目次第1 総論第2 警察庁交通局等の沿革第3 警察庁交通局の組織及び担当事務
1 交通企画課(警察庁組織令32条)
2 交通指導課(警察庁組織令33条)
3 交通規制課(警察庁組織令34条)
4 運転免許課(警察庁組織令35条)
第4 警察庁交通局幹部の階級
第5 関連記事その他
第1 総論
1 警察庁交通局は,警察庁の所掌事務に関し,交通警察に関する事務をつかさどっています(警察法23条の2)。
主として,道路交通法,自動車の保管場所の確保等に関する法律及び自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律の施行に関する事務を実施しています。
2 警察庁交通局は,警察本部交通部及び警察署交通課と異なり,現場の執行事務は取り扱っていません。第2 警察庁交通局等の沿革
1 昭和29年7月1日に現在の警察法(昭和29年6月8日法律第162号)が施行された際,交通警察は,警察庁警備部警ら交通課が担当していました(警察庁組織令17条6号)。
昭和33年4月1日,警察庁の部が局になるとともに保安局が刑事局から分離独立し,交通警察は,警察庁保安局交通課が担当することとなりました(警察法等の一部を改正する法律(昭和33年3月26日法律第19号))。
昭和36年,交通企画課及び交通指導課が新設されました(警察庁HPの「日本警察50年史第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開」参照)。
昭和37年4月1日,警察庁交通局が設置されました(警察法等の一部を改正する法律(昭和37年3月20日法律第14号))。
2 警察庁保安局は,昭和43年6月15日,警察庁刑事局保安部となり(行政機構の簡素化等のための総理府設置法等の一部を改正する法律(昭和43年6月15日法律第99号3条(警察法の一部改正)),平成6年7月1日,警察庁生活安全局となりました(警察法の一部を改正する法律(平成6年6月24日法律第39号))。
3 平成16年警察白書の「日本警察50年の軌跡と新たな展開」が参考になります。第3 警察庁交通局の組織及び担当事務
1 交通企画課(警察庁組織令32条)
(1) 交通警察に関する制度の企画及び立案,交通統計,交通安全教育及び交通安全運動,高速道路交通警察隊の管理等に係る事務を所掌しています。
また,道路交通関係法令の改正作業や各種計画の策定作業等を行っています。
(2) 平成29年4月1日現在の,交通局交通企画課事務分掌表を掲載しています。
2 交通指導課(警察庁組織令33条)
(1) 道路交通の秩序維持のため,交通指導取締り,交通事故事件捜査,暴走族対策に係る企画立案等のほか,白バイ・交通パトカーの運用に係る事務を行っています。
また,放置違反金制度と放置車両確認事務の民間委託を柱とする駐車対策法制の運用にも取り組んでいます。
(2) 平成29年4月14日現在の,交通局交通指導課事務分掌表を掲載しています。
3 交通規制課(警察庁組織令34条)
(1) 信号制御や標識設置等によって交通流をコントロールし,安全かつ円滑な道路交通を支えています。
また,大規模災害発生時は,速やかな災害対策が実施できるよう、緊急輸送ルートを確保する重責を担います。
(2) 平成29年4月1日現在の,交通局交通規制課事務分掌表を掲載しています。
4 運転免許課(警察庁組織令35条)
(1) 運転免許を取得しようとする者への教習・試験,運転免許保有者等への講習等の充実により安全運転を促進し、運転免許の取消し等により危険運転者を排除することで、運転者の資質向上を図っています。
(2) 平成29年5月8日現在の,交通局運転免許課事務分掌表を掲載しています。
第4 警察庁交通局幹部の階級
1 平成29年度警察庁交通局の事務分掌表によれば,平成29年4月現在,警察庁交通局幹部の階級は以下のとおりです。
(1) 警視監
交通局長,長官官房審議官(交通局担当),交通企画課長
(2) 警視長
ア 交通企画課
高速道路交通政策総合研究官,長官官房参事官(高速道路交通政策担当),交通安全企画官
イ 交通指導課
交通指導課長
ウ 交通規制課
交通規制課長
エ 運転免許課
運転免許課長
(3) 警視正
ア 交通企画課
高速道路管理室長,企画官1人,理事官1人,
イ 交通指導課
交通事故事件捜査指導室長,理事官1人
ウ 交通規制課
理事官
エ 運転免許課
高齢運転者等支援室長兼外国人運転者対策官,理事官
2 46の道府県警察本部長のうち,警視監が警察本部長となっているのは27道府県ぐらいであり,警視長が警察本部長となっているのは19県ぐらいです。
そのため,警察庁交通局交通企画課長は中小規模の県警本部長よりもランクが高いこととなりますし,警察庁交通局の課長等は中小規模の県警本部長と同格であることとなります。
3 警察庁の定員に関する訓令(昭和44年6月30日警察庁訓令第6号)によれば,警察庁内部部局の定員は,長官が1人,警視監又は警視長が30人,警視長又は警視正が88人,警視正又は警視が547人,警部が743人の合計1409人となっています。
ただし,警察庁内部部局には警察官とは別に技官がいます。
第5 関連記事その他
1 警察庁交通局の平成27年度定員は,交通企画課が58人,交通指導課が26人,交通規制課が37人,運転免許課が25人であり,合計146人です。
2 平成28年4月1日,交通事故被害者サポート事業が,内閣府政策統括官(共生社会政策担当)付交通安全対策担当から警察庁交通局に移管されました(警察庁HPの「交通事故被害者サポート事業」参照)。
3 警察庁交通局HPの「道路交通法等の改正」に,平成19年以降の道路交通法改正に関する情報があります。
4 警察官が,交通取締の一環として,交通違反の多発する地域等の適当な場所において,交通違反の予防,検挙のため,同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて,運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは,それが相手方の任意の協力を求める形で行われ,自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法,態様で行われる限り,適法です(最高裁昭和55年9月22日決定)。
5(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 交通事故抑止に資する交通指導取締りについて(平成26年4月3日付の警察庁交通局交通指導課長等の通知)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 交通警察
・ 実況見分調書作成時の留意点
・ 交通事故被害者が警察に対応する場合の留意点
・ 刑事記録の入手方法等に関する記事の一覧