導入修習チェックシート

導入修習チェックシート

1 「導入修習チェックシート」を以下のとおり掲載しています(70期以前は存在しないことにつき令和元年12月24日付の不開示通知書参照)。
71期72期73期

2(1) 司法修習生向けの説明文書である,「導入修習チェックシートについて」を以下のとおり掲載しています(71期以前は存在しないことにつき令和元年12月24日付の不開示通知書参照)。
72期73期
(2) 73期については,「導入修習に関するアンケート及び導入修習チェックシートについて」という表題に変わっています。

3 司法修習生指導担当者向けの説明文書である,「導入修習チェックシートの活用について」を以下のとおり掲載しています(71期以前は存在しないことにつき令和元年12月24日付の不開示通知書参照)。
72期73期

司法研修所の正門及び正面玄関

法務省出向中の裁判官に不祥事があった場合の取扱い

1 法務省出向中の裁判官は法務大臣による懲戒処分の対象となること等
(1) 裁判官が法務省等の行政機関に出向している場合,依願退官した上で外務省に出向している人を除き,検事の身分を有しています(「現職裁判官の分布表」参照)。
   そして,法務省出向中の裁判官について,国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行(例えば,女性のスカート内の盗撮)があったような場合,法務大臣による懲戒処分の対象となります(国家公務員法82条1項)
(2) 懲戒処分の場合,検察官適格審査会の議決(検察庁法23条)は不要です(検察庁法25条ただし書)。
(3) 検察官の場合,60%以下の給料しか受け取れなくなる起訴休職制度(国家公務員法79条2号,一般職給与法23条4号)がありません(検察庁法25条本文参照)。
   そのため,懲戒処分としての免職,停職又は減給の処分(国家公務員法82条1項)を受けない限り,不祥事を起こした検察官は引き続き従前と同額の給料を支給されることとなります。
(4) 処分説明書の様式は,処分説明書の様式および記載事項等について(人事院HPの昭和35年4月1日付の人事院事務総長通知)に載っています。

2 法務省出向中の裁判官が懲戒免職又は停職処分となった場合の取扱い
(1) 懲戒免職となった場合
ア 退職手当及び弁護士資格
(ア)   裁判官は,退職手当を支払ってもらえません(国家公務員退職手当法12条1項1号)し,懲戒免職の日から3年間は弁護士となる資格を有しません(弁護士法7条3号)。
   また,懲戒免職の日から3年を経過した後であっても,登録請求を受けた単位弁護士会としては,資格審査会の議決に基づき,日弁連に対する登録の請求の進達を拒絶することができますし(弁護士法12条1項2号),日弁連は,資格審査会の議決に基づき,登録を拒絶することができます(弁護士法15条1項)。
(イ) 在職期間中に懲戒免職等処分を受けるべき行為をしたことを疑うに足りる相当な理由があると思料される場合,退職手当の支払を差し止められることがあります(国家公務員退職手当法13条2項2号)。
イ 年金
   平成27年9月30日までに発生した退職共済年金については,基本額は全額支給されるものの,職域加算額は半分しか支給されません(平成24年改正前の国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令11条の10第1項参照)。
   また,平成27年10月1日以降に発生した公務員厚生年金は全額支給されます。これに対して,同日以降に発生した年金払い退職給付については,有期退職年金は全額支給されるものの,終身退職年金は支給されません(国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令21条の2第1項)。
(2) 停職処分を受けた後に辞職した場合
ア 退職手当及び弁護士資格
(ア) 裁判官は,退職手当を支払ってもらえます(国家公務員退職手当法12条1項参照)。
   ただし,停職期間の月数の2分の1に相当する月数を退職手当の算定の基礎となる在職期間から除算されます(国家公務員退職手当法7条4項)。
(イ) 弁護士登録との関係では,法令上は特段の制限がありません。
   ただし,単位弁護士会の登録審査(「弁護士登録制度」参照)が非常に慎重なものになると思われます。
イ 年金
   平成27年9月30日までに発生した退職共済年金については,基本額は全額支給されますし,職域加算額は,停職期間に相当する部分の25%が削られるだけです(平成24年改正前の国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令11条の10第1項参照)。
   また,平成27年10月1日以降に発生した公務員厚生年金は全額支給されます。これに対して,同日以降に発生した年金払い退職給付については,有期退職年金は全額支給されますし,終身退職年金は,停職期間に相当する部分の50%が削られるだけです(国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令21条の2第1項)。

3 法務省出向中の裁判官が刑事罰を受けた場合の取扱い
(1) 禁錮以上の刑に処せられた場合
ア(ア) 執行猶予が付いたとしても,①検事としての身分を自動的に失います(国家公務員法76条・38条2号。規定の合憲性につき最高裁平成19年12月13日判決参照)し,②退職手当を支払ってもらえません(国家公務員退職手当法13条及び14条。規定の合憲性につき最高裁平成12年12月19日判決参照)し,③裁判官の任命資格を失います(裁判所法46条1号)。
   また,執行猶予期間が満了して刑の言渡しが効力を失う(刑法27条)までの間,弁護士となる資格を有しません(弁護士法7条1号)。
(イ) 執行猶予が付けられずに実刑判決を受けた場合,刑の執行が終わり,罰金以上の刑に処せられないで10年を経過した時点で,懲役又は禁錮の刑の言渡しは効力を失います(刑法34条の2第1項前段)から,その時点で弁護士となる資格を再び取得することとなります。
(ウ) 在職期間中の刑事事件に関して起訴された場合,退職手当の支払を差し止められることがあります(国家公務員退職手当法13条1項2号)。
イ 平成27年9月30日までに発生した退職共済年金については,基本額は全額支給されるものの,職域加算額は半分しか支給されません(平成24年改正前の国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令11条の10第1項参照)。
   また,平成27年10月1日以降に発生した公務員厚生年金は全額支給されます。これに対して,同日以降に発生した年金払い退職給付については,有期退職年金は全額支給されるものの,終身退職年金は支給されません(国家公務員共済組合法97条1項・同法施行令21条の2第1項)。
(2)   罰金刑に処せられた場合
ア   ①検事としての身分を自動的に失うわけではありません(ただし,盗撮の飯島暁裁判官のように辞職するのが通常と思われます。)し,②懲戒免職にならない限り退職手当を支払ってもらえます(国家公務員退職手当法12条1項参照)し,③裁判官の任命資格を失いません(裁判所法46条参照)。
   また,弁護士となる資格を有します(弁護士法7条参照)ところ,医師法4条3号のような,罰金刑に処せられた者に関する条文が弁護士法にあるわけではないものの,単位弁護士会の登録審査(「弁護士登録制度」参照)が非常に慎重なものになると思われます。
イ 退職共済年金,公務員厚生年金及び年金払い退職給付については,特段の不利益はありません。
(3) 罰金刑の位置づけ
ア 罰金刑は前科となりますが,罰金以上の刑に処せられないで5年を経過した場合,罰金刑の言渡しは効力を失います(刑法34条の2第1項後段)から,市区町村の犯罪人名簿から記載が削除されます(前科記録の抹消)。
イ   検察庁の前科調書(犯歴事務規程13条2項)から前科の記載が削除されるのは,有罪の裁判を受けた者が死亡したときだけです(犯歴事務規程18条)。

4 法務省出向中の裁判官が逮捕されたことそれ自体の法的不利益
   法務省出向中の裁判官が逮捕されたことそれ自体は,裁判官又は弁護士の資格に何らかの法的影響を及ぼすものではありません。

5 刑事責任に付随する資格制限の内容等の詳細
   「加害者の刑事責任,行政処分,検察審査会等」を参照してください。

6 共済年金の職域加算額,及び年金払い退職給付等
(1)ア 国家公務員の場合,平成27年9月30日までに勤務した分については,共済年金に職域加算がありました。
平成27年10月1日以降に勤務した分については,年金払い退職給付が発生しており,有期退職年金(10年又は20年支給ですが,一時金も選択できます。)及び終身退職年金の半分ずつとなります。
イ 退職共済年金の基本額は老齢厚生年金に対応し(年金の2階部分),退職共済年金の職域加算額は企業年金等に対応していました(年金の3階部分)。
   また,老齢厚生年金の受給権は懲戒免職等による影響を受けませんから,そのこととの均衡を図るため,退職共済年金の基本額の受給権は懲戒免職等による影響を受けないのだと思います。
(2) 平成24年の国家公務員共済組合法等の改正により,平成27年10月1日,厚生年金及び共済年金が統合されたり,共済年金の職域加算が廃止されたりしました(被用者年金制度の一元化)。
   そして,共済年金の基本額は公務員厚生年金に,共済年金の職域加算額は年金払い退職給付に引き継がれました。
(3) 共済年金の職域加算額は,共済年金の基本額の10%から20%ぐらいでした。
(4) 国家公務員の年金払い退職給付の創設については,財務省広報誌「ファイナンス」2013年1月号が参考になります。
   これによれば,標準報酬月額36万円で40年加入の場合,年金払い退職給付のモデル年金月額は約1.8万円とされています。

日弁連の,弁護士の報酬に関する規程(平成16年2月26日会規第68号)

日弁連の,弁護士の報酬に関する規程(平成16年2月26日会規第68号)(平成16年4月1日施行)の制定時の条文は以下のとおりです。

(目的)
第一条 この規程は、会則第八十七条第二項及び弁護士法人規程第十九条に基づき、弁護士(弁護士法人を含む。以下同じ。)の報酬に関し必要な事項を定めることを目的とする。
 (弁護士の報酬)
第二条 弁護士の報酬は、経済的利益、事案の難易、時間及び労力その他の事情に照らして適正かつ妥当なものでなければならない。
 (報酬基準の作成・備え置き)
第三条 弁護士は、弁護士の報酬に関する基準を作成し、事務所に備え置かなければならない。
2 前項に規定する基準には、報酬の種類、金額、算定方法、支払時期及びその他弁護士の報酬を算定するために必要な事項を明示しなければならない。
 (報酬見積書)
第四条 弁護士は、法律事務を依頼しようとする者から申し出があったときは、その法律事務の内容に応じた報酬見積書の作成及び交付に努める。
 (報酬の説明・契約書作成)
第五条 弁護士は、法律事務を受任するに際し、弁護士の報酬及びその他の費用について説明しなければならない。
2 弁護士は、法律事務を受任したときは、弁護士の報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない。ただし、委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が止んだ後、これを作成する。
3 前項の規定にかかわらず、受任した法律事務が、法律相談、簡易な書面の作成、顧問契約等継続的な契約に基づくものであるときその他合理的な理由があるときは、委任契約書の作成を要しない。
4 第二項に規定する委任契約書には、受任する法律事務の表示及び範囲、弁護士の報酬の種類、金額、算定方法及び支払時期並びに委任契約が中途で終了した場合の清算方法を記載しなければならない。
 (情報の提供)
第六条 弁護士は、弁護士の報酬に関する自己の情報を開示及び提供するよう努める。
   附 則
1 この規程は、平成十六年四月一日から施行する。

2 この規程の施行の際現に受任している法律事務の弁護士の報酬については、なお従前の例による。

* 日弁連の報酬に関する規程は,以下の4種類です。
① 報酬等基準規程(昭和24年10月16日会規第7号)
・ 昭和24年10月16日から昭和50年 3月31日まで適用されていました。
② 報酬等基準規程(昭和50年3月20日会規第20号)
・ 昭和50年 4月 1日から平成 7年 9月30日まで適用されていました。
③ 報酬等基準規程(平成7年9月11日会規第38号)
・ 平成 7年10月 1日から平成16年 3月31日まで適用されていました。
④ 弁護士の報酬に関する規程(平成16年2月26日会規第68号)
・ 平成16年 4月 1日から適用されています。

日弁連の,報酬等基準規程(平成7年9月11日会規第38号)

日弁連の,報酬等基準規程(平成7年9月11日会規第38号)(平成7年10月1日施行,平成16年3月31日廃止)の制定時の条文は以下のとおりです。

第一章 総 則
(目的)
第一条 この規程は、弁護士法に基づき、弁護士会が定める弁護士の報酬に関する標準を示す規定の基準を定めることを目的とする。
(弁護士会の弁護士報酬規定)
第二条 弁護士会は、この規程を基準とし、所在地域における経済事情その他の地域の特性を考慮して、弁護士の報酬に関する標準を示す規定を適正妥当に定めなければならない。
(弁護士報酬の種類)
第三条 弁護士報酬は、法律相談料、書面による鑑定料、着手金、報酬金、手数料、顧問料及び日当とする。
2 前項の用語の意義は、次表のとおりとする。
法律相談料
依頼者に対して行う法律相談(口頭による鑑定、電話による相談を含む。)の対価をいう。
書面による鑑定料
依頼者に対して行う書面による法律上の判断又は意見の表明の対価をいう。
着手金
事件又は法律事務(以下「事件等」という。)の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その結果のいかんにかかわらず受任時に受けるべき委任事務処理の対価をいう。
報酬金
事件等の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その成功の程度に応じて受ける委任事務処理の対価をいう。
手数料
原則として一回程度の手続又は委任事務処理で終了する事件等についての委任事務処理の対価をいう。
顧問料
契約によつて継続的に行う一定の法律事務の対価をいう。
日当
弁護士が、委任事務処理のために事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために拘束されること(委任事務処理自体による拘束を除く。)の対価をいう。
(弁護士報酬の支払時期)
第四条 着手金は、事件等の依頼を受けたときに、報酬金は、事件等の処理が終了したときに、その他の弁護士報酬は、この規程に特に定めのあるときはその規定に従い、特に定めのないときは、依頼者との協議により定められたときに、それぞれ支払いを受ける。
(事件等の個数等)
第五条 弁護士報酬は、一件ごとに定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件等は当初依頼を受けた事務の範囲をもって、一件とする。ただし、第三章第一節において、同一弁護士が引き続き上訴審を受任したときの報酬金については、特に定めのない限り、最終審の報酬金のみを受ける。
2 裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは、別件とする。
(弁護士の報酬請求権)
第六条 弁護士は、各依頼者に対し、弁護士報酬を請求することができる。
2 次の各号の一に該当することにより、受任件数の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、弁護士は、第二章ないし第五章及び第七章の規定にかかわらず、弁護士報酬を適正妥当な範囲内で減額することができる。
一 依頼者から複数の事件等を受任し、かつその紛争の実態が共通であるとき。
二 複数の依頼者から同一の機会に同種の事件等につき依頼を受け、委任事務処理の一部が共通であるとき。
3 一件の事件等を複数の弁護士が受任したときは、次の各号の一に該当するときに限り、各弁護士は、依頼者に対し、それぞれ弁護士報酬を請求することができる。
一 各弁護士による受任が依頼者の意思に基づくとき。
二 複数の弁護士によらなければ依頼の目的を達成することが困難であり、かつその事情を依頼者が認めたとき。
(弁護士の説明義務等)
第七条 弁護士は依頼者に対し、あらかじめ弁護士報酬等について、十分に説明しなければならない。
2 弁護士は、事件等を受任したときは、委任契約書を作成するよう努めなければならない。
3 委任契約書には、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の額及び支払時期その他の特約事項を記載する。
4 弁護士は、依頼者から申し出のあるときは、弁護士報酬等の額、その算出方法及び支払時期に関する事項等を記載した弁護士報酬説明書を交付しなければならない。ただし、前二項に定める委任契約書を作成した場合は、この限りでない。
(弁護士報酬の減免等)
第八条 依頼者が経済的資力に乏しいとき又は特別の事情があるときは、弁護士は、第二章ないし第七章の規定にかかわらず、弁護士報酬の支払時期を変更し又はこれを減額若しくは免除することができる。
2 着手金及び報酬金を受ける事件等につき、依頼の目的を達することについての見通し又は依頼者の経済的事情その他の事由により、着手金を規定どおり受けることが相当でないときは、弁護士は、第三章の規定にかかわらず、依頼者と協議のうえ、着手金を減額して、報酬金を増額することができる。ただし、着手金及び報酬金の合計額は、第十七条の規定により許容される着手金と報酬金の合算額を超えてはならない。
(弁護士報酬の特則による増額)
第九条 依頼を受けた事件等が、特に重大若しくは複雑なとき、審理若しくは処理が著しく長期にわたるとき又は受任後同様の事情が生じた場合において、前条第二項又は第二章ないし第四章の規定によっては弁護士報酬の適正妥当な額が算定できないときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その額を適正妥当な範囲内で増額することができる。
(消費税に相当する額)
第十条 この規程に定める額は、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)に基づき、弁護士の役務に対して課せられる消費税の額に相当する額を含まない。
第二章 法律相談料等
(法律相談料)
第十一条 法律相談料は、次表のとおりとする。
初回市民法律相談料
三〇分ごとに五、〇〇〇円から一万円の範囲内の一定額
一般法律相談料
三〇分ごとに五、〇〇〇円以上二万五、〇〇〇円以下
2 前項の初回市民法律相談とは、事件単位で個人から受ける初めての法律相談であって、事業に関する相談を除くものをいい、一般法律相談とは、初回市民法律相談以外の法律相談をいう。
(書面による鑑定料)
第十二条 書面による鑑定料は、次表のとおりとする。
書面による鑑定料
一〇万円から三〇万円の範囲内の額
2 前項において、事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議のうえ、前項に定める額を超える書面による鑑定料を受けることができる。
第三章 着手金及び報酬金
第一節 民事事件
(民事事件の着手金及び報酬金の算定基準)
第十三条 本節の着手金及び報酬金については、この規程に特に定めのない限り、着手金は事件等の対象の経済的利益の額を、報酬金は委任事務処理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算定する。
(経済的利益-算定可能な場合)
第十四条 前条の経済的利益の額は、この規程に特に定めのない限り、次のとおり算定する。
一 金銭債権は、債権総額(利息及び遅延損害金を含む。)
二 将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額
三 継続的給付債権は、債権総額の一〇分の七の額。ただし、期間不定のものは、七年分の額
四 賃料増減額請求事件は、増減額分の七年分の額
五 所有権は、対象たる物の時価相当額
六 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の二分の一の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の二分の一の額を超えるときは、その権利の時価相当額
七 建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷地の時価の三分の一の額を加算した額。建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の三分の一の額を加算した額
八 地役権は、承役地の時価の二分の一の額
九 担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額
十 不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権及び担保権等の登記手続請求事件は、第五号、第六号、第八号及び前号に準じた額
十一 詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額
十二 共有物分割請求事件は、対象となる持分の時価の三分の一の額。ただし、分割の対象となる財産の範囲又は持分に争いのある部分については、争いの対象となる財産又は持分の額
十三 遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。ただし、分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いのない部分については、その相続分の時価相当額の三分の一の額
十四 遺留分減殺請求事件は、対象となる遺留分の時価相当額
十五 金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。ただし、執行対象物件の時価が債権額に達しないときは、第一号の規定にかかわらず、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)
2 弁護士会は、地域の特性に応じて、合理的な経済的利益の算定基準を定めることができる。
(経済的利益算定の特則)
第十五条 前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らかに大きいときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態に相応するまで、減額しなければならない。
2 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号の一に該当するときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態又は依頼者の受ける経済的利益の額に相応するまで、増額することができる。
一 請求の目的が解決すべき紛争の一部であるため、前条で算定された経済的利益の額が紛争の実態に比して明らかに小さいとき。
二 紛争の解決により依頼者の受ける実質的な利益が、前条で算定された経済的利益の額に比して明らかに大きいとき。
(経済的利益-算定不能な場合)
第十六条 第十四条により経済的利益の額を算定することができないときは、その額を八〇〇万円とする。
2 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を、事件等の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
(民事事件の着手金及び報酬金)
第十七条 訴訟事件、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁事件の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次表のとおり算定する。
経 済 的 利 益 の 額
着手金
報酬金
三〇〇万円以下の部分
八%
一六%
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
五%
一〇%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
三%
六%
三億円を超える部分
二%
四%
2 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、三〇%の範囲内で増減額することができる。
3 民事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前二項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
4 前三項の着手金は、一〇万円を最低額とする。ただし、経済的利益の額が一二五万円未満の事件の着手金は、事情により一〇万円以下に減額することができる。
(調停事件及び示談交渉事件)
第十八条 調停事件及び示談交渉(裁判外の和解交渉をいう。以下同じ。)事件の着手金及び報酬金は、この規程に特に定めのない限り、それぞれ前条第一項及び第二項又は第二十一条第一項及び第二項の各規定を準用する。ただし、それぞれの規定により算定された額の三分の二に減額することができる。
2 示談交渉事件から引き続き調停事件を受任するときの着手金は、この規程に特に定めのない限り、前条第一項及び第二項又は第二十一条第一項及び第二項の各規定により算定された額の二分の一とする。
3 示談交渉事件又は調停事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、この規程に特に定めのない限り、前条第一項及び第二項又は第二十一条第一項及び第二項の各規定により算定された額の二分の一とする。
4 前三項の着手金は、一〇万円(第三十一条の規定を準用するときは、五万円)を最低額とする。
 ただし、経済的利益の額が一二五万円未満の事件の着手金は、事情により一〇万円(第二十一条の規定を準用するときは五万円)以下に減額することができる。
(契約締結交渉)
第十九条 示談交渉事件を除く契約締結交渉の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。
経 済 的 利 益 の 額
着手金
報酬金
三〇〇万円以下の部分
二%
四%
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
一%
二%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
〇・五%
一%
三億円を超える部分
〇・三%
〇・六%
2 前項の着手金及び報酬金は、事案の内容により、三〇%の範囲内で増減額することができる。
3 前二項の着手金は、一〇万円を最低額とする。
4 契約締結に至り報酬金を受けたときは、契約書その他の文書を作成した場合でも、その手数料を請求することができない。
(督促手続事件)
第二十条 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。
経 済 的 利 益  の 額
着手金
三〇〇万円以下の部分
二%
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
一%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
〇・五%
三億円を超える部分
〇・三%
2 前項の着手金は、事件の内容により、三〇%の範囲内で増減額することができる。
3 前二項の着手金は、五万円を最低額とする。
4 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第十七条又は第二十一条の規定により算定された額と前二項の規定により算定された額との差額とする。
5 督促手続事件の報酬金は、第十七条又は第三十一条の規定により算定された額の二分の一とする。ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたときでなければ、これを請求することができない。
6 前項ただし書の目的を達するため、民事執行事件を受任するときは、弁護士は、第一項ないし前項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第十七条の規定により算定された額の三分の一を、報酬金として同条の規定により算定された額の四分の一を、それぞれ受けることができる。
(手形、小切手訴訟事件)
第二十一条 手形、小切手訴訟事件の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。
経 済 的 利 益 の 額
着手金
報酬金
三〇〇万円以下の部分
四%
八%
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
二・五%
五%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
一・五%
三%
三億円を超える部分
一%
二%
2 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、三〇%の範囲内で増減額することができる。
3 前二項の着手金は、五万円を最低額とする。
4 手形、小切手訴訟事件が通常訴訟に移行したときの着手金は、第十七条の規定により算定された額と前三項により算定された額との差額とし、その報酬金は、第十七条の規定を準用する。
(離婚事件)
第二十二条 離婚事件の着手金及び報酬金は、次表のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
離婚事件の内容
着 手 金 及 び 報 酬 金
離婚調停事件又は離婚交渉事件
それぞれ二〇万円から五〇万円の範囲内の額
離婚訴訟事件
それぞれ三〇万円から六〇万円の範囲内の額
2 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の額の二分の一とする。
3 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による離婚訴訟事件の着手金の額の二分の一とする。
4 前三項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、弁護士は、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、第十七条又は第十八条の規定により算定された着手金及び報酬金の額以下の適正妥当な額を加算して請求することができる。
5 前四項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、離婚事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
(境界に関する事件)
第二十三条 境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他境界に関する訴訟の着手金及び報酬金は、次表のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
着手金及び報酬金
それぞれ三〇万円から六〇万円の範囲内の額
2 前項の着手金及び報酬金は、第十七条の規定により算定された着手金及び報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定による。
3 境界に関する調停事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第一項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ三分の二に減額することができる。
4 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額又は第二項の規定により算定された額のそれぞれ二分の一とする。
5 境界に関する調停事件又は示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額又は第二項の規定により算定された額の、それぞれ二分の一とする。
6 前五項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、境界に関する事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
(借地非訟事件)
第二十四条 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
五、〇〇〇万円以下の場合
二〇万円から五〇万円の範囲内の額
五、〇〇〇万円を超える場合
前段の額に五、〇〇〇万円を超える部分の〇・五%を加算した額
2 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとする。ただし、弁護士は、依頼者と協議のうえ、報酬金の額を、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
一 申立人については、申立が認められたときは借地権の額の二分の一を、相手方の介入権が認められたときは財産上の給付額の二分の一を、それぞれ経済的利益の額として、第十七条の規定により算定された額
二 相手方については、その申立が却下されたとき又は介入権が認められたときは、借地権の額の二分の一を、賃料の増額又は財産上の給付が認められたときは、賃料増額分の七年分又は財産上の給付額をそれぞれ経済的利益として、第十七条の規定により算定された額
3 借地非訟に関する調停事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第一項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ三分の二に減額することができる。
4 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額の二分の一とする。
5 借地非訟に関する調停事件又は示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第一項の規定による額の二分の一とする。
(保全命令申立事件等)
第二十五条 仮差押及び仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」という。)の着手金は、第十七条の規定により算定された額の二分の一とする。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の三分の二とする。
2 前項の事件が重大又は複雑であるときは、第十七条の規定により算定された額の四分の一の報酬金を受けることができる。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の三分の一の報酬金を受けることができる。
3 第一項の手続のみにより本案の目的を達したときは、前項の規定にかかわらず、第十七条の規定に準じて報酬金を受けることができる。
4 保全執行事件は、その執行が重大又は複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金及び報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第一項及び第二項の規定を準用する。
5 第一項の着手金及び第二項の報酬金並びに前項の着手金及び報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができる。
6 保全命令申立事件及び保全執行事件の着手金は、一〇万円を最低額とする。
(民事執行事件等)
第二十六条 民事執行事件の着手金は、第十七条の規定により算定された額の二分の一とする。
2 民事執行事件の報酬金は、第十七条の規定により算定された額の四分の一とする。
3 民事執行事件の着手金及び報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができる。ただし、着手金は第十七条の規定により算定された額の三分の一とする。
4 執行停止事件の着手金は、第十七条の規定により算定された額の二分の一とする。ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の三分の一とする。
5 前項の事件が重大又は複雑なときは、第十七条の規定により算定された額の四分の一の報酬金を受けることができる。
6 民事執行事件及び執行停止事件の着手金は、五万円を最低額とする。
(倒産整理事件)
第二十七条 破産、和議、会社整理、特別清算及び会社更生の各事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とする。ただし、右各事件に関する保全事件の弁護士報酬は、右着手金に含まれる。
 一 事業者の自己破産事件     五〇万円以上
 二 非事業者の自己破産事件     二〇万円以上
 三 自己破産以外の破産事件     五〇万円以上
 四 事業者の和議事件     一〇〇万円以上
 五 非事業者の和議事件     三〇万円以上
 六 会社整理事件     一〇〇万円以上
 七 特別清算事件     一〇〇万円以上
 八 会社更生事件     二〇〇万円以上
2 前項の各事件の報酬金は、第十七条の規定を準用する。この場合の経済的利益の額は、配当額、配当資産、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定する。ただし、前項第一号及び第二号の事件は、依頼者が免責決定を受けたときに限り、報酬金を受けることができる。
(任意整理事件)
第二十八条 任意整理事件(前条第一項に該当しない債務整理事件)の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とする。
 一 事業者の任意整理事件     五〇万円以上
 二 非事業者の任意整理事件     二〇万円以上
2 前項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員又は代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当源資額」という。)を基準として、次の各号の表のとおり算定する。
一 弁護士が債権取立、資産売却等により集めた配当源資額につき
五〇〇万円以下の部分
一五%
五〇〇万円を超え一、〇〇〇万円以下の部分
一〇%
一、〇〇〇万円を超え五、〇〇〇万円以下の部分
八%
五、〇〇〇万円を超え一億円以下の部分
六%
一億円を超える部分
五%
二 依頼者及び依頼者に準ずる者から任意提供を受けた配当源資額につき
五、〇〇〇万円以下の部分
三%
五、〇〇〇万円を超え一億円以下の部分
二%
一億円を超える部分
一%
3 第一項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予又は企業継続等により終了したときの報酬金は、前条第二項の規定を準用する。
4 第一項の事件の処理について、裁判上の手続を要したときは、前二項に定めるほか、本節の規定により算定された報酬金を受けることができる。
(行政上の不服申立事件)
第二十九条 行政上の異議申立、審査請求、再審査請求その他の不服申立事件の着手金は、第十七条の規定により算定された額の三分の二とし、報酬金は、同条の規定により算定された額の二分の一とする。ただし、審尋又は口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用する。
2 前項の着手金は、一〇万円を最低額とする。
第二節 刑事事件
(刑事事件の着手金)
第三十条 刑事事件の着手金は、次表のとおりとする。
刑 事 事 件 の 内 容
着   手   金
起訴前及び起訴後(第一審及び上訴審をいう。以下同じ。)の事案簡明な事件
それぞれ二〇万円から五〇万円の範囲内の額
起訴前及び起訴後の前段以外の事件及び再審事件
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
再審請求事件
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
2 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が二ないし三開廷程度と見込まれる情状事件(上告事件を除く。)、上告審は事実関係に争いがない情状事件をいう。
(刑事事件の報酬金)
第三十一条 刑事事件の報酬金は、次表のとおりとする。
刑事事件の内容
結 果
報    酬    金
事案簡明な事件
起訴前
不起訴
二〇万円から五〇万円の範囲内の額
求略式命令
前段の額を超えない額
起訴後
刑の執行猶予
二〇万円から五〇万円の範囲内の額
求刑された刑が軽減された場合
前段の額を超えない額
前段以外の刑事事件
起訴前
不起訴
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
求略式命令
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
起訴後(再審事件を含む。)
無罪
五〇万円を最低額とする一定額以上
刑の執行猶予
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
求刑された刑が軽減された場合
軽減の程度による相当な額
検察官上訴が棄却された場合
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
再審請求事件
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
2 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいう。
(刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等)
第三十二条 起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除く。)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第三十条に定める着手金を受けることができる。ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の二分の一とする。
2 刑事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前二条にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
3 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
(検察官の上訴取下げ等)
第三十三条 検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第三十一条の規定を準用する。
(保釈等)
第三十四条 保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受けることができる。
(告訴、告発等)
第三十五条 告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、一件につき一〇万円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができる。
第三節 少年事件
(少年事件の着手金及び報酬金)
第三十六条 少年事件(少年を被疑者とする捜査中の事件を含む。以下同じ。)の着手金は、次表のとおりとする。
少 年 事 件 の 内 容
着   手   金
家庭裁判所送致前及び送致後
それぞれ二〇万円から五〇万円の範囲内の額
抗告、再抗告及び保護処分の取消
それぞれ二〇万円から五〇万円の範囲内の額
2 少年事件の報酬金は、次表のとおりとする。
少 年 事 件 の 結 果
報   酬   金
非行事実なしに基づく審判不開始又は不処分
二〇万円から五〇万円の範囲内の一定額以上
その他
二〇万円から五〇万円の範囲内の額
3 弁護士は、着手金及び報酬金の算定につき、家庭裁判所送致以前の受任か否か、非行事実の争いの有無、少年の環境調整に要する手数の繁簡、身柄付の観護措置の有無、試験観察の有無等を考慮するものとし、依頼者と協議のうえ、事件の重大性等により、前二項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができる。
(少年事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合)
第三十七条 家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、第五条の規定にかかわらず、家庭裁判所に送致されても一件の事件とみなす。
2 少年事件につき、同一弁護士が引き続き抗告審等を受任するときは、前条にかかわらず、抗告審等の着手金及び報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することができる。
3 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して一件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
4 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の弁護士報酬は、本章第二節の規定による。ただし、同一弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済みの少年事件の着手金の額の範囲内で減額することができる。
第四章 手数料
(手数料)
第三十八条 手数料は、この規程に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次の各号の表のとおり算定する。なお、経済的利益の額の算定については、第十四条ないし第十六条の規定を準用する。
一 裁判上の手数料
項  目
分    類
手      数      料
証拠保全(本案事件を併せて受任したときでも本案事件の着手金とは別に受けることができる。)
基 本
 二〇万円に第十七条第一項の着手金の規定により算定された額の一〇%を加算した額
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
即決和解(本手数料を受けたときは、契約書その他の文書を作成しても、その手数料を別に請求することはできない。)
示談交渉を要しない場合
三〇〇万円以下の部分
一〇万円
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
一%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
〇・五%
三億円を超える部分
〇・三%
示談交渉を要する場合
示談交渉事件として、第十八条又は第二十二条ないし第二十四条の各規定により算定された額
公示催告
即決和解の示談交渉を要しない場合と同額
倒産整理事件の債権届出
基 本
五万円から一〇万円の範囲内の額
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
簡易な家事審判(家事審判法第九条第一項甲類に属する家事審判事件で事案簡明なもの。)
一〇万円から二〇万円の範囲内の額
二 裁判外の手数料
項  目
分    類
手      数      料
法律関係調査(事実関係調査を含む。)
基 本
五万円から二〇万円の範囲内の額
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
契約書類及びこれに準ずる書類の作成
定 型
経済的利益の額が一、〇〇〇万円未満のもの
五万円から一〇万円の範囲内の額
経済的利益の額が一、〇〇〇万円以上一億円未満のもの
一〇万円から三〇万円の範囲内の額
経済的利益の額が一億円以上のもの
三〇万円以上
非定型
基 本
三〇〇万円以下の部分
一〇万円
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
一%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
〇・三%
三億円を超える部分
〇・一%
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
公正証書にする場合
右の手数料に三万円を加算する。
内容証明郵便作成
弁護士名の表示なし
基 本
一万円から三万円の範囲内の額
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
弁護士名の表示あり
基 本
三万円から五万円の範囲内の額
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
遺言書作成
定 型
一〇万円から二〇万円の範囲内の額
非定型
基 本
三〇〇万円以下の部分
二〇万円
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
一%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
〇・三%
三億円を超える部分
〇・一%
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と依頼者との協議により定める額
公正証書にする場合
右の手数料に三万円を加算する。
遺言執行
基 本
三〇〇万円以下の部分
三〇万円
三〇〇万円を超え三、〇〇〇万円以下の部分
二%
三、〇〇〇万円を超え三億円以下の部分
一%
三億円を超える部分
〇・五%
特に複雑又は特殊な事情がある場合
弁護士と受遺者との協議により定める額
遺言執行に裁判手続を要する場合
遺言執行手数料とは別に、裁判手続きに要する弁護士報酬を請求することができる。
会社設立等
設立、増減資、合併、分割、組織変更、通常清算
資本額若しくは総資産額のうち高い方の額又は増減総額に応じて以下により算出された額。ただし、合併又は分割については二〇〇万円を、通常清算については一〇〇万円を、その他の手続については一〇万円を、それぞれ最低額とする。
一、〇〇〇万円以下の部分
四%
一、〇〇〇万円を超え二、〇〇〇万円以下の部分
三%
二、〇〇〇万円を超え一億円以下の部分
二%
一億円を超え二億円以下の部分
一%
二億円を超え二〇億円以下の部分
〇・五%
二〇億円を超える部分
〇・三%
会社設立等以外の登記等
申請手続
一件五万円。ただし、事業によっては、弁護士と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
交付手続
登記簿謄抄本、戸籍騰抄本、住民票等の交付手続は、一通につき一、〇〇〇円とする。
株主総会等指導
基 本
三〇万円以上
総会等準備も指導する場合
五〇万円以上
現物出資等証明(商法第百七十三条第三項等及び有限会社法第十二条の二第三項等に基づく証明)
一件三〇万円。ただし、出資等にかかる不動産価格及び調査の難易、繁簡等を考慮して、弁護士と依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
簡易な自賭賞請求(自動車損害賠償責任保険に基づく被害者による簡易な損害賠償請求)
次により算定された額。ただし、損害賠償請求権の存否又はその額に争いがある場合には、弁護士は、依頼者との協議により適正妥当な範囲内で増減額することができる。
給付金額が一五〇万円以下の場合
三万円
給付金額が一五〇万円を超える場合
給付金額の 二%
第五章 時間制
(時間制)
第三十九条 弁護士は、依頼者との協議により、受任する事件等に関し、第二章ないし第四章及び第七章の規定によらないで、一時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその処理に要した時間
(移動に要する時間を含む。)を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができる。
2 前項の単価は、一時間ごとに一万円以上とする。
3 弁護士は、具体的な単価の算定にあたり、事案の困難性、重大性、特殊性、新規性及び弁護士の熟練度等を考慮する。
4 弁護士は、時間制により弁護士報酬を受けるときは、あらかじめ依頼者から相当額を預かることができる。
第六章 顧問料
(顧問料)
第四十条 顧問料は、次表のとおりとする。ただし、事業者については、事業の規模及び内容等を考慮して、その額を減額することができる。
事  業  者
月額五万円以上
非 事 業 者
年額六万円(月額五、〇〇〇円)以上
2 顧問契約に基づく弁護士業務の内容は、依頼者との協議により特に定めのある場合を除き、一般的な法律相談とする。
3 簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導又は立会、講演などの業務の内容並びに交通費及び通信費などの実費の支払等につき、弁護士は、依頼者と協議のうえ、顧問契約の内容を決定する。
第七章 日当
(日当)
第四十一条 日当は、次表のとおりとする。
半日(往復二時間を超え四時間まで)
三万円以上五万円以下
一日(往復四時間を超える場合)
五万円以上一〇万円以下
2 前項にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができる。
3 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から日当を預かることができる。
第八章 実費等
(実費等の負担)
第四十二条 弁護士は、依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、その他委任事務処理に要する実費等の負担を求めることができる。
2 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から実費等を預かることができる。
(交通機関の利用)
第四十三条 弁護士は、出張のための交通機関については、最高運賃の等級を利用することができる。
第九章 委任契約の清算
(委任契約の中途終了)
第四十四条 委任契約に基づく事件等の処理が、解任、辞任又は委任事務の継続不能により、中途で終了したときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、委任事務処理の程度に応じて、受領済みの弁護士報酬の全部若しくは一部を返還し、又は弁護士報酬の全部若しくは一部を請求する。
2 前項において、委任契約の終了につき、弁護士のみに重大な責任があるときは、弁護士は受領済みの弁護士報酬の全部を返還しなければならない。ただし、弁護士が既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その全部又は一部を返還しないことができる。
3 第一項において、委任契約の終了につき、弁護士に責任がないにもかかわらず、依頼者が弁護士の同意なく委任事務を終了させたとき、依頼者が故意又は重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、弁護士は、弁護士報酬の全部を請求することができる。ただし、弁護士が委任事務の重要な部分の処理を終了していないときは、その全部については請求することができない。
(事件等処理の中止等)
第四十五条 依頼者が着手金、手数料又は委任事務処理に要する実費等の支払いを遅滞したときは、弁護士は、事件等に着手せず又はその処理を中止することができる。
2 前項の場合には、弁護士は、あらかじめ依頼者にその旨を通知しなければならない。
(弁護士報酬の相殺等)
第四十六条 依頼者が弁護士報酬又は立替実費等を支払わないときは、弁護士は、依頼者に対する金銭債務と相殺し又は事件等に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引き渡さないでおくことができる。
2 前項の場合には、弁護士は、すみやかに依頼者にその旨を通知しなければならない。
附 則

 この改正規定は、平成七年十月一日から施行する。

* 日弁連の報酬に関する規程は,以下の4種類です。
① 報酬等基準規程(昭和24年10月16日会規第7号)
・ 昭和24年10月16日から昭和50年 3月31日まで適用されていました。
② 報酬等基準規程(昭和50年3月20日会規第20号)
・ 昭和50年 4月 1日から平成 7年 9月30日まで適用されていました。
③ 報酬等基準規程(平成7年9月11日会規第38号)
・ 平成 7年10月 1日から平成16年 3月31日まで適用されていました。
④ 弁護士の報酬に関する規程(平成16年2月26日会規第68号)
・ 平成16年 4月 1日から適用されています。

日弁連の,報酬等基準規程(昭和50年3月20日会規第20号)

日弁連の,報酬等基準規程(昭和50年3月20日会規第20号)(昭和50年4月1日施行,平成7年9月30日廃止)の制定時の条文は以下のとおりです。

  第一章 総 則
(趣旨)
第一条 弁護士会が定める弁護士報酬等に関する規定は、この規程を基準とし、その弁護士会の所在地域における事情を考慮して、適正妥当に定められなければならない。
(弁護士報酬の種類と支払時期)
第二条 弁護士報酬は、手数料(着手金)、謝金、法律相談料、鑑定料、顧問料及び日当とする。
2 第三章の民事事件及び第四章の刑事事件の手数料は、事件の依頼を受けたとき、謝金は、依頼の目的を達したとき、法律相談料、鑑定料、書類作成手数料、会社設立等手数料、登記登録等手数料、顧問料及び日当は、依頼者との協議により定められたときに、それぞれ支払いを受けるものとする。
(事件の個数と報酬)
第三条 手数料及び謝金は、一件ごとに定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件は当初依頼を受けた事務の範囲をもつて一件とする。
2 同一弁護士が上訴審を通じて民事事件を受任したときの謝金は、最終審の謝金のみを受けるものとする。ただし、依頼者との協議によりこれと異なる定めをしたときは、この限りでない。
(報酬等の増減額)
第四条 依頼者が貧困であるとき又は特別の事情があるときは、第二章ないし第六章の規定にかかわらず、弁護士報酬等を減額又は免除することができる。
2 依頼を受けた事件が特に重大若しくは複雑なとき、審理若しくは処理が著しく長期に亘るとき又は受任後同様の事情が生じたときは、第二章及び第三章の規定にかかわらず、弁護士報酬を公正かつ妥当な範囲内で増額することができる。
3 事件の経済的価額以外に、依頼者の受ける利益を加味することが相当な場合は、前項に準ずる。
(解任の場合の報酬等)
第五条 依頼者が、弁護士の責に帰することのできない事由で弁護士を解任したとき、弁護士の同意なく依頼事件を終結させたとき又は故意若しくは重大な過失で依頼事件の処理を不能にしたときは、弁護士は、その弁護士報酬等の全額を請求することができる。
(事件処理の中止等)
第六条 依頼者が、手数料又は事件処理に必要な費用を支払わないときは、弁護士は、事件に着手せず又はその処理を中止することができる。ただし、この場合には、あらかじめ依頼者にその旨を通知しなければならない。
(報酬の相殺等)
第七条 依頼者が、手数料、謝金又は立替費用等を支払わないときは、弁護士は、依頼者に対する金銭債務と相殺し又は事件に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引渡さないでおくことができる。ただし、この場合には、すみやかに依頼者にその旨を通知しなければならない。
(報酬契約書の作成)
第八条 弁護士は、事件を受任したときは、すみやかに報酬契約書を作成するよう努めなければならない。
2 報酬契約書には、事件の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の金額又はその算定方法並びにその支払の時期、その他特約事項を記載するものとする。
(規定の遵守及び宣伝等の禁止)
第九条 弁護士は、所属弁護士会の定める報酬規定を遵守し、その最低額未満をもつて事件を取扱う旨の表示又は宣伝をしてはならない。
  第二章 法律相談料等
(法律相談料等)
第十条 法律相談料及び鑑定料は、次のとおりとする。
一、法律相談(口頭による鑑定、電話による相談を含む。)一時間以内は五、〇〇〇円以上とし、一時間を超えたときは、右の基準により加算する。
二、書面による鑑定 一件五万円以上
(書類作成手数料)
第十一条 契約書その他書類作成に関する手数料は、一件につき二万円に、第十八条の規定により算定された手数料の五%ないし一〇%を加算した額とする。
2 前項の書類を公正証書にするときは、前項の額に二万円を加算する。
(会社設立等手数料)
第十二条 会社その他の法人の設立、増減資、合併及び組織変更に関する手続の手数料は、資本額又は増減資額に応じて、次のとおり算定する。ただし、一〇万円を下らないものとする。
 五〇〇万円以下のもの      四%
 五〇〇万円を超え一、〇〇〇万円以下の部分     三%
 一、〇〇〇万円を超え五、〇〇〇万円以下の部分     二%
 五、〇〇〇万円を超え一億円以下の部分     一%
 一億円を超え一〇億円以下の部分     〇・五%
 一〇億円を超える部分     〇・三%
(登記、登録等手数料)
第十三条 前条以外の登記、登録等の申請手続の手数料は、二万円以上とする。
(顧問料)
第十四条 顧問料は、月額二万円以上とする。
  第三章 民事事件の手数料及び謝金
(算定方法)
第十五条 本章の手数料及び謝金は、特に定めがない限り、手数料はその事件の対象の経済的利益の価額を、謝金はその事件によって得た経済的利益の価額を基準として算定する。
(算定基準-算定可能な場合)
第十六条 前条の経済的利益の価額は、次のとおり算定する。
一、金銭債権は、債権総額
二、将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額
三、継続的給付債権は、債権総額の一〇分の七の額。ただし、期間不定のものは、七年分の額
四、賃料増減額請求は、増減額分の五年分の額
五、所有権は、対象たる物の時価
六、占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の二分の一の額。ただし、その権利の時価が本文の価額を超えるときは、その権利の時価
七、土地所有者が、その地上の自己所有の建物の明渡しにより、その土地の使用権をも回復しうるときは、建物の時価に、土地の時価の二分の一を加算した額
八、地役権は、承役地の時価の二分の一の額
九、担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価
十、不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権及び担保権等の登記手続請求事件は第五号、第六号、第八号及び前号に準じた額
十一、借地非訟事件は、第六号の額の二分の一の額
十二、詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。ただし、取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額
(算定基準-算定不能な場合)
第十七条 前条により経済的利益の価額を算定することができないときは、その価額を三〇〇万円とする。
2 前項の価額は、事件の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、増減額することができる。
(訴訟事件等)
第十八条 訴訟事件(手形、小切手訴訟を除く。)非訟事件、家事審判事件、行政審判事件及び仲裁事件の手数料並びに謝金は、前二条による価額を基準として、それぞれ次のとおり算定する。
 (手数料)(謝金)
五〇万円以下のもの一五%一五%
五〇万円を超え一〇〇万円以下の部分一二%一二%
一〇〇万円を超え三〇〇万円以下の部分一〇%一〇%
三〇〇万円を超え五〇〇万円以下の部分八%八%
五〇〇万円を超え一、〇〇〇万円以下の部分七%七%
一、〇〇〇万円を超え五、〇〇〇万円以下の部分五%五%
五、〇〇〇万円を超え一億円以下の部分四%四%
一億円を超え一〇億円以下の部分三%三%
一〇億円を超える部分二%二%
2 前項の手数料及び謝金は、事件の内容により、それぞれ三〇%の範囲内で増減額することができる。
(手形、小切手訴訟事件)
第十九条 手形、小切手訴訟事件の手数料及び謝金は、前条により算定された額の二分の一とする。
2 前項の手続が通常訴訟に移行したときの手数料は、前条の規定により算定された額と前項により算定された額との差額とする。
(調停事件)
第二十条 調停事件の手数料及び謝金は、第十八条の規定を準用する。ただし、それぞれの額を三分の二に減額することができる。
2 調停の不調後、引続いて訴訟その他の事件を受任するときの手数料は、第十八条又は前条の規定により算定された額の二分の一とする。
(示談折衝事件)
第二十一条 示談折衝(裁判外の和解交渉)事件の手数料及び謝金は、前条の規定を準用する。
(即決和解事件)
第二十二条 即決和解事件の手数料は、三万円に、第十八条の規定により算定された額の五%ないし一〇%を加算した額とする。
2 前項の事件についての示談折衝の手数料及び謝金は、第二十条の規定を準用する。
(保全事件)
第二十三条 仮差押、仮処分に関する事件の手数料は、第十八条の規定により算定された額の三分の一とする。ただし、審尋又は口頭弁論を経るに至つたときは、同条の規定により算定された額の二分の一とする。
2 前項の事件が重大又は複雑であるときは、前項に準じて謝金を受けることができる。
3 第一項の手続のみにより本案の目的を達したときは、前項の規定にかかわらず、第十八条の規定に準じて謝金を受けることができる。
4 第一項の手数料及び第二項の謝金は、本案事件に併せて受任したときでも、本案事件の手数料、謝金とは別に受けることができる。
(証拠保全事件)
第二十四条 証拠保全事件の手数料は、第十八条の規定により算定された額の一〇%ないし三〇%とする。
2 前項の手数料は、本案事件に併せて受任したときでも、本案事件の手数料とは別に受けることができる。
(督促手続事件)
第二十五条 督促手続事件の手数料は、第二十二条第一項の規定を準用し、謝金は、第十八条の規定により算定された額の二分の一の範囲内で受けることができる。
2 前項の手続が訴訟に移行したときの手数料は、第十八条又は第十九条の規定により算定された額と前項の規定により算定された額との差額とする。
(強制執行事件等)
第二十六条 強制執行及び競売事件の手数料並びに謝金は、第十八条の規定により算定された額の二分の一とする。
2 執行停止事件の手数料は、第十八条の規定により算定された額の三分の一とする。
3 前項の事件が重大又は複雑なときは、前項に準じて謝金を受けることができる。
4 前三項の手数料及び謝金は、本案事件に併せて受任したときでも、本案事件の手数料、謝金とは別に受けることができる。
(公示催告事件)
第二十七条 公示催告事件の手数料は、第二十二条第一項の規定を準用する。
(破産事件等)
第二十八条 破産、和議、整理、清算及び会社更生事件の手数料は、資本金、資産及び負債額並びに関係人等事件の規模に応じて定めるものとし、それぞれ次の額を最低額とする。
 一、破産事件     三〇万円
 二、和議事件     五〇万円
 三、整理事件     五〇万円
 四、清算事件     五〇万円
 五、会社更生事件     一〇〇万円
2 前項の事件の謝金は、第十八条の規定を準用する。この場合の経済的利益の価額は、配当資産、免除債権額、延払いによる利益、企業継続による利益等を考慮して算定する。
3 第一項の事件にかかる債権届出その他関連手続の手数料は、五万円以上とし、その謝金は、第十八条の規定により算定された額の二分の一とする。
(行政上の不服申立事件)
第二十九条 行政上の審査請求、異議申立、再審査請求、その他の不服申立事件の手数料及び謝金は、第十八条の規定により算定された額の二分の一とする。ただし、審尋又は口頭審理等を経るに至つたときは、同条の規定を準用する。
(手数料の特則)
第三十条 第十八条ないし第二十一条、第二十三条及び前条の手数料は、その規定にかかわらず、五万円を下らないものとする。
  第四章 刑事事件の手数料及び謝金
(起訴後の刑事事件)
第三十一条 起訴後の刑事事件の手数料及び謝金の最低額は、次の表による。
手数料謝   金
無 罪刑の執行猶予求刑された刑が軽減された場合等
簡易裁判所事件一〇万円二〇万円一〇万円その程度により適当な金額を受ける。
地方 家庭 裁判所単独審事件一五万円二〇万円一五万円
合議審事件二〇万円三〇万円二〇万円
高等・最高裁判所事件二〇万円三〇万円二〇万円
2 検事上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻、破棄移送及び検事上訴棄却の言渡しがあつたときの謝金は、その受益の程度により、前項に準ずる。
(起訴前の事件)
第三十二条 起訴前の事件の手数料は、前条第一項の規定を準用する。
2 前項の事件が不起訴になつたときの謝金は、前条第一項の無罪又は刑の執行猶予に準ずる。
3 第一項の事件が略式命令により終了したときの謝金は、前条第一項の執行猶予又は求刑された刑が軽減された場合等に準ずる。
4 第一項の事件が起訴(求略式命令を除く。)され、引続いてその事件を受任するときは、さらに前条第一項に定める手数料を受けることができる。
(少年事件)
第三十三条 少年事件(捜査中の事件を含む。)の手数料及び謝金の最低額は、次の表による。
手数料謝 金
不処分、不開始保護観察そ の 他
少年事件一〇万円一五万円一〇万円処分の程度により適当な金額を受ける。
2 前項の事件が起訴(求略式命令を除く。)され、引続いてその事件を受任するときの手数料及び謝金については、第三十一条の規定を準用する。
(保釈等)
第三十四条 保釈、勾留の執行停止、準抗告、即時抗告、忌避、勾留理由開示等の申立事件の手数料及び謝金は、依頼者との協議により、被告事件の手数料及び謝金とは別に受けることができる。
(告訴、告発等)
第三十五条 告訴、告発、検察審査の申立、収監延期、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の手数料は、一件につき五万円以上とし、謝金は、依頼者との協議により受けることができる。
  第五章 時間制
(時間制)
第三十六条 弁護士は、依頼者と協議の上、受任事件について、第二章ないし第四章の規定によらないで、一時間について五、〇〇〇円以上の額に、事件処理に要した時間を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができる。
  第六章 実費等
(実費)
第三十七条 書類作成費、訴訟記録謄写料、訴訟書類等の貼用印紙代、予納郵券代、保証金、予納金、旅費、宿泊料、交通通信費、その他依頼された事件を処理するに必要な費用は、概算払いを受け又は必要の都度、別途に支払いを受けるものとする。
(日当等)
第三十八条 弁護士が、受任事件について出張するときの旅費、日当及び宿泊料は、次のとおりとする。
一、旅費 交通費は実費とし、鉄道、船舶又は航空機の運賃は、最高の運賃とする。
二、日当 一日一万円以上
三、宿泊料 実費
  附 則
1 この規程は、昭和五十年四月一日から施行する。

2 報酬等基準規程(昭和二十四年会規第七号)及び報酬等基準の臨時措置に関する規程(昭和四十八年会規第十八号)は、廃止する。

* 日弁連の報酬に関する規程は,以下の4種類です。
① 報酬等基準規程(昭和24年10月16日会規第7号)
・ 昭和24年10月16日から昭和50年 3月31日まで適用されていました。
② 報酬等基準規程(昭和50年3月20日会規第20号)
・ 昭和50年 4月 1日から平成 7年 9月30日まで適用されていました。
③ 報酬等基準規程(平成7年9月11日会規第38号)
・ 平成 7年10月 1日から平成16年 3月31日まで適用されていました。
④ 弁護士の報酬に関する規程(平成16年2月26日会規第68号)
・ 平成16年 4月 1日から適用されています。

日弁連の,報酬等基準規程(昭和24年10月16日会規第7号)

日弁連の,報酬等基準規程(昭和24年10月16日会規第7号)(昭和24年10月16日施行,昭和50年3月31日廃止)の制定時の条文は以下のとおりです(「手数料」は着手金のことであり,「謝金」は成功報酬金のことです。)。

第一條 弁護士の受くべき報酬は、第三條に定める額を標準として地方の事情、事件の難易軽重、依頼者の社会的地位及び資力並びにその受ける利益等を参酌し、適正妥当と認められる金額でなければならない。
第二條 報酬は、手数料、謝金、鑑定料及び顧問料とする。
2 手数料は、事件の依頼を受けたとき、謝金は、依頼の目的を達したとき、鑑定料は、鑑定を終えたとき、顧問料は依頼者との合意により定められた時期に支拂を受けるものとする。
第三條 報酬は、依頼を受けた事件の種類により、左に掲げる標準に従つて定るものとする。
一 民事又は商事に関する事件であつて目的の価額を算定することができるものについては、手数料及び謝金は、それぞれ、目的の価額が十万円以下のものは、その百分の三十以下の金額とし、十万円を越えるものは、そのうち十万円にあたる部分につきその百分の三十以下、十万円を越える部分につき百分の二十以下としてこれを合算した金額とする。但し、手数料及び謝金の金額を合計して目的の価額の百分の五十を越えてはならない。
二 人事事件、非訟事件その他民事又は商事に関する事件であつて目的の価額を算定することができないものについては、事件処理の結果依頼者の受くべき経済上その他の利益を標準とし、前号に準じて手数料及び謝金の金額を定める。
三 仮差押事件、仮処分事件若しくはその異議事件の手数料及び謝金又は証拠保全事件の手数料は、依頼者との合意により、その本案事件の手数料又は謝金に包含させ、又はこれと別に定めることができる。
本案事件と別に定める場合においては、その金額は、前二号の定める標準の二分の一以下とする。
四 破産事件、和議事件、強制執行事件、競売事件及び個人財産又は、法人の整理事件の手数料及び謝金は、第一号の定める標準の二分の一以下の金額とする。但し、整理事件が訴訟、調停、破産、和議その他の裁判上の手続を伴う場合においては、依頼者との合意に基き、その整理事件に対する報酬とは別に、この規程の定める標準により、当該裁判上の手続に対する手数料及び謝金の金額を定めることができる。
五 会社の設立、合併、資本増加、資本減少又は清算に関する手続の依頼を受けた場合における手数料及び謝金は、それぞれ、拂込資本金額、増加若しくは減少した拂込資本金額又は解散当時の会社財産の金額を標準とし、その百分の五以下の金額とする。
六 行政訴訟事件及び特許法第百二十八條の二(実用新案法第二十六條、意匠法第二十五條又は商標法第二十四條の規定により準用する場合を含む。)の規定による訴訟事件の手数料及び謝金については、第二号の規定を準用し、訴願事件の手数料及び謝金は、行政訴訟事件について定めることのできる手数料及び謝金の二分の一以下の金額とする。
七 刑事事件の手数料及び謝金
(一)簡易裁判所係属事件
手数料 三千円以上
謝金
イ 無罪若しくは免訴の言渡を受け、又は公訴が棄却されたときは、三千円以上
ロ 刑の執行猶予の言渡を受けたときは、二千円以上
ハ 罰金を求刑され、判決において科料の言渡を受けたときは千円以上
ニ その他判決における刑の言渡が求刑より著しく軽くなつたときは千円以上
(二)地方裁判所及び高等裁判所係属事件
手数料 五千円以上
謝金
イ 無罪若しくは免訴の言渡を受け、又は公訴が棄却されたときは、五千円以上
ロ 執行猶予の言渡を受けたとき若しくは体刑を求刑され、判決において罰金又は科料の言渡を受けたときは、三千円以上
ハ 罰金を求刑され、判決において科料の言渡を受けたときは、二千円以上
ニ その他判決における刑の言渡が求刑より著しく軽くなつたときは、二千円以上
(三)上告事件
手数料 五千円以上
謝金
イ 破棄差戻又は破棄移送の判決があつたときは、五千円以上
ロ 上告裁判所が原判決を破棄し、みずから判決して有利の結果を得たときは、五千円以上
八 告訴又は告発の代理の委任を受けた場合における手数料は、五千円以上とする。
九 弁護士法第三條第二項の事務を行つた場合における手数料及び謝金は、それぞれ二千円以上とする。
十 鑑定料の金額は、口頭による鑑定の場合は、千円以上、書面による鑑定の場合は、三千円以上とする。但し、鑑定について特別の調査研究を必要とする場合は、依頼者との合意により別にその金額を定めることができる。
十一 契約書、法人又は会社の定款その他書類の作成等に関する手数料は、書面による鑑定をした場合に準じてその金額を定める。
十二 顧問料の額は、年額一万円以上とする。
2 前項第一号及び第二号により定められた手数料及び謝金の標準は、依頼された事件が裁判上のものであると裁判外のものであるとによつて、区別されないものとする。
第四條 報酬は、一箇の事件ごとに定めるものとする。但し、裁判上の事件は、審級ごとに一箇の事件とし、裁判外の事件は、当初依頼を受けた事務の終了をもつて一箇の事件が完結するものとする。
2 前條第一項各号のうち特に規定した場合を除き、一箇の事件の手続と関連して別箇の事件に相当する手続をする必要のある場合には、その手続ごとに前條の規定により定められた手数料及び謝金の標準額の半額を加算することができる。
第五條 依頼者が貧困であるとき、又は弁護士との間に親族関係その他特別の事情があるときは、第三條の規定にかかわらず、手数料及び謝金を減額又は免除することができる。
2 依頼を受けた事件が特に重大であるとき、又は特に複雑であるときは、第三條の規定にかかわらず、手数料及び謝金を増額することができる。
第六條 依頼者が弁護士の責に帰することのできない事由で弁護士を解任し、弁護士に無断で訴の取下、請求の拠棄若しくは認諾、和解その他の行為をして依頼した事件を完結させ、又は故意若しくは重大な過失によつて弁護士をして依頼の事務を処理することをできなくさせたときは、弁護士は、その謝金の全額を請求することができるものとする。
第七條 弁護士が依頼された事件につき、その事務所所在地以外の地に出張する必要があるときは、左の標準によつて、あらかじめ、依頼者より旅費、日当及び宿泊料の支拂を受けるものとする。
旅費 鉄道及び船舶の運賃は、一等の運賃とする。但し、一等のない場合は二等とし、自動車その他の車馬賃は、実費を受けるものとする。
日当 一日千円以上一万円以下
宿泊料 一泊千円以上五千円以下
第八條 書類作成費、訴訟記録謄写料、訴訟書類等貼用印紙代、保証金その他の予納金、通信費その他依頼された事件を処理するに必要な費用は、概算拂を受け、又は必要の都度その支拂を受けるものとする。
附 則

この規定は昭和二十四年十月十六日から適用する。

* 日弁連の報酬に関する規程は,以下の4種類です。
① 報酬等基準規程(昭和24年10月16日会規第7号)
・ 昭和24年10月16日から昭和50年 3月31日まで適用されていました。
② 報酬等基準規程(昭和50年3月20日会規第20号)
・ 昭和50年 4月 1日から平成 7年 9月30日まで適用されていました。
③ 報酬等基準規程(平成7年9月11日会規第38号)
・ 平成 7年10月 1日から平成16年 3月31日まで適用されていました。
④ 弁護士の報酬に関する規程(平成16年2月26日会規第68号)
・ 平成16年 4月 1日から適用されています。

裁判統計報告

1(1) 裁判統計報告に関する以下の文書を掲載しています。掲載文書の基準時は平成26年1月です。
① 最高裁判所事務総長通達 (平成26年1月当時のもの)
・ 裁判統計報告について(平成17年1月31日付の最高裁判所事務総長通達)
② 最高裁判所事務総局情報政策課長通達(平成26年1月当時のもの)
・   裁判統計報告に関する事務の処理について(平成17年1月31日付の最高裁判所事務総局情報政策課長通達)1/2(本文,月報及び年表)
・   裁判統計報告に関する事務の処理について(平成17年1月31日付の最高裁判所事務総局情報政策課長通達)2/2(裁判事件票)
・   裁判所分類符号表
・   民事,刑事事件分類符号表1/2及び2/2
国名分類符号表
③ 裁判統計における参考資料(月報・年表・事件票)→令和元年12月の最高裁判所情報政策課の文書

2(1) 統計報告書には,統計月報及び統計年表があります。
(2) 高等裁判所,地方裁判所,家庭裁判所及び簡易裁判所は,その取り扱った事件について,本庁,支部又は出張ごとに統計報告書を作成しますし,記載の都度,裁判事件票を作成します。


3 以下の記事も参照してください
・ 最高裁判所が作成している事件数データ
・ 裁判所関係国賠事件

最高裁判所が作成している事件数データ

1 以下のデータを掲載しています。
◯令和 元年分
・ 令和 元年の最高裁の事件数データ
・ 令和 元年の高裁の事件数(民事事件の上告,控訴,抗告及び許可抗告申立て,並びに行政事件の第一審訴訟,控訴及び許可抗告申立て)
・ 令和 元年の地裁の本庁及び支部ごとの事件数データ
・ 令和元年の高裁及び地裁の知的財産権に関する事件数データ
・ 令和 元年の医事関係訴訟新受件数(地裁別),及び地裁の医事関係訴訟既済件数(診療科目別)
・ 令和 元年の家裁の本庁及び支部ごとの事件数データ
・ 令和 元年の簡裁の事件数データ(交通事故損害賠償請求訴訟新受件数を含む。)
◯平成30年分
・ 平成30年の最高裁の事件数データ
 平成30年の高裁の事件数(民事事件の上告,控訴,抗告及び許可抗告申立て,並びに行政事件の第一審訴訟,控訴及び許可抗告申立て)
・ 平成30年の高裁及び地裁の知的財産権に関する事件数データ
・ 平成30年の地裁の本庁及び支部ごとの事件数データ
・ 平成30年の医事関係訴訟新受件数(地裁別),及び平成30年の地裁の医事関係訴訟既済件数(診療科目別)
・ 平成30年の家裁の本庁及び支部ごとの事件数データ
・ 平成30年の簡裁の事件数データ(交通事故損害賠償請求訴訟新受件数を含む。)
◯平成29年分
・ 平成29年の最高裁の事件数データ
・ 平成29年の高裁,地裁及び家裁の本庁及び支部ごとの事件数データ
◯平成28年分
・ 平成28年の最高裁の事件数データ
・ 平成28年の高裁,地裁及び家裁の本庁及び支部ごとの事件数データ
・ 平成28年の地裁の本庁及び支部ごとの過払金等の事件数データ

2(1) 平成16年から平成29年までの医事関係訴訟新受件数(地裁別),及び医事関係訴訟既済件数(診療科目別)(平成18年~平成30年3月)を掲載しています。
(2)ア 平成27年,平成28年及び平成29年の簡易裁判所の事件数(通常訴訟,少額訴訟,和解,支払督促,公示催告,保全命令及び民事調停)を掲載しています。
イ 簡易裁判所の交通事故損害賠償請求訴訟新受件数(平成28年~平成29年)を掲載しています。
(3) 知財関係訴訟 知財高裁 統計データ(平成18年から平成30年まで)等を掲載しています。
(4) 調停事件統計資料を以下のとおり掲載しています。
平成28年度平成29年度平成30年度

2 最高裁については,民事上告,民事上告受理,民事特別抗告及び民事許可抗告,並びに行政上告,行政上告受理,行政特別抗告及び行政許可抗告の事件数が載っています。

3 高裁については,以下の事件数が載ってあります。
① 上告,控訴,抗告,許可抗告申立て(民事事件)
② 第一審訴訟,控訴,許可抗告申立て(行政事件)

4 地裁については,以下の事件数が載っています。
① 通常訴訟(内数として,過払金等,交通事故損害賠償,株主代表訴訟,労働関係訴訟),控訴,保護命令
② 保全命令,強制執行(不動産,債権),不動産担保権実行,破産(内数として,管財事件),小規模個人再生
③ 労働審判
④ 行政第一審訴訟

4 家裁については,以下の事件数が載っています。
① 別表第一審判事件,別表第二審判事件,別表第二調停事件,別表第二以外調停事件
② 別表第一審判事件の内数として,成年後見関係,後見人等に対する報酬の付与,後見等監督処分,子の氏の変更についての許可,相続の放棄の申述の受理
③ 別表第二審判事件の内数として,婚姻費用の分担,子の監護者の指定その他の処分,親権者の指定又は変更,遺産の分割に関する処分など
④ 別表第二調停事件の内数として,婚姻費用の分担,子の監護者の指定その他の処分,親権者の指定又は変更,遺産の分割に関する処分など
⑤ 婚姻中の夫婦間の事件
⑥ 人事訴訟事件,通常訴訟事件

5(1) 最高裁判所への報告事務に関する通達を以下のとおり掲載しています。
・ 最高裁判所への報告及び外部機関への通知等に関する事務フローの確認について(平成27年12月22日付の最高裁判所総務局第三課長の事務連絡)
・ 裁判事務に関連して最高裁判所へ報告を要する事項及び外部機関へ通知等を要する事項について(平成27年11月18日付の最高裁判所総務局第一課長の事務連絡)
・ 行政事件等の報告に関する最高裁行政局第一課長書簡(平成27年3月26日付)
・ 行政事件等の報告に関する最高裁行政局第一課長書簡(平成26年3月25日付)
(2) 「裁判統計報告」も参照してください。

刑事確定訴訟記録の保管機関が検察庁となった経緯

1 戦前は検事局が保管していたこと
   昭和22年5月3日に裁判所法が施行されるまで,各裁判所に検事局が付置されていました(裁判所構成法6条1項)。
   そのため,刑事裁判が確定した場合,その執行に当たる検事局が裁判所の「付置」期間として刑事確定訴訟記録を保管することは当然のことでした。

2 刑事訴訟法の制定及びその後の状況
(1)ア 裁判所法及び検察庁法施行により,検察庁が裁判所から分離しましたから,検察庁が裁判終結後の記録をわざわざ裁判所から送付を受けたうえで,保存することについて合理的理由があるかが問題となりました。
   昭和23年2月15日設置の法務庁は,刑事記録は従前通り検察庁が保管すべきと主張したのに対し,最高裁判所は,裁判所が作成した刑事記録は裁判所が保管するのが当然であると主張しました。
結局,両者の主張の一致を見るに至りませんでしたから,制定当時の刑事訴訟法(昭和23年7月10日法律第131号)53条4項は,「訴訟記録の保管及びその閲覧の手数料については、別に法律でこれを定める。」と定め,将来の「別の法律」に対立する議論の決着をゆだねることとしました。
イ 刑事記録については,刑事訴訟法施行後も民刑訴訟記録保存規程(大正7年6月3日司法省法務局庶第7号訓令)を基準として,検察庁が保管することとなりました。
(2)   昭和45年11月,検務関係文書等保存事務暫定要領(法務省刑事局長通達)が制定され,禁固以上の刑の判決原本については永久保存とされました。
   「暫定要領」とされたのは,刑事訴訟法53条4項に基づく法律が制定されるまでの暫定措置という意味合いがあったからです。
(3) これらの点に関して,辻辰三郎法務省刑事局長は,昭和46年9月3日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
① 刑事の確定訴訟記録の保管につきましては、ただいま御指摘のとおり、刑事訴訟法では第五十三条の第四項におきまして、法律で別に定めることになっておるわけでございます。
   ところで、この法律は現在まだできておりません。なぜできてないかという問題になるわけでございますが、これは現行刑訴法になりまして、手続構造が旧法とはたいへん変わってきたわけでございます。
   確定記録の保管庁が裁判所であるか検察庁であるかという点につきましていろいろな意見、いろいろな説がございます。そういう点でまずこの説を調整をしなければならないという点が第一点でございます。
② それから第二点は、この現行刑訴ができましてから各種の確定訴訟記録につきまして、どういう記録はどれくらいの保存期間を設けるべきかどうかというような各記録ごとの保存期間というものが法施行当時すぐにきめられるということは、きめられたかもしれませんが、やはり多少の運用の実績を見てからきめるのが相当であろうということで、この保存期間を少し運用実績を見てからやろうという配慮もあったわけでございまして、そういう事情で現在までこの点の法律が制定されていないわけでございます。
③ そこで、現在どうなっておるかということになりますと、確定記録は大部分は検察庁において保管をいたしておりますけれども、一部の高等裁判所あるいは最高裁判所もそれに当たるかと思うのでございますが、一部の裁判所におきましては判決原本というようなものは裁判所で御保管になっておるという実情もございます。
   しかしながら、大部分の確定訴訟記録は、現状におきましては検察庁が保管をいたしておるわけでございますので、私どもといたしましては、この法律ができ上がるまで保存事務の適正を期するという観点から、施行当時から最近まではずっと昔の通達によりましてまかなってまいったわけでございますが、本年に至りましてとりあえず暫定措置といたしまして、検察庁に保管しております訴訟記録につきましては新たな取り扱い要領を定めまして、法律ができますまでの適正な保存事務を行なっていこうということにいたしておるわけでございます。

3 刑事確定訴訟記録法の制定
(1) 昭和63年1月1日施行の刑事確定訴訟記録法(昭和62年6月2日法律第64号)では,刑事確定訴訟記録の保管機関は検察庁となりました。
(2)   この点に関して10期の吉丸眞最高裁判所事務総局刑事局長は,昭和62年5月26日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
① 訴訟記録はもともと裁判所が訴訟上作成、保管するものであるということなどから、確定後も引き続き裁判所において保管するのが相当であるというような考え方もございます。
   しかし他方、判決の確定後には、先ほど法務省からも御説明がございましたとおり、検察庁において裁判の執行指揮その他各種の事務を行うこととなりますところ、これらの事務を適正かつ円滑に行うためには訴訟記録を必要とするという実情がございます。
   現行刑訴法の制定過程におきまして裁判所と法務省との間で見解が分かれたのは、主として今申し上げましたようなところからでございます。
② その後、確定記録は御承知のとおり法律の制定を見ないまま検察庁が保管してまいりましたが、その間の運用を見てみますと、確かに裁判の執行等のために訴訟記録は検察庁において保管する必要があるというふうに認められます。
   また、記録を保管する実際上の必要といたしましては、裁判所の方が、例えば確定後にも書記官に対する司法行政上の監督権の行使等のために必要であるというような事情はあったわけでございますが、この点につきましても、この間の運用から見ますと、裁判所と検察庁との間でその点を調整することによって格別の支障なく運用されてきたという状況もございます。
   そのようなことを考えまして、今回の立法に当たりましては特に裁判の執行その他の事務の適正円滑な実現というようなところを重く考えまして、検察庁で保管するのが相当であるというふうに考えたわけでございます。
③ 無罪判決の場合に裁判の執行等の問題が生じないということにつきましては、委員御指摘のとおりでございます。
   ただ、御承知のとおり無罪判決は比較的数が少ないということもございますし、有罪判決の場合と無罪判決の場合とによって記録の保管の主体を異にするということは実際上いろいろ問題があろうかと思います。
   例えば閲覧その他の点につきましても、統一的に検察庁において保管するということがまさるというふうに考えられるわけでございまして、無罪判決の記録につきましてはいわばそのような統一的な取り扱いという観点から有罪判決の記録に合わせたということでございます。
④ まず現在の状況(注:民事記録に関する保存に関する現在の状況)を御説明申し上げますと、現在は事件記録等保存規程で保存いたしておるわけでございますが、これは、法形式からいたしますと最高裁判所規則の一形態でございます最高裁規程に属するわけでございます。
   また、確定記録の保存に関する事務はもともと裁判所の内部的な司法事務処理に関する事項に当たると考えられます。
   そのようなことで、これが最高裁判所規則の範囲内に属することははっきりいたしておるところだと思います。
   そのような意味で、私どもといたしましては、今後も民事の記録の保存につきましては最高裁判所の規程で定めていくのが適当であると考えております。

取扱者カード交付要領(大阪府警察)→交通事故の報告等をした際に交付されるもの

取扱者カード交付要領(大阪府警察)は以下のとおりです。大阪府警察に対し,遺失の届出,被害の届出,交通事故の報告,警察相談又は行方不明者の届出をしたときに交付されるカードの様式等を定めています。

取扱者カード交付要領

第1 趣旨
   この要領は、府民等からの届出等を受理した際の、届出人等に対する取扱者カード(以下「カー
ド」という。)の交付に関し必要な事項を定めるものとする。
第2 カードの交付の目的
   カードの交付は、届出等を受理した者が届出人等に対して自己の所属及び姓、事後の問合せ先等を記載したカードを交付することにより、当該届出等を受理した者の責任の明確化及び行政サービスの向上を図ることを目的とする。
第3 カードの交付
   職員は、次に掲げる届出等を受理したとき(面接して受理したときに限る。)は、それぞれに定
めるカードに所定の事項を記入した上、届出人等に交付するものとする。ただし、当該届出等が粗
野又は乱暴な言動により不穏に行われた場合、カードを交付することにより今後の正常な業務が阻
害され、又は自己に危害が及ぶことが予想される場合等特別な事情があると認めるときは、カード
を交付しないことができる。
(1) 遺失の届出別記様式の(その1)
(2) 被害の届出別記様式の(その2)
(3) 交通事故の報告別記様式の(その3)
(4) 警察相談(警察署地域課員(大阪水上警察署及び関西空港警察署にあっては、地域交通課
員(交通係員を除く。) )が、交番、駐在所等において口頭によって受理した警察相談のうち、
現場等で措置を講じ、かつ、完結したものを除く。) 別記様式の(その4)
(5) 行方不明者の届出別記様式の(その5)
第4 カードの備付け等
   所属長は、必要なカードを届出等の受理の窓口、交番等に備え付けるとともに、庁外においても
カードを交付することができるよう、必要に応じて職員にカードを配布し、携帯させるものとする。
第5 留意事項
1 カードの交付の目的を考盧し、届出人等が受領を拒否したときは、無理にカードを交付する必
要はない。
2 カードは警察証明事務取扱要領(昭和41年1月18日例規(務・会・庶・交総)第5号)により発行する警察証明等ではないので、カードを交付する際(警察相談を受理したときに交付する場合を除く。) 、証明書としては使えない旨を説明すること。



二回試験に関する記事の一覧

1 二回試験等のスケジュール
① 65期以降の二回試験の日程等
② 65期以降の二回試験の試験科目の順番
③ 二回試験の科目の順番の通知時期
④ 二回試験直前の自由研究日
⑤ 司法修習生考試応試心得(65期以降)
⑥ 64期二回試験以降の司法修習生考試委員会議事録等

2 二回試験の不合格答案
① 二回試験落ちにつながる答案
② 二回試験の不合格答案の概要

3 二回試験の統計数字
① 二回試験の推定応試者数
② 60期以降の二回試験の不合格者数及び不合格率(再受験者を除く。)
③ 二回試験の科目別不合格者数
④ 二回試験再受験者の不合格率の推移
⑤ 綴りミスが原因で二回試験に落ちた人の数

4 司法修習生考試委員会及び考試担当者
① 司法修習生考試委員会委員名簿(65期二回試験以降)
② 司法修習生考試委員会席図(65期二回試験以降)
③ 司法修習生考試担当者名簿(65期二回試験以降)

5 二回試験の不合格発表後のスケジュール
① 二回試験の不合格発表
② 65期以降の二回試験の不合格発表及びその後の日程

6 二回試験に落ちた場合の取扱い
① 二回試験不合格時の一般的な取扱い
② 二回試験不合格と,修習資金貸与金の期限の利益との関係
③ 二回試験の不合格体験に関するブログ
④ 二回試験に3回落ちた人(三振した人)の数
⑤ 52期までの二回試験の場合,合格留保者に対しても給与が支給されていたこと

7 弁護士資格認定制度
① 平成16年4月1日創設の,弁護士資格認定制度
② 弁護士資格認定制度に基づく認定者数の推移

8 その他の記事
① 38期二回試験において,書き込みをした六法全書が持ち込まれたことに関する国会答弁
② 65期二回試験以降の事務委託に関する契約書,及び67期二回試験の不祥事
③ 検事採用願を提出した検事志望の司法修習生は二回試験に落ちない限り採用されると思われること
④ 二回試験終了後の海外旅行に関する,「司法修習生の規律等について」の記載
⑤ 二回試験終了後の海外旅行に関する各種文書が存在しないこと
⑥ 司法修習生考試の会場借用等業務に関する賃貸借契約書(新梅田研修センター)

9 司法修習生考試事務要領
① 平成27年度(第69期)司法修習生考試事務要領(司法研修所会場用)
② 平成27年度(第69期)司法修習生考試事務要領(大阪会場用)

10 司法修習生考試の修習記録の表紙
① 70期二回試験の修習記録の表紙
② 71期二回試験の修習記録の表紙
③ 72期二回試験の修習記録の表紙
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下級裁判所判例集に掲載する裁判例の選別基準等

下級裁判所判例集に掲載する裁判例の選別基準等について(平成29年2月17日付の最高裁判所事務総局広報課長等の事務連絡)は,以下のとおりです。

下級裁判所判例集に掲載する裁判例の選別基準等について(事務連絡)

   裁判所ウェブサイトの下級裁判所判例集に掲載する裁判例の選別基準につきまして, 同判例集の意義が社会的に関心の高い裁判例を適時に知ってもらうという速報性にあるとの観点から,別添の選別基準を策定しましたので,平成29年3月1日から,同基準によって掲載裁判例の選別を行ってください。なお,下級裁判所判例集の名称につきましては,その意義が上記のとおり速報性にあることから, 「下級裁判所裁判例速報」に変更することとします。
   おって,下級裁判所判例集に掲載する裁判例における法人等団体名の仮名処理につきましては,今後も,原則として,民事事件については実名で掲載し,刑事事件については仮名処理をしてください(裁判所ウェブサイト上の他の裁判例集(最高裁判所判例集,高等裁判所判例集,行政事件裁判例集,労働事件裁判例集及び知的財産裁判例集)における法人等団体名の仮名処理も今後は同様の基準で行われることとなり,取扱いが統一されます。)。

下級裁判所裁判例速報に掲載する裁判例の選別基準

1 判決及び民事・行政訴訟手続上の決定
(1) 原則
   原則として,判決言渡日(決定告知日)の翌々日までに,朝日新聞,毎日新聞,読売新聞及び日本経済新聞(以下「日刊紙4紙」という。)のうち2紙(地域面を除く。)に判決等の判断が掲載された事件について,裁判書を下級裁判所裁判例速報に掲載する。
   また, これ以外の場合であっても,各庁の判断で,社会的な影響等に鑑みて,広く情報提供をすることがふさわしいと特に認められる事件の裁判書を掲載することもできる。
(2) 例外
ア 民事・行政訴訟事件
   以下の事件の裁判書については, (1)に該当する場合であっても,例外的に掲載しない。
(ア) 憲法第82条第2項により公開停止とされた事件
(イ) 民事訴訟法第92条第1項により裁判書自体につき秘密保護のための閲覧等の制限の申立てがされ(当該申立てを却下する裁判が確定している場合を除く。) ,又は実際に閲覧等の制限の裁判がされた事件(部分的に閲覧等制限がされている場合はその部分)
(ウ) 性犯罪及びDV事件等に関する損害賠償請求訴訟等であって,裁判書の記載内容が公にされることにより,加害行為や被害の状況等が明らかとなり,それにより当事者に著しい被害を与える蓋然性があるなど,裁判書を公開すること自体が当事者等に回復困難な被害を与える事件
(エ) その他,上記(ア)から(ウ)までに準ずる事件
イ 刑事訴訟事件
   以下の事件の判決書については, (1)に該当する場合であっても,例外的に掲載しない。
(ア) 憲法第82条第2項により公開停止とされた事件
(イ) 性犯罪(起訴罪名は性犯罪ではなくても,実質的に性犯罪と同視できる事件を含む。) ,犯行態様が凄惨な殺人事件など,判決書を公開することにより被害者・遺族などの関係者に大きな精神的被害を与えるおそれがある事件
(ウ) 少年の刑事事件(判決時成人を含む。)
(エ) 名誉毀損罪や秘密漏示罪など,判決書を公開することにより再び被害を生じさせるおそれがある事件
(オ) その他,上記(ア)から(エ)までに準ずる事件
ウ 人事訴訟事件
   人事訴訟事件の判決のうち,附帯処分又は親権者の指定についての申立てが含まれている場合には,(1)に該当する場合であっても,例外的に掲載しない。
   また,人事訴訟事件の判決のうち,附帯処分又は親権者の指定についての申立てが含まれていないもの.であって, (1)に該当する場合であっても,以下の事件の判決書については,例外的に掲載しない。
(ア) 憲法第82条第2項又は人事訴訟法第22条第1項により公開停止とされた事件
(イ) 民事訴訟法第92条第1項により判決書自体に限らず秘密保護のための閲覧等の制限の申立てがされ(当該申立てを却下する裁判が確定している場合を除く。),又は実際に閲覧等の制限の裁判がされた事件
(ウ) その他,上記(ア)又は(イ)に準ずる事件
2 刑事・人事訴訟手続上の決定
   刑事訴訟手続上の決定及び人事訴訟手続上の決定については,掲載対象としない。
3 非公開手続である非訟事件の決定等
(1) 原則
   非訟事件の決定等については,原則として掲載対象としない。
(2) 例外(ただし,家事事件及び少年事件については,適用しない。)
   以下の場合については,例外的に掲載対象とする。また,以下の場合に当たらなくとも,各庁の判断で,社会的な影響等に鑑みて,広く情報提供をすることがふさわしいと特に認められる事件を掲載することもできる。
ア 民事の非訟事件の決定等(保全処分,執行異議,倒産事件,労働審判事件,行政訴訟における仮の救済の事件等に係る決定等)
   決定等の告知日の翌々日までに, 日刊紙4紙のうち2紙(地域面を除く。)に決定等が掲載され,かつ,その決定等の社会的な影響等に鑑みて,広く情報提供をすることがふさわしいと特に認められる場合(1(2)ア(ア)から(エ)までに当たる場合を除く。)
イ 刑事の再審請求事件の決定
   決定告知日の翌々日までに, 日刊紙4紙のうち2紙(地域面を除く。) に決定が掲載されたもの (1(2)イ(ア)から(オ)までに当たる場合を除く。 )

*0 46期の岡口基一裁判官は,令和元年11月12日,自分のフェイスブックに以下の投稿をした結果,最高裁大法廷令和2年8月26日決定により戒告されました(岡口基一裁判官の反論内容につき,分限裁判の記録ブログ「2回目の分限裁判の審問期日にて」(2020年8月27日付)参照)。
裁判所が判決書をネットにアップする選別基準
(中略)
東京高裁は,このうち,「イ 刑事訴訟事件(イ) 性犯罪」に該当する判決書をアップしてしまったのですが,その遺族の方々は,東京高裁を非難するのではなく,そのアップのリンクを貼った俺を非難するようにと,東京高裁事務局及び毎日新聞に洗脳されてしまい,いまだに,それを続けられています。
東京高裁を非難することは一切せず,「リンクを貼って拡散したこと」を理由として,裁判官訴追委員会に俺の訴追の申立てをされたりしているというわけです。
(後略)
→ (中略)とある部分には,本ブログ記事のアドレスが書いてありました(ただし,常時SSL化前のもの)。


*1 朝日新聞HPの「ツイッターで不適切投稿 岡口裁判官の懲戒を申し立て」(平成30年7月24日付)には以下の記載があります。
   個人のツイッターで不適切な投稿をしたとして、東京高裁は24日、高裁民事部の岡口基一裁判官(52)について、裁判官分限法に基づき、最高裁に懲戒を申し立てた。高裁への取材でわかった。最高裁が今後、分限裁判を開き、戒告や1万円以下の過料などの懲戒処分にするかどうかを決める。
   岡口裁判官は1994年任官し、2015年4月から現職。自身のツイッターに上半身裸の男性の写真などを投稿したとして、16年に高裁から口頭で厳重注意処分を受けた。今年3月にも、裁判所のウェブサイトに掲載されていた事件の判決文のリンク先を添付して投稿し、遺族側から抗議を受けて文書による厳重注意処分となっていた。ツイッターは現在凍結され、発信できない状態になっている。
*2 平成30年3月15日付の,岡口基一裁判官に対する34期の林道晴東京高裁長官の注意書は以下のとおりです(黒塗りの理由につき,令和元年度(情)答申第24号(令和2年1月24日答申)参照)。

*3 以下の文書を掲載しています。
① 行政事件裁判例集への裁判例の提供について(平成31年4月1日付)
② 労働事件裁判例集への裁判例の提供について(平成31年4月1日付)
*4 以下の記事も参照してください。
① 岡口基一裁判官に対する分限裁判
② 下級裁判所裁判例速報に掲載する裁判例の選別基準等について(平成29年12月28日付の最高裁判所広報課長の事務連絡)
③ 柳本つとむ裁判官に関する情報,及び過去の分限裁判における最高裁判所大法廷決定の判示内容

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岡口基一裁判官が,最高裁大法廷平成30年10月17日決定により戒告処分を受けたこと等について書いてあります。

日弁連の会費及び特別会費

目次
第1 総論

1 日弁連の会費
2 日弁連の特別会費
第2 日弁連の会費等(令和元年11月現在)
1 司法修習終了後2年を経過した会員の場合
2 司法修習終了後2年以内の会員の場合
第3 日弁連の会費等の免除事由
第4 日弁連の特別会費の種類
1 過疎偏在対策特別会費(平成28年3月徴収終了)
2 少年・刑事財政基金特別会費(前身は「当番弁護士等緊急財政基金特別会費」)
3 法律援助基金特別会費
第5 日弁連の会費等の月額の推移

第1 総論
1 日弁連の会費
(1) 日弁連の会費(日弁連会則95条1項)は,平成13年2月9日臨時総会決議に基づき月額1万4000円となり,平成27年12月4日臨時総会決議に基づき月額1万2400円となりました。
(2) 現行60期以降の場合,日弁連の会費(日弁連会則95条2項)は,司法修習終了後2年以内に限り,平成19年12月6日臨時総会決議に基づき月額7000円となり,平成27年12月4日臨時総会決議に基づき月額6200円となりました。
(3) 日弁連の会費のうちの800円(令和2年4月以降は700円)は,会館維持運営資金に充てられています(日弁連会則95条の2)。
2 日弁連の特別会費
   特別会費(日弁連会則95条の3)徴収の根拠となっている決議は以下のとおりです(日弁連HPの「第2部:会則」に載っています。)。
① 少年・刑事財政基金のための特別会費徴収の件(平成20年12月5日臨時総会決議)
② 法律援助基金のための特別会費徴収の件(平成23年2月9日臨時総会決議)
3 日弁連の会費等を滞納した場合の取扱い
   日弁連の会費及び特別会費(以下「会費等」といいます。)を6か月以上滞納した場合,懲戒されることがあります(日弁連会則97条)。

第2 日弁連の会費等(令和元年11月現在)
1 司法修習終了後2年を経過した会員の場合
① 会費:月額1万2400円(日弁連会則95条1項)
② 少年・刑事財政基金のための特別会費:月額1900円
③ 法律援助基金のための特別会費:月額900円
④ 合計:1万5200円
2 司法修習終了後2年以内の会員の場合
① 会費:月額6200円(日弁連会則95条2項)
② 少年・刑事財政基金のための特別会費:月額1900円
③ 法律援助基金のための特別会費:月額900円
④ 合計:9000円

第3 日弁連の会費等の免除事由
1 以下の事由がある場合,日弁連の会費等を免除してもらえます(日弁連会則95条の4)。
① 弁護士登録の期間が通算して50年以上であるとき(1項1号)
② 77歳に達し,かつ,弁護士登録の期間が通算して20年以上であるとき(1項2号)
③ 病気又は傷害により弁護士業務を執ることが困難であるとして,所属弁護士会において会費の全部の免除を受けているとき(1項3号)
④ 出産をする場合(2項)
⑤ 子の育児をする場合(3項)
2 「出産・育児を理由とする弁護士会費の免除」も参照してください。

第4 日弁連の特別会費の種類
1 過疎偏在対策特別会費(平成28年3月徴収終了)
(1) 正式名称は「弁護士過疎・偏在対策のための特別会費」でありますところ,当初は,平成11年12月16日臨時総会決議に基づき,平成12年1月から平成16年12月までの5年間,毎月1000円を徴収するものとされました。
(2) 平成16年11月10日臨時総会決議に基づき,平成17年1月から平成19年3月までの間,毎月1500円を徴収するものとされました。
(3) 平成18年12月7日臨時総会決議に基づき,平成19年4月から平成22年3月までの間,毎月1400円を徴収するものとされました。
(4) 平成21年12月4日臨時総会決議に基づいて,平成22年4月から平成25年3月までの間,毎月700円を徴収するものとされました。
(5) 平成24年12月7日臨時総会決議に基づき,平成25年4月から平成28年3月までの間,毎月600円を徴収するものとされました。
2 少年・刑事財政基金特別会費(前身は「当番弁護士等緊急財政基金特別会費」)
(1) 正式名称は「少年・刑事財政基金のための特別会費」でありますところ,当初は,平成7年5月26日定時総会決議に基づき,「当番弁護士等緊急財政基金のための特別会費」として,毎月1500円を徴収するものとされました。
(2) 平成10年3月27日臨時総会決議に基づき,平成13年5月までの間,徴収するものとされました。
(3) 平成11年3月25日臨時総会決議に基づき,毎月2200円を徴収するものとされました。
(4) 平成13年2月9日臨時総会決議に基づき,平成16年5月までの間,毎月2800円を徴収するものとされました。
(5) 平成14年2月28日臨時総会決議に基づき,毎月4200円を徴収するものとされました。
(6) 平成16年2月26日臨時総会決議に基づき,平成19年5月まで徴収するものとされました。
(7) 平成18年12月7日臨時総会決議に基づき,平成21年5月まで徴収するものとされました。
(8) 平成20年12月5日臨時総会決議に基づき,「少年・刑事財政基金のための特別会費」として,平成21年6月から平成24年5月までの3年間,毎月3100円を徴収するものとされました。
(9) 平成23年2月9日臨時総会決議に基づき,平成23年4月から平成26年5月までの間,毎月4200円を徴収するものとされました。
(10) 平成25年12月6日臨時総会決議に基づき,平成26年6月から平成29年5月までの間,毎月3300円を徴収するものとされました。
(11) 平成29年3月3日臨時総会決議に基づき,平成29年6月から平成30年5月までの間,毎月3300円を徴収するものとされ,平成30年6月から令和2年5月までの間,毎月1900円を徴収するものとされました。
(12) 令和元年12月6日臨時総会決議に基づき,令和2年6月から令和5年6月までの間,毎月1600円を徴収するものとされました。
3 法律援助基金特別会費
(1) 正式名称は「法律援助基金のための特別会費」でありますところ,当初は,平成23年2月9日臨時総会決議に基づき,平成23年4月から平成26年5月までの間,毎月1300円を徴収するものとされました。
(2) 平成25年12月6日臨時総会決議に基づき,平成26年6月から平成29年5月までの間,毎月1100円を徴収するものとされました。
(3) 平成29年3月3日臨時総会決議に基づき,平成29年6月から令和2年5月までの間,毎月900円を徴収するものとされました。
(4) 令和元年12月6日臨時総会決議に基づき,令和2年6月から令和5年6月までの間,毎月900円を徴収するものとされました。

5 日弁連の会費等の月額の推移
・ 2020年 6月~2023年 5月
① 会費:1万2400円
② 少年・刑事財政基金特別会費:1600円
③ 法律援助基金特別会費:900円
④ 合計:1万4900円
・ 2018年 6月~2020年 5月

① 会費:1万2400円
② 少年・刑事財政基金特別会費:1900円
③ 法律援助基金特別会費:900円
④ 合計:1万5200円
・ 2016年 4月~2018年 5月
① 会費:1万2400円
② 少年・刑事財政基金特別会費:3300円
③ 法律援助基金特別会費:1100円
④ 合計:1万6800円
・ 2014年 6月~2016年 3月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:600円
③ 少年・刑事財政基金特別会費:3300円
④ 法律援助基金特別会費:1100円
⑤ 合計:1万9000円
・ 2013年 4月~2014年 5月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:600円
③ 少年・刑事財政基金特別会費:4200円
④ 法律援助基金特別会費:1300円
⑤ 合計:2万 100円
・ 2011年 4月~2013年 3月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:700円
③ 少年・刑事財政基金特別会費:4200円
④ 法律援助基金特別会費:1300円
⑤ 合計:2万 200円
・ 2010年 4月~2011年 3月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:700円
③ 少年・刑事財政基金特別会費:3100円
④ 合計:1万7800円
・ 2009年 6月~2010年 3月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:1400円
③ 少年・刑事財政基金特別会費:3100円
④ 合計:1万8500円
・ 2007年 4月~2009年 5月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:1400円
③ 当番弁護士等緊急財政基金特別会費:4200円
④ 合計:1万9600円
・ 2005年 1月~2007年 3月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:1500円
③ 当番弁護士等緊急財政基金特別会費:4200円
④ 合計:1万9700円
・ 2004年 4月~2004年12月
① 会費:1万4000円
② 過疎偏在対策特別会費:1000円
③ 当番弁護士等緊急財政基金特別会費:4200円
④ 合計:1万9200円

選択型実務修習に関する留意点

1 選択型実務修習に関する留意点を以下のとおり掲載しています。
72期73期

2 選択型実務修習全国プログラムを以下のとおり掲載しています。
72期73期


3 72期司法修習で使用された,選択型実務修習に関する留意点(平成30年11月15日付)の本文は以下のとおりです(「選択型実務修習の運用ガイドライン」を補足するものです。)。

第1 ホームグラウンドにおける弁譲修習の修習期間
   「ホームグラウンド」 とは,選択型実務修習の期間中,司法修習生が,修習プログラムを修習しないときに,弁護修習を行う弁護士事務所をいう (選択型実務修習の運用ガイドライン(以下「ガイドライン」という。 )第1の2) 。
   「ホームグラウンドにおける弁護修習は,選択型実務修習の期間中,最低1週間は,継続して行わなければならない。 」 (ガイドライン第3の1(1)) とあるが, この趣旨は,少なくとも1週間は継続することで充実した弁護修習を行い,選択型実務修習を弁護士実務に比重を置くものとする制度趣旨を全うしようとするところにある。したがって,この趣旨に反しないのであれば,個別具体的な事情により,1週間継続することを絶対的な条件とまでする必要はないと考えられる。
   例えば,希望する修習プログラムを選択した結果として,ホームグラウンドにおける弁護修習が1週間継続しなくなった場合は,ガイドラインの趣旨に反するとまではいえない。ただし,この場合でも合計5日程度のホームグラウンドでの修習日数を確保した修習計画を立てるようにすべきである。
   これに対して, 自由研究日,新婚旅行等による欠席(病気,忌引等やむを得ない欠席を除く。 )をした結果, 1週間継続してホームグラウンドでの弁護修習を行い得なくなる場合は,ガイドラインの趣旨に反するため,この場合は,ホームグラウンドでの修習期間が,1週間継続して確保できるように修習計画を見直すべきである。
   もっとも,この点に関し承認権限を有しているのは,各配属庁会の司法修習生指導連絡委員会であるから,同委員会の窓口である各配属庁会の指導担当者又は事務担当者等からこれと異なる指示があった場合は,その指示に従う。

第2 自己開拓プログラム
1 修習先
   自己開拓プログラムの修習先の例として,「民間企業の法務部,地方自治体の法務関係部門等」 (ガイドライン第3の4)のほかに,司法書士事務所, 弁理士事務所,税理士事務所,不動産鑑定士事務所及び土地家屋調査士事務所などのいわゆる隣接職種,民間ADR機関,報道機関の社会部などが考えられる。
   しかし,これらの企業等が,自己の就職予定先である場合は,「司法修習生が就職を予定している弁護士事務所を,修習プログラムとしての弁護修習先とすることはできない」としたガイドライン第3の5の趣旨が同様に当てはまるため,認められない。
   これに対し,就職予定先である弁護士事務所の顧問先企業の法務部を自己開拓プログラムの修習先とすることは,特に禁じられてはいないが,修習内容について,専ら就職予定先の弁護士が関与する事件の修習をするなどの事実上の弁護士業務を行ったり,実質的に試用期間的な内容の修習を行ったりしないものとなるように受入先の担当者とよく話を詰めておくべきである。
(2) 弁護士事務所については,当該弁護士事務所が就職予定先である場合には,ガイドライン第3の5に抵触するため当然認められないが,就職予定先の弁護士事務所以外でも,これを認めると,当該弁護士事務所と司法修習生との合意により,修習先としての弁護士事務所が定まることを認めることになることから,原則として認められない。
   例外として,個別修習プログラム及び全国プログラムでは提供されていない領域や分野について,ホームグラウンドの弁護士事務所では十分な修習を行うことが困難であり,開拓先の弁護士事務所でその領域や分野についての修習をすることが可能でその意義があると明らかに認められる場合には,許容される余地もある。
(3) 充実した修習を実施するには,責任ある立場の指導者によって,体系的な指導が行われることが重要である。そのため,修習先とされた組織・団体の受入態勢に疑義があるような場合には, 申出が認められないことがある。
   また,司法修習生の親族が経営している事業所等で修習を行う場合には,一般的に,そこで十分な修習が行われるのか,修習結果に対して評価が適正に行われるのかといった点について,疑義を生じさせるといえる。そのため,例えば,父親が一人で経営している会計事務所を修習先とする申出は認められない。
(4) 自己開拓プログラムについても,原則として,分野別実務修習における配属修習地で行うものとする。例外的に,配属修習地では履修が不可能で,修習の目的,内容に照らし,配属修習地外の開拓先における修習の具体的意義と必要性がある場合には, 当該開拓先での修習が認められる場合もあるが, この配属修習地外での修習が認められる場合でも,その期間は全国プログラムの期間及び自己開拓プログラムの期間を合わせて3週間を限度とする(ガイドライン第2)。
   ただし,配属修習地により近い地域で同様の修習内容を実現できる場合には,当該開拓先で修習する必要性は認められない。とりわけ,高裁(高検)管内を超えた地域の修習先に係る申出については,当該開拓先で修習する必要性についてより詳細な説明を求められたり,より厳格な判断がされることに留意されたい。

2 修習先から承認を得るまでの手続
(1) 受入希望先に対しては,選択型実務修習及び自己開拓プログラムの趣旨を説明するとともに,司法修習生と受入先との合意によって直ちに修習プログラムとして成立するわけではなく,あらかじめ司法修習生が受入先から承諾を得た上で,更に司法修習生指導連絡委員会の承認が必要となることを説明する。
(2) 受入希望先から自己開拓プログラムの受入れの承諾を得た司法修習生は,(1)に留意の上,受入先から承諾書を得, この承諾書と自己開拓プログラム日程表を自己開拓プログラム申出書に添付して,各配属庁会の司法修習生指導連絡委員会に提出する。
   自己開拓プログラムの申出に当たっては, 申出書(特に「修習の目的] ,「修習の内容」の各欄)及び日程表について詳細かつ具体的な記載を心掛ける(その際には,①当該修習先における修習においてどのような知識・技法を獲得しようとしているのか(獲得目標),②当該知識・技法を獲得するために,具体的にどのような修習内容を体験しようとしているのか(達成方法)が明らかになるようにする。)。また,承諾書の内容は,自己開拓プログラムの受入先の代表者による,司法修習生が選択型実務修習を受入先で実施することについての承諾であり,受入先の代表者又はこれに準じる者の記名・押印を求めることが相当である。
(3) 自己開拓プログラム申出書を提出した司法修習生は,司法修習生指導連絡委員会の承認又は不承認の結論が伝えられたら,速やかに受入先の担当者等に連絡を取り,その旨を伝える。
(4) 自己開拓プログラムは,司法修習生自らが主体的にプログラム先を開拓し,受入希望先から受入れの承諾を得るごとにその意義の一端があるプログラムであるから,受入希望先との交渉等についだ配属庁会の指導担当者や事務担当者に相談する場合でも, この趣告を踏まえた上で相談する。
(5) 受入希望先との交渉等に当たっては,例えば,昼時,早朝又は深夜に,受入希望先の企業等に電話をしたり,アポイントを取らないまま相手先企業等を訪問したりするなどマナーに反する行為をしない。

第3 選択型実務修習の履修時の留意点
1 選択型実務修習の修習計画書を作成するに当たっては,指導担当弁護士とよく意思疎通を図り,ホームグラウンド修習をいつどのような日程で行うのかを伝え,ホームグラウンド修習における修習内容及び取組目標について指導担当弁護士とよく協議する(修習終了後に記載する結果レポートにも「取組目標の達成状況」を記載する欄があることから, よく検討した上で取組目標を記載する。 ) 。
2 遅刻,欠席,早退をするとき,個別修習プログラムについては,プログラム提供先である地方裁判所,地方検察庁又は弁護士会に連絡した上で,事前又は連絡後速やかに欠席承認申請書を提出する。これに対し,全国プログラム, 自己開拓プログラム及びホームグラウンド修習については,プログラムの修習先のほか,分野別実務修習地の弁護士会にもその旨の連絡をした上で,事前又は連絡後速やかに欠席承認申請書を,分野別実務修習地の弁護士会に提出する。ただし, .配属庁会の事務担当者等から, これと異なる指示がある場合は,その指示に従う。
3 修習プログラムの開始後速やかに選択型実務修習結果意見書(書式は,別途配属庁会から配布予定) とこれを送付するための封筒(送付先の宛名書きをするとともに,必要な郵便切手(自己開拓プログラム及び修習プログラムで指示があった場合は,特定記録等の特殊取扱いでの送付に必要なもの)を貼ったもの)を修習プログラムの指導担当責任者に交付するとともに,修習プログラム終了後速やかに(遅くとも修習プログラム終了後3日以内に)ホームグラウンドの指導担当弁護士宛てに送付するように依頼する。
   なお,送付先については, これとは異なる指示が配属庁会等からされることがあるので留意する。
4 修習プログラム,ホームグラウンド修習の各終了日までに修習プログラムごとに修習レポート (書式は,別途配属庁会から配布予定)をまとめ,修習プログラムの指導担当者の閲覧に供し,指導担当責任者から修習レポートに署名,押印を受けた上で返却してもらう。返却を受けた修習レポートは,選択型実務修習終了後速やかに(遅くとも選択型実務修習終了日の翌日まで)ホームグラウンドの指導担当弁護士宛てに送付又は交付する。
   なお,修習レポートは,修習プログラムだけでなく,ホームグラウンド修習についても作成する必要があるが,ホームグラウンド修習については,ホームグラウンド修習期間全体を通じて1回作成すれば足りる。

第4 その他
1 旅費,宿泊費及び賭費用
(1) 旅費及び宿泊費
   全国プログラム又は自己開拓プログラムにおいて,例えば,鹿児島配属の者が,福岡でプログラム修習を受ける場合は,鹿児島,福岡往復の所定の旅費及びプログラム期間分の所定の宿泊費が支給される(福岡からプログラム実施の関係で更に他所に行く場合であっても旅費は支給されない。 ) 。
(2) 諸費用
   自己開拓プログラムでは,修習中の諸費用,例えば,修習先での資料等のコピー代や通信連絡費,その他の修習先から請求される費用は全て修習生の自己負担となる。
2 全国プログラムの照会窓口
   全国プログラムの手続について,不明な点があれば,司法研修所事務局企画第二課企画係(電話(山中注:不開示),ファクシミリ(山中注:不開示))に問い合わせる。
   なお,プログラムの内容については,各提供先に問い合わせる。
以上

司法修習生の修習専念義務

1   平成24年11月当時の,「修習生活へのオリエンテーション」には,以下の記載があります。
   司法修習生は,修習期間中,その全力を修習のために用いて,これに専念すべき義務があります(裁判所法67条2項)。
   これは,司法修習が,法曹養成に必須の課程として,国が多大な人的,物的資源を投入して運営しているものであることや,法律実務についての基本的な知識と技法や法曹としての職業意識と倫理観を定められた期間内に修得するためには,これに全力を投入してもらう必要があることなどから導かれるものです。このような観点から,司法修習生は,国民に対し,法の支配の立派な担い手となるよう修習に専念すべき義務を負うことになります。

2(1) 修習専念義務を定めた裁判所法67条2項に関する法務省の説明については,「司法修習生の給費制及び修習手当」を参照してください。
法務省の説明によれば,新65期ないし70期の司法修習生は,給費制時代と同じ修習専念義務を負っている代わりに,無利息で修習資金の貸与を受けることができるという法的地位にあるみたいです。
(2)  新発10年国債利回りは,平成28年2月から同年11月までは0%以下となっていましたし,その後も0.1%未満ですから,以前と比べると,無利息で修習資金(71期以降は「修習専念資金」です。)の貸与を受けることができるメリットは小さくなっています(日本相互証券株式会社HP「長期金利推移グラフ」参照)。

3(1) 鈴与シンワート株式会社HP「第004回 インターン生であれば労働者ではないのか」で引用されている厚生労働省労働基準局の通達には,以下の記載があります。
「一般に、インターンシップにおいての実習が見学や体験的なものであり使用者から業務に係る指揮命令を受けていると解されないなど使用従属関係が認められない場合には、労働基準法第9条に規定される労働者には該当しないものであるが、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が当該事業場に帰属し、かつ、事業場と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、当該学生は労働者に該当するものと考えられ、また、この判断は、個々の実態に即して行う必要がある」(平成9・9・18 基発636号)
(2) 修習専念義務を負っている司法修習生の場合,実務修習庁会における使用従属関係が認められるものの,書面の起案,取調べ等による利益・効果が当該実務修習庁会に帰属するとはいいがたいことから,労働者ではないということなのかもしれません。

4 東京高裁平成30年5月16日判決(判例秘書)は,以下の判示をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
① 司法修習は,司法修習生が法曹資格を取得するために国が法律で定めた職業訓練課程であり,高度の専門的実務能力と職業倫理を備えた質の高い法曹を確保するために必須な臨床教育課程として,実際の法律実務活動の中で実施されるところ,最高裁判所がその基本的内容を定め,司法修習生が司法修習を修了しないと法曹資格が与えられないものであるから,司法修習生は,修習過程で用意されているカリキュラムに出席し,その教育内容を全て履修することが本来要請されている。
   司法修習生は,指導に当たる法曹と同様の姿勢で法律実務の修習に努め,その専門的な実務能力を涵養するとともに,法曹と同様な職業倫理の習得に努めることが期待され,かつ,それが重要である。
   そして,司法修習が実際の法律実務活動の中で実施される臨床教育課程であることから,法曹同様,それぞれの立場で求められる中立性・公正性を保ち,利益相反行為を避けることが求められているのであって,司法修習を効果的に行うために法曹の活動を間近で体験,経験する機会が与えられることから,法曹実務家同様の姿勢で修習に専念することが求められる。
② 修習専念義務は,こうしたことから,司法修習の本質から求められるものであって,給費制に基づく給与と何ら対価関係に立つものではない。
   そして,給費制は,以上のとおり,司法修習生に修習専念義務があることを前提に,司法修習生が司法修習に専念し,その実を上げることができるように,立法府が,認定事実(1)イのとおりの昭和22年裁判所法制定当時の社会情勢を踏まえて,立法政策上設けた制度にすぎない(乙19,20)。