです。

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(AI作成)司法修習に関する事務便覧(令和7年3月の司法研修所事務局の文書)の解説

◯本ブログ記事は,「司法修習に関する事務便覧」(令和7年3月の司法研修所事務局の文書)についてAIで作成した解説です。
目次

第1 庶務的事務
1 事務年次表の概要
(1) 採用前事務の推移
(2) 採用後事務の推移
(3) 非恒常的な事務及び選択型実務修習

2 実務修習中の諸手続
(1) 司法修習生からの届出事項
(2) 司法修習生からの申請事項
(3) 実務修習に関する報告体制

3 起案及び交付物に関する事務
(1) 裁判起案及び検察一斉起案
(2) 司法修習生に対する貸与物・交付物

第2 教材・資料及び図書関係事務
1 修習教材の取扱い
(1) 修習記録及び一般資料
(2) 司法修習ハンドブック
2 図書資料及び図書館の利用

第3 経理関係事務
1 経理事務の年間計画
2 予算の使途及び支払手続
(1) 諸謝金及び司法修習生旅費
(2) 研修費及び研修委託費

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司法修習生の就職関係情報等が載ってあるHP及びブログ

目次
第1 弁護士会HP
第2 各種求人・転職関係のHP
1 アットリーガルHP
2 ジュリナビHP
3 MS-JAPANのHP
4 C&Rリーガル・エージェンシーHP
5 法律事務所の求人・転職サイトのおまとめサイト
6 弁護士ドットコムキャリアHP
7 メンターエージェントHP
第3 弁護士作成のHP
第4 非弁提携に関する記事
第5 東京の5大法律事務所の定年
第6 判事補又は検事への採用志望者に対し,法律事務所等の内定を求めるような指導はしていないこと
第7 法律事務所の名称等に関する規程,及び私の所属事務所である林弘法律事務所の名称等(令和4年8月21日追加)
1 法律事務所の名称等に関する規程
2 私の所属事務所である林弘法律事務所の名称等
第8 関連記事その他

第1 弁護士会HP
1(1) 法律事務所への就職活動の方法につき,日弁連HPの「法律事務所への入所をお考えの方へのご案内」が参考になります。
(2) 弁護士の求人求職情報につき,日弁連HPの「ひまわり求人求職ナビ」(弁護士・修習生求人求職情報提供システム)が定番サイトです。
(3)  司法試験合格者,司法修習生,若手弁護士向け採用情報を提供するサイトとして,日弁連の「若手弁護士・司法修習生の皆様へ」と題するfacebookがあります。
(4) 企業内弁護士への就職につき,日弁連HPの「企業内弁護士に関するご案内」が参考になります。
   また,第一東京弁護士会作成の,「企業内弁護士雇用の手引き」も参考になります(第一東京弁護士会HPの「弁護士・修習生求人情報」に掲載されています。)。
(5) 自治体の任期付公務員への就職につき,日弁連HPの「任期付公務員等に関するご案内」が参考になります。
2 第一東京弁護士会HPの「第69期司法修習生 第一東京弁護士会への入会申込手続きについて」に掲載されている,「ようこそ,一弁へ!」を見れば,弁護士登録,弁護士登録申請の費用・会費,弁護士会への納付金等,出産・育児や女性会員への対応,第69期司法修習生の入会手続,若手会員向けの対応(班制度・若手研修・若手会員委員会)のことが分かります。
3 日弁連HPに以下のページが載っています。
① 法律事務所への入所をお考えの方へのご案内
→ 全国の弁護士会の説明会の予定が載っています。

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修習資金貸与制における司法修習生の移転料と住民票

1 分野別実務修習に参加するために住所又は居所を移転した司法修習生が旅費及び移転料の支給を受ける場合,新住所地の住民票を提出するように求められます(平成27年10月16日付の「司法修習における旅費について」参照)。
  ただし,分野別実務修習に参加するために住所又は居所を移転した司法修習生が移転料の支給を受けるためには,新住所地の住民票を必ず提出しなければならないとする法令上の根拠が分かる文書は存在しません(平成26年4月30日付の司法行政文書不開示通知書参照)。

2 「住民基本台帳法に関する質疑応答集について」(昭和43年3月26日付の自治省行政局振興課長の通知)には以下の記載があります。
  そのため,住民基本台帳法に関する総務省の解釈からしても,司法修習の場合,転出届(住民基本台帳法24条)及び転入届(住民基本台帳法22条)(大阪市HP「住所についての届出(転入届,転出届など)」参照)を市区町村役場に提出することで住民票を移動させる法的義務はないと思われます。
問2 職業訓練法に定める職業訓練所に入所し,家族と離れて寄宿舎に居住しながら職業訓練をうけている訓練生の住所はどこにあると認められるか。
答 特段の事情のない限り,訓練期間が1年未満の者については入所前の居住地,訓練期間が1年以上の者については寄宿舎にあると認められる。
問3 会社の研修所で合宿しながら1年以上の研修をうけている場合,その者の住所はどこにあると認められるか。
答 家族と密接な生活関係がある等特段の事情のない限り,研修所にあると認められる。

3(1) ちなみに,平成28年7月当時,安部首相は東京都内に住んでいるものの,住民票上の住所は山口県下関市にありますし,同市での不在者投票が認められていました(The Vote.jpの「なぜ,安倍首相はゆるされて学生はゆるされない。不平等な不在者投票」参照)。
(2) 国会議員,都道府県知事及び市区町村長の場合,選挙区内に住んでいなくても被選挙権があるのに対し,都道府県議会議員及び市区町村議会議員の場合,選挙区に住んでいないと被選挙権がありません(公職選挙法10条1項・9条。なお,総務省HPの「選挙権と被選挙権」参照)。

4 「司法修習生の修習資金貸与制」も参照して下さい。

69期実務修習地における実務修習の順序

○69期の場合,「平成27年度(第69期)司法修習生の修習開始等について」(平成27年10月16日付の司法研修所事務局長事務連絡)によれば,実務修習地における実務修習の順序は,以下のとおりでした。
   なお,括弧内の人数は配属された69期の人数です。
○「司法修習の日程」も参照して下さい。

1 東京高裁管内の修習地の場合
(1) 東京修習(292人)及び立川修習(24人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部→検察庁
2班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
3班:裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部→弁護士会
4班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部

(2) 横浜修習(84人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
2班:検察庁→裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部
3班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
4班:弁護士会→裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部

(3) さいたま修習(66人)の場合
1班:弁護士会→裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部→弁護士会
3班:検察庁→裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部
4班:裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部→検察庁

(4) 千葉修習(64人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
2班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
3班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
4班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部

(5) 水戸修習(28人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→検察庁→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→検察庁→裁判所民事部
3班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会
4班:検察庁→裁判所刑事部→裁判所民事部→弁護士会

(6) 宇都宮修習(22人)の場合
1班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
2班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部
3班:裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部→検察庁
4班:裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部→弁護士会

(7) 前橋修習(23人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
2班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
3班:検察庁→裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部
4班:弁護士会→裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部

(8) 静岡修習(23人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
2班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
3班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
4班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部

(9) 甲府修習(11人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→検察庁→裁判所刑事部
2班:(1班と同じ。)
3班:検察庁→裁判所刑事部→裁判所民事部→弁護士会
4班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会

(10) 長野修習(15人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→検察庁→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→検察庁→裁判所民事部
3班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会
4班:検察庁→裁判所刑事部→裁判所民事部→弁護士会

(11) 新潟修習(21人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→弁護士会→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→検察庁→裁判所民事部
3班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会
4班:弁護士会→裁判所刑事部→裁判所民事部→検察庁

2 大阪高裁管内の修習地の場合
(1) 大阪修習(197人)の場合
1班:弁護士会→裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
3班:検察庁→裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部
4班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会

(2) 京都修習(68人)の場合
1班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
3班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
4班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部

(3) 神戸修習(67人)の場合
1班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
3班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
4班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会

(4) 奈良修習(22人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
2班:検察庁→裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部
3班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
4班:弁護士会→裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部

(5) 大津修習(22人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→検察庁→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→検察庁→裁判所民事部
3班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会
4班:検察庁→裁判所刑事部→裁判所民事部→弁護士会

(6) 和歌山修習(22人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
2班:検察庁→裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部
3班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
4班:弁護士会→裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部

3 名古屋高裁管内の実務修習地の場合
(1) 名古屋修習(80人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部→検察庁
2班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
3班:裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部→弁護士会
4班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部

(2) 津修習(19人)の場合
1班:裁判所民事部→検察庁→裁判所刑事部→弁護士会
2班:裁判所刑事部→弁護士会→裁判所民事部→検察庁
3班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
4班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部

(3) 岐阜修習(21人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部→検察庁
2班:裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部→弁護士会
3班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
4班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部

(4) 福井修習(8人)の場合
1班:裁判所刑事部→弁護士会→検察庁→裁判所民事部
2班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会

(5) 金沢修習(17人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→検察庁→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→検察庁→裁判所民事部
3班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会
4班:検察庁→裁判所刑事部→裁判所民事部→弁護士会

(6) 富山修習(8人)の場合
1班:裁判所民事部→弁護士会→検察庁→裁判所刑事部
2班:裁判所刑事部→弁護士会→検察庁→裁判所民事部
3班:検察庁→裁判所民事部→裁判所刑事部→弁護士会
4班:検察庁→裁判所刑事部→裁判所民事部→弁護士会

4 広島高裁管内の実務修習地の場合
(1) 広島修習(56人)の場合
1班:弁護士会→裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部
2班:裁判所刑事部→検察庁→裁判所民事部→弁護士会
3班:検察庁→裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部
4班:裁判所民事部→弁護士会→裁判所刑事部→検察庁

(2) 山口修習(18人)の場合

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司法研修所の食堂及び西館の弁当販売に関する文書

総論
1 司法研修所の食堂の経営に関する契約書
2 司法研修所西館の弁当販売に関する許可申請書
3 司法研修所の食堂に関する感想
4 関連記事その他

1 司法研修所の食堂の経営に関する契約書
・ (令和2年度以降はなし。)
・ 平成31年度分(チムニー)
・ 平成30年度分(チムニー)
・ 平成29年度分(西洋フード・コンパスグループ)
・ 平成28年度分(西洋フード・コンパスグループ)

2 司法研修所西館の弁当販売に関する許可申請書
(1) 司法研修所西館の弁当販売に関する許可申請書を以下のとおり掲載しています。
* 「お食事処さつき和光司法研修所店の販売等許可申請書(令和5年8月7日付)」,「73期導入修習期間中の,弁当販売等の許可申請書(西館1階及び3階)(ジャパンビバレッジホールディングス)」,「77期導入修習期間中の,券売機による食券販売の許可申請書(西館1階及び図書館棟2階)(チムニー)」といったファイル名です。
(77期集合修習)
・ 西館1階及び図書館棟2階の弁当販売に関する分(お食事処さつき和光司法研修所店)
(77期導入修習)
・ 西館1階及び図書館棟2階の券売機による食券販売に関する分(チムニー)
(76期集合修習)
・ 西館1階及び図書館棟2階通路の弁当販売に関する分(お食事処さつき和光司法研修所店)
(76期導入修習)
・ 西館1階及びいずみ寮1階ロビーの弁当販売に関する分(お食事処さつき和光司法研修所店)
(73期導入修習)
① 西館1階及び3階並びに東館2階の弁当販売に関する分(ジャパン・ビバレッジ・ホールディングス)
② 西館2階及び4階の弁当販売に関する分(チムニー)
(72期集合修習)
① 西館1階及び3階の弁当販売に関する分(ジャパン・ビバレッジ・ホールディングス)
② 西館2階の弁当販売に関する分(チムニー)

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成績通知申出制度に基づく,司法修習生の成績開示

目次
1 成績通知申出書の提出
2 平成18年3月の制度変更
3 平成20年2月22日付の「司法修習生の修習及び考試の成績の本人に対する通知概要」の本文
4 関連記事その他

1 成績通知申出書の提出
・ 司法修習を終了した者が実務修習,集合修習及び二回試験の成績を開示してもらいたい場合,司法研修所事務局総務課に対し,「成績通知申出書」(2通必要です。)及び必要書類を提出すれば,約3週間で成績通知を郵送してもらえます。
   手続の詳細は,日弁連の弁護士任官(常勤)Q&Aの4頁及び5頁に書いてあります。

成績通知の申出等について(令和2年7月31日付の司法研修所事務局企画第二課の通知)を添付しています。 pic.twitter.com/H95nJuXQ4y

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) June 26, 2021

2 平成18年3月の制度変更
(1) 平成19年7月発行の日弁連新聞第402号には,「司法研修所での成績は、これまでは任官や海外留学先宛など必要性がある場合しか開示されなかったが、昨年3月、最高裁判所の個人情報取扱方針が変更され、無理由での開示が認められるようになった。詳細は以下のとおり。任官などを考えている方は参考にされたい。」と書いてあります。
(2) 平成29年8月24日付の司法行政文書不開示通知書によれば,最高裁が,平成18年3月,司法研修所での成績の開示請求を無理由で認めるようになった際に作成した文書は存在しません。

3 平成20年2月22日付の「司法修習生の修習及び考試の成績の本人に対する通知概要」の本文
・ 以下の記載は,平成20年2月22日付の「司法修習生の修習及び考試の成績の本人に対する通知概要」の本文を丸写ししたものです。

第1 通知の対象となる成績
1 平成14年法律第138号による改正後の司法試験法(昭和24年法律第1 40号)の規定による司法試験に合格し司法修習生として採用された者及び同試験以外の試験に合格し,かつ,平成24年11月以降司法修習生として採用された者を対象とする司法修習
(1) 分野別実務修習,選択型実務修習及び集合修習の成績
(2) 考試の成績
2 1以外の司法修習
(1) 実務修習及び後期修習の成績
(2) 考試の成績 
第2 通知対象者 
   考試応試者本人(考試の全科目を受験した者に限る。)で,第1の1又は2の各成績の通知を希望する者 
第3 成績通知の申出先 

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修習専念資金

目次
1 総論
2 修習給付金及び修習専念資金の金額の根拠
3 修習専念資金に関する契約書
4 修習専念資金の貸与事務
5 日本学生支援機構の奨学金に関する札幌高裁令和4年5月19日判決
6 修習資金利用者に対する請求書の誤送付,及びプライバシー権に関する最高裁判例
7 奨学金の返済に充てるための給付は原則として非課税の学資金であること
8 授業料等の返還に関する最高裁判例
9 金銭消費貸借契約及び仮差押命令に関するメモ書き
10 関連記事その他

1 総論
(1) 修習専念資金の額は原則として月額10万円ですが,司法修習生が扶養親族を有し,貸与額の変更を希望する場合,月額12万5000円となります(裁判所HPの「司法修習生に対する修習専念資金の貸与制の概要」参照)。
    ただし,配偶者又は子に収入がある場合でも,扶養加算は認められるみたいです(裁判所HPの「修習専念資金貸与FAQ ~これから貸与を受ける方へ~」参照)。
(2) 司法研修所の公式見解によれば,修習給付金は必要経費のない雑所得ですから,例えば,神戸修習であった71期の司法修習生の場合,平成31年度の税金及び国民健康保険料は最大で23万9100円+24万4160円=48万3260円となります(「修習給付金に関する司法研修所の公式見解を前提とした場合の,修習給付金に関する取扱い」参照)。
    また,修習専念資金を借りなくても健康保険の被扶養者から外されます(「修習給付金を受ける司法修習生の社会保険及び税務上の取扱い」参照)。
    そのため,司法修習終了翌年の税金及び国民健康保険料の支払資金を確保するという趣旨からしても,無利息の修習専念資金を借りておいた方がいいと思います。

正直個人に対してお金を貸す際には、結構な割合で返ってこないであろうことを認識して貸すべきだと思う。まともに商売やってりゃ銀行が貸してくれるし、これだけ消費者金融が発達している中あえて個人に金を貸してくれと頼んでくる時点でまともではない。温情融資はほぼ贈与。

— 教皇ノースライム (@noooooooorth) July 1, 2021

2 修習給付金及び修習専念資金の金額の根拠
・ 「裁判所法の一部を改正する法律案【説明資料】」(平成29年1月付の,法務省大臣官房司法法制部の文書)の「修習給付金及び修習専念資金の金額について」には,修習専念資金に関して,以下の記載があります。

    修習専念資金については「司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金であって,修習給付金の支給を受けてもなお必要なもの」として司法修習生の希望者に貸与することを予定しており,その額については月額原則10万円程度を想定している。
    これは,司法修習生の修習実態等に鑑みたものであり,司法修習生の通常の支出のうち修習給付金では賄われない費用としては,前記の「修習実態アンケート」(日弁連)及び平成27年度の「家計調査」(総務省統計局)等によれば,以下のとおり,おおむね10万円程度が想定される。
(内訳)合計10.2万円
・社会保険料(約1.6万円)
・所得税・住民税等(約0.5万円)

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修習専念資金の貸与申請状況

目次
第1 修習専念資金の貸与申請状況(71期以降)
◯ 第77期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和6年3月21日現在(修習生:1830名))
◯ 第76期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和4年11月27日現在)
◯第75期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年11月12日現在)
◯第74期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年3月31日現在)
◯第73期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和元年11月27日現在)
◯第72期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成30年11月27日現在)
◯第71期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成29年11月27日現在)
第2 関連記事その他

第1 修習専念資金の貸与申請状況(71期以降)
◯ 第77期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和6年3月21日現在(修習生:1830名))
① 貸与申請件数         949件
② 貸与申請額の内訳
・ 10万円           895件(約94.31%)
・ 12万5000円(扶養加算)  54件(約5.69%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    700件(約73.76%)
・ 指定金融機関による保証   249件(約26.24%)
* 77期につき,人数ではなく,件数での集計になっています。
◯ 第76期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和4年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 611人
② 申請額別
・ 10万円           557人(91.16%)
・ 12万5000円(扶養加算) 54人 ( 8.84%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    394人(64.48%)
・ 指定金融機関による保証   217人(35.52%)
◯ 第75期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年11月12日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 527人
② 申請額別
・ 10万円           492人(93.4%)
・ 12万5000円(扶養加算) 35人 ( 6.6%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    346人(65.7%)
・ 指定金融機関による保証   181人(34.3%)

第75期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年11月12日現在)を添付しています。 pic.twitter.com/xmL9S4Qlfm

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) December 25, 2021

◯ 第74期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年3月31日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 629人
② 申請額別
・ 10万円           595人(94.6%)
・ 12万5000円(扶養加算) 34人 ( 5.4%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    413人(65.7%)
・ 指定金融機関による保証   216人(34.3%)

◯第73期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和元年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 598人
② 申請額別
・ 10万円           565人(94.5%)
・ 12万5000円(扶養加算) 33人 ( 5.5%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    354人(59.2%)
・ 指定金融機関による保証   244人(40.8%)

◯第72期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成30年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 499人
② 申請額別
・ 10万円           475人(95.2%)
・ 12万5000円(扶養加算) 24人 ( 4.8%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    306人(61.3%)
・ 指定金融機関による保証   193人(38.7%)

◯第71期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(平成29年11月27日現在)
① 貸与申請者数(申請後,撤回した者は除く。) 543人
② 申請額別
・ 10万円           515人(94.8%)
・ 12万5000円(扶養加算) 28人 ( 5.2%)
③ 連帯保証形態別
・ 自然人2人による保証    322人(59.3%)
・ 指定金融機関による保証   221人(40.7%)

僕もこれをベースに確定申告書類作成しました。73期の修習生は、3月にちょっと痛い額を納税する必要あるので、事務所の給料を使い果たさないようにね。あと所得税は分納できる

> 修習給付金に関する司法研修所の公式見解を前提とした場合の,修習給付金に関する取扱い https://t.co/euGQD0zXCq

— ガツ (@gatsu73) February 7, 2021

無利息の修習専念資金については,現実の必要性に関係なく満額借りるべき。元本保証(かローリスク)の投資に回しておけばOK。また,貸与実績が積み上がった方が,給付の増加等の制度変更事実となり,将来の修習生が救われるかもしれない。 https://t.co/r4Raqsxqr1

— 野田隼人 Atty. NODA Hayato (@nodahayato) October 28, 2019

第2 関連記事その他
1 司法研修所の公式見解によれば,修習給付金は必要経費のない雑所得ですから,例えば,神戸修習であった71期の司法修習生の場合,平成31年度の税金及び国民健康保険料は最大で23万9100円+24万4160円=48万3260円となります(「修習給付金に関する司法研修所の公式見解を前提とした場合の,修習給付金に関する取扱い」参照)。
    また,修習専念資金を借りなくても健康保険の被扶養者から外されます(「修習給付金を受ける司法修習生の社会保険及び税務上の取扱い」参照)。
    そのため,司法修習終了翌年の税金及び国民健康保険料の支払資金を確保するという趣旨からしても,無利息の修習専念資金を借りておいた方がいいと思います。
2 以下の記事も参照してください。
・ 修習専念資金
・ 修習資金貸与金の返還状況
・ 司法修習生の給費制,貸与制及び修習給付金

司法修習生に対する修習資金及び修習専念資金の貸与・返済状況等に関するデータの提供について(日弁連事務総長に対する,令和2年11月16日付の最高裁総務局長回答)の別紙です。

お役所仕事といえば、最近、私も書類を受け取ってもらえない事態に遭遇し思わず「行政手続法でそれいいんでしたっけ?」と切り返すと上役が窓口を指導していた。申請窓口でもやもやしないようにこちらご覧&お守りにどうぞ。
総務省さん「行政手続法」普及パンフhttps://t.co/BvMFUuMm11

— Hiroko Kado (@HirokoKado) January 15, 2020

第74期司法修習生に対する修習専念資金の貸与申請状況(令和3年3月31日現在)を添付しています。 pic.twitter.com/DMqOj1pqw6

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 9, 2021

【修習生向け】
74期の修習生には遅い情報かもしれませんが、75期の修習生は修習専念資金の貸与を受けることをおすすめします。

無利息で、修習終了後5年後から返済で、130万円(配偶者がいれば162.5万円)借りられます。

キャッシュあった方がなにかと安心です。

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選択型実務修習に関する平成22年3月当時の説明

〇木村光江司法修習委員会幹事長(首都大学東京法科大学院教授)は,平成22年3月1日の第16回司法修習委員会において以下の説明をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1 選択型実務修習の実情については,昨年6月の幹事会及び9月の委員会で報告等がなされたところであるが,これによると,選択型実務修習が意欲のある修習生にはかなり大きな成果をもたらしており,新しい司法修習の内容として重要な役割を果たしてきたことは間違いがないと思われる。
    その一方で,実施後3年を経て,選択型実務修習の在り方に関しては,様々な問題点についての御指摘をいただいているところでもある。

2 まず最初の論点として,選択型実務修習の在り方を考えるに当たり,その意義を確認しておくことが重要であると考えられる。
    この点については,司法修習生指導要綱(甲)において,選択型実務修習は,配属庁会等において,司法修習生の主体的な選択により,分野別実務修習の成果の深化と補完を図り,又は各自が関心を持つ法曹の活動領域における知識・技法の習得を図ることを旨として行うこととされている。
    そして,当委員会の「議論の取りまとめ」においては,このような課程を設ける理由として,「今後,これまで以上に多様化する法曹に対する社会のニーズに応えるためには,法曹を志す者が,法科大学院を中心とする法曹養成の全課程を通じて,法曹として共通に求められる基本的な資質,能力とともに,自らが関心を持ち,将来活動したいと考える分野・領域についての知識,技能を主体的に身に付けていくことが必要となる。
    自らの関心分野・領域を選択し,これに対応した知識,技能を身に付けるための教育は,第一次的には法科大学院がその役割を担うことになるが,司法修習の中核である実務修習の課程においても,各司法修習生の進路や興味関心に応じて自ら主体的に修習内容を選択,設計できるような課程を設けることが教育効果の面からも有益である。」,「新しい司法修習においては,各分野別実務修習の期間が2か月間に短縮されることや,司法修習生が増員されることから,分野別実務修習において修習する内容や密度も従来以上に司法修習生ごとに相違が生じることになると考えられるので,司法修習生ごとの個別的な修習実績を踏まえて,各自の補足したいと考える分野や興味を感じた領域に対応できる課程を設ける必要がある。」とされているところである。
    実施後3年を経て,このような本来の制度趣旨,これまでの成果を改めて確認しておくことが必要となろうかと思う。

3 次に,選択型実務修習全般にわたる論点として,修習生の積極的な履修を促進するための環境整備(特にA班問題)が挙げられる。
   いわゆるA班問題については,幹事会において,11月に実施される選択型実務修習のプログラムへの応募が少ない,二回試験前の模擬裁判を避けたり,選択型実務修習の後半はホームグラウンド修習の履修が多くなる傾向があるなどの弁護士会からの指摘等が紹介された。
    このような傾向について,選択型実務修習の趣旨に照らし,是認することができるかがまず問題になろう。また,この点に関連して,選択型実務修習において,集合修習の復習等を行うことをどのように評価すべきであるかを議論すべきであるとの意見もあった。
    さらに,幹事会では,このような傾向に対し,より積極的な取組を促す方策が議論された。修習委員会として何らかのメッセージを発するべきであるとする意見や,修習生に自覚を促すとともに,ホームグランド修習の指針として活用するため,修習生に選択型実務修習全体を通じた獲得目標,到達目標等を記載した書面を作成させて指導担当弁護士に提出すべきであるとする意見,さらには,二回試験の時期等を検討すべきであるとする意見などが出された。

4 また,これと関連して,ホームグラウンド修習の意義及び在り方についても議論がなされた。
     ホームグラウンド修習については,「議論の取りまとめ」によると,分野別実務修習の期間に関して指摘されている裁判修習と弁護修習のバランスの問題や民事分野と刑事分野のバランスの問題を調整するとともに,今後の弁護士業務の多様化に対応する観点から,選択型実務修習を制度的に弁護士実務に比重を置いたものとするために,その一方策として設けられたものである。その上で,選択型実務修習の期間中,最低限1週間は継続して行わなければならないこととされており,相当な理由があれば,選択型実務修習の2箇月間を通じてホームグラウンドでの弁護修習を行うこともできるとされているところである。
    しかしながら,ホームグラウンド修習については,事務所の受入態勢や適切な課題の確保が難しいなどの実施上の難点があることや,指導担当弁護士がその趣旨を十分理解していないことを指摘する意見もあり,また,その期間を集合修習の復習等,より直截に言えば二回試験対策に費やしている例があるとの指摘もあった。

5 次に,外国での修習についてだが,「選択型実務修習の運用ガイドライン」では,現在,外国での修習は当面これを認めないとされている。外国での修習を認める場合,選択型実務修習の趣旨・目的との関係や監督の在り方等が問題となるが,幹事会においては,なおこれを可能とするような枠組みを検討すべきであるとの意見もあった。

6 全国プログラムについては,前回の委員会等において,各幹事からその実情等の報告があり,若干の問題点の指摘もあったが,実際に履修した修習生や指導担当者からは,概ね肯定的な評価がなされていたものと理解している。
    そのような実情を前提として,幹事会においては,さらに全国プログラムの提供・履修が促進されることが望ましいということで異論を見なかった。同様に自己開拓プログラムについても,その一層の充実が望ましいと考えられるところであり,修習生が受入先を開拓するに当たり,自己開拓という建前を踏まえながらも,司法研修所や配属庁会において可能なサポートを行うことが望ましいということで異論を見なかった。

7 個別修習プログラムについても,前回の委員会において,その実情につき,実務家の幹事から報告をいただいたところであり,各配属庁会の努力と工夫により,有意義なものが提供されており,基本的には,その拡充が図られるべきであるとの評価が可能であろう。
    もっとも,弁護士会提供のプログラムに関しては,まず,全ての単位会で他事務所修習が提供プログラムになっているわけではないことや大規模会と小規模会でプログラムの内容に格差があることを指摘する意見もあった。幹事会において,これらの点について議論をしたが,後者については,このような格差をひとえに問題視するのではなく,むしろ各地の実情に応じた個別修習プログラムの提供がなされることが重要であるとの意見が多数であった。
    また,具体的にどのようなプログラムの提供が望まれるのかも検討の対象であろうと考えているが,幹事会においては,基本的なレベルの深化や補完に力点を置いたプログラムを用意すべきではないかとの指摘や刑事事件に力を入れるべきであるとする意見等があった。さらに,修習生の参加がやや低調になりつつことが指摘されている模擬裁判についても,司法研修所教官である幹事から,集合修習等でも行われていることを考慮しても,広く履修されることが望ましいという意見が出された。

8 なお,大規模庁会と小規模庁会の格差を解消すべきという観点から,高裁,弁連単位のプログラム提供を可能とすべきであるという考え方もあるところであるが,この点については,要件や手続等検討すべき点が多くあると思われるし,幹事会の議論の中でも,強い必要性があるとの指摘はなく,むしろ,小規模庁会は小規模庁会なりの特色をいかしたプログラムの提供に努めることが肝要であるという意見が述べられていた。
    なお,個別修習プログラムのうち,裁判所及び検察庁提供のプログラムは,概ね適切に実施されているものと考えられるが,なお議論すべき点がないかという観点から御検討願いたい。

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選択型実務修習の運用ガイドライン

○以下の記載は,平成18年9月1日当時の選択型実務修習の運用ガイドラインを丸写ししたものです。

第1 定義
   司法修習生指導要綱(甲)に定めるもののほか,このガイドラインの用語については,次のとおりとする。
1 裁判所,検察庁,弁護士会等が,選択型実務修習の期間中,司法修習生に対し提供するプログラムを総称して,修習プログラムという。修習プログラムは,次の各プログラムからなる。
(1) 個別修習プログラム
   修習プログラムのうち,司法修習生が配属された修習地の裁判所,検察庁及び弁護士会が提供するものであって,当該配属修習地の司法修習生のみが修習できるものをいう。
(2) 全国プログラム
   修習プログラムのうち,司法修習生が,配属修習地にかかわらず修習できるものをいう。
(3) 自己開拓プログラム
   司法修習生が,自ら修習先を開拓して設定し,修習するものをいう。
2 ホームグラウンド
   選択型実務修習の期間中,司法修習生が,修習プログラムを修習しないときに,弁護修習を行う弁護士事務所を,「ホームグラウンド」という。

第2 修習地
   選択型実務修習は,原則として,分野別実務修習における配属修習地で行うものとする。ただし,一定の期間及び修習内容に限り,配属修習地外で修習することができる。
   なお,外国での修習は,当面これを認めない。
○ 配属修習地以外での修習の期間は3週間を限度とする。
○ 当面は,配属修習地では履修が不可能な修習内容に限り,配属修習地外で修習することができるものとする(第3の3,4参照)。

第3 修習先
1 (ホームグラウンド)
   ホームグラウンドは,原則として,分野別実務修習で配属された弁護士事務所とする。
(1) ホームグラウンドにおける弁護修習は,選択型実務修習の期間中,最低1週間は,継続して行わなければならない。
(2) 相当な理由があれば,選択型実務修習の2箇月間を通じてホームグラウンドでの弁護修習を行うことができる。
(3) 分野別実務修習で配属された弁護士事務所以外の弁護士事務所をホームグラウンドとしなければならない事情がある場合には,ホームグラウンドを当該弁護士事務所に変更することができる。
2 (個別修習プログラム)
   分野別実務修習の配属庁会は,その地の実情もふまえながら,個別修習プログラムを提供する。
   その内容は,分野別実務修習における成果を深化させ,あるいはその補完を図るものや,分野別実務修習では体験できないか,十分な修習を行うことが困難な専門的領域を修習するものを基本とする。例えば,別紙のようなものが考えられる。
○ 現行司法修習において社会修習として実施されている見学ないし体験を個別修習プログラムとする場合には,修習内容が法曹の業務と関連を有するものとなるよう配慮する。

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選択型実務修習に関する資料

目次
1 総論
2 選択型実務修習に関する留意点
3 選択型実務修習全国プログラム
4 選択型実務修習の事務手続等について
5 72期司法修習で使用された,選択型実務修習に関する留意点(平成30年11月15日付)の本文(「選択型実務修習の運用ガイドライン」を補足するもの)
5 関連記事その他

1 総論
(1)   選択型実務修習は,新司法修習においてそれぞれ2ヶ月に短縮された分野別実務修習の補完と深化等を目的に導入されました。
    この選択型実務修習は,弁護実務修習で配属された弁護士事務所をホームグラウンドとして,裁判所,検察庁,弁護士会が提供するプログラムを司法修習生が自主的に選択する制度です。
(2) 個別修習プログラムの場合,配属されている実務修習地でしか受けられないのに対し,全国プログラム及び自己開拓プログラムの場合,配属されている実務修習地以外で受けることができます。
(3) 選択型実務修習という名称は,平成16年7月2日の第8回司法修習委員会で決まりました(「「基本的考え方」からの主な変更点」(資料30)参照)。
(4) 選択型実務修習の詳細は,選択型実務修習の運用ガイドラインについて(平成18年9月26日付の司法研修所長通知),及び選択型実務修習の運用ガイドラインQ&A等について(平成18年9月26日付の司法研修所長通知)で定められていて,毎年の司法修習生に配布される「選択型実務修習に関する留意点」はこれらの資料を補足するものです。

2 選択型実務修習に関する留意点
72期,73期,74期,75期,76期,
77期,78期,
* 「選択型実務修習に関する留意点(令和4年10月24日付の司法研修所の文書)」といったファイル名です。

3 選択型実務修習全国プログラム(司法研修所長の通知)
72期,73期,74期(追加募集),75期(追加,二次募集)
76期(二次募集),77期,
* 「第76期選択型実務修習における全国プログラム案内」といったファイル名です。

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選択型実務修習の運用ガイドラインQ&A

○以下の記載は,平成18年9月1日当時の選択型実務修習の運用ガイドラインQ&Aを丸写ししたものです。
○Q&Aには,「選択型実務修習 参考書式集」が添付されています。
○Q&A19については,自己開拓プログラムにおいて弁護士事務所を修習先とすることの可否について(平成19年6月22日付の司法研修所長通知)によって修正されています。

Q1 「選択型実務修習の運用ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)」とはどのような性質のものか。
A ガイドラインは,指導要綱(甲)第2章第2の2に基づいて,選択型実務修習の実施に関する細則を定めたものです。
   したがって,ガイドラインの枠組みの範囲内で選択型実務修習を実施していただくことになります。この枠組みの範囲内で各庁における運用の指針や実施細目を作成することはもとより差し支えありません。

第1 修習地
Q2  「配属修習地以外での修習の期間は3週問を限度とする」のはなぜか。
A 選択型実務修習は,配属修習地における分野別実務修習の成果の深化と補完を図ることを第一次的な目的としており,また実務修習は,実務修習を委託した地で行うものとしている本来的な趣旨からすると基本的には配属修習地で修習すべきものと考えられるからです。
   したがって,選択型実務修習2箇月間のうち,配属修習地における修習が,少なくとも半分を超えるべきであると考えられ,配属修習地外における修習は3週間を限度とすることとしました。
Q3 「配属修習地では履修が不可能な修習内容」とはどのようなものか。
A 制度的に,履修が不可能な場合をいいます。
   例えば,裁判修習では,法律上,専属管轄とされ,東京・大阪の各地裁にしか係属していない特許権,実用新案権等のいわゆる知的財産権に関する訴訟の事件処理について修習しようとする場合がこれに当たり,全国プログラムとして提供され,,配属修習地を離れて修習することができます。これに対し,医療,労働の分野など,各配属修習地で修習できるものについては,配属修習地では履修が不可能な場合には当たらないので,それらの集中部や専門部制をとっている庁における修習をするために,配属修習地を離れることはできません。
   検察修習についても,裁判修習と同様であり,上記のような集中部,専門部制をとっていない庁で修習している場合に,そうした部制をとっている他庁でのその種の事件処理の修習をするために配属修習地を離れることはできません。
   したがって,裁判修習及び検察修習については,全国プログラムとして提供される修習内容を修習するときに限り,配属修習地外で修習することができます。
   弁護修習については,法制上履修が不可能な修習内容という概念は想定しえないこと,また,そうした制限を設けることも相当ではないので,全国プログラムとして提供されているもの及び自己開拓プログラムについて,配属修習地以外で修習できます。
   なお,単に修習を希望する分野の事件が当該配属修習地において希少なことにより修習が事実上困難な場合や,単に事件数が多いということで大規模庁での修習を希望する場合などは,配属修習地以外で修習できる場合に該当しません。
Q4 外国での修習を当面認めないのはなぜか。
A 弁護士会会長による監督の限界という問題があるほか,選択型実務修習の趣旨・目的に適うような外国における修習の在り方については,現時点においては,なお調査,検討すぺき点が多いと考えられるからです。

第2 修習先
Q5 ホームグラウンドは,原則として,分野別実務修習で配属された弁護士事務所とするのはなぜか。
A 分野別実務修習の期間における裁判修習と弁護修習のバランスの調整及び今後の弁護士業務の多様化に対応する観点から,選択型実務修習を制度的に弁護士実務に比重を置いたものとする必要があるところですが,その際には弁護修習の際に配属された弁護士事務所を本拠地(ホームグラウンド)とするのが最も適当と考えられるからです。
Q6 「ホームグラウンドにおける弁護修習は,選択型実務修習の期間中,最低1週間は継続して行わなければならない。」とあるが,継続は絶対的な条件か。
A 少なくとも1週間は継続することで充実した弁護修習を行い,選択型実務修習を弁護士実務に比重を置くものとする制度趣旨を全うしようとするものです。
   しかし,各司法修習生の個別修習プログラム等の選択の方法によっては,1週間継続してホームグラウンドで弁護修習を行うことが困難な場合が生じることも考えられるので,個別具体的な事情に鑑みて,1週間継続することを絶対的な条件とするわけではありません。
Q7 「選択型実務修習の2箇月間を通じてホームグラウンドでの弁護修習を行うこと」 につき「相当な理由」がある場合とはどのような場合か。
A 例えば,配属先の弁護士事務所(ホームグラウンド)に大きな倒産事件が係属した場合,民事の大規模事件で集中証拠調ぺが予定されている場合,刑事事件で公判前整理手続や裁判員制度下の集中的な審理等が予定されている場合等,司法修習生が選択型実務修習の2箇月間を通して,ホームグラウンドで修習することが,分野別実務修習の成果の深化と補完を図るという選択型実務修習の目的から相当な理由 があるといえるような場合です。

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66期ないし70期司法修習開始時点における,修習資金の貸与申請状況

66期ないし70期司法修習開始時点における,修習資金の貸与申請状況は以下のとおりです。

1 66期の場合(貸与申請者数の合計は1645人)
① 18万円が15人
② 23万円が1090人
③ 扶養加算による25万5000円が38人
④ 住居加算による25万5000円が422人
⑤ 28万円が44人
・ 元データとして,66期司法修習生の貸与申請関係文書を掲載しています。
・ 66期は2035人ですから,貸与申請率は80.8%となります。

2 67期の場合(貸与申請者数の合計は1449人)
① 18万円が67人
② 23万円が969人
③ 扶養加算による25万5000円が30人
④ 住居加算による25万5000円が358人
⑤ 28万円が25人
・ 元データとして,67期司法修習生の貸与申請関係文書を掲載しています。
・ 67期は1972人ですから,貸与申請率は73.4%となります。

3 68期の場合(貸与申請者数の合計は1181人)
① 18万円が66人
② 23万円が833人
③ 扶養加算による25万5000円が27人
④ 住居加算による25万5000円が229人
⑤ 28万円が26人
・ 元データとして,68期司法修習生の貸与申請関係文書を掲載しています。
・ 68期は1762人ですから,貸与申請率は67.0%となります。

4 69期の場合(貸与申請者数の合計は1205人)
① 18万円が51人
② 23万円が894人
③ 扶養加算による25万5000円が28人
④ 住居加算による25万5000円が207人
⑤ 28万円が25人
・ 元データとして,69期司法修習生の貸与申請関係文書を掲載しています。
・ 69期は1788人ですから,貸与申請率は67.4%となります。

5 70期の場合(貸与申請者数の合計は993人)
① 18万円が33人
② 23万円が847人
③ 扶養加算による25万5000円が27人
④ 住居加算による25万5000円が78人
⑤ 28万円が8人 
・ 元データとして,70期司法修習生の貸与申請関係文書を掲載しています。
・ 70期は1533人ですから,貸与申請率は64.8%となります。

*1 合計数は平成28年7月8日の第4回法曹養成制度改革連絡協議会の最高裁資料4(法務省HPに掲載)に載っています。
*2 「修習資金貸与金の返還状況」も参照してください。

平成23年11月採用の新65期からの,修習資金貸与制の導入

目次
1 総論
2 平成23年11月1日配信の記事
3 給与制から貸与制に移行した理由
4 給費制を維持すべきとの見解から述べられた意見
5 関連記事その他

1 総論
    平成23年3月11日に東日本大震災が発生しました。
    また,法務省の「法曹の養成に関するフォーラム」(平成23年5月25日初開催)は,平成23年8月31日,司法修習生に対する経済的支援の基本的な在り方は,「貸与制を基本とした上で,個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置(十分な資力を有しない者に対する負担軽減措置)を講ずる。」等とする第一次取りまとめを行いました(法務省HPの「法曹の養成に関するフォーラム」の「第一次取りまとめ」及び「概要」参照)。
    そのため,平成23年11月採用の新65期以降については特段の法改正はなされませんでしたから,新65期から司法修習生の修習資金貸与制が開始しました。

2 平成23年11月1日配信の記事
・ 時事通信社2011年11月1日配信の記事には以下の記載があったみたいです(弁護士作花知志のブログ「司法修習生の給与制が廃止へ」参照)。
「給与制廃止を了承 民主党
民主党は11月1日,司法修習生に月額約20万円を支給する『給費制』を廃止し,無利子の『貸与制』に移行する政府方針を了承することを決めた。党の判断を一任されていた前原誠司政調会長が同日の政調役員会で報告した。
前原氏は記者会見で廃止理由について,『私も父を亡くしてから奨学金を活用し,中,高,大学と学ばせてもらった。借りたものは返済することが法曹界に限らず基本だと思う』と説明。経済的な困窮者には返済猶予措置を講じると強調した。
政府は貸与制移行のための法案を今国会に提出する方針だが,民主党内には給費制存続を求める意見も強く,法務部門会議で議論していた。」

3 給与制から貸与制に移行した理由
・ 平成29年4月18日の参議院法務委員会における国会答弁資料によれば,給与制から貸与制に移行した理由は以下のとおりです。
① 司法修習生の増加に実効的に対応する必要があったこと
② 司法制度改革の諸施策を進める上で限りある財政資金をより効率的に活用し,司法制度全体に関して国民の理解が得られる合理的な財政負担を図る必要があったこと
③ 公務員ではなく公務にも従事しない者に国が給与を支給するのは現行法上異例の制度であること
等を考慮すれば,給費制を維持することについて国民の理解を得ることは困難であった。

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修習資金貸与制に関する最高裁判所の当初の案

〇修習資金貸与制に関する最高裁判所の当初の案(修習資金貸与制の施行に伴う整備の概要(案)(資料41))と,実際に施行された制度とでは,①父又は母のいずれか1人を必ず連帯保証人とする必要はなくなったこと,及び②据置期間が3年から5年になったことの2点が異なります。

〇林道晴司法研修所事務局長は,平成21年3月5日の司法修習委員会において以下の説明をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1(1) まず,資料41の前注に,今回このような議論をお願いする背景事情が書いてある。
   平成16年の裁判所法の一部改正によって,司法修習生に対し国から給与を支給する制度に代えて,平成22年,来年の11月1日から,司法修習生が修習に専念することを確保するための資金,これは裁判所法で「修習資金」と呼んでいるが,その修習資金を貸与する制度が導入される。
   この修習資金は,修習生からの貸与申請によって,修習期間中,無利息で貸与するというものであり,具体的な貸与金額や返還期限等については最高裁が定めることになっている。
(2)   災害,けが,病気等の事情により返還が困難となったときには,返還期限を猶予する制度が設けられており,被貸与者が死亡又は精神・身体の障害によって返還できなくなったときには,返還の一部又は全部を免除するという制度も用意されている。

(3)   それ以外の細目的事項についても最高裁が定めることになっており,私どもとしては,改正された裁判所法の委任を受けて,来年の実施に向けて,裁判所法の改正に対応する形での最高裁規則を制定する必要がある。
2 最高裁判所規則自体も当委員会にお諮りしたいと思っているが,その規則を作成する前提となる重要事項について,本日,審議をお願いするところである。
   平成16年12月3日に一部改正された裁判所法の立法過程においては,一定の方向性が示されており,後ほど関係する項目のところで説明したいと思うが,かなり具体的な事項が立法段階で議論されている。その後,特段事情変更は認められないことから,貸与制の制度を作るに当たって,この方向性を尊重するのが相当であると考えている。
3 また,国が修学資金として貸与する制度には,類似のものとして,矯正医官修学資金貸与制度(法務省),自衛隊貸費学生制度(防衛省),公衆衛生修学資金貸与制度(厚生労働省)がある。
 さらに,密接に関連するものとして,独立行政法人日本学生支援機構の奨学金があり,法科大学院生が奨学金として受け取っているものの大多数は,この学生支援機構の奨学金である。
4(1) 修習資金は国の債権になるので,回収という点については会計法上のスキームが適用され,納入告知書を被貸与者に渡して,被貸与者が納入告知書に現金を添えて,日本銀行の本店又は支店に納付する必要がある。
 したがって,民間の融資のような銀行口座等からの引き落としの方法では回収できないという制約がある。
(2)   具体的には,国が,返済金額・返済期限を,納入告知書に納入金額・納入期限として記入し,被貸与者にその納入告知書を送付して返還を請求する。
 納入告知書を受け取った元修習生は,その納入告知書に納入金額分の現金を添えて日銀の本店又は支店に提出し,納入(返済)の手続をとる。通常は,日銀の歳入代理店である市中銀行に赴くことが想定される。
 日銀ないしその代理店が現金を受け入れると,これを国に通知して,これによって回収が完了する。
5(1) 資料41に戻って,まず,一番重要な貸与金額の点について,平成16年の裁判所法改正当時の国会審議では,給費制における支給基準を参考に,1の(1)の23万円程度を基本額にして,(2)の18万円程度,(4)の28万円程度と,三段階の貸与額を設けることが想定されていた。これは当時の政府参考人の答弁の中で明確になっている。
(2)   (1)の23万円と(2)の18万円については,特段の要件を課すことなく,貸与を希望した者にそのまま貸与することがイメージされ,一方,(4)の28万円については,扶養親族がおり,住居を賃借しているといった要件を審査した上で貸与することがイメージされていた。
(3)   資料41は,そのような議論を踏まえ,23万円を基本金額とし,少ない金額は18万円,一番多い金額は28万円という三類型は維持した上で,23万円と28万円の中間的な類型として,(3)の25万5000円というオプションを追加している。
 これは,扶養家族がいるか,あるいは住居を賃借しているか,どちらかの要件を満たしている場合を対象としており,(4)の28万円は,扶養親族がいて,かつ住居を賃借している場合を対象にしている。
 現在の給費制の下で,扶養親族を有している修習生は約1割程度にとどまっているが,住居を賃借している修習生は約7割程度いることから,この中間的なオプションを用意したところである。
(4)   なお,司法修習生本人の資力要件については,特段の要件を設けない方向で考えている。
(5)   また,扶養加算の点について,現在の給費制の下での司法修習生の年齢構成を見ると,扶養家族として配偶者だけ,あるいは配偶者と子といった核家族の最小構成が最も多くなっているので,貸与制においてもニーズは同様と考え,まず,配偶者と子を扶養親族として掲げることにした。
(6)   配偶者と子以外の扶養親族については,(3)のアの(イ)にあるように,給与法に規定する人的範囲と同じものにする方向で考えている。
(7)   修習期間中に加算要件が生じることも想定されるので,これに対応できるように,1ページの最後の2行にあるように,修習開始後の修習資金の増額又は減額ができるようにするというスキームにしたいと考えている。
6(1) 次に,2ページの2,修習資金の返還期限等については,修習期間終了後,すなわち原則として貸与の終了後に,例えば3年間程度の据置期間を置いた上で,その後10年間の年賦均等返還の方法で返還することを基本にした上で,繰上返還も認める案になっている。
(2)   平成16年の裁判所法改正当時の国会審議では,3年から5年の据置期間を経過した後,10年間の年賦とするということが,政府参考人から示されていたところである。

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立川修習の情報

目次
1 総論
2 立川支部等の歴史
3 立川修習の体験談
4 関連記事その他

1 総論
(1) 配属人数の推移
24人(新63期)→24人(新64期)→23人(新65期)→24人(66期)→23人(67期)→23人(68期)→24人(69期)→22人(70期)→20人(71期)→21人(72期)→20人(73期)
(2) 第1希望の倍率の推移
   4.42倍(新63期)→4.50倍(新64期)→3.91倍(新65期)→3.38倍(66期)→4.30倍(67期)→2.96倍(68期)→3.67倍(69期)
(3) 第2希望までの倍率の推移
   10.17倍(新63期)→9.83倍(新64期)→8.70倍(新65期)→8.54倍(66期)→8.70倍(67期)→6.09倍(68期)→6.92倍(69期)
(4) 69期の第2希望の選択
   リスクある選択は東京修習,横浜修習若しくはさいたま修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)であり,安全な選択は水戸修習又は新潟修習でした(いずれもCランク)。
(5) 東京三会多摩支部HP
・ 東京三弁護士会多摩支部HPが,東京三会の3つのHPとは別に存在します。
2 立川支部等の歴史
(1) 三多摩(北多摩郡,南多摩郡及び西多摩郡)は明治26年4月1日,神奈川県から東京府に移管されました。
(2) 昭和15年12月1日,北多摩郡立川町が市制施行して立川市となりました(東京市及び八王子市に次いで,東京で3番目の市制施行でした。)。
(3) 多摩支部設立までは,多摩地域には「三多摩弁護士クラブ」という昭和24年設立の任意団体があり,ここが国選弁護の受け皿となるとともに,八王子法律相談センターや法律扶助協会東京都支部多摩相談センターの運営に関わってきました(東弁リブラ2018年5月号の「ご存知ですか?多摩支部20周年」末尾3頁及び4頁参照)。
(4) 二弁フロンティア2017年5月号の「ご存知ですか?多摩支部ナントもうすぐ20周年!」にあるとおり,東京三会多摩支部は平成10年4月1日に誕生しました。
(5) 平成21年4月20日,東京地家裁八王子支部は東京地家裁立川支部となり(弁護士法人多摩パブリックHPの「裁判所が4月に立川に移転します。」参照),東京地検八王子支部が東京地検立川支部となりました(東京地検HPの「東京地方検察庁の沿革」参照)。
   東京地家裁八王子支部及び東京地家裁立川支部の位置関係については,東京都昭島市(あきしまし)HPの「移転機関位置図」が分かりやすいです。
(6) 平成21年11月採用の新63期司法修習生から,立川修習が開始しました。
(7) 平成29年9月,法務省の国際法務総合センター(昭島市HPの「国際法務総合センターC工区新営工事 工事説明会」(平成29年6月)参照)が運営を開始しました。

R030428 法務省の不開示決定通知書(東京地家裁立川支部の本庁化に関して最高裁判所が法務省に伝えている意見の内容が書いてある文書)を添付しています。 pic.twitter.com/tmzCRf5ukw

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 8, 2021

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修習教材の電子データ化の弊害が分かる文書は存在しないこと

目次
1 修習教材のPDF化に伴う弊害が分かる文書は存在しないこと
2 司法研修所における,Microsoft365の各種機能の活用予定
3 総務省等の説明
4 インターネットFAX
5 関連記事その他

1 修習教材のPDF化に伴う弊害が分かる文書は存在しないこと
(1) 平成31年3月25日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には,「最高裁判所の考え方及びその理由」として以下の記載があります。
   修習記録,教材・資料等の紙媒体の配布物等の電子データ化は,司法修習生が取り扱う修習関連の情報をあらゆる脅威から守り,必要な情報セキュリティを確保するための対策として,情報の流出・拡散を防止する観点から禁止されているものであり,情報公開請求(裁判所における司法行政文書の開示)の制度により開示されるか否かとは観点が異なるものであるから,同制度との関係を検討する必要性はなく,検討は行っていない。
   したがって,本件開示申出にかかる文書は作成しておらず,取得もしていない。
(2) 本件開示申出にかかる文書は,「司法修習生が修習教材としての一般資料のうち,情報公開請求により開示される部分を個人使用目的でPDF化した場合,どのような弊害が発生すると司法研修所が考えているかが分かる文書(最新版)」です。

事務処理の要諦。いつでもどこでも作業できること。かつ,いつでもどこでも当該作業を再現できること。これに尽きる。なので記録はDropboxで全件クラウド化。依頼者とのやりとりも電話は避けメールとSNSでやってた。事務所固定電話が弱点だった。しかし電話をクラウド化できた。録音も全件。これで完成

— 上がり弁 (@vqDTGOeBdSk0IQ9) August 21, 2021

刑事事件記録を全てオンライン上でまとめることができるサービス「弁護革命」。https://t.co/c0u1Fv5X96

後藤貞人先生、高野隆先生の推薦文が出ていてすごい破壊力!と思って運営会社を見たら、代表は後藤先生の事務所に所属されている山本了宣先生でした。現場を知り尽くしたプロが作っている。 pic.twitter.com/K4QrxYliZp

— Legal News(リーガルニュース) (@legalnews_jp) November 13, 2020

歴史的な昨年の中絶判決の内容を、POLITICOが事前にスクープした件で、米連邦最高裁が報告書をまとめた。
結論は「誰が漏らしたかは特定できず」。ハッキングの痕跡はなく、草稿にアクセスできた82人の職員らは関与を否定したという。https://t.co/jcJfMRzPbw

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登記されていないことの証明書

目次
1 総論
2 登記されていないことの証明申請書
3 令和元年6月施行の,成年後見制度適正化法

1 総論
(1) 登記されていないことの証明書(後見登記等に関する法律4条1項・後見登記等に関する省令17条2項3号)の発行手続は,東京法務局後見登録課,全国の法務局・地方法務局(本局)の戸籍課の窓口で行っています。
   登記されていないことの証明書を取得するためには,直接,法務局の担当窓口に行くか,東京法務局後見登録課宛に郵送で申請する必要があります。
(2) 登記されていないことの証明書を窓口で取得する場合,運転免許証,健康保険証,パスポート等の,住所,氏名及び生年月日が分かる書類を提示する必要があります。
(3)   東京法務局の場合,「〔処理期間〕申請書を受領してから発送するまで2~3日,したがいまして,申請書を郵送されてから証明書がお手元に届くまで約1週間~10日程度となっております。」(東京法務局HPの「登記されていないことの証明書の申請方法」参照)とのことです。
   そのため,1週間以内に確実に取得するためには,全国の法務局・地方法務局(本局)の戸籍課の窓口に行って取得する必要があります。
(4)ア 大阪法務局本局の場合,2階の後見登記証明書発行窓口が担当しています(案内図につき大阪法務局HPの「大阪法務局(本局)」参照)。
イ 窓口取扱時間は午前8時30分から午後5時15分までですし,土日祝日は業務を行っていません(大阪法務局HPの「窓口取扱時間等のご案内」参照)。

2 登記されていないことの証明申請書
(1) 「登記されていないことの証明申請書」には300円の収入印紙を貼付する必要があります。
(2)   「証明を受ける方」欄については,住所又は本籍のいずれかを申請書に記載すればいいです(後見登記等に関する省令17条2項4号「証明の対象となる者の氏名、出生の年月日及び住所又は本籍」参照)。
(3) 法務局HPの「登記されていないことの証明申請書」に,記載例が載っています。
(4) 「登記されていないことの証明書」は,自筆した申請書の一部をスキャナーか何かでそのまま取り込んで,その取り込んだ部分を活用して作成されます。
(5) 行政書士こばやし事務所HPの「登記されていないことの証明書の申請」に,証明書を取得した際の体験談が載っています。

3 令和元年6月施行の,成年後見制度適正化法
(1) 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律(令和元年6月14日法律第37 号)(略称は「成年後見制度適正化法」です。)が公布日に施行されたことに伴い,成年被後見人等であることが司法修習生採用の欠格事由から外れました。
   そのため,73期以降の司法修習生となる場合,「登記されていないことの証明書」を提出する必要がなくなりました。
(2) 例えば,令和元年度司法修習生採用選考要項(令和元年7月3日付)では,司法修習生の採用選考における提出書類として,「登記されていないことの証明書」は含まれていません。
(3) 「登記されていないことの証明書」は,弁護士登録をする際にも必要でしたが(改正前の弁護士法7条4号),現在は不要です

東京修習の情報

目次
1 総論
2 東京三弁護士会の会派
3 東京弁護士会の会派内会派及び副会長の出身会派
4 東京三弁護士会の会報
5 東京地裁周辺の飲食店情報
6 東京高裁及び東京地裁の電子開廷表
7 東京の裁判所の沿革
8 東京23区の沿革
9 国法上,東京が我が国の首都として取り扱われることを前提として規定されていること
10 東京三弁護士会の設立時期等
11 昭和15年12月,第一東京弁護士会は他の弁護士会との合同を拒絶したこと
12 東弁リブラの「東京地裁書記官に訊く」等
13 関連記事その他

1 総論
(1) 人数の推移
 317人(新63期)→313人(新64期)→311人(新65期)→341人(66期)→332人(67期)→286人(68期)→292人(69期)→265人(70期)→234人(71期)→230人(72期)→232人(73期)
(2) 第1希望の倍率の推移
   1.46倍(新63期)→1.53倍(新64期)→1.53倍(新65期)→1.29倍(66期)→1.41倍(67期)→1.53倍(68期)→1.36倍(69期)
(3) 第2希望までの倍率の推移
2.27倍(新63期)→2.48倍(新64期)→2.41倍(新65期)→2.17倍(66期)→2.29倍(67期)→2.47倍(68期)→2.19倍(69期)
 (4) 69期の第2希望の選択
   リスクある選択は,立川修習,横浜修習,さいたま修習若しくは千葉修習(いずれもAランク)又は甲府修習(Bランク)であり,安全な選択は水戸修習又は新潟修習でした(いずれもCランク)。
(5) 司法修習生向けの情報
   東京弁護士会HPの「修習生の方へ」に掲載されています。

2 東京三弁護士会の会派

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修習資金貸与制に関する,住所等届出書の提出状況等が分かる文書は存在しないこと

1   新65期から68期までの,期ごとの以下の文書は存在しません(平成28年度(最情)答申第32号(平成28年10月24日答申))。
  なお,→以下の記載は,最高裁判所事務総長の説明内容です。

① 年度ごとに,住所等届出書の提出状況が分かる文書(文書1)が存在しない理由
→ 住所等届出書は,修習資金貸与要綱(以下「貸与要綱」という。)31条により,修習資金貸与金全額の返還を終えるまで毎年4月30日を期限として,その年の4月1日における住所及び職業を最高裁判所に届け出るものであり,返還が始まった際,被貸与者宛てに確実に納入告知書を送付するために必要な情報を記載したものである。そこで,その提出を促すため,期限までに提出しない者に対して,督促を行っているが,この督促を行うために,その時点での未提出者の情報のみを把握すれば足り,年度ごと,期ごとに住所等届出書の提出状況を把握する必要はないから,申出に係る文書は作成又は取得していない。
② 年度ごとに,住所等届出書の提出を怠った結果,期限の利益を喪失した人の数が分かる文書(文書2)が存在しない理由
→ 住所等届出書の提出を相当期間怠ったときは,貸与要綱21条2項1号,司法修習生の修習資金の貸与等に関する規則(以下「貸与規則」という。)8条1項の規定により期限の利益を喪失し,返還未済額の全部を返還しなければならないこととなるが,期限の利益の喪失から未返還額の請求までの手続は,該当する被貸与者ごとに個別に行うものであり,年度ごと,期ごとに期限の利益を喪失した人数を把握する必要はないから,申出に係る文書は作成又は取得していない。
③ 年度ごとに,変更事項届出書の提出状況が分かる文書(文書3)が存在しない理由
→ 変更事項届出書は,住所の変更等,貸与要綱30条1項1号又は2号に定める事由が生じた場合に最高裁判所に届け出るものである。この変更事項届出書は,被貸与者の届出事項に変更が生じない限り,提出する必要はなく,また,同届出書が提出された場合には,個別に当該被貸与者の情報を変更し管理すれば足り,年度ごと,期ごとに変更事項届出書の提出状況を把握する必要はないから,申出に係る文書は作成又は取得していない。
④ 年度ごとに,繰上返還申請をした人の数が分かる文書(文書4)が存在しない理由
→ 繰上返還は,貸与規則7条ただし書により,年賦金の返還期限前に修習資金の返還を行うことができる制度であり,被貸与者から,繰上返還申請書が提出された場合,返還期限や返還額を当初の予定から変更するなどの処理を行い,繰上返還分の納入告知書を送付するものである。これらの事務処理は,申請者ごとに個別に行うものである。年賦金の返還開始までは,繰上返還の申請に基づいた返還のみであるため,収納済等一覧表(法定帳簿)で月別に収納された人数を数えることは可能であるが,年度ごと,期ごとに整理されたものではないことから,申出に係る文書には該当しない。
⑤ 年度ごとに,返還期限の猶予を受けた人の数が分かる文書(文書5)が存在しない理由
→ 返還期限の猶予は,裁判所法67条の2第3項に規定され,被貸与者からの申請に基づき,猶予が認められれば一定期間修習資金の返還が猶予されるが,猶予申請があった場合,申請者ごとに個別に事務処理を進めるものであり,年度ごと,期ごとに申請者の人数を把握した上で事務処理を進める必要がないから,申出に係る文書は作成又は取得していない。
⑥ 年度ごとに,返還免除を受けた人の数が分かる文書(文書6)が存在しない理由
→ 返還免除は,裁判所法67条の2第4項に規定され,被貸与者等からの申請に基づき,免除が認められれば修習資金の返還が免除されるが,免除申請があった場合,申請者ごとに個別に事務処理を進めるものであり,年度ごと,期ごとに申請者の人数を把握した上で事務処理を進める必要がないから,申出に係る文書は作成又は取得していない。
⑦ 年度ごとに,修習資金貸与金の回収状況が分かる文書(文書7)が存在しない理由
→ 修習資金の年賦金の返還は,平成30年から65期の年賦金の返還が開始されることから,現在は繰上返還を申請した者からの返還のみとなっている。繰上返還された金額の総額については,徴収簿総括表(法定帳簿)に年度末現在の記載はあるが,期ごとに整理されたものではないことから,申出に係る文書には該当しない。

2 答申書には以下の記載があります。
  本件各開示申出文書は,修習資金の貸与に関し,裁判所法,貸与規則又は貸与要綱に基づく届出書等の提出やその懈怠その他の手続上の行為があった者の数等を,期ごと,年度ごとに記載した文書であるところ,修習資金の貸与や修習資金貸与金の回収は,その性質上,いずれも,被貸与者ごとに個別に行われるものであると考えられるから,修習資金の貸与に関する事務処理上,上記のような者の数を,期ごと,年度ごとに把握する必要性があるとする事情はうかがわれず,苦情申出人もそのような事情を何ら主張しない。
  したがって,本件各開示申出文書をいずれも作成し,又は取得していないとする最高裁判所事務総長の説明は合理的であり,最高裁判所においては,本件各開示申出文書を作成し,又は取得をしていないと認められる。

3 「司法修習生の修習資金貸与制」も参照して下さい。

司法修習生による取調べ修習の合法性

目次
1 はじめに
2 司法修習生による取調べ修習の違法説の根拠
3 司法修習生による取調べ修習の合法説の根拠
4 相島六原則
5 違法説から合法説への反論
6 取調べ修習に関する国会答弁
7 司法修習生の取調べに関する裁判例
8 関連記事その他

1 はじめに
(1) 司法修習生による取調べ修習の適法性は,昭和22年の第1期司法修習から問題となっていました(「造反-司法研修所改革の誘因-」(昭和45年6月10日発行)85頁)。
(2) 日弁連HPの「司法修習終了時点から見た司法修習生の実務修習について」8頁に,相島六原則の説明があります。

2 司法修習生による取調べ修習の違法説の根拠
① 取調べの主体について定めた刑事訴訟法198条1項は,「司法修習生」を主体としてあげていない。
   そのため,司法修習生による取調べは,同法197条1項ただし書が定める強制処分法定主義に違反する。
② 憲法31条の法定手続原則は,特に刑事手続においては厳格に解釈・運用されるべきである。司法修習生による取調べは法律上の明文の根拠を欠く以上,同原則違反で違憲である。
③ 取調べは被疑者に対して自己に不利益な供述まで求めるという点で,被疑者の人格の深いところまで立ち入るものであるところ,修習目的による取調べは,被疑者の人格を修習の道具として扱うものであり,人格の尊厳を趣旨とする憲法13条に違反する。

3 司法修習生による取調べ修習の合法説の根拠
① 被疑者の同意がある以上,許される。
② 将来の法曹を養成するという公益目的のためには取調べ修習は不可欠であり,それ故これを認める必要がある。
   医師のインターン制度と同じである。
③ 相島六原則を守れば,人権侵害のおそれは少ない。

修習生時代、検察庁だなと思ったエピソードは、修習生起立!の号令がかかり、全員立った状態で、部屋のドアが開き、検事正が部屋に入ってきたときですね。

— 法テラ弁 (@9L1ZTxR8630irXW) July 27, 2022

4 相島六原則

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導入修習の実施に関する司法研修所事務局長の説明

目次
第1 導入修習の実施に関する司法研修所事務局長の説明
第2 関連記事

第1 導入修習の実施に関する司法研修所事務局長の説明
・ 45期の吉崎佳弥司法研修所事務局長は,平成26年6月4日の第28回司法修習委員会において以下の説明をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1 導入修習の実施に向けた準備状況や,分野別実務修習ガイドライン,司法修習生指導担当者協議会,いわゆる指担協の開催等について御報告申し上げる。
   まず第1点目,導入修習の実施に向けた準備状況について,前回の委員会において,いわゆる導入修習を実施することについて御了解をいただいたと承知しているが,その後,司法研修所教官室をはじめ,法曹三者で協議を行った上で,導入修習について次のとおりの準備等を行っているので,御報告申し上げる。
   まず,1点目として導入修習の実施年について御報告する。導入修習については,前回までの委員会においても,できるだけ早い実施が求められていたところであるが,その後,関係諸機関と調整した上で,本年,すなわち第68期から実施することとさせていただくこととなった。
2 続いて2点目であるが,導入修習の具体的なスケジュールについても協議が整った。導入修習の開始時期は,68期を前提にすると本年の11月27日となる。
    しかし,67期の修習との重なりによる寮の入替えの点や修習生の移動の点を踏まえると,実際に講義などを開始できるのは12月2日となる。そして,導入修習の期間は平日15日間とされているので,終了日は12月22日の月曜日となる。
   その後,修習生の移動期間を踏まえて,分野別実務修習の第1クール開始日は平成27年1月5日となる。
3 3点目は導入修習のカリキュラムの概要とその目的である。導入修習のカリキュラムの骨子については,前回の委員会においても,司法研修所教官の幹事の皆様方から御説明を頂戴し,その内容を御了解いただいた。
   この間,それをより具体化する作業を進めてきたが,今後も各教官室において詰めの作業,議論がされていくものと承知している。
4(1) 続いて,4点目は,導入修習を実施することによる他の修習への日程的な影響についてであるが,導入修習とその前後に日にちを要することとなるため,分野別実務修習,集合修習及び選択型実務修習の日数も一部削ることとなる。
   この日数の削減の具体的な内容については,まず,分野別実務修習については,従来はこれが最長42日程度であったものが,いずれも実日数が38日となる。その差分を日数的に削ることになる。
   集合修習,選択型実務修習については,従来35日程度であったものがA班,B班それぞれ実日数30日となる。
(2)   なお,前回の委員会において酒巻委員から,従来,出張講義で実施していた起案などと導入修習の起案などの目的に差異があるかどうかとの御質問をいただいた。そのこととの関連で,導入修習実施後の出張講義等の実施について各教官室の方針が出そろったので,この場をお借りして御報告を申し上げる。
   まず,民事裁判と刑事裁判の科目については,これまで第1クールと第2クールに実施していた導入起案とその講評はいずれも取りやめることになった。民事裁判,刑事裁判に関しては,第1クールから第4クールまでの各クールで問研起案とその講評を実施していたが,こちらについては,今後も引き続き実施すると伺っている。
   続いて,検察科目については,第1クールの検察出張講義は取りやめると伺っている。一方で,第1クールから第4クールまでの各クールで実施していた一斉起案とその講評は,引き続き実施すると伺っている。
   最後に,弁護科目であるが,民事弁護と刑事弁護の分野に関しては,後に御報告する弁護導入講義の取りやめのほかに,1月と4月に実施していた出張講義を取りやめる方針とのことである。
   取りやめる理由については,いずれも,導入修習とその目的,内容が重なるという点にある旨,伺っている。
(3)   以上が導入修習を実施することによる他の修習への日程的な影響などに関する御報告である。
5 引き続き,5点目は導入修習における成績評価の関係である。同じく前回の委員会において酒巻委員から,導入修習における起案について成績評価を行うかどうかという質問をいただいた。
   この点については,5教官室とも,成績評価は行わないとすることとされたと伺っている。
6 6点目は,導入修習における寮の確保の関係である。
昨年12月の委員会で,井窪委員からこの点についての御質問があった。
   その後,司法研修所近隣の税務大学校に対して,導入修習期間中の寮の借用を依頼しており,現状,税務大学校から,その旨了解を得ることができているところである。
7 導入修習関係の最後の報告になるが,7点目は弁護導入講義の関係である。弁護実務修習に関する導入的教育の在り方については,この委員会においても議論が行われてきて,平成23年9月に取りまとめがされ,これを踏まえて過去2回にわたって,第1クール冒頭に弁護導入講義が実施された。
   その効果については一定の評価が得られていたと承知しているが,その性質に照らすと,導入修習開始に至った場合には指導内容に重なる点があることは明らかであり,実質的に実施に携わってこられた日本弁護士連合会としても,更に継続する意義はないと整理されたと伺っている。

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導入修習初日に持参するもの

目次
1 導入修習初日に持参するもの(69期)
2 導入修習初日の配布物
3 関連記事その他

1 導入修習初日に持参するもの(69期)
・ 「平成27年度(第69期)司法修習生の修習開始等について」(平成27年10月16日付の司法研修所事務局長事務連絡)によれば,69期の場合,導入修習初日に持参するものは以下のとおりでした。
(1) 印鑑(スタンプ式は不可)
(2) 筆記用具
(3) 六法
(4) 司法修習ハンドブック
(5) 修習生活へのオリエンテーション
(6) 当日のカリキュラム使用教材等
ア A班の場合
① 民事第1審手続の概説(講義)
→ 第3版民事訴訟第一審手続の解説,及び同別冊記録
② 民弁問題研究1(事案分析)
→ 「司法修習開始までの準備について」,民事弁護修習記録第169号(第1分冊),同(第2分冊),事前課題起案の写し,7訂民事弁護の手引,民事弁護の基礎知識(増補版)
イ B班の場合
① 刑裁講義(事前課題解説等)
→ 「司法修習開始までの準備について」,事前課題に関する起案写し・メモ・手控え等,プラクティス刑事裁判(別冊を含む),事実認定ガイド
② 検察導入講義
→ 「第69期司法修習 検察導入修習講義 参考事例」,検察事前課題に関する起案写し・メモ・手控え等,平成27年版検察講義案,「検察 終局処分起案の考え方(平成24年版)」,検察演習問題(改訂版),検察起案作成上の注意点
③ 刑弁講義1
→ 平成26年版刑事弁護実務(追補版),平成26年版刑事弁護実務(別冊書式編),刑事弁護講義ノート(平成25年7月版)

2 導入修習初日の配布物
・ 司法研修所は,司法修習生に対し,導入修習開始に際し,以下の書面等を交付しています(司法修習生の司法修習に関する事務便覧(平成30年11月)12頁参照)。
① 司法修習生採用の辞令書
② 司法修習生組別一覧名簿(実務修習地決定の告知の意味を含む。)

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導入修習カリキュラムの概要

目次
1 69期以降の導入修習カリキュラムの概要(中身は真っ黒)
2 導入修習に関するアンケート集計結果
3 導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果
4 関連記事

1 69期以降の導入修習カリキュラムの概要(中身は真っ黒)
69期,70期,71期,72期,73期,
74期,75期,76期,77期,78期,

流石山中先生w
ちなみに僕も勿論通信環境配慮のために、指示や必要がない限りオフってましたよ。
そもそもカメラオンの必要性ありますかね?私生活上のコミュニケーションとは違うわけで、表情見る意味そんなになくない?
反応知りたいなら、ニコ動方式でコメント流れるようにした方が的確ではとか。 https://t.co/7gRoJsyial

— 作家ではない吉田修一 (@b2Dadh59XtZJVbp) July 30, 2021

2 導入修習に関するアンケート集計結果
69期,70期,71期,72期,73期,
74期,75期,76期,77期,78期

3 導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果(裁判所HPへのリンク)
(1) 平成27年11月17日の第30回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料53)(68期)が配布されました。
(2) 平成28年11月15日の第32回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料63)(69期)が配布されました。
(3) 平成29年11月 2日の第34回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料69)(70期)が配布されました。
(4) 平成30年11月12日の第36回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料72)(71期)が配布されました。
(5) 令和 元年11月12日の第38回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料75)(72期)が配布されました。
(6) 令和 2年11月 5日の第39回司法修習委員会では,「導入修習後の状況等に関するアンケート集計結果」(資料78)(73期)が配布されました。

二回試験の問題は、次年度以降の研修所起案の問題として使いまわされているようだから、研修所でやる起案こそ過去問演習であり、出題者・採点者による解説まで付いている親切仕様なので、その復習がいちばんの二回試験対策なんだよね

— うるさインコ (@fetus1010) September 24, 2022

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導入修習チェックシート

目次
1 導入修習チェックシート
2 導入修習チェックシートについて(司法修習生向けの説明文書)
3 導入修習チェックシートの活用について(司法修習生指導担当者向けの説明文書)
4 関連記事

1 導入修習チェックシート
71期,72期,73期,74期,75期,
76期,77期,
*1 「導入修習チェックシート(76期)」といったファイル名です。
*2 70期以前の導入修習チェックシートは存在しません(令和元年12月24日付の不開示通知書参照)。

導入修習チェックシート(第75期)を添付しています。 pic.twitter.com/97D3LLZJYA

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) December 25, 2021

2 導入修習チェックシートについて(司法修習生向けの説明文書)
72期,73期,74期,75期,76期,
77期,
*1 73期以降については,「導入修習に関するアンケート及び導入修習チェックシートについて(令和3年11月12日付の司法研修所事務局の文書)」といったファイル名です。
*2 71期以前の導入修習チェックシートは存在しません(令和元年12月24日付の不開示通知書参照)。

3 導入修習チェックシートの活用について(司法修習生指導担当者向けの説明文書)
72期,73期,74期,75期,76期,
*1 「導入修習チェックシートの活用について(令和3年11月29日付の司法研修所事務局の文書)→75期司法修習生の指導担当者向けの文書」といったファイル名です。
*2 71期以前の「導入修習チェックシートの活用について」は存在しません(令和元年12月24日付の不開示通知書参照)。

なお、上記②に関して、個人的には…
⑴第1クールの指導担当者に交付する用
⑵実務修習結果簿に綴って自らが保管する用
ということで…

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導入修習初日の配布物

目次
1 導入修習初日の配布物
2 72期導入修習初日の配布物
3 司法修習生採用の辞令書
4 関連記事

1 導入修習初日の配布物
72期,73期,74期,75期,76期,
77期,
* 「第75期司法修習生に対し,導入修習初日に配布した事務説明の書類」といったファイル名です。

2 72期導入修習初日の配布物
(1) 「この封筒に入っているもの,及び事務連絡(72期導入修習)」によれば,72期導入修習初日の配布物は以下のとおりです。
① 司法研修所における事務の取扱いについて(第72期導入修習)
② 現住所届(第72期)
③ 平成30年度(第72期)司法修習生クラス名簿(司法修習生の氏名等は真っ黒)
④ 第72期司法修習生の教官組別表(平成30年12月3日現在)
⑤ 週間日程表(12月3日~7日分)
⑥ クラス連絡委員マニュアル,起案回収,修習日誌担当表
⑦ 災害時におけるクラス担当教官への安否連絡等について(事務連絡)
⑧ 節電のお願い
⑨ 平成30年10月19日付け事務局長事務連絡「司法修習生が取り扱う裁判修習関連の情報等のセキュリティ対策について」
⑩ 安否連絡カード
⑪ お知らせ
⑫ 【A班のみ】民弁問題研究1「民事弁護修習記録第190号(第2分冊)」
⑬ 【B班のみ】刑弁演習1(捜査弁護)「実施要領」
(2) 以下の書類も72期導入修習初日に配布されました。
① 同封物一覧
② 身分証明書の取扱いについて

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導入修習期間中の入寮手続及び退寮手続に関する文書

目次
1 導入修習期間中の入寮手続及び退寮手続に関する文書
2 いずみ寮の部屋の割当基準等が書いてある文書は存在しないこと
3 平成29年8月28日発生の,司法研修所いずみ寮談話室における70期司法修習生の偽名記載事案に関する文書
4 令和5年7月13日施行の不同意性交等罪及び不同意わいせつ罪,並びに司法研修所の寮の禁止事項
5 関連記事その他
1 導入修習期間中の入寮手続及び退寮手続に関する文書
78期司法修習生の場合

77期司法修習生の場合
・ 退寮手続についての注意事項(令和6年3月20日付の司法研修所事務局総務課寮務係の文書)
・ 入退寮に際しての注意事項(令和6年3月20日付の司法研修所総務課寮務係の文書)
・ 入寮に当たっての留意事項【司法修習研修用】(税務大学校の文書)
・ 退寮手続についての注意事項(令和7年1月14日付の司法研修所事務局総務課寮務係の文書)
・ 学寮の退寮に当たっての留意事項(令和7年2月26日付の税務大学校庁舎管理係の文書)
76期司法修習生の場合
① 退寮手続についての注意事項(令和4年11月29日付の司法研修所事務局総務課寮務係の文書)
・ いずみ寮入寮者向けの文書です。
② 入寮及び退寮に当たっての留意事項【司法修習生版】
・ 税務大学校の学寮入寮者向けの文書です。

74期及び75期司法修習生の場合

・ 導入修習はオンラインで実施されましたから,存在しません。
73期司法修習生の場合
① 令和 元年8月1日付の「司法研修所からのお知らせ」14頁
・ 導入修習期間中のいずみ寮及びひかり寮の寮費は1万円(1日につき600円)でした。
② 73期導入修習時の入寮許可通知書
・ 寮費は1万3200円(1日につき600円)であり,72期以前と比べて1日につき100円値上がりしました。
・ 入寮日は,導入修習開始の前日である12月4日(水)でした。

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新任判事補の採用内定通知から辞令交付式までの日程

目次
第1 過去の日程
第2 採用内定通知が出る時期
1 最高裁判所裁判官会議の開催日に採用内定通知が出ること
2 68期以降の新任判事補採用に関する,下級裁判所裁判官指名諮問委員会の日程
第3 採用内定者に対する説明会及び辞令交付式
第4 新任判事補向けの事務手続の説明文書
第5 最高裁判所長官の訓示内容が書いてある文書は存在しないこと等
第6 合同宿舎に関する情報
第7 関連記事その他

* 「65期以降の二回試験の不合格発表及びその後の日程」も参照してください。
第1 過去の日程
◯77期判事補(令和7年3月26日司法修習終了)
(1) 「裁判官任命に関する日程等について」(令和7年3月27日付の事務連絡)によれば,内定通知から辞令交付式までの日程は以下のとおりでした。
① 内定通知の予定日時等
・ 令和7年4月16日(水)午前11時以降に,各人の連絡先に,人事局職員が電話する方法により行います。
② 採用希望者に対するテストメールの送信
・ 令和7年4月7日(月)に採用希望者に対するテストメールが送信されます(77期で始まった取扱いです。)。
③ 採用内定者に対する案内文書のメール送信
・ 令和7年4月16日(水)に採用内定者への案内文書がメール送信されます(75期までは速達・簡易書留で発送されていました。)。
・ 宿舎への入居に関する書面は4月17日(木)午前11時までにメールで提出する必要がありました。
④ 辞令交付式
・ 令和7年5月14日(水)午後2時30分開式
・ 辞令交付式終了後,大法廷見学及び壮行会が行われました。
⑤ 壮行会
・ 令和7年5月14日(水)午後5時30分から午後7時まで
(2) 以下の文書を掲載しています。
・ 国家公務員宿舎について(77期新任判事補向けの案内文書)
・ 国家公務員宿舎への入居について(77期新任判事補向けの案内文書)

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採用内定留保者に対する面接(司法修習)

目次
1 司法修習生採用選考要項の記載等
2 不採用者が出た修習期等
3 司法修習生採用選考面接及び面接留保通知書
4 弁護士登録の場合の取扱い
5 犯罪経歴証明書における取扱い
6 関連記事その他

1 司法修習生採用選考要項の記載等
(1) 72期司法修習生の場合
ア 平成30年7月18日付の,平成30年度司法修習生採用選考要項の2(1)には,「ウ 面接  ア,イの結果,必要があると認めた場合に実施する。」と書いてありますし,司法修習生採用選考申込書(「72期司法修習の提出書類の記載例等」参照)には「13 不採用事由等の有無」欄があります。
イ   健康診断の結果が非常に悪かったり,重大な既往歴があったり,重大な身体上の障害があったりした場合,「心身の故障により修習をすることが困難である者」に該当する可能性があります。
   また,過去に起訴(略式起訴を含む。)又は逮捕(補導)されたことがある場合,「品位を辱める行状により,司法修習生たるに適しない者」に該当する可能性があります。
   そのため,これらの事情がある場合,最高裁判所又は司法研修所において面接の必要があるということで採用内定を留保されて,面接通知書が届くかもしれません。
ウ 逮捕歴等については,司法修習生採用選考申込書の「14 備考」欄に詳しく記載する必要があります(「平成30年度司法修習生採用選考申込書の記載要領」9頁参照)。
エ 「心身の故障により修習をすることが困難である者」又は「品位を辱める行状により,司法修習生たるに適しない者」以外の事由については形式的事由のため,書面で一義的に判断できるものばかりです。
   そのため,これら以外の事由に基づいて面接通知書が届くことはないと思います(「平成30年度司法修習生採用選考申込書の記載要領」8頁及び9頁参照)。
(2) 73期以降の司法修習生の場合
   特に変更はないと思います。

まあ端的に言えば、修習生内定留保されても修習にいけないなんてことはほとんど無いので心配しないでほしい。修習地を知るのが周りより少し遅くなることと課題提出の期限がカツカツになるくらいしか事実上の不利益はないから。

— まーやん (@masayar2) February 20, 2021

2 不採用者が出た修習期等
(1) 66期以降の場合,採用要審議者名簿又は重点審議者名簿に搭載された司法修習予定者は毎年いたものの,不採用者が出たのは66期,70期及び71期だけみたいです(「司法修習生の採用選考で不合格となった人が出た修習期等」参照)。
    そのため,面接通知書が届いたとしても,結論ありきの面接ではないのであって,罰金前科等については当時の行いについて真摯に反省していることを面接で説明し,健康不良については家族のサポート等により問題なく修習をすることができることを面接で説明すれば,無事に採用してもらえる可能性の方が高いと思います。
(2) 弁護士法人アディーレ法律事務所(同法人に対する平成29年10月11日の業務停止2月につき「弁護士の懲戒」を参照してください。)の代表社員であった石丸幸人弁護士(56期)の場合,酒気帯び運転で3回逮捕され,懲役9月執行猶予4年の有罪判決を受けて勤務先を懲戒解雇されています(Wikipediaの「石丸幸人」参照)が,普通に司法修習を経て弁護士となっています。
(3) 71期司法修習予定者の場合,平成29年11月9日付の「実務修習地等について(通知)」を送付された人がいます。
   そのため,採用内定留保者になったことが直ちに不採用を意味するわけではないみたいです。
(4) 平成30年7月20日付の答申書によれば,第71期司法修習生の採用選考申込において不合格となった人の数が明らかになった場合,不採用者が特定される可能性や不採用となった理由が特定される可能性があることから,個人識別情報として不開示情報となるとのことです。

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司法修習生と国民年金保険料の免除制度及び納付猶予制度

目次
1 71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入すること
2 国民年金保険料の免除申請
3 国民年金保険料の納付猶予申請
4 国民年金保険料の免除又は納付猶予の共通事項
5 国民年金保険料の追納制度
6 生計を一にする親による国民年金保険料等の支払
7 日本弁護士国民年金基金
8 関連記事その他

1 71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入すること
(1) 新65期以降の司法修習生裁判所共済組合に加入できないこと
   新65期以降の司法修習生は,国家公務員でない上,国から給与を受けない者(国家公務員共済組合法施行令2条2項4号参照)であるため,国家公務員共済組合法2条1項1号所定の「職員」には該当しません。
   そのため,新65期以降の司法修習生は裁判所共済組合に加入できなくなりました。
(2) いずれのケースであっても,71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入すること
ア 採用直前の時点で国民年金の第1号被保険者であった場合
   司法修習生に採用された後も国民年金の第1号被保険者のままです。
イ 採用直前の時点で国民年金の第2号被保険者(例えば,会社員)であった場合
   遅くとも司法修習生に採用される前に勤務先を退職する必要がありますから,その時点で第1号被保険者として国民年金に加入することとなります。
   そして,司法修習生に採用された後も国民年金の第1号被保険者のままです。
ウ 採用直前の時点で国民年金の第3号被保険者(例えば,配偶者が会社員をしている場合の専業主婦又は専業主夫)であった場合
   修習給付金の支給を受けられるようになりますから,第2号被保険者(例えば,会社員の夫)の収入により生計を維持する者(国民年金法7条1項3号)ではなくなります。
   そのため,第3号被保険者としての資格を失う結果,司法修習生に採用された時点で第1号被保険者として国民年金に加入することとなります。
エ したがって,いずれのケースであっても,71期以降の司法修習生は必ず国民年金に加入することとなります。
(3) 国民年金への加入手続
ア   第2号被保険者であった場合
   本人又は世帯主が,住所地の市区役所又は町村役場において,年金手帳又は基礎年金番号通知書のほか,退職年月日が分かる書類(例えば,離職票)を持参して,退職日の翌日から14日以内に国民年金への加入手続を行う必要があります(日本年金機構HPの「国民年金に加入するための手続き」参照)。
イ 第3号被保険者であった場合
(ア) 市区役所等での加入手続に加えて,配偶者である第2号被保険者の勤務先を通じて年金事務所に対し,被扶養配偶者非該当届(文書の表題は「国民年金第3号被保険者関係届」であり,日本年金機構HPの「「被扶養配偶者非該当届」について」に掲載されています。)を提出する必要があります(一連の届出を「種別変更の届出」といいます。)。
(イ) 第3号被保険者であった人が司法修習生に採用された後も第3号被保険者のままでいて,弁護士登録をした時点で第1号被保険者への切り替えを行った場合において,司法修習が終了した日から2年以上が経過した場合,司法修習生であった期間がそのまま未納期間となり,無年金又は年金減額につながります(「第3号被保険者の不整合記録問題」です。)。

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司法修習生配属現員表(48期以降)

目次
1 司法修習生配属現員表
2 関連記事その他

1 司法修習生配属現員表
* 「司法修習生配属現員表(令和6年3月21日現在)(77期採用時点のもの)」といったファイル名です。
・ 78期に関する令和 7年 3月19日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1556人)
・ 77期に関する令和 6年 3月21日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1830人)
・ 76期に関する令和 4年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1394人)
・ 75期に関する令和 3年11月12日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1329人)
・ 74期に関する令和 3年 3月31日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1456人)
・ 73期に関する令和 元年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1473人)
・ 72期に関する平成30年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1482人)
・ 71期に関する平成29年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1516人)
・ 70期に関する平成28年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1533人)
・ 69期に関する平成27年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1788人)
・ 68期に関する平成26年11月27日現在の司法修習生配属現員表(採用者数は1762人)
・ 59期ないし67期
・ 48期2年目ないし58期

司法修習生配属現員表(令和3年3月31日現在)→74期採用数は1456名 を添付しています。 pic.twitter.com/zpqD3QKcnb

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 29, 2021

2 関連記事その他
(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 司法修習生配属表の送付について(昭和63年11月10日付の司法研修所事務局長の依頼)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 修習開始時点における司法修習生の人数の推移
・ 司法修習の場所を選ぶ際の基礎データ
・ 大阪高裁管内の実務修習地ごとの司法修習生の人数の推移

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新任判事補任命の閣議決定及び官報掲載の日付

目次
1 新任判事補任命の閣議決定の日付
2 内閣による新任判事補任命の官報掲載の日付
3 60期から68期までの新任判事補の生年月日が分かる文書
4 関連記事その他
   
1 新任判事補任命の閣議決定の日付
(1) 新任判事補任命の閣議決定の日付は以下のとおりです(「77期判事補任命時の閣議書(令和7年4月18日付)」といったファイル名で掲載しています。)。
78期:令和 8年 4月17日(金)(78期判事補任命時の閣議書)
77期:令和 7年 4月18日(金)(77期判事補任命時の閣議書)
76期:令和 6年 1月 9日(火)(76期判事補任命時の閣議書)
75期:令和 5年 1月 6日(金)(75期判事補任命時の閣議書(75人分))
→ 令和6年2月1日付で,75期の村上亜優判事補が追加で任命されています。
74期:令和 4年 5月10日(火)(74期判事補任命時の閣議書)
73期:令和 3年 1月 8日(金)(73期判事補任命時の閣議書)
72期:令和 2年 1月 7日(火)(72期判事補任命時の閣議書)
71期:平成31年 1月 8日(火)(71期判事補任命時の閣議書)
70期:平成30年 1月 9日(火)(70期判事補任命時の閣議書)
69期:平成29年 1月10日(火)(69期判事補任命時の閣議書)
68期:平成28年 1月12日(火)(68期判事補任命時の閣議書)
67期:平成27年 1月 9日(金)(67期判事補任命時の閣議書)
66期:平成26年 1月10日(金)(66期判事補任命時の閣議書)
65期:平成25年 1月11日(金)(65期判事補任命時の閣議書)
(2) リンク先は首相官邸HPの閣議案件です。
   ただし,65期及び66期に関しては,閣議案件への記載がなぜかないです。
(3) 「77期新任判事補の◯◯◯◯,◯◯◯◯,◯◯◯◯,◯◯◯◯,◯◯◯◯及び◯◯◯◯の生年月日が分かる判事補任命資格調(令和7年4月24日付)」といったファイル名の文書も私のブログに掲載しています。

2 内閣による新任判事補任命の官報掲載の日付
77期:令和 7年4月28日(月)
76期:令和 6年1月18日(木)

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新任判事補を採用する際の内部手続

目次
第1 新任判事補を採用する際の内部手続
第2 関連記事その他

第1 新任判事補を採用する際の内部手続
・ 新任判事補を採用する際の内部手続が分かる文書は,平成15年7月1日開催の下級裁判所裁判官指名諮問委員会(第2回)議事要旨以外に存在しないそうです(平成28年度(最情)答申第45号(平成29年2月24日答申))。
○平成15年7月1日開催の下級裁判所裁判官指名諮問委員会(第2回)議事要旨のうち,新任判事補を採用する際の内部手続に関する記載(リンク先の19頁及び20頁)は以下のとおりです。
○■は委員長,○は委員,●は庶務,▲は説明者のことです。

イ 司法修習生から判事補への任命
庶務から,審議資料4に基づき,2の「司法修習生から判事補への任命」の部分について説明された。
○:
成績を重視しているようだが,人物評価にもウエイトを置くべきである。重点審議者の振り分けの際に,裁判教官だけではなく,弁護教官や検察教官の意見書も出してもらった方がよいのではないか。
▲:
裁判官としての適性を人物面から見る場合に,裁判教官が,後輩として迎えるのが適切かどうかという観点で見るのが一番判断しやすいし,検察教官や弁護教官に全員について意見書を出してもらうまでの必要性があるのかという問題もある。
○:
裁判教官の意見書や採用面接結果の要旨は候補者全員について作成されるのか。
▲:
裁判教官の意見書は候補者全員について作成される。採用面接結果の要旨は候補者全員について作成することも不可能ではない。
○:
採用面接結果の要旨については,必要であれば口頭で説明してもらえばよい。
▲:
それは可能である。
○:
採用面接は何分くらい行われるのか。
▲:
平均すると10分くらいであるが,長い場合は30分くらいということもあり得る。
○:
改めて検察教官や弁護教官の意見書まで求めなくても,実務修習及び司法研修所における検察や弁護の評価で足りるのではないか。
○:

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判事補採用願等の書類,並びに採用面接及び採用内定通知の日程

目次
1 判事補採用願等の書類
2 司法修習生から判事補への採用に関する,下級裁判所裁判官指名諮問委員会の説明
3 過去の採用面接の日程
4 下級裁判所裁判官指名諮問委員会による指名の答申,及び過去の採用内定通知の日程
5 裁判官任官希望者に対する健康診断及び採用面接の各実施日は不開示情報であること
6 関連記事その他

1 判事補採用願等の書類
(1) 裁判官の採用について(平成29年8月24日付の最高裁判所人事局長通知)によれば,裁判官への採用を希望する70期A班の司法修習生は,司法研修所長に対し,平成29年9月8日までに以下の書類を提出する必要がありました(やむを得ない事情により同日までに提出できない場合の締切は10月16日です。)。
① 判事補採用願
② 履歴書
③ 希望任地調査票
④ 新任判事補志望者カード
⑤ 戸籍謄本(又は戸籍抄本)
⑥ 写真
⑦ 面接通知用封筒
(2) 採用願の用紙等は,司法研修所事務局企画第二課で配布されていました。
(3) 採用願等を郵便により提出する場合,「司法研修所事務局企画第二課調査係」宛て郵送(書留扱い)にする必要がありました。
(4) 判事補採用願等作成要領(71期司法修習生用)を掲載しています。

上澄みが少ないのと、その上澄みが四大に流れている説だと思いますね。
そこは岡口ショックというか、裁判所の抑圧的性質が明確になったのが多少なり影響している気がします。 https://t.co/bTbvmOreo9

— ゴルーグ28号 (@chemicalgroom) January 9, 2021

令和元年5月1日以降,判事補時代に依願退官した元裁判官は令和4年4月2日時点で27人いますところ,そのうちの10人は3月31日付及び4月2日付です。https://t.co/eu5yNp1F69

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 16, 2022

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最高裁判所による判事補の指名権の行使に関する裁判例

目次
1 最高裁判所による判事補の指名権の行使に関する裁判例
2 関連記事
  
1 最高裁判所による判事補の指名権の行使に関する裁判例
(1) 大阪高裁平成15年10月10日判決(46期の元司法修習生が提訴した,判事補任官拒否国賠訴訟の控訴審判決)は,最高裁判所による判事補の指名権の行使に関して,以下のとおり判示しています。

   憲法は,最高裁判所長官の指名,その他の最高裁判所裁判官及び下級裁判所裁判官の任命について,内閣の権能とすることにより(6条2項,79条1項,80条1項),民主的統制を及ぼしつつ,下級裁判所裁判官任命候補者の指名を最高裁判所に委ねることにより,司法権の独立を保障しようとしたものと解される。

   これを受けて,裁判所法は,下級裁判所の裁判官の任命につき,「最高裁判所の指名した者の名簿によって,内閣でこれを任命する」(40条1項)とし,判事補の任命資格については,「判事補は,司法修習生の修習を終えた者の中からこれを任命する」(43条)と規定するほか,公務員一般の欠格事由以外に,禁錮以上の刑に処せられた者,弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者を欠格事由として規定する(46条)が,これ以外には,判事補の任命・指名につき法令上の規定は存在しない。

   このように,判事補の任命・指名については,司法修習生の修習を終了し,所定の欠格事由を有しないという条件以外には,法令上何らの規定も存在しないのであるから,最高裁判所による判事補の指名権の行使については,最高裁判所の広範な裁量に委ねているものと解される。

   もっとも,法令上,判事補の指名につき,具体的な規定を置かず,最高裁判所の裁量に委ねたのは,その裁量権の行使が,適正に行われるとの信頼を基礎とするものと考えられるところであり,また,最高裁判所も憲法に基づいて設置された機関であり,憲法の各種人権規定に拘束されることはもとより当然であることからすると,裁判所法所定の欠格事由がない者について欠格事由があるとするなど,判断の基礎とされた重要な事実に誤認がある場合,思想・信条など憲法上許容し得ない理由に基づいて指名をしない場合などは,裁量権の逸脱又は濫用に当たるということができ,違法になるものと解すべきである。
(2) 大阪高裁平成15年10月10日判決のほか,第一審判決である大阪地裁平成12年5月26日判決はウエストロー・ジャパン等に掲載されていますところ,これらを読めば,46期当時の,司法修習,任官拒否等の実情を伺うことができます。

   また,大阪高裁平成15年10月10日判決に対する上告等については,最高裁平成17年6月7日決定により上告棄却兼上告不受理となったみたいです(外部HPの「神坂訴訟について」参照)。

2 関連記事
・ 判事補の採用に関する国会答弁
・ 最高裁判所による判事補の指名権の行使に関する裁判例
・ 判事補採用願等の書類,並びに採用面接及び採用内定通知の日程
・ 新60期以降の,新任検事辞令交付式及び判事補の採用内定の発令日
・ 新任判事補任命の閣議決定及び官報掲載の日付
・ 新任判事補研修の資料

修習資金貸与制と健康保険の被扶養者

目次
1 総論
2 日本年金機構及び共済組合の取扱い
3 被扶養者の異動
4 被扶養者の意義を定めた健康保険法3条7項
5 関連記事その他

1 総論
(1) 平成28年10月14日付の「司法修習生採用後の健康保険等について」には,健康保険及び国民年金に関する手続の詳細等は,健康保険に関しては各健康保険組合等,国民年金に関しては住居地を管轄する市区町村の各ホームページを参照する等して確認してくださいと書いてあります。
(2)ア 資格のない健康保険証を使用して医療機関等で受診した場合,後日,保険給付費(総医療費の7から9割)分を返還しなければならなくなります(協会けんぽ大阪支部HPの「健康保険証はいつまで使用できるの?」参照)。
イ 協会けんぽの正式名称は,全国健康保険協会です。

2 日本年金機構及び共済組合の取扱い
(1) 日本年金機構の取扱い
・ 厚生労働省保険局保険課が日本年金機構に対して回答したと思われる疑義照会回答(厚生年金保険 適用)の26頁及び27頁には,以下の記載があります。
    健康保険法第3条第7項において、被扶養者は「主としてその被保険者により生計を維持するもの」と規定されており、被扶養者の認定に当たっては、その者の収入及び被保険者との関連における生活の実態により判断されます。
    裁判所法第67条の2に規定される貸与制の修習資金については、定期的に貸与単位期間の1ヵ月ごと23万円(最低18万円)貸与されるため、修習資金の目的と貸与額からも、その貸与を受けている司法修習生がそれ以外の者の収入により生計を維持されているとは言い難く、被保険者との関連における生活の実態からも被扶養者として取り扱うことは妥当ではありません。
    このため、貸与制の修習資金を受けている者については、被扶養者として認定することはできません。
(2) 共済組合の取扱い
ア 公立学校共済組合愛媛支部HPの「被扶養者の認定の手続き」には,司法修習生に貸与される修習資金は,被扶養者認定における所得に含まれると書いてあります。
イ また,埼玉県市町村職員共済組合の「被扶養者認定基準及び取扱い」の末尾6頁(PDF7頁)には,「司法修習生に貸与される修習資金は,主として月々の生活費を援助することを目的とした資金の提供と考えられているため,恒常的な収入とする。」と書いてあります。

3 被扶養者の異動
(1) 協会けんぽの被保険者の被扶養者に削除,氏名変更等があった場合,被保険者は事業主を経由して,「被保険者(異動)届」を提出する必要があります(日本年金機構HPの「従業員の被扶養者に異動があったときの手続き」参照)。
(2) 被扶養者の年間収入が130万円以上になると見込まれる場合,被扶養者について削除の届出を行う必要がありますところ,年間収入とは,過去における収入のことではなく,被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。
(3) 令和4年12月13日現在,関東信越厚生局HPの「審査請求にあたっての留意事項」には健康保険の被扶養者の認定及び不認定は,社会保険審査官に対する審査請求(社会保険審査官及び社会保険審査会法3条ないし18条)の対象とはならないと書いてあります。
    しかし,最高裁令和4年12月13日判決は,「健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が被扶養者に該当しない旨の通知は、健康保険法(平成26年法律第69号による改正前のもの)189条1項所定の被保険者の資格に関する処分に該当する」と判示しました。

4 被扶養者の意義を定めた健康保険法3条7項
・ 健康保険法3条7項の条文は以下のとおりです。

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「品位を辱める行状」があったことを理由とする司法修習生の罷免事例及び再採用

目次
1 23期の阪口徳雄修習生(昭和44年4月採用)の罷免事例
2 33期の男性司法修習生(昭和54年4月採用)の罷免事例
3 34期の男性司法修習生(昭和55年4月採用)の罷免事例
4 70期の男性司法修習生(平成28年11月採用)の罷免事例
5 その他の罷免事例
6 罷免された後の再採用
7 関連記事その他

1 23期の阪口徳雄修習生(昭和44年4月採用)の罷免事例
(1) 23期の司法修習終了式の中止
ア 阪口徳雄修習生は,昭和46年4月5日(月)の午前中に司法研修所講堂で行われた司法修習終了式において,23期の裁判官志望者7人に対する任官拒否に抗議するため,司法研修所長のマイクを手にとって,「裁判官への任官を拒否された修習生7人に発言させる機会を与えて欲しい」などと発言を始めたため,約1分後に司法研修所事務局長が修習終了式の終了を宣言したという事件を発生させました。
   最高裁判所は,同日午後6時から臨時の裁判官会議を開催し,「品位を辱める行状」があったということで,阪口徳雄修習生に弁明の機会を与えることなく,同人を罷免しました。
イ 23期の裁判官志望者7人に対する任官拒否については,昭和46年4月5日午後1時半頃,23期の裁判官内定者55人のうちの40人が有志で,「青法協会員ら7人の任官拒否は思想・信条,団体加入による差別の疑いが強い。このまま裁判官として職務につくことは耐えがたい不安を感じる。不採用の理由を明らかにせよ」などとする要望書(署名者は23期裁判官内定者45人)を高輪1期の矢口洪一最高裁判所人事局長に提出するため,最高裁判所に赴きました。
   しかし,最高裁判所は彼らが構内に入ることを拒否し,要望書を受け取りませんでした。
ウ 阪口徳雄修習生に対する罷免通知の時刻につき,昭和46年4月6日の毎日新聞朝刊では,午後7時40分頃に司法研修所事務局長から罷免通告が伝えられたと書いてあります。
   昭和46年5月8日の日弁連臨時総会決議では,午後8時26分に罷免処分が言い渡されたと書いてあります。
   自由と正義2018年7月号5頁には,阪口徳雄弁護士が自分で,「1971年4月5日午後8時過ぎ司法研修所の所長室で守田所長(当時)から「司法修習生の品位を汚した」ので罷免するという最高裁裁判官会議の決定書を交付された。」と書いてあります。
エ 23期は昭和46年4月5日付で司法修習を終了し,同月6日の官報にその氏名が公表され,同月8日の官報に「阪口徳雄を削除」という訂正記事が載りました。
オ 平成29年3月15日付の司法行政文書不開示通知書及び平成29年度(最情)答申第47号(平成29年12月1日答申)によれば,昭和46年4月に司法修習生を罷免した際の最高裁判所裁判官会議議事録は保存されていません。
(2) 23期の司法修習終了式の中止に関する国会答弁
   高輪1期の矢口洪一最高裁判所人事局長は,昭和46年5月20日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています。
 わしづかみというふうに、私が、衆議院の法務委員会で申し上げましたところが、問題にされたようでございますが、そのときの状況を正確に申し上げさせていただきますと、当日研修所長から最高裁にあてまして、こういうトラブルがあったということの正式の文書による報告がございました。で、その文書による報告の内容を私自身といたしましてはかいつまんで申し上げたつもりであったわけでございますが、その文書を朗読したわけではございませんので、その間少しやや妥当を欠く面もあったかと思います。お尋ねでございますので、短いものでございますので、そのところを朗読さしていただきましてお答えにかえさせていただきたいと思います。
 「(別紙)」でございますが、「予定よりやや遅れて十時三十分ごろ事務局長が開式を宣し、司法研修所長が式辞を述べるため登壇した。ところがその発言前に、前から七、八列目の中央に座っていた阪口徳雄が立ち上り、所長に向い、「任官拒否された修習生に十分ぐらい発言の機会を与えてもらいたい云々」と言い、周囲の者もこれに和し「そうだ、そうだ」という発言、拍手などで式場は騒然となったので、所長は手をあげておだやかに阪口を制し、事務局長は進行係用マイクで「まず、式辞を聞きなさい。」と二度か三度注意した。しかし、彼等はこれを聞かず、中には阪口に対し「マイクでやれ」「前に出てやれ」と声援する者あるいは「止めろ」と叫ぶ者もあった。阪口は自席を離れ、演壇の下に進み出て、演壇用マイクを無断で抜き取り、演壇を背にして修習生に向い、マイクをもつて演説を開始し、式場はますます騒然となった。
 所長は、一言の式辞も述べないままこの事態では到底終了式を続行する可能性がないものと判断して自席に戻ったので、事務局長は進行係用のマイクを持って所長席の近くに行き、所長の指示を仰ぎ「終了式はこれで終了する。」と宣した。しかし、数名の修習生はこれを不満とし、自席を離れて事務局長を取り囲み、「どうして止めるのか」と抗議し、さらに所長、教官の退席を阻止しようとする修習生も若干名あったが、事務局職員が数名でスクラムを組み通路を確保したので、所長、教官も次第に退席し、その後は修習生だけで抗議集会を行なった。」というのが研修所の報告でございます。
 事実は、正確にはこのとおりであるというふうに御承知おきをいただきたいと思います。
(3) 日弁連の対応
ア 7人の任官拒否等に関しては,日弁連会長は,昭和46年4月3日,「13期裁判官の再任拒否問題に関する談話」を出しました。
   なお,13期裁判官は,宮本康昭熊本地家裁判事補のことです。
イ 阪口徳雄修習生の罷免事件では,日弁連が昭和46年5月8日に臨時総会を開催して抗議決議を出しました(日弁連HPの「臨時総会・司法修習生の罷免に関する決議」参照)。

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司法修習生の罷免事由別の人数

目次
1 60期から69期までの司法修習生の罷免人数
2 司法修習生に関する規則18条
3 59期のほか,70期以降については,罷免人数の人数が不明であること
4 司法修習生の罷免に関する事項は不開示情報であること
5 関連記事

1 60期から69期までの司法修習生の罷免人数
(1) 平成29年6月14日付の開示文書及び平成29年7月18日付の開示文書によれば,60期から69期までの司法修習生について,修習期別・罷免事由別の人数は以下の通りです(号数は,70期まで適用されていた司法修習生に関する規則18条のものです。)。
現行60期:3号の罷免のうち,考試不合格が 70人,その他が9人
新 60期:3号の罷免のうち,考試不合格が 76人,その他が5人
現行61期:3号の罷免のうち,考試不合格が 33人,その他が5人
新 61期:3号の罷免のうち,考試不合格が113人,その他が6人
現行62期:3号の罷免のうち,考試不合格が 23人,その他が0人
新 62期:3号の罷免のうち,考試不合格が 75人,その他が3人
現行63期:2号の罷免のうち,考試不合格が  1人
         3号の罷免のうち,考試不合格が 27人,その他が2人
新 63期:3号の罷免のうち,考試不合格が 89人,その他が7人
現行64期:3号の罷免のうち,考試不合格が 24人,その他が1人
新 64期:3号の罷免のうち,考試不合格が 56人,その他が4人
現行65期:3号の罷免のうち,考試不合格が  5人,その他が0人
新 65期:3号の罷免のうち,考試不合格が 41人,その他が8人
66期  :3号の罷免のうち,考試不合格が 43人,その他が9人
67期  :3号の罷免のうち,考試不合格が 42人,その他が5人
68期  :3号の罷免のうち,考試不合格が 33人,その他が7人
69期  :2号の罷免のうち,考試不合格が 54人
         3号の罷免のうち,考試不合格が  0人,その他が5人
(2) 68期までの二回試験の場合,二回試験の不合格者は退職願を提出して司法修習生に関する規則18条3号で罷免されていました。
   しかし,69期二回試験の場合,二回試験の不合格者は退職願を提出するまでもなく,司法修習生に関する規則18条2号で罷免されるようになったみたいです。
(3) 考試不合格を理由とする罷免人数には,二回試験再受験者の不合格者数が含まれます。

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司法修習生の罷免理由等は不開示情報であること

目次
第1 司法修習生の罷免理由は不開示情報であること
第2 罷免された司法修習生の弁明書等は不開示情報であること
第3 司法修習生の戒告,非違行為等は不開示情報であること
第4 寺西判事補事件における裁判官尾崎行信の反対意見
第5 関連資料
第6 関連記事その他

第1 司法修習生の罷免理由は不開示情報であること
1 平成29年1月18日に開催された最高裁判所裁判官会議議事録のうち,70期司法修習生の罷免に関する記載のほぼ全部が不開示情報であるとした,平成30年度(最情)答申第32号(平成30年9月21日答申)には以下の記載があります。
 本件不開示部分のうちその余の記載部分については,その記載内容に照らせば,罷免された司法修習生に係る個人識別情報と認められ,同号ただし書イからハまでに相当する事情は認められない。また,これらの記載部分については,司法修習生の人事事務に関する担当者等の一部の関係職員以外には知られることのない秘密性の高い情報であり,特に罷免理由を公にすると,どのような事案で罷免されるのかといった内容が明らかになるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえず,司法修習生の罷免に係る事務に支障が生じるおそれがあると認められるから,法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する。
2 令和元年6月20日付の理由説明書は以下のとおりです。
(1) 開示申出の内容
裁判官の分限事件手続規則9条に基づき,分限事件の裁判の全文を官報に掲載して公示することで裁判官の罷免理由を公にしているにもかかわらず,司法修習生の罷免理由を公にすると,司法修習生の罷免に係る事務に支障が生じるおそれがあると最高裁判所が考えている根拠が分かる文書
(2) 原判断機関としての最高裁判所の判断内容
最高裁判所は, (1)の開示の申出に対し, 5月21日付けで「情報公開・個人情報保護審査委員会作成の答申書(平成30年度(最情)答申第32号)」(以下「答申書」という。)を対象文書として特定し,開示の判断を行った。
(3) 最高裁判所の考え方及びその理由
ア 最高裁判所が取得した答申書は,罷免された司法修習生の氏名,修習期,罷免理由等を不開示とした最高裁判所の判断に対する苦情申出に関するものであり,答申書の第4の2に,司法修習生の罷免理由を公にすると,司法修習生の罷免に係る事務に支障が生じるおそれがあると最高裁判所が考えている根拠が分かる記載がある。また,答申書以外に本件開示申出に係る司法行政文書を保有する必要はない。
イ よって,本件対象文書を開示した原判断は相当である。

この程度の発言も守秘義務違反で罷免されうるんだろうか…色んな葛藤があり過ぎて取調べ前日は寝られないから早くP修習終わってほしいです😢

— 🌻 (@iiiikkkkeeeeaaa) January 17, 2022

第2 罷免された司法修習生の弁明書等は不開示情報であること
1(1) 70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則19条に基づく報告書は,その全体が不開示情報であるとした平成30年度(最情)答申第41号(平成30年11月16日答申)には以下の記載があります。
 本件対象文書を見分した結果によれば,本件対象文書は,70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則(平成29年最高裁判所規則第4号による改正前のもの)19条に基づく報告書であり,司法修習生の氏名や行状等が記載されていることが認められる。このうち司法修習生の氏名や行状等の記載部分については,法5条1号に規定する個人識別情報と認められ,同号ただし書イからハまでに相当する事情も認められない。また,本件対象文書の性質及び内容を踏まえると,標題等を含む本件対象文書全体について,これを公にすると,司法修習生の罷免事由に関する調査事項,司法修習生の弁明書及び提出された資料の内容が明らかになり,今後の公正かつ円滑な調査及び資料収集事務に好ましくない影響を与えるなど,適正な司法修習生の罷免手続事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。
(2) 70期司法修習生を罷免した際の,最高裁判所裁判官会議議事録(平成29年1月18日開催分),及び平成30年3月14日付の最高裁の不開示通知書(70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則19条に基づく報告書)を掲載しています。
2 司法修習生に関する規則(昭和23年8月18日最高裁判所規則第15号)19条は以下のとおりです。
① 司法研修所長は、司法修習生に第十七条第一項各号のいずれか又は同条第二項の事由があると認めるときは、これを最高裁判所に報告しなければならない。
② 高等裁判所長官、地方裁判所長、検事長、検事正及び弁護士会長は、監督の委託を受けた司法修習生に、前二条の各号に当る事由があると認めるときは、司法研修所長を経て、これを最高裁判所に報告しなければならない。

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司法修習生の罷免等に対する不服申立方法

目次
第1 公務員に対する懲戒処分が違法となる場合等
第2 司法修習生の罷免に対する不服申立方法等に関する答弁
1 5期の大西勝也最高裁判所事務総局人事局長の,昭和56年12月21日の衆議院法務委員会における答弁
2 34期の林道晴司法研修所事務局長の,平成18年1月24日の司法修習委員会(第10回)における答弁
第3 最高裁判所行政不服審査委員会
1 平成28年4月1日の,最高裁判所行政不服審査委員会の設置
2 最高裁判所に対する審査請求によって最高裁判所の判断が是正される可能性は極めて小さい気がすること
第4 司法修習生の罷免処分については,取消訴訟を提起できること等
第5 二回試験の不合格処分自体を争うことは無理と思われること
第6 最高裁判所の罷免処分を争う実益はない気がすること
第7 行政訴訟に関する事件報告
第8 関連記事その他

「品位を辱める行状」があったことを理由とする司法修習生の罷免事例及び再採用 https://t.co/OdgkEjOlZC

— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) November 5, 2020

第1 公務員に対する懲戒処分が違法となる場合等
1(1)ア   公務員に対する懲戒処分について,懲戒権者は,懲戒事由に該当すると認められる行為の原因,動機,性質,態様,結果,影響等のほか,当該公務員の上記行為の前後における態度,懲戒処分等の処分歴,選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等,諸般の事情を考慮して,懲戒処分をすべきかどうか,また,懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定する裁量権を有しており,その判断は,それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し,又はこれを濫用したと認められる場合に,違法となります(最高裁平成24年1月16日判決。なお,先例として,最高裁昭和52年12月20日判決,最高裁平成2年1月18日判決参照)。
イ 最高裁令和4年6月14日判決も同趣旨の判断をしています。
(2) 最高裁昭和32年5月10日判決は,公務員に対する懲戒処分は,特別権力関係に基づく行政監督権の作用であると判示していました。
2 公務員に対する懲戒処分を争う方法については,あなたの弁護士HPの「懲戒処分に対する取消訴訟の方法|懲戒処分が取消可能な条件と理由」が参考になります。
   
第2 司法修習生の罷免に対する不服申立方法等に関する答弁
1 5期の大西勝也最高裁判所事務総局人事局長の,昭和56年12月21日の衆議院法務委員会における答弁
① 司法修習生が罷免されました場合の不服申し立て方法といたしましては、まず問題がないと思われますのは、行政事件訴訟法に言っておりますいわゆる抗告訴訟の対象になるということで、訴訟の道があるというふうに解釈できるであろうというふうに思います。
   もう一つの、いま稲葉委員御指摘になりました行政不服審査法による不服の申し立ての関係につきましては、あるいはこれも法律解釈の問題でございまして、違う意見もあるいはあるかもしれませんけれども、一応行政不服審査法のたしか四条にできない場合のことが列挙してございまして、その中には研修所の研修生というようなものも入っておるわけでございます。それはそれといたしましても、修習生はそもそも国家公務員ではないというふうに考えられておりますことからいいましても、ちょっと行政不服審査法による不服の手続に乗っけることはできないのではないかというふうに私どもは考えております。要するに、行政事件訴訟法による訴訟によって救済ができるというふうに考えております。
② 修習生の罷免の問題について、確かにそういう問題(注:最高裁判所は、自分で処分していて、罷免していて、それが上がってくれば、罷免せずという判決をするわけないでしょうという問題)がございますが、これは単に修習生だけの問題ではございませんで、裁判所職員全体につきましての、最高裁判所が任命権を持っております職員に対する懲戒処分の問題でございますとか、その他いろいろ最高裁判所自体が行政上判定をいたしますものに対して訴訟が起こってくる、それの最終審がやはり最高裁判所であるという意味では、同じようなことがほかにもあるわけでございますが、最高裁判所としては、その行政権の主体として一定の行政目的を達成するために処分をいたします場合、それと訴訟が起こってきまして両方の当事者の言い分を聞きまして判決を下す、決定を下すという場合は、つまり別の次元に立って一応考えるということをやっておるつもりでございますし、憲法もそれを予想して両方を最高裁判所に与えておるというふうになるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
2 34期の林道晴司法研修所事務局長の,平成18年1月24日の司法修習委員会(第10回)における答弁
① 罷免事由の規定については,司法修習生の身分の得喪にかかわる事項であり,従前から,その適用に当たっては十分に調査をした上で,必要があれば当該司法修習生と面談するなどしてきたし,今後もこの規定の適用に当たっては,同じように事前調査,当該司法修習生からの事情及び意見の聴取等の手続をとって慎重に行っていく。

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新65期の場合,平成30年7月25日から修習資金の返還が開始すること

1(1)   修習資金貸与金は,修習期間の終了した月の翌月から起算して5年を経過した後,10年の年賦により返還することになっています(修習資金の貸与等に関する規則7条本文)。
(2)   新65期の場合,修習期間が終了したのは平成24年12月ですから,翌月から起算して5年を経過した月は平成30年1月となります。
   そのため,平成30年7月25日(司法修習生の修習資金の貸与に関する規則7条・修習資金貸与要綱16条)に最初の年賦金を支払うこととなります。
(3) 最高裁判所の歳入徴収官(最高裁判所事務総局経理局長のことであることにつき裁判所会計事務規程3条及び別表第二・1項)は,年賦金等の督促(修習資金貸与要綱23条),保証人に対する請求(修習資金貸与要綱24条)又は返還未済額の全部の返還請求(修習資金貸与要綱25条)をした後,相当の期間を経過してもなお当該督促又は請求を受けた被貸与者又はその保証人が履行しない場合,法務大臣に対し,訴訟手続(非訟事件の手続を含む。)により履行を請求することを求めるものとされています(修習資金貸与要綱26条)。

2(1) 平成28年7月8日開催の第4回法曹養成制度改革連絡協議会資料4-1法曹の収入・所得,奨学金等調査の集計結果(平成28年7月)の末尾33頁(PDF37頁)には,「イ 司法修習終了後5年6月経過時点(修習資金の返還開始時点)での残債務額」という記載があります。
(2) 平成29年6月7日付の司法行政文書不開示通知書によれば,裁判所HPに掲載しているものを除き,修習資金貸与金の管理マニュアルは存在しません。

3(1) 司法修習ナビゲーションHPの「貸与金制度は利用するべきでしょうか?」には,以下の記載があります。
   弁護士になって、売れっ子になれば、300万円や400万円というお金は、場合によっては、一か月の仕事で稼いでしまえるお金です。
   そう、実際、吉田は今年、一か月単位の売上は300万円よりは多いです。
   そういう、「それなりの弁護士」になることができたのは、やはり、司法修習という人生経験で弁護士としての基盤をしっかりとつくったからだと思います。
   貸与制の借金を払い終えるころというのは、弁護士15年目ということになると思います。
弁護士経験15年目の弁護士が「返済に悩むレベル」というのは、3千万から3億円というレベルです。 
   貸与制の300万円というのは、悩みというには少額すぎる金額です。 
   ゴーマンをかますというわけでもありませんが,15年目の弁護士にとっては,300万というのは鼻クソです。
   鼻クソのことで悩む必要は,普通は,ないと思います。
   そういうわけで、悩むことなく、堂々と借金して、精一杯に修習を経験して、楽々と借金を返済してください。 
(2) シュルジーブログの「15年目の弁護士にとっては,300万というのは鼻くそです。」(2017年9月29日付)には以下の記載があります。
   借金の条件が破格だということと、給費が貸与と同じかどうかは、別のことでしょう。
   返済しなければならない債務としての負担の重さは、利息の有無や返済期間とは関係なく、人によるとしか言いようがありません。
   同じく、15年目の弁護士にとって300万が鼻クソかどうかも、人によるとしか言えません。
   気安く貸与を推奨して、もしその人の人生が狂ったりした場合に、この先生は責任を取れるんでしょうか。
   本当の論点は、「貸与を受けるかどうか」などということでは、もはやないのですよ。
   我々に突きつけられる問題とは、「法曹は目指すべき職業なのかどうか」です。

4 「司法修習生の修習資金貸与制」も参照して下さい。

司法研修所弁護教官の任期,給料等

目次
1 総論
2 司法研修所弁護教官及び弁護教官室所付の謝金,及び日弁連の経済的支援
3 弁護教官候補者の推薦依頼に関する文書
4 司法研修所弁護教官の職務内容に関する説明文書は存在しないこと
5 その他最高裁判所に存在しない文書
6 司法修習生研修委託費
7 関連記事その他

1 総論
(1) 東京弁護士会が発行している「とうべんいんふぉ」2016年5月号の「司法研修所弁護教官候補者の公募と「所信を聞く会」開催のお知らせ」(リンク切れ)によれば,司法研修所弁護教官の任期,給料等は以下のとおりです。
① 司法研修所弁護教官の任期は慣例により3年間程度です。
②   司法研修所弁護教官に対する司法研修所からの謝金は,年間で概ね260万円から340万円の間となっています。
   ただし,これとは別に,東京弁護士会から月13万円の補助金が支払われています。
③ 司法研修所弁護教官の業務量は,弁護士としての年間執務量の半分以上を取られます。
(2) 民事弁護上席教官及び刑事弁護上席教官については通常,弁護教官3年目の弁護士が就任しています。

世間知らずの修習生の頃なら裁判官と一緒にその弁護士を嘲笑ったかもしれないが今はその手の先生が裁判官から見えない所で能力が高いことが多いことを知っている。裁判官から評価されてもうまい飯は食えんしよいおべべも着れないし豪華な家にも住めんのや。 https://t.co/OqOV2rLT0S

— 腹柱 K 9 9 9 9 (@k999941457035) November 15, 2021

取り扱う業務が基本的に紛争であるため、感情面も含めて鋭い対立の前面に長期間晒されることから、一つの事件におけるストレスが結構キツいものがある上、生活のためには次々とやってくる事件を受けざるを得なくて終わりが見えず、さりとて目標をどこに置けば良いのか全く分からないという町弁の辛み。

— カール=レーフラー (@hirohika777) March 6, 2022

司法研修所の弁護教官、期は50~60期、55才くらいまでが望ましいという条件は俺に合ってるけど、週2~3日拘束、12月はほぼ毎日という点がむずかしい。やはりあれは多重会務者で、かつ、空き時間に余裕のある人じゃないとやるのは無理だと思った。

— スラ弁(弁護士大西洋一) (@o2441) August 13, 2022

2 司法研修所弁護教官及び弁護教官室所付の謝金,及び日弁連の経済的支援
(1)ア 「弁護教官等の謝金について」を以下のとおり掲載しています。

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(AI作成)弁護実務修習指導のしおりの解説

◯本ブログ記事は,「弁護実務修習指導のしおり」(平成29年12月の日弁連司法修習委員会の文書)についてAIで作成した解説です。

目次

第1 はじめに
1 「弁護実務修習指導のしおり」の目的と役割

2 近年の法曹養成制度改革と改訂の経緯
(1) 司法修習の期間と構成の変化
(2) 指導担当弁護士に求められる今日的役割

第2 司法修習委員会の運営にあたり留意すべき事項
1 司法修習生の受託と各弁護士会の責任
(1) 司法研修所長からの委託という法的性格
(2) 日弁連と各弁護士会の役割分担

2 指導担当弁護士の選任と配属の最適化
(1) 選任基準の工夫と多様性の確保
(2) 修習生の個別的事情への配慮

3 個別修習と合同修習の有機的連携
(1) 導入修習を踏まえた合同修習の設計
(2) 選択型実務修習への移行と質の維持

第3 実務修習指導にあたり留意すべき事項
1 適切な修習環境の整備と執務時間
(1) 事務所設備の確保と事務職員との協力
(2) 執務時間の設定と超過修習の制限

2 休日及び自由研究日等の適正な運用
(1) 休日の定義とワークライフバランス
(2) 自由研究日と自宅起案日の峻別

3 欠席承認の手続きと成績への影響
(1) 欠席承認の権限と手続きの流れ
(2) 長期間の欠席に関する報告義務

4 守秘義務と情報セキュリティの徹底指導

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66期及び67期で実施された弁護導入講義

目次
第1 66期及び67期で実施された弁護導入講義
第2 関連記事その他

第1 66期及び67期で実施された弁護導入講義
・ 45期の吉崎佳弥司法研修所事務局長は,平成25年3月4日の第23回司法修習委員会において以下の説明をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
1 弁護修習については,平成22年9月の第17回委員会以降,意見交換が行われ,新司法修習の到達目標を踏まえた弁護実務修習における指導の在り方等について,方向性の確認がされてきたところである。
2 新司法修習においては,新しい時代の多様な法的ニーズに対応し,幅広い分野で活動する法律実務家の養成を念頭に,そのために共通して必要となる事実調査能力,法的分析能力,事実表現能力及び問題解決能力等の基本的かつ汎用的な能力のかん養に重点を置いている。この点は,弁護修習においても異なるところではない。
   そして,1年間の司法修習の中で,このような実質的な能力をかん養するためには,司法修習の前段階である法科大学院教育から,実務修習,集合修習までの過程を有機的に連携したものとし,効果的で密度の濃いプログラムを実施していく必要があると考えられる。
3 そのような中,法科大学院教育から司法修習,とりわけ弁護実務修習への移行については,これまで司法修習生や個別指導担当弁護士の戸惑いがあるとの指摘がされていたところである。
   そのような指摘を踏まえて,委員会において弁護実務修習における導入的教育の在り方について御議論をいただき,平成23年9月の第20回の委員会において,取りまとめがされた。そこでは,分野別弁護実務修習に円滑に移行するための導入的教育について,第66期司法修習から,全国の弁護士会に共通のカリキュラムとして,第1クールの早い段階で1回,2日(民事弁護・刑事弁護各1日)程度,各実務修習地の修習生全員が参加する導入的カリキュラムを実施することとされている。
   そして,その際には導入的カリキュラムの内容について,司法研修所の弁護教官室が行う導入的講義としての出張講義等との連携を図り,全体として効果的な内容にする必要があること,弁護士の活動全般について具体的なイメージを持たせるとともに,分野別実務修習において何をどのように学ぶかを明確にするガイダンスや,法科大学院で履修した内容を確認するとともに,比較的簡単な事案を用いて実際の法的分析,事実認定等に触れる機会を与えることなどが考えられるとされた。
   また,導入的カリキュラムの内容に関し,起案にこだわるのではなく,法科大学院で修得した知識等を実務の中でどのように使っていくのか,どのようにして具体的事実を分析,検討していくのかという基本的な考え方を指導するなど,弁護士倫理等も含めて,導入段階で全員を集めて実施するのにふさわしい,効果的なものを検討すべきであるとされた。
4 このような委員会での取りまとめを踏まえて,昨年11月30日,12月3日の両日,第66期司法修習生全員を対象に,全国の弁護士会において,初めての弁護導入講義が実施された。
5 弁護導入講義のカリキュラムの内容については,司法研修所の各弁護教官室と,日弁連のプロジェクトチームが連携し,出張講義との連続性,一貫性という観点も踏まえた効果的なものとなるよう検討がされた。民事弁護においても刑事弁護においても,100分ずつ2コマの共通カリキュラムと,各単位弁護士会で実施する個別のカリキュラムを通じて,民事事件,刑事事件それぞれについて,弁護士の活動全般について具体的なイメージを持たせるとともに,弁護実務修習を含め分野別実務修習において何をどのように学ぶかを明確にするガイダンスを行い,さらには,それぞれの事前課題の検討やこれに対する解説等を通じて,法科大学院で履修した内容を確認するとともに,比較的簡単な事案を用いて実際の法的分析,事実認定等に触れる機会を与えるものとなっている。
   民事弁護における課題を例に取ると,事実関係が判然としない中で,どのようにして事実を調査し,どのような証拠をどのような手段で収集するか,依頼者の利益を擁護するためにどのような法的手段が考えられるか,あるいは,受任に当たり弁護士倫理上問題はないかといった,弁護士の日常的な業務を意識した内容となっており,修習生が弁護実務修習において個別指導担当弁護士の指導の下で修習する内容との連携が意識されたものとなっている。
6 また,司法研修所においては,弁護科目の導入的カリキュラムの一つとして,教官が各修習地に赴き,同地に配属された修習生全員を対象として,出張講義を行っている。第66期については,本年1月上旬に,午前中に民事弁護1コマ,午後に刑事弁護1コマという形で全国各地において実施された。
   その概要は,民事弁護科目,刑事弁護科目とも,先に弁護導入講義が実施されていることを踏まえ,比較的簡単な事案を用いて実際の法的分析,事実認定等に触れる機会を与えつつ,弁護士活動について,より具体的にそのイメージを理解させるものとなっている。
   例えば,刑事弁護では,弁護導入起案と同一の事案を素材とし,弁護導入講義の中で示されたいわば総論部分,すなわち,検察官の立証構造を明らかにした上で,争点を的確に把握し,その争点に向けた主張立証をしていくという刑事弁護人の活動の在り方を前提に,当該事案において具体的にどのように活動していくのか等についての指導が行われた。
   また,刑事裁判修習や検察修習において,刑事弁護人の視点でも事件を分析してみたり,あるいは,様々な刑事弁護人の活動を見ておくといった,意識付けもされていたところである。

第2 関連記事その他
1 66期及び67期の場合,全国の弁護士会において,実務修習の初日及び2日目に弁護導入講義が実施されました。
2 愛知県弁護士会HPに「当会における冒頭修習と新たな弁護導入講義の概要」(平成24年7月)が載っています。
3 平成25年7月23日付の司法研修所長の文書には以下の記載があります。
   67期司法修習生の修習については,先日御連絡いたしました2日間(12月2日,3日)の弁護導入講義の他に,第1クール中に検察講義及び民事弁護・刑事弁護講義を,第3クール中に,民事弁護・刑事弁護講義をそれぞれ実施する予定です。これらの講義は,貴庁を含めた三庁会の配属修習生全員を対象とするものです。
4 以下の記事も参照してください。
・ 導入修習の実施に関する司法研修所事務局長の説明
・ 導入修習カリキュラムの概要
・ 68期導入修習カリキュラムの概要

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司法研修所別館の研修東棟及びなごみ寮

目次
1 総論
2 司法研修所別館の新築までの経緯
3 国土交通省関東地方整備局HPの説明
4 関連記事

1 総論
(1) 裁判所HPの「司法研修所について」の「5.アクセス」にあるとおり,司法研修所別館の研修東棟が,裁判所職員総合研修所の北隣の敷地に存在します。
(2) 司法研修所別館は専ら裁判官の研修のために使用されています。
(3) 梓設計HPの「実績紹介」に,国土交通省関東地方整備局が発注者となった司法研修所別館(4階・SRC造等)の写真が載っています。
(4) 司法研修所別館の最寄りのバス停は,東武バスの税務大学正門となります。
(5) なごみ寮は,和光市の「和」(なごみ)にちなんだ名称らしいです。
(6) 司法研修所別館ガイド1/2及び2/2を掲載しています。

2 司法研修所別館の新築までの経緯
(1) 司法研修所別館は,「和光市基地跡地利用計画」(平成20年6月)の「和光市の未処分用地・留保地」の敷地③(留保地)(1.9haの国有地)を最高裁判所が取得して建設されました。
(2) 司法研修所別館の研修東棟及びなごみ寮(宿泊棟)は平成25年9月に新築されました(裁判所HPの「裁判所施設の耐震診断結果等の公表について」の「平成28年度 裁判所施設の耐震性に係るリスト」参照)。
(3) 「和光市基地跡地利用計画」(平成20年6月)によれば,裁判事務処理のIT化による新システムの導入に伴うサーバールーム等の設置も予定されていました。

3 国土交通省関東地方整備局HPの説明
・ 国土交通省関東地方整備局HPの「司法研修所 研修棟」には以下の記載があります。
施設整備の概要
本施設は、司法研修所の別館として「裁判所職員総合研修所」に隣接して整備した。計画は、裁判官が日頃の執務の現場から離れ、多様な人たちからの情報提供や、自由闊達な意見交換等の交流を通じ、これからの裁判の運営、判断の在り方を考え、自らの思索を深める場としてふさわしい研修所となるよう、潤いのある空間として整備することをコンセプトとしている。緑豊かな周辺環境に配慮し裁判所施設として一体感のあるよう、隣接する裁判所職員総合研修所との機能連携や群としての修景にも併せて配慮し、質の高い都市景観を形成している。
建物の諸元
所在地:埼玉県和光市二丁目1535-20
敷地面積:18,955 m2
建築面積:3,140 m2
延べ面積:10,575 m2

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司法修習生の身分に関する最高裁判所事務総局審議官の説明

目次
第1 司法修習生の身分に関する最高裁判所事務総局審議官の説明
第2 平成16年の裁判所法改正で修習専念義務を明文化した理由
第3 関連記事その他

第1 司法修習生の身分に関する最高裁判所事務総局審議官の説明
・ 37期の菅野雅之最高裁判所事務総局審議官は,平成23年8月4日の「第4回法曹の養成に関するフォーラム」において以下の説明をしています(リンク先の7頁及び8頁)(ナンバリング及び改行を追加しました。)(掲載資料の一覧につき,法務省HPの「法曹の養成に関するフォーラム第4回会議(平成23年8月4日開催)」参照)。

1 今,川上オブザーバーから御指摘いただいた点,具体的には日弁連提出資料の資料6の資料1としてペーパーをお出しいただいているわけですが,このペーパーの中で2ページの3,「司法修習と給費制は不可分一体のもの」との見出しを付けたパラグラフの記述におきまして,その主張の根拠として最高裁判所判決,あるいは最高裁判所事務総局編の裁判所法逐条解説等の記載が援用されているわけでございますが,これらの点については,ちょっと論旨を誤って用いられているのではないかと思われますので,この点についてのみ一言申し上げさせていただきます。
   なお,念のためここで引用されている判例につきましては,本日御参考までに全文を資料7として提出させていただいておりますし,文献につきましては日弁連さん御自身が資料として提出されていますので,正確な事実関係については,後ほどこれらの原典に当たっていただければ,私どもの申し上げたいことを十分に御理解いただけるものと思っております。

2 まず,日弁連が援用する昭和42年の最高裁判所判決は,司法修習生がその身分を離れるに際し,退職手当の支給を求めた事件について,「司法修習生は国家公務員退職手当法にいう国家公務員又はこれに準ずる者に当たらない」との判断を示し,退職手当の請求を棄却した原審の判断を是認したものです。
   この判決は,司法修習生は法曹資格を取得するための修習を行うものであって,国の事務を担当するものでないなどとして,国家公務員には当たらないとし,また,修習期間中,国庫から一定額の給与を受けるほか,諸手当や旅費が支給され,さらに,一定の身分上の規律に服し,兼業を禁止され,守秘義務を負うが,これらは司法修習生をして修習に専念させるための配慮ないしは修習が秘密事項に関することがあるための配慮に過ぎず,司法修習生の勤務形態が国の事務に従事する職員に類似し,又はこれに準ずる形式ないし実態があるからではないとした上で,これらの取扱いを根拠として司法修習生を退職手当法の適用を受け得る職員に準ずる者と解することはできないとしております。

3 このようなことから明らかなように,この判決は,給費制がとられている時代の司法修習生について,給費を受けていることが国家公務員に準じる者に当たると解する根拠にならないとの判断を示したものであって,その理由の中で給費は職務の対価ではなく,修習に専念させるための配慮に過ぎないと述べているものです。
   この事件では給費制の当否が争点となっているのではないことから,この程度の判断にとどまるのは当然のことですが,司法修習生をして,修習に専念させるための配慮として,給費制が必須のものという判断を示したものでないことは明らかでありまして,給費制が政策的に望ましいかどうかについて言及するものでないことも明らかです。
   司法修習制度と給費制が不可分一体のものという日弁連の主張の裏付けとして,この判決を援用するのはいかがなものかと思います。

4 なお,日弁連のペーパーには,修習生の給費と「公務員に準じた身分」とが不可分一体のものであることの根拠として,日弁連提出資料の2番の旧版の司法修習生便覧に,「司法修習生は公務員ではないが,給与,規律,その他の身分関係については公務員に準じた取扱いを受ける」との記載があることを指摘しております。
   しかし,このような記載は給費制のもとで司法修習生に対して給与等が公務員に準じて支給されている実情があることから,それらを含めた司法修習生の身分関係に関する規律を簡潔に説明するものとして,公務員に準じた「取扱い」を受ける旨の表現を用いたものに過ぎず,様々な法律関係において司法修習生を準公務員として取り扱うべきという内容のものではありませんし,またこの司法修習生の身分と給費が不可分一体ということを述べているものでないことは,記載自体からも明らかだと思われます。

5 次に,日弁連がどのような趣旨で裁判所法逐条解説の記載を注記されているのか,ちょっと真意をはかりかねるところはございますが,その記載というのは,貸与制が導入される前の旧裁判所法67条2項に,「司法修習生は,その修習期間中,国庫から一定額の給与を受ける」との規定の解説の一部分でありまして,司法修習生について給費制の当否を論じ,給費制をとるべきであるという結論を述べるものでは全くなく,給費制がとられている場合には,その給与は弁護士会などからではなく,当然,「国庫から」受けるべきであることを述べているのに過ぎません。
   弁護士会での実務修習もあり,疑義を避けるために,法文上,特に「国庫から」給与を受けることを明らかにしたものであることを解説したものであり,このことは日弁連御自身が提出された資料6の5の逐条解説の「22/49」と表記されております。

6 397ページの末行部分のその該当部分及びその前後を併せ読めば明らかだと思います。

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司法修習生の名刺

目次
1 司法修習生の名刺の作成時期
2 司法修習生の名刺の作成方法
3 司法修習生の名刺の記載事項
4 関連記事その他

1 司法修習生の名刺の作成時期
(1) 合格発表後,実務修習地決定「前」の場合,①法科大学院時代の名刺,又は②「第○○期司法修習生(予定)」という名刺を使用すればいいと思います。
   11月27日の司法修習生採用発令後も使用できるように,「第○○期司法修習生」という名刺を使用する人もいるかも知れませんが,採用内定通知すら届いていない段階で,「第○○期司法修習生」という名刺を使用するのは早すぎると思います。
(2)ア 実務修習地決定「後」の場合,配属庁を記載した「第○○期司法修習生」という名刺を作成した方が,11月27日の司法修習生採用発令後も使用できて便利と思います。
   厳密にいえば,まだ司法修習生の身分を有していないわけですが,このような名刺を就職活動等で使用しても特に問題ないと思います。
イ 遅くとも実務修習地が決定した後は,就職活動等に際して法科大学院時代の名刺はもう使わない方がいいと思います。

2 司法修習生の名刺の作成方法
(1) 業者に頼む場合
ア 就職活動等で使う名刺は,自分で作成するよりも,プリントメイト,フォトスタジオアペックス,株式会社伸和のほか,大阪駅の近くにあるあっとめいし大阪店といった名刺業者に頼んで作成した方が見栄えがよくていいと思います。
イ 令和元年司法試験合格者のブログの「司法修習生の名刺 私の場合」には以下の記載があります。
   完成した数十枚の自作名刺を前に、つくづくコスパが悪いと思ってしまうのでした…
   これなら100枚1000円以下で制作してくれる名刺会社に依頼(せめてデータ入稿)して、作ってもらう方が何十倍もコスパがよろしい。
ウ 司法修習生の名刺のデザイン見本がプリントメイトHPの「司法修習生専用名刺」に掲載されていますし,司法修習生の名刺に関する疑問については,プリントメイトHPの「よくある質問と答え(司法修習生専用名刺FAQ)」が参考になります。
   また,プリントメイトでは,判事補の着任挨拶等に使用できる,「判事補専用名刺」も作成しているみたいです。
エ 「司法修習生の名刺ならお任せください!  梅田で名刺の事なら@名刺(あっとめいし)大阪店」に,73期司法修習生の名刺の見本が載っています。
(2) 自分で作成する場合
   司法修習生及び司法修習予定者の名刺のひな形となるワードデータが外部HPの「司法修習生と司法修習予定者の名刺」に掲載されています。
   そのため,名刺を自作する場合,このデータを使用すれば便利であると思います。

確かに就活の観点からだと、断然、写真有りがオススメです。

採用側も多くの修習生と名刺交換するので、印象を残すなら写真は重要です。
社会人経験のある方は、前職を記載するのも効果的だと思います。 https://t.co/7weJLyj68p

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修習資金の返還の免除

目次
1 総論
2 修習資金貸与要綱29条の条文
3 修習資金の返還免除と税金
4 関連記事その他

1 総論
(1) 死亡又は精神若しくは身体の障害により修習資金を返還することができなくなった場合,その修習資金の全部又は一部の返還を免除してもらえます(裁判所法67条の2第4項)。
(2) 修習資金の返還の免除を申請する場合,最高裁に対し,被貸与者が死亡又は精神若しくは身体の障害により修習資金を返還することができなくなったことを証する資料を添付して,返還免除申請書を提出します(修習資金貸与要綱29条1項及び2項)。
(3)    裁判所HPの「ガイド~据置期間・返還期間中の手続について~」(リンク切れ)の「第6 返還期限の猶予について」によれば,提出書類は以下のとおりです。
① 返還免除申請書(PDF:225KB)
② 障害者手帳等(障害の有無及び程度を証明する書類)
③ 所得証明書,課税証明書,収入額を証明する書類,資産に関する申述書等

2 修習資金貸与要綱29条の条文
(返還の免除の手続)
第29条 法第67条の2第4項の規定による修習資金の全部又は一部の返還の免除の申請は,別紙様式第9による返還免除申請書を最高裁判所に提出してするものとする。
② 前項の返還免除申請書には,被貸与者が死亡又は精神若しくは身体の障害により修習資金を返還することができなくなったことを証する資料を添付しなければならない。
③ 最高裁判所の歳入徴収官が第1項に規定する申請の審査に際し必要と認める場合には,被貸与者は,医師による診断を受けなければならない。この場合において,最高裁判所の歳入徴収官は,当該医師を指定することができる。
④ 最高裁判所の歳入徴収官は,第1項に規定する免除をする場合には,当該免除を申請した者,被貸与者及びその保証人に対し,その旨を通知するものとする。

3 修習資金の返還免除と税金
(1) 学資に充てるために貸与された奨学金の返済を免除する場合,学資金として非課税となることがある(国税庁HPの「別紙 貸与制から給付制への移行に伴い奨学金返済債務が免除された場合等の税務上の取扱いについて」参照)ものの,修習資金はそもそも学資に充てるために貸与されたお金ではありません(「修習給付金は必要経費のない雑所得であるとした国税不服審判所令和3年3月24日裁決」参照)。
    そのため,修習資金の返還免除により生じる経済的利益は,一時所得として収入金額に計上する必要があると思います(国税庁HPの「問9-3 学生に対して大学等から助成金が支給された場合の取扱い〔令和2年5月15日追加〕」参照)。
(2) 一時所得は,その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後に納める税額を計算しますところ,一時所得に係る収入金額が50万円以下であれば,そもそも課税関係は発生しません(国税庁HPの「一時所得」参照)。

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1 司法修習生に対する修習資金及び修習専念資金の貸与・返済状況等に関するデータの提供について(令和2年11月16日付の最高裁総務局長回答)を掲載しています。
2 以下の記事も参照してください。
・ 修習資金貸与金の返還を一律に免除するために必要な法的措置,及びこれに関する国会答弁

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