職場におけるハラスメント防止に関するメモ書き


目次
1 総論
2 パワハラ関係
3 パワハラに関する懲戒処分の最高裁判例
4 関連記事その他

1 総論
(1) 職場におけるパワーハラスメントとは,職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって,②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより,③労働者の就業環境が害されるものであり,①から③までの要素を全て満たすものをいいます(厚生労働省HPの「2020年(令和2年)6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!」参照)。
(2) 職場で発生しやすいハラスメントとしては,セクシュアルハラスメント(セクハラ),パワーハラスメント(パワハラ),マタニティハラスメント(マタハラ),アルコールハラスメント(アルハラ)及び時短ハラスメント(ジタハラ)があります(弁護士法人ALG&Associates HP「職場でのハラスメントを防止するために取るべき対応策」参照)。

2 パワハラ関係
(1) 派遣のミカタHP「パワハラ防止法はなぜできた?法制定の歴史と判例を紹介」には以下の記載があります。
    ハラスメントという言葉が広く知られるきっかけとなったひとつが、1970年代にアメリカで「セクシャルハラスメント(いわゆるセクハラ)」という性的嫌がらせを意味する造語が誕生したことです。その10年後となる1980年代には、日本でもセクハラという言葉を耳にするようになりました。
    日本では、それまでにも性別に端を発した言動が問題にはなっていたものの、それが「セクハラ」という名前であると認知されたことで社会問題となり、今では多くの人に認知されることになりました。
(2) 東弁リブラ2022年6月号「どう変わる?ハラスメント対応-労働者の人権保障と企業価値の向上に向けて-」には,「パワハラが生じた場合の企業のリスク」として以下の記載があります(同書8頁)。
    パワハラの加害者は,自身が行っているのはあくまで注意・指導や通常のコミュニケーションの範疇であるなど,パワハラを行っているという認識がないことが多いため,人前でもパワハラに該当するような言動を行っていることが多い。そのような場合,被害者従業員のみではなく,被害者従業員が日々怒鳴られているのを見聞きしている第三者も含めた従業員の業務能率が低下したり,人財流出やブラック企業のレッテルが貼られるなどのレピュテーションリスクにつながる,場合によっては訴訟に発展するなど,企業には様々なリスクが生じ得る。そのため,企業としては,パワハラについて早期に適切な対応をとることが重要となる。


(3) あかるい職場応援団HP「ハラスメントに関する法律とハラスメント防止のために講ずべき措置」が載っています。


(4) 厚生労働省HPの「精神障害の労災認定」に載ってある「精神障害の労災認定基準」によれば,心理的負荷が「強」となる「◯ 上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」として以下の記載があります。
【「強」である例】
・ 上司等から、治療を要する程度の暴行等の身体的攻撃を受けた場合
・ 上司等から、暴行等の身体的攻撃を執拗に受けた場合
・ 上司等による次のような精神的攻撃が執拗に行われた場合
・ 人格や人間性を否定するような、業務上明らかに必要性がない又は業務の目的を大きく逸脱した精神的攻撃
・ 必要以上に長時間にわたる厳しい叱責、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責など、態様は手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃
・ 心理的負荷としては「中」程度の身体的攻撃、精神的攻撃等を受けた場合であって、会社に相談しても適切な対応がなく、改善されなかった場合

3 パワハラに関する懲戒処分の最高裁判例
(1) 最高裁令和4年6月14日判決は,地方公共団体の職員が暴行等を理由とする懲戒処分の停職期間中に同僚等に対して行った同処分に関する働き掛けを理由とする停職6月の懲戒処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例です。
(2)  最高裁令和4年9月13日判決は,部下への暴行等を繰り返す行為をした地方公共団体の職員が地方公務員法28条1項3号に該当するとしてされた分限免職処分が違法であるとした原審の判断に違法があるとされた事例です。

4 関連記事その他
(1) 厚生労働省HPに以下の資料が載っています。
・ 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン
・ 「就活ハラスメント防止対策企業事例集を作成しました!~学生向けの周知コンテンツも公開しました~」(令和5年3月7日付)

・ 「職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント)」
→ 
各種ハラスメントの防止に関するパンフレット,事業主指針,施行通達等が載っています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 昭和51年の30期前期修習で発生した,女性司法修習生に対する司法研修所裁判教官等の差別発言問題(教官等の弁明が正しいことを前提として厳重注意で終了した事件)


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