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(AI作成)立法の品質管理を可視化した文書──内閣法制局「法令案誤り防止の手引」チェックポイントと誤り事例

◯本ブログ記事は,「法令案における誤りの防止について(手引)(改訂版)」(令和3年12月の内閣法制局の文書)の解説文書として,専らAIで作成したものです。

はじめに──内閣法制局「法令案における誤りの防止について(手引)」とは(当方整理)

内閣提出の法律案・政令案には、条項の引用や字句の書換えといった「形式的事項」の誤りが忍び込みやすい。
本記事は、内閣法制局が令和3年12月にまとめた「法令案における誤りの防止について(手引)(改訂版)」を、情報公開請求により入手した開示文書に基づいて紹介するものである。

この手引は、内閣提出の法案及び政令案(同手引では併せて「法令案」という。)について、条文の引用のずれ・改め文の字句の不一致・条名や項番号の連続性の乱れといった形式的な誤りを、どの段階で・誰が・どのような着眼点で潰していくかを、内閣法制局と立案府省庁が共有するために作られた実務マニュアルである(同手引1頁)。
本体(第1・第2)で誤り防止のための体制と手順を定め、別紙1から別紙6までで「特に誤りを生じやすい事項」についての必須チェックポイントと具体的な誤り事例を掲げ、別添として実際に記入・提出する「誤りチェックシート」を付している(同手引目次)。

弁護士実務の観点からみると、これは立法過程の品質管理を可視化した稀有な資料であり、法改正の条文を読むとき・準備書面で条項を引用するとき・改め文形式の条文を追うときに、どこに落とし穴があるかを逆算的に教えてくれる(当方整理)。

手引が作られた経緯と改訂の歩み

同手引の冒頭(1頁)は、この手引が作られた直接の契機を率直に記している。
内閣法制局は、第159回国会で成立した国民年金法等の一部を改正する法律(平成16年法律第104号)について、法案の形式的事項に多数の誤りがあり、公布後において官報による正誤処理をせざるを得なかったことを契機として、平成16年にこの手引を作成したとされる。
あわせて、法令案における誤り防止のためのツールの一つとして、平成18年に法令審査支援システムを導入し、立案府省庁等の利用にも供して、同システムによる形式的事項のチェックを行ってきたという。

それにもかかわらず、令和3年の第204回国会において、内閣提出の4法案1条約に計14件の形式的事項の誤りがあることが判明した。
同手引はこれを「誠に遺憾である」とし、法律等の条文は国民の権利義務に関わることから正確性を十分に求められるものであり、内閣提出の法令案に形式的事項といえども誤りがあってはならないと述べたうえで、改めて当局と立案府省庁等とが連携して実効的な態勢を確立し、継続的に取り組んでいく必要があると宣言している(同手引1頁)。
この令和3年の事態を受けた見直しが、本記事で扱う改訂版に反映されている。

文書に記された制定・改正の日付は次のとおりである(同手引1頁の日付表示による)。

区分年月日位置づけ(当方整理)
制定平成16年8月30日国民年金法等改正法(平成16年法律第104号)の形式的事項の多数の誤り・官報正誤処理を契機に、内閣法制局が策定
改正平成16年12月9日当初版の改正
改正令和3年9月13日改正
改正令和3年12月24日第204回国会での4法案1条約・計14件の形式的事項の誤り判明を受けた見直し(本記事で扱う改訂版)

同手引の末尾(1頁)には、この手引は今後の実施状況等によりその内容に変更及び追加を行うことを予定している旨が付されている。したがって、本記事が紹介するのは令和3年12月24日時点の改訂版の内容である。

第1 法令案における誤りを防止するための基本的事項

第1(同手引1頁〜3頁)は、そもそも誤りを生じにくくするための土台として、審査スケジュールの平準化と、複数の目による重層的なチェック態勢の確立を掲げる。
掲げられた9項目の骨子は次のとおりである。

1 予備審査が一時期に過度に集中することがないよう「法令協議に関する申合せ(平成5年1月18日各省庁文書・国会担当課長会議)」を徹底し、常会に提出を予定する法案の予備審査について、非予算関連法案にあっては10月上旬から開始して年内に終了するよう、予算関連法案にあっては翌年1月上旬から開始するよう努めること。ただし、予算関連法案であっても、予算案等の確定を待つことなく予備審査を行うことができる部分については、10月上旬から開始するよう努めること。

2 政令案についても、できるだけ早期に準備をし、時間的余裕をもって審査を行うことができるようにすること。また、12月から翌年3月までは、常会に提出する法案の予備審査が集中することを踏まえ、いわゆる年度末政令等この時期に審査が必須な政令案以外の審査は行わないように審査スケジュールを組むこと。

3 法令案の実質的事項についての審査を終えた後において形式的事項のチェックに必要な時間を十分に確保することができるよう、当該法令案の閣議付議の予定日を設定すること。

4 立案府省庁等においては、立案担当部局によるチェックを強化することに加え、これとは別に、立案担当部局以外の大臣官房等の職員による複層的チェックを行う態勢を確立すること。これに伴い、法令案ごとに、複層的チェックの統括責任者(管理職)及び実施責任者(補佐クラス)の官職及び氏名等を審査担当参事官に通知すること。

5 一括法、整備法、附則等による改正で、立案府省庁等以外の府省庁等の所管する法令の改正に及ぶ場合は、当該法令を所管する他の府省庁等においても複層的チェックを行い、その統括責任者及び実施責任者の官職及び氏名等を、当該法令の改正の審査(下審査)を担当する参事官に通知すること。

6 立案府省庁等においては、法令案の形式的事項のチェックに際し、法令審査支援システムを活用すること。

7 各府省庁等においては、法制実務の基本に関する研修を実施するなど、法令案の形式的事項について的確なチェックを行うことができる職員の養成に努めること。

8 審査担当参事官は、自らチェックするほか、立案担当責任者並びに複層的チェックの統括責任者及び実施責任者との連絡を密にして立案府省庁等におけるチェックの態勢・実施状況等を把握し、適時に誤りチェックシート及び法令審査支援システムによる点検結果一覧の提出を受け、形式的事項のチェックが実効的に行われていることを確認すること。

9 なお、法令審査支援システムの機能強化等、法令案の形式的事項のチェックにおけるIT技術の利用の促進について、更に検討を進める。

全体を貫く発想は、(当方整理)「①締切に追われて形式チェックの時間が消える事態を避ける」「②担当部局の内部チェックに加え、大臣官房等の別部隊による複層的チェックを制度として重ねる」「③その責任者を実名で法制局に通知し、責任の所在を可視化する」という三段構えである。

第2 法令案における誤りを防止するための具体的措置

第2(同手引3頁〜11頁)は、第1の基本方針を、立案・審査の各局面ごとの具体的な作業に落とし込んだ部分である。
大きく、①立案及び審査の前提となる資料の確認、②立案及び審査の過程での的確な対応、③形式的事項のチェック(別紙に接続)、④法案提出後のフォローの4つに分かれる。

立案及び審査の前提となる改正対象法令等の規定の確認等

官報等の基礎資料の整理

当局の審査は、現行日本法規若しくはその電子版のスーパー法令ウェブ又は法制執務業務支援システム(e-LAWS)(同手引では「現行日本法規等」という。)に登載された法令の規定をベースに行う。
もっとも、改正法令が未施行であることやデータ更新の時期等によって、審査の時点で現行日本法規等に本改正の前提とすべき改正対象法令の規定が反映されていない場合も少なくない、と同手引3頁は指摘する。
そのため、立案府省庁等において、官報又は法案(正誤を含む。同手引では「官報等」という。)によって当該改正の内容及び施行期日を確認したうえで、①施行期日ごとに区別して関係部分にマークを施した官報等の写し、及び②施行期日ごとの新旧対照表を作成し、立案及び審査のための基礎資料として準備することとされている。

また、現行日本法規等では附則の一部が省略されているため、附則の規定について追加・削除・移動をする改正を行うときは、本改正の前提とすべき当該附則の条文を確認するため、当該附則の改正履歴等を確認できる関係部分にマークを施した官報等の写しを準備することとされている(同手引3頁)。

留意点として、同手引3頁〜4頁は次を挙げる。

ア 本改正の施行後に施行の予定となっている改正についても整理すること。
イ 数次の改正がある場合は、施行期日の順に従って整理すること。
ウ 政令等により施行期日が定まるものは当該政令等の官報等の写しを添付し、施行期日が未定のものは施行の見込み時期を付記すること。
エ 本改正の法案と同一の国会に提出済み又は提出予定の他の法案による改正、及び継続審議中の法案による改正に特に留意すること。
オ 一部改正法令の一部改正があることを見落とさないこと。
カ 他の府省庁等の所管する法令による改正予定の有無・内容について適時に照会し、把握に遺漏がないようにすること。
キ 法令の改正履歴及び改正予定は、平素から所管府省庁等の大臣官房等において一元的に把握する態勢を確立し、共管法令については各共管府省庁等で情報を共有しておくこと。

審査用の参照条文の作成

立案府省庁等において、審査用の参照条文として、現行日本法規等に登載された改正対象法令等の規定の未反映部分を基礎資料で補完したものを作成し、審査担当参事官に提出するとともに、形式的事項の誤りを防止するためのチェックに活用することとされている(同手引4頁)。

留意点として、同手引4頁は次を挙げる。

ア 作成する参照条文の範囲・編さん方法は審査担当参事官の指示によることとし、趣旨・目的に照らして分量が不必要に膨大なものとならないようにすること。
イ 参照条文の改正対象法令等の規定には、いつ時点の規定であるかを付記すること。
ウ スーパー法令ウェブ又はe-LAWSを用いる場合、いつ時点の条文データを出力しているか選択を誤らないよう注意すること。原則として出力された条文データの加工(不要な条項等の削除、各条の後に記載されている改正履歴の削除等)は行わず、出力された体裁(ページ割)のまま印刷し、必要に応じて関係部分にマークを施す等して作成すること。表について本来存在しない罫線が表示されるなど現行日本法規や官報と異なる体裁で表示されてしまう場合があることに注意すること。

引用法令の確認及び整理

立案府省庁等において、改正対象法令を引用している他の法令の有無を確認し、一覧表を作成するなどして整理することとされている(同手引4頁〜5頁)。

留意点として、同手引5頁は次を挙げる。

ア 関係法令、従前の一部改正法令の附則(経過規定)等他の法令における引用について漏れなく把握すること。他の府省庁等の所管に係る法令における引用については適時に照会を行い、照会を受けた他の府省庁等は調査に遺漏がないようにすること。審査を経て改正対象法令が追加された場合には、追加の照会を行うなどして漏れなく把握すること。
イ 本改正の法案と同一の国会に提出済み又は提出予定の他の法案における引用、及び継続審議中の法案における引用に特に留意すること。
ウ 法令間の引用関係は、平素から所管府省庁等の大臣官房等において一元的に把握する態勢を確立し、共管法令については情報を共有しておくこと。

立案及び審査の過程における的確な対応等

ワープロデータの的確な管理

立案府省庁等においては、立案及び審査の過程における法令案の修正について、ワープロデータのバージョン管理を徹底するとともに、修正入力の担当者を特定するなどして、ワープロデータの正確性を確保することとされている(同手引5頁)。
留意点は、いつ・どの部分を修正したかが把握できるようにしておくことである。

法令審査支援システムの活用

立案府省庁等においては、形式的事項の誤りを防止するためのチェックを行うに当たって、人の目によるチェックに加えて、法令審査支援システムを活用することとされている(同手引5頁〜6頁)。

もっとも、同手引6頁は、システムには限界があることを繰り返し注意している。
ア 溶け込ませ処理後の点検結果一覧の確認(エラーチェック)は、担当者限りで対応の要否を判断するのではなく、担当者が立案担当責任者等の誤りチェックの責任者に説明して当該責任者が判断するようにし、疑義がある場合には審査担当参事官に相談すること。
イ 法令審査支援システムは、表の改正、改正部分を図として引用する改正、一部改正法令の一部改正には対応しておらず、いわゆる多段ロケット方式の二段目以降の改正には対応できない場合があること。
ウ システムは人の目によるチェックを代替するものではなく、あくまでも補助的なものであること。
特に、既存の条項の移動と当該条項を引用する新たな条文の追加が同時に行われる場合や、読替規定の改正等改め文の構造が非常に複雑な場合には、システムが関係性や文字列を認識できないことがあるため、人の目で注意して確認することとされている。

新旧対照表の扱い

同手引6頁〜7頁は、新旧対照表は法令案のチェックを行うための基礎資料として用いるべきものではないことに留意するよう求める。
新旧対照表では、一般に、改正部分の前後の規定や引用関係にある他の規定など本来直接参照して確認する必要がある規定が記載されていないことが多く、また、それ自体が法令案の立案過程において作成されたものであるから、法令案のチェックの基礎資料には用いるべきでない。
同手引は、法令案(改め文)が誤った新旧対照表と整合していたため誤りを見逃してしまった事例があるとして、注意を促している。

他方で、新旧対照表は正確なものでなければならないので、新旧対照表の旧(現行)の規定は審査用の参照条文で確認した当該改正の施行時点における改正対象法令の規定により作成し、適時に新旧対照表と法令案(改め文)及び審査用の参照条文との読み合わせを行うなどして、その正確を期することとされている(同手引7頁)。

審査段階における全体チェック

審査中の法令案について審査担当参事官による審査がある程度進展した適切な段階で、立案府省庁等において、法令案の全体について形式的事項の誤りを防止するための立案担当部局によるチェック(全体チェック)を行うこととされている(同手引7頁)。
タイミングは審査担当参事官と相談すること、すでに全体チェックが行われている場合でも常に新たな視点で形式的事項に特化したチェックを行うこと、別添の誤りチェックシートを用い、漫然と全てのチェックポイントを1回でチェックするのではなく担当ごと又は回ごとにチェックポイントを絞って確実かつ効果的に実施すること、法令審査支援システムを活用すること、が留意点として挙げられている。

部長了段階における全体チェック及び複層的チェック

審査中の法令案について担当部長の了解が得られ、いわゆる正式各省協議が行われる前後の段階において、立案府省庁等において、改めて立案担当部局による全体チェックを行うとともに、立案担当部局以外の大臣官房等による複層的チェックを行うこととされている(同手引7頁)。
法案については、別添の誤りチェックシート及び法令審査支援システムによる点検結果一覧を審査担当参事官に提出することとされている。

留意点として同手引7頁〜8頁は、新たな視点で形式的事項に特化したチェックを行うこと、チェックポイントを担当ごと又は回ごとに絞って実施すること、一括法・整備法・附則等による改正で立案府省庁等以外の府省庁等の所管する法令の改正に及ぶ場合は当該法令を所管する府省庁等でも当該法令の改正部分についてチェックと複層的チェックを行い、誤りチェックシートを下審査を担当する参事官に提出すること等を挙げる。

最終的な全体チェック及び複層的チェック

法令案について当局による審査が実質的に終了し、法令案が固まった段階において、立案府省庁等において、最終的な立案担当部局による全体チェック及び大臣官房等による複層的チェックを行うこととされている(同手引8頁〜9頁)。
同手引9頁は、当局における決裁や与党における審査など閣議付議の予定日の直前において更に修正がされることもあることから、最終的な複層的チェックについては、統括責任者において相当数の職員を確保し、チェックポイントごとの担当を決めるなどして短時間で集中的にチェックを行うことができる態勢を整備すること、複層的チェックを行う大臣官房等に恒常的に職員を配置することが困難な場合には必要に応じて他の部局等から適当な職員を集めることができる態勢を整えることを求めている。

修正に伴う再チェックの徹底

審査段階・部長了段階・最終段階の全体チェックのほか、立案及び審査の過程において法令案に修正があった場合は、その都度、立案府省庁等において形式的事項の誤りを防止するためのチェックを行い、当該修正に伴って必要となる改正に遺漏がないようにすることとされている(同手引9頁)。
特に、当該修正により規定を追加・削除又は移動する改正を新たに追加した場合には、当該修正に伴って必要となる引用先の改正を見落としやすいので、注意して確認することとされている。

印刷物の校正刷り版の確認

法案の印刷物(穴なし)の校正刷りについては、複数人で最終の法令案(改め文)との読み合わせによる確認を行うこととされ、当局における読み合わせ後に修正があった場合には、法案の印刷物(穴あき)の校正刷りについても、当該修正が正しく反映されているか複数人で読み合わせによる確認を行うこととされている(同手引9頁〜10頁)。

留意点として同手引10頁は、国立印刷局において提出された法令案(改め文)のワープロデータをテキストデータとして取り込み、編集した上で禁則処理を施すことから、校正刷りに文字の欠落や重複がないか、表中に空白ができていないか、字下げ(配字)の誤りがないか等の確認を入念に行い、特にページや行の変わり目に注意すること、表の体裁(罫線の位置等)に注意することを挙げている。

読み合わせによる確認

読み合わせは、配字を含めて一文字一文字を確かめ、法令案の全体について誤りがないことを確認することができるように行うこととされている(同手引10頁)。
留意点として、立案府省庁等における全体チェック及び複層的チェックにおいても読み合わせによる確認を行うこと、当局における読み合わせは審査担当参事官から渡される最終原稿を読み上げて行い、必ず3名以上で行うこととし、審査担当参事官の指示により、最終原稿の読み手のほか、副本の確認、新旧対照表の確認、審査用の参照条文による確認、読替対照表の確認等の役割分担をして行うことが挙げられている。

形式的事項の誤りを防止するためのチェック

別紙1から別紙6までに掲げるチェックポイント(要点)により法令案の形式的事項についてチェックを行うこととされている(同手引10頁〜11頁)。
これらは法令案において特に誤りを生じやすい事項についての必須のチェックポイントであり、あらかじめその趣旨を立案・チェックに当たる職員に周知させ、遺漏がないようにすること、必要と思われるチェックポイントがあるときは適宜増補して使用すること、参照する場合は審査用の参照条文を参照すること、これらのチェックポイントは一部改正法令案を念頭に置いたものであるが、全部改正法令案及び新法令案についてもこれらに準じてチェックを行うこととされている。

法案提出後におけるフォロー等

第2の4(同手引11頁)は、提出後のフォローを2点定める。
(1) 立案府省庁等において、法案提出後、その内容を改めて点検し、万一法案に誤りがある場合には、国会における審議が開始される前に、法案の正誤処理を行うことができるようにすること。
(2) 国会提出後の法案について、その成立が当初の見込みから遅れることとなる場合には、改めて法案をチェックし、所要の修正の依頼を怠らないこと。

(2)の留意点として、同手引11頁は、成立を見込んで記載した法律番号の年の部分の修正、他の法律の規定による一部改正の施行が先行してしまうことによる法案の修正を挙げている。

別紙1〜6──実務チェックポイントと誤り事例

別紙1から別紙6まで(同手引12頁〜30頁)は、この手引の実務的な核心である。
各別紙は「チェックの要点」と、実際に起きた(あるいは起こり得る)「誤り事例」をA法・B法・第X条といった記号で抽象化して掲げる構成になっている。
まず全体像を一覧にしておく(当方整理)。

別紙対象場面主眼(当方整理)
別紙1文言の改正に伴うチェック改正箇所の特定・改め元の文言・改め先の溶け込み・引用整合の四段階を、実際の条文に当たって確かめる
別紙2規定の追加、削除又は移動に伴うチェック条・項・号の増減で生じる「前条」「次条」等の指示語のずれ、目次・共通見出し・引用関係の連鎖的なずれを潰す
別紙3縦断的チェック法令番号の付し方、定義語・略称の定め方と適用範囲を、改正後の法令全体を通じて一貫させる
別紙4準用規定のチェック読替規定・「例による」規定など技術的正確性が求められる準用に着目し、読替対照表を用いて確認する
別紙5施行期日のチェック一体的施行の要否、準備規定の施行、他法改正との先後関係による調整規定の要否を確認する
別紙6その他の形式的事項のチェック目次・条名・項番号の連続性、配字(1行48文字1ページ13行等)、誤字・脱字・同音異義語等を確認する

別紙1 文言の改正に伴うチェック

別紙1(同手引12頁〜16頁)は、字句を書き換える改正について、5つの要点を順に確認するよう求める。

1 改正する規定の特定が正確であることをチェックすること。
「第○条第○項」「第○号」「各号列記以外の部分」「本文」「ただし書」「前段(後段)」等で指定された規定が実際に存在するか、指定する範囲が適当かを、実際に当該規定に当たって確かめること。枝番(特に孫番)の誤記は見逃しやすいので注意することとされている。

2 改め元の文言(「〇〇」を…改める、「〇〇」を削る、「〇〇」の下に…加える等における「〇〇」の文言)が、1で確認した規定中の文言に合致することをチェックすること。
改め元の文言に不一致及び意図しない一致(誤ヒット)がないことを確かめること。改め元の文言が長い場合は一文字の誤りでも不一致となり、逆に「及び」「又は」「第○条」等の短い一般的な用語は誤ヒットを生じやすいこと、読点(「、」)・句点(「。」)の扱いが適当かもチェックすること、読替規定や表の改正は法令審査支援システムでは対応・チェックできないことがあるので入念に人の目で確認し、ワープロソフトの検索機能を有効に利用すること、改正がある項について行うべき用語の整備(「行なう」を「行う」に、「但し」を「ただし」に、「一に」を「いずれかに」に改める等)にも留意することとされている。

3 改め先の文言(「△△」に改める、「△△」を加える等における「△△」の文言)が、1で確認した規定中に正常に溶け込むことをチェックすること。
改め先を溶け込ませた後の当該規定において改正部分の前後を通読して文意が通じることを確かめること、文言を削る場合も同様に確認すること、必ず法令審査支援システムで溶け込ませ後の条文を確認することとされている。

4 溶け込み後(文言を削った場合を含む。)の規定の全体について、誤りを生じやすい語句等のチェックを行うこと。
既存の「同(法、条、項等)」が指すものに誤りが生じていないか、新たに「同(法、条、項等)」を用いるべきものが生じていないか、「及び」・「並びに」及び「又は」・「若しくは」の用い方が適当か、括弧(()及び「」)の開閉は整合しているか、改正部分に法令名又は定義語・略称がある場合は別紙3の縦断的チェックを行うこと、新たに引用する他の規定の特定が正確であることを実際に当該規定に当たって確認することとされている。

5 当該規定中の文言を引用している他の規定を確認し、その引用している文言が改正後の当該規定中の文言と整合しているかをチェックすること。
改正対象法令のほか、本文第2の1(3)において整理した他の引用法令の全てについて確認することとされている。

別紙1が掲げる誤り事例のうち、実務感覚がつかみやすいものを挙げると次のとおりである(同手引12頁〜16頁)。

例(改め元の日付の誤り) A法改正法附則において、B法附則第X条の規定を改める際、改め元の文言を「昭和六十年一月二日」とすべきところ、「昭和六十四年一月二日」と記載してしまった。

例(改正対象規定の特定漏れ) 2項から成る第X条の規定を改める際、改正対象規定を「第X条第一項中」と特定すべきところ、同条第2項にも改め元の文言と同一の文言があることを見落とし、単に「第X条中」としたため、同条第2項が誤って改正され、意味の通らない規定となってしまった。

例(同音異義・類義語) 第X条に規定する業務規程について認可制を届出制に改める際、改め元の文言を「認可を受け」とすべきところ、「許可を受け」と記載してしまった。

例(機構名変更に伴う改正漏れ) 「A機構」を「B機構」に名称変更する改正の際、直近の臨時国会で成立した「A機構」を引用する法律を見落としたため、当該法律に改正漏れが生じてしまった。

別紙2 規定の追加、削除又は移動に伴うチェック

別紙2(同手引17頁〜21頁)は、条・項・号を増減させる改正で、番号や指示語が連鎖的にずれることを防ぐためのチェックである。要点は次の4つである。

1 追加・削除又は移動の対象となる規定の特定及びその処理が適当であることをチェックすること。基本的ルールに従っているか、章名・節名等を付し又は削ることによる章(節等)建ての変更がある場合の処理に誤りを生じないよう留意することとされている。

2 追加・削除又は移動の対象となる規定が章・節等の冒頭又は末尾のものかどうかをチェックすること。冒頭・末尾の規定に追加等がある場合、改正規定(改め文)にその趣旨が明記(「第○章中第○条の次に…」等)されているかを確認し、目次の改正が漏れていないかを確認すること。附則において他法改正を行う際、当該他法の目次の改正が必要となる場合があることにも十分留意することとされている。

3 共通見出しの処理をチェックすること。規定(条)の追加・削除又は移動に伴い、共通見出しの付け直しの処理が適切にされているかを確認することとされている。

4 追加・削除又は移動の対象となる規定の引用関係に誤りを生じていないかをチェックすること。
前後の規定における「前条(項、号)」「次条(項、号)」又は「前○条(項、号)」の指示に誤りが生じていないか、これらに改める必要がないか、章・節等の単位での追加等の場合は「前章(節等)」「次章(節等)」等をチェックすること、改正対象法令の全体及び本文第2の1(3)で整理した他の引用法令の全てについて引用関係に不整合がないか精査すること、項建てがなくなった条や項建ての条の全ての項を引用する場合の処理、新たに引用する規定の特定の正確性、新たに追加した条文で引用している条・項・号は引用元で移動しても法令審査支援システムではエラーメッセージが出ないので必ず人の目で確認することとされている。

誤り事例(同手引17頁〜21頁)から代表例を挙げる。

例(章名を付す位置) 新たに章名を付する際、「第X条の十六の六」の次に付すべきところ、「第X条の十六」の次に付してしまった。

例(目次の改正漏れ) 第A章の冒頭に第X条の2を追加したことに伴って、目次中「第X+1条」を「第X条の二」に改めるべきところ、これを看過してしまった。

例(「前条」のずれ) 第X条の次に第X条の2から第X条の5まで計4条を追加したことに伴って、直後の条(第X+1条)中の「前条」という文言を「第X条」に改めるべきところ、これを看過してしまった。

例(未施行法への波及) A法によってB法の条項の移動を行ったところ、既に成立した未施行のC法において移動前のB法の条項を引用していることを見落としたため、C法の改正漏れが生じてしまった。

別紙3 縦断的チェック

別紙3(同手引22頁〜23頁)は、改正後の法令全体を「縦断的」に見て、法令番号の付し方と定義語・略称の整合を確認するチェックである。要点は次の2つである。

1 引用する他の法令の法令番号の記載等を縦断的にチェックすること。
改正後の改正対象法令において引用する他の法令の法令番号が適切に付されているか、本改正により法令番号の記載された法令名が削除される場合はその法令番号を付け替える必要がないか、本改正の附則(経過規定、他の法令の一部改正規定等)における法令名(「新法」「旧法」「平成○○年改正法」等の略称を含む。)の記載及び法令番号の扱いが適当かを確認することとされている。

2 定義語・略称の定め方及び用い方を縦断的にチェックすること。
定義語・略称の定め方及び用い方に改正後の改正対象法令の全体を通じて重複や混乱がないか、本改正により定義規定又は略称を定める規定若しくは文言が削除される場合はこれに伴い新たな定義規定又は略称を定める必要がないか、「以下同じ。」「以下この章において同じ。」「第○条第○項において同じ。」等の適用範囲の指定に誤りが生じていないか、不要となった定義規定又は略称を定める規定を残していないか、本改正の附則その他の改正対象法令以外の法令において定義語・略称を不用意に用いていないかを確認することとされている。

例(略称の定め忘れ) A法の原始附則第X条に項を追加し、その中でB法(A法等の一部改正法)中の条項を引用する際、当該B法について題名を記載し法令番号を括弧書きで付記すべきところ、「昭和〇〇年改正法」と、略称を定める規定を置かずに略称を用いてしまった。

別紙4 準用規定のチェック

別紙4(同手引24頁〜25頁)は、準用規定(変更適用規定及び「例による」とする規定を含む。)に特に着目したチェックである。
準用規定は、法令の構成を簡素にし制度の仕組みを大括りで理解しやすくする利点がある反面、準用規定そのものには技術的な正確性が求められ誤りを生じやすいことから、特に準用規定に着目したチェックを励行することとされている。要点は10項目に及ぶ。

① 国民の日常生活に密接に関係する規定については、準用を避けて必要な事項を書き下ろすよう努め、読替規定の読替えなど分かりにくいものはできる限り避けること。
② 改正対象法令中の準用規定を全て確認し、その引用する規定について本改正による文言の改正又は規定の追加・削除若しくは移動がないかを確認すること。
③ 「…について準用する」ことによって当然に変容する部分と明文での読替えを必要とする部分との仕分けに留意すること。
④ 準用されている規定の改正に伴い、新たな読替えや引用されている読替元の文言について改正を要するかをチェックすること。
⑤ 読替規定中の「」の開閉の整合性及び「…とあるのは、「〇〇」と…」の「、」の要否(対句構造か否か)に留意すること。
⑥ 読替規定の改正に当たっては、読替対照表を利用して、読替元の文言及び読替後の文言が誤りなく改正されることを確認すること。
⑦ 読替後の規定中の「同(法、条、項等)」「及び」・「並びに」及び「又は」・「若しくは」の用い方に留意すること。
⑧ 準用規定において引用する他の法令の規定について、「〇〇法(政令)」又は「同法(令)」の記載に遺漏がないかを確認すること。
⑨ 他の法令の規定を読み替える場合においては、当該他の法令中の定義語・略称は疑義が生じない場合にはそのまま用い、自法令の法令番号は入れないことに留意すること。
⑩ 孫準用はできる限り避けるものとするが、孫準用された規定を引用するときは、「第□条(第△条において準用する場合を含む。)において準用する第○条」のように、孫準用の関係を明記することに留意すること。

例(読替元の文言の改正漏れ) 第X条において第Y条の規定が読み替えて準用されている。第Y条を改正したことに伴って、第X条中の読替規定のうち読替元の文言を改めるべきところ、これを看過してしまった。

別紙5 施行期日のチェック

別紙5(同手引26頁)は、施行期日が適切に定められているかについてのチェックである。要点は次の3つである。

① 一体的に施行する必要がある規定に漏れはないかを確認すること。
② 本体部分の制度の実施の準備のために必要な措置を定めた本則及び附則の規定の施行期日は適当かを確認すること。
③ 他の法令による改正がありその施行期日が未定である場合において、その施行期日と本改正の施行期日の先後関係のいかんによって必要となる読替え等の調整規定は置かれているかを確認すること。

例(存在しない項を掲げる) 改正法附則第1項において各号列記により施行期日を規定する際、審査の段階で改正法附則の項数が7から6に減ったことを見落とし、同項第1号に「改正法附則第七項」という存在しない項を掲げてしまった。

例(施行日が本文と食い違う) 第X条の規定について、附則第1条(施行期日)において、同条本文の規定する平成3年1月1日からの施行とすべきところ、誤って同条第3号に掲げてしまったため、その施行日が平成5年4月1日となってしまった。

別紙6 その他の形式的事項のチェック

別紙6(同手引27頁〜30頁)は、目次・条名・配字・誤字脱字といった、最終的な体裁に関わる形式的事項のチェックである。要点は4つに整理される。

1 目次、章(節等)の構成、条名、項番号等の連続性、見出し等全体についての概括的なチェックを行うこと。
章(節等)の区切りの位置に誤りはないか、章(節等)中の条数に応じ目次中の「・」又は「−」の記号は適当か(特に中間の枝番の条の追加・削除に留意)、条名・項番号等は連続しているか、枝番の最後のものについて「第○条の○ 削除」としていないか、見出しの改正漏れや欠落はないか、章(節等)が一条のみで構成される場合に当該条に章(節等)名と重複する見出しを付していないか、振り仮名(ルビ)の付し方は適当かを確認することとされている。

2 配字のチェックを行うこと。
ワープロソフトの書式設定が1行48文字1ページ13行、所定の禁則処理となっているか(禁則処理については「法案誤り等再発防止プロジェクトチーム取りまとめ(令和3年6月29日)」の別紙を参照)、条建ての改正規定は一字下がりとなること、一部改正法令の改正規定を改正する場合の案文の初字の位置、表の上下の罫線の位置は正しいか、目次・表等の改正部分を図示する場合の「」の位置は正しいか等を確認することとされている。

3 片仮名法令の改正、項番号のない規定の改正等特殊なルールがあるものについては、それに従っているかをチェックすること。項番号のない条文の項の初字の位置に留意することとされている。

4 誤字・脱字等のチェックを行うこと。
同手引28頁は、同音異義語(ワープロ変換の誤り)の例として「異義」・「異議」、「課す」・「科す」、「期間」・「機関」、「聴く」・「聞く」、「権」・「件」、「更正」・「更生」、「睡」・「酔」、「多数」・「他数」、「適正」・「適性」等を、類似文字・類義語の例として「末」・「未」、「懲」・「徴」、「資金」・「基金」、「推進」・「促進」、「認可」・「許可」等を挙げる。
また、見落としやすい脱字(「第」「条」「項」、枝番の条名中の「の」等の文字、「…こと。」「…とき。」及び「…以下同じ。)」における「。」等)、見落としやすい重複(「第第」「とととともに」等)、拗音・促音の「や・ゆ・よ・つ」の大小、送り仮名(「行う」・「行なう」)、片仮名法令を引用する場合の表記、法令名・法令番号・年月日・金額及び割合の誤記に留意することとされている。

別紙6の誤り事例(同手引29頁〜30頁)は、日常の校正でも起こり得る具体的なものが並ぶ。

例(類義語) 「多数の人」とすべきところ、「他数の人」と表記してしまった。

例(類似文字) 「懲役」とすべきところ、「徴役」と表記してしまった/「〇〇未満」とすべきところ、「〇〇末満」と表記してしまった。

例(脱字) 「同法第二十三条の二の二十第一項」とすべきところ、「同法第二十三の二の二十第一項」と、「条」の1文字を書き漏らしてしまった。

例(重複) 「意見を聴くとともに」とすべきところ、「意見を聴くととともに」と、「と」の1文字を余分に記載してしまった。

例(意味が逆転する誤り) 罰則規定において、「一年以下」(の懲役)とすべきところ、「一年以上」(の懲役)としてしまった。

「一年以下」を「一年以上」とする例のように、形式的事項の誤りといっても、一字の違いが罰則の重さそのものを反転させ得る点に、この手引が繰り返し「正確性」を強調する理由が表れている(当方整理)。

別添 誤りチェックシート

別添(同手引31頁以下)は、これまでの別紙1から別紙6までのチェックポイントを一枚の記入用紙に落とし込んだ「誤りチェックシート」である。
シートの欄外には、正式各省協議段階及び閣議請議段階の案文に本シートを添付して内閣法制局に提出することとの注記がある(同手引31頁)。

シートの上部には、府省名・法案名・部長説明日・閣議付議予定日のほか、立案担当責任者、複層的チェックの統括責任者、複層的チェックの実施責任者の所属・官職・氏名を記入する欄が設けられている。
本体は、別紙ごとに「項目・要点」「チェックポイント」を縦に並べ、「立案担当部局チェック」(官職・氏名/月日)と「複層的チェック」(官職・氏名/月日/判明した誤り)の欄に、確認した項目にレ印を記入し、判明した誤りを記載する形式になっている(同手引31頁〜34頁)。

同手引末尾の記入例(同手引35頁)では、例えば別紙1・要点2②「意図しない一致」の欄に、判明した誤りとして「第○条で『各号列記以外の部分』との特定が抜けていた。」と記載する運用が示されている。
シート下部の注記には、チェック欄の「判明した誤り」以外の欄には確認した項目・要点にレ印を記入すること、要点以外の事項に関するチェックの有無(レ印)及び「判明した誤り」を記載すること、掲げるチェックポイントは特に誤りの生じやすい事項についての必須のチェックポイントであり法令の内容により別途必要なチェックポイントがあり得ることに十分留意することが記されている(同手引31頁)。

この手引が弁護士実務に示唆するもの(当方整理)

以下は、同手引の内容を踏まえた当方の整理である(当方整理)。

第一に、条文を引用するときの姿勢である。
同手引が繰り返し求めるのは、「実際に当該規定に当たって確かめる」ことであり、電子データの検索や新旧対照表への依拠だけで済ませないことである(別紙1の要点1・要点4、同手引12頁・14頁)。
準備書面や意見書で条項を引用する弁護士実務でも、孫番号の誤記、「前条」「次条」の指すもの、改正で移動した項番号のずれは、まさに同手引が「見逃しやすい」と名指しする箇所であり、原典(e-Gov法令検索等)に当たって確認する意義は大きい。

第二に、システムの限界の自覚である。
同手引は、法令審査支援システムが表の改正・一部改正法令の一部改正・多段ロケット方式の二段目以降・複雑な読替規定に対応しきれず、あくまで人の目の補助にとどまることを明記する(同手引6頁、別紙1要点2④、別紙2要点4⑨)。
校正や条文チェックにツールを使う場面が増えるなかで、ツールが構造を認識できない類型をあらかじめ知っておくことは、AIや検索ツールを用いる実務にも通じる教訓である。

第三に、複層的チェックという発想である。
担当部局の内部チェックに加え、別部隊による独立したチェックを制度として重ね、その責任者を実名で可視化する(第1の4・5、第2の2(5)(6)、同手引2頁・8頁〜9頁)。
これは、書面の作成者自身が最終確認まで一人で担うのではなく、別の目による読み合わせを工程として組み込むという、事務所の品質管理にも応用可能な考え方である。

なお、本記事で紹介した手引は立法過程の内部マニュアルであり、特定の裁判例を引用するものではない。そのため、本記事では裁判官の氏名及び裁判例への言及はない。

出典

内閣法制局「法令案における誤りの防止について(手引)(改訂版)」(令和3年12月)。
本文冒頭の日付表示によれば、平成16年8月30日制定、平成16年12月9日・令和3年9月13日・令和3年12月24日改正。全37ページ(本文・別紙1〜別紙6・別添「誤りチェックシート」から成る)。
本記事は、同文書を情報公開請求により入手した開示文書に基づいて作成した。文中の頁数は同開示文書の印字頁(本文1頁〜30頁、別添31頁以下)による。