景品表示法に関するメモ書き


目次
1 総論
2 景品規制
3 表示規制
4 公正競争規約
5 ステルスマーケティング
6 関連記事その他

1 総論
・ 景品表示法の正式名称は,不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年5月15日法律第134号)です。
・ 景品表示法の所管省庁につき,平成21年8月31日までは公正取引委員会でしたが,平成21年9月1日以降は同日に設置された消費者庁です。
・ 措置命令について定める景表法7条2項は憲法21条1項及び22条1項に違反しません(最高裁令和4年3月8日判決)。
・ 消費者庁HPの「告示」不当景品類及び不当表示防止法第二条の規定により景品類及び表示を指定する件(昭和37年6月30日公正取引委員会告示第3号)のほか,景品関係及び表示関係の告示が載っています。

2 景品規制
・ 顧客誘引の手段として,取引に付随して提供する,経済上の利益が「景品類」に該当しますところ,値引き及びアフターサービス等は景品類に該当しません(消費者庁HPの「景品規制」参照)。

3 表示規制
・ 不当表示としては,①優良誤認表示(景品表示法5条1号)及び②有利誤認表示(景品表示法5条2号)があります(消費者庁HPの「表示規制の概要」参照)。
・ 消費者庁は,弁護士法人アディーレに対し,平成28年2月16日,貸金業者への過払い金返還請求の着手金無料キャンペーンを「1カ月限定」と宣伝しながら,同じサービスを5年近く続けたのは景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして,再発防止を求める措置命令を出しました(日経新聞HPの「アディーレ法律事務所が不当表示 「1カ月限定」5年継続」参照)。
・ 医薬品等の広告は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称は「薬機法」であり,平成26年11月24日以前は「薬事法」でした。)66条ないし68条でも規制されています(厚生労働省HPの「医薬品等の広告規制について」参照)。


4 公正競争規約
・ 公正競争規約は,景品表示法31条に基づく協定又は規約のことです(消費者庁HPの「公正競争規約」参照)。
・ 不動産公正取引協議会連合会HP「公正競争規約の紹介」に,不動産の表示に関する公正競争規約が載っています。


5 ステルスマーケティング
(1) 消費者庁HPの「ステルスマーケティング研究会」ステルスマーケティングに関する研究会報告書(令和4年12月28日付)が載っています。
(2) ネクスパート法律事務所HP「ステマ規制「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」」が載っています。


6 関連記事その他
(1) 景品表示法及び下請法は独禁法の補完法となります。
(2) 二弁フロンティア2022年7月号「表示法務の基礎と実践~前編~」が載っていて,二弁フロンティア2022年8月・9月合併号「表示法務の基礎と実践~後編~」が載っています。
(3) 不正競争防止法3条1項の規定に基づく不正競争による侵害の停止等の差止めを求める訴え及び差止請求権の不存在確認を求める訴えは,いずれも民訴法5条9号所定の訴えに該当します(最高裁平成16年4月8日決定)。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 不公正な取引方法に関するメモ書き
・ 下請法に関するメモ書き
・ 消費者契約法及び特定商取引法等に関するメモ書き
・ 弁護士法人アディーレ法律事務所に対する懲戒処分(平成29年10月11日付)


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