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所得税の確定申告に関するメモ書き(AIリライト)

第1 所得税の確定申告とは

1 確定申告の意義と復興特別所得税

所得税の確定申告とは,毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とこれに対する所得税等の額を計算し,申告期限までに確定申告書を提出して,源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金等との過不足を精算する手続である(国税庁「所得税の確定申告とは」)。平成25年分の所得税から,東日本大震災からの復興を図るための施策に必要な財源を確保するため,復興特別所得税(税率2.1%)が所得税と併せて課され,申告・納付することとされている。

現行法(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法9条1項・13条)上,復興特別所得税が課される期間は平成25年から令和19年までの各年分であり,税率も2.1%のままである。もっとも,令和8年度税制改正大綱では,防衛費の財源として税率1%の防衛特別所得税(仮称)を令和9年分以後に創設し,その分だけ復興特別所得税を1.1%に引き下げつつ,課税期間を令和29年分まで10年間延長する案が示されている。本稿執筆時点(令和8年7月)では,この延長及び新税創設は現行の条文にはまだ反映されておらず,施行時期も到来していないため,申告時点における最新の税率・課税期間は,国税庁ホームページ等で改めて確認することを勧める。

2 実務で参照される解説サイト

青色申告決算書(一般用)の具体的な記入方法については,個人事業主向けの実務解説サイトである「個人事業主メモ」の「青色申告決算書(一般用)の書き方・記入例」が参考になる。

第2 確定申告の種類と申告期限

所得税の確定申告には,通常の確定申告のほか,納税者が年の中途で死亡し,又は出国した場合の準確定申告があり,それぞれ申告期限が異なる。

1 確定申告(所得税法120条1項)

通常の確定申告は,その年の翌年の2月16日から3月15日までの間に行う必要がある(所得税法120条1項)。

2 死亡による準確定申告(所得税法124条・125条)

納税者が年の中途で死亡した場合,その相続人は,相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月を経過した日の前日までに,被相続人のその年分の所得税について準確定申告をしなければならない(所得税法125条1項)。同法124条は,還付を受けるための申告等に関する規定である。

3 出国による準確定申告(所得税法126条・127条)

納税者が年の中途で出国する場合,その出国の時までに,その年1月1日から出国の時までの所得について準確定申告をしなければならない(所得税法127条1項)。

4 申告手続に関する国税庁・国税局の運用

平成31年4月1日以降に確定申告書を提出する場合,給与所得等の源泉徴収票の添付又は提示は不要となった(国税庁「平成31年4月1日以後の申告書の提出の際、源泉徴収票等の添付が不要となりました」)。申告書の様式・記載要領は,国税庁の法令解釈通達(「個人課税事務提要(様式編 Ⅰ)」の制定について(平成12年11月15日付の国税庁長官の法令解釈通達))に定められている。

また,令和7年1月から,税務署に紙で提出した申告書等の控えへの収受日付印の押なつが廃止された(国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」)。この見直しに関連する大阪国税局・国税庁内部の実施留意事項として,令和3年分の確定申告書(案)の国税庁ホームページへの掲載について(令和3年7月9日付の国税庁個人課税課課長補佐の事務連絡)確定申告期における申告書等の収受に関する取扱いについて(令和5年1月20日付の大阪国税局長の指示)令和5年分確定申告期における事務実施上の留意事項について(令和5年12月12日付の大阪国税局長の指示)申告書等の控えへの収受受付印の押なつの見直しに係る納税者への周知等について(令和5年12月18日付の国税庁長官の指示)の各内部文書を掲載している。これらはいずれも収受印の押なつに関する実務が段階的に見直されてきた経緯を示す一次資料である。

第3 所得控除の種類及び限度額

所得控除は,納税者の個人的な事情を所得税の計算に反映させる制度であり,令和7年度税制改正(令和7年12月1日施行,原則として令和7年分以後の所得税に適用)により,基礎控除・給与所得控除の見直し,特定親族特別控除の創設,扶養親族等の所得要件の引上げという3本柱の大きな改正が行われた(国税庁「令和7年度税制改正(基礎控除の見直し等関係)Q&A」)。

1 所得控除一覧

主な所得控除の対象・要件と令和7年分以後の控除額は,次のとおりである。

控除の種類対象・要件控除額(令和7年分以後)
社会保険料控除健康保険・国民年金・厚生年金保険・船員保険の保険料,国民健康保険の保険料又は国民健康保険税,介護保険料,雇用保険の被保険者として負担する労働保険料,国民年金基金の掛金等を支払った場合その年に支払った全額
小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済,個人型確定拠出年金(iDeCo),企業型確定拠出年金(企業型DC)又は心身障害者扶養共済の掛金を支払った場合その年に支払った全額
生命保険料控除平成24年以後に締結した保険契約につき,生命保険料,介護医療保険料又は個人年金保険料を支払った場合各4万円が限度(合計12万円が限度)※1
地震保険料控除民間の保険会社に一定の地震保険料を支払った場合5万円が限度
寡婦控除夫と離婚又は死別した女性で,合計所得金額が500万円以下の場合一般の寡婦27万円,特別の寡婦35万円
ひとり親控除現に婚姻をしていない者等で,生計を一にする子(合計所得金額58万円以下)があり,本人の合計所得金額が500万円以下の場合※235万円
勤労学生控除給与所得等がある学生等で,合計所得金額が85万円以下の場合※227万円
障害者控除納税者や控除対象親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合原則27万円(特別障害者40万円,同居特別障害者75万円)
配偶者控除合計所得金額58万円以下の控除対象配偶者がいる場合(本人の合計所得金額900万円以下)※2原則38万円(老人控除対象配偶者48万円)
配偶者特別控除配偶者の合計所得金額が58万円を超え133万円以下で,配偶者控除の適用がない場合※2最高38万円(配偶者の所得金額に応じ逓減)
扶養控除合計所得金額58万円以下の控除対象扶養親族がいる場合※2原則38万円(特定扶養親族63万円,老人扶養親族48万円又は58万円)
特定親族特別控除(令和7年分新設)生計を一にする19歳以上23歳未満の親族(配偶者を除く)で,合計所得金額が58万円を超え123万円以下の場合最高63万円(所得金額に応じ逓減)
基礎控除合計所得金額2500万円以下の納税者2(1)を参照
雑損控除災害や盗難等によって損害を受けた場合損失額に応じて算定
医療費控除一定額を超える医療費を支払った場合3を参照
寄附金控除寄付をした場合(ふるさと納税を含む)特定寄附金の額から2000円を控除した額

※1 令和8年度税制改正大綱では,23歳未満の扶養親族がいる場合に一般生命保険料控除の限度額を6万円に引き上げ,令和8年分から適用する案が示されているが,本稿執筆時点で現行の所得税法76条は4万円のままであり,適用開始時期は税制改正法の成立・施行の状況を確認する必要がある。

※2 令和7年度税制改正により,扶養親族・同一生計配偶者・配偶者特別控除の対象配偶者・勤労学生・ひとり親の生計を一にする子について,それぞれの合計所得要件が引き上げられた(令和7年12月1日施行,令和7年分以後の所得税に適用)。改正前は,配偶者控除の対象となる配偶者及び扶養控除の対象となる扶養親族の合計所得要件は48万円以下,勤労学生の合計所得要件は75万円以下であった。

雑損控除,医療費控除及び寄附金控除の適用を受けるためには,確定申告をする必要がある。また,控除額の目安をつかむための実務解説として,個人事業主向けサイトの「所得控除の一覧表【まとめ】個人事業主・会社員の所得控除」,及び「マネージャーナル」の「ひとり親控除と寡婦控除の違いを徹底解説!あなたはどちらに該当する?」がある。

2 令和7年度税制改正による主要な変更点

(1) 基礎控除の時限的な引上げ

基礎控除(所得税法86条)は,合計所得金額に応じて改正された。令和7年分及び令和8年分に限り,合計所得金額132万円以下は95万円,132万円超336万円以下は88万円,336万円超489万円以下は68万円,489万円超655万円以下は63万円,655万円超2350万円以下は58万円という時限的な上乗せがあり,令和9年分以後は,合計所得金額655万円以下の部分が一律58万円に戻る。合計所得金額が2350万円を超える部分(2350万円超2400万円以下48万円,2400万円超2450万円以下32万円,2450万円超2500万円以下16万円,2500万円超0円)は,この改正の前後を通じて変わらない。あわせて,給与所得控除(所得税法28条)の最低保障額が,令和7年分以後,55万円から65万円に引き上げられた(国税庁前掲Q&A1-2・1-3)。これらの改正は,令和7年12月1日に施行されている。

(2) 特定親族特別控除の創設

特定親族特別控除(所得税法84条の2)は,令和7年度税制改正で新設された控除であり,居住者と生計を一にする19歳以上23歳未満の親族(配偶者を除く)で,合計所得金額が58万円を超え123万円以下(給与収入のみの場合は123万円超188万円以下)である場合に,その所得金額に応じて最高63万円を控除するものである。この年齢層の親族は,従来の扶養控除では,合計所得金額が48万円(給与収入103万円)を超えると特定扶養親族としての控除(63万円)が一気に失われる仕組みであったため,特定親族特別控除の創設により,控除が段階的に逓減する仕組みへと改められた(国税庁前掲Q&A1-5)。

(3) 扶養親族等の所得要件の引上げ

扶養親族及び同一生計配偶者の合計所得要件は,令和7年12月1日の施行により,48万円以下から58万円以下に引き上げられた。勤労学生の合計所得要件は75万円以下から85万円以下に,ひとり親の生計を一にする子の合計所得要件は48万円以下から58万円以下に,それぞれ引き上げられている(国税庁前掲Q&A1-7・1-8・1-9)。もっとも,扶養控除・勤労学生控除・ひとり親控除の控除額そのもの(38万円,特定扶養親族63万円,老人扶養親族48万円又は58万円,勤労学生控除27万円,ひとり親控除35万円)は変更されていない。変更されたのは,控除の対象となる親族側の所得要件である。

配偶者特別控除についても,対象となる配偶者の合計所得要件が連動して引き上げられており,令和7年分以後は,配偶者の合計所得金額が58万円を超え(給与収入では123万円を超え)133万円以下の場合に適用される。

3 医療費控除,雑損控除及び寄附金控除は確定申告が必要

医療費控除は,病院などで医療費を一定以上支払った場合の控除であり,原則として,実際に支払った医療費の合計額から,保険金等による補填額及び10万円を控除した額が控除額となる。その年の総所得金額等が200万円未満の場合は,総所得金額等の5%の金額を超えれば医療費控除を受けることができる。この基準について,X(旧ツイッター)上の実務者からは,「1年間の医療費が10万円超(所得200万円未満の人は所得の5%)なら,確定申告で所得税・住民税が安くなる。一緒に生活する家族が,病院・薬局で払った費用はまとめられる。別居していても,両親や子どもに毎月仕送りをしていれば対象になり得る」という説明がされている。

また,市販薬の購入費用を対象とするセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は,令和4年度税制改正により,適用期限が令和8年12月31日まで延長されている。医療費控除とセルフメディケーション税制はいずれか一方の選択適用であり,通常の医療費控除の方が高額になる場合も多いため,実際に適用を受ける際にはいずれが有利かを試算する必要がある。

医療費控除の対象範囲については,近視及び乱視矯正用の眼鏡及びコンタクトレンズの購入費用並びにその購入に当たり医師がした検眼費用が医療費控除の対象にならないとしてされた所得税更正処分を適法とした東京高裁平成2年6月28日判決(平成1(行コ)第73号)がある。同判決は,治療を目的としない眼鏡等の購入費用は,治療に直接必要な費用とは認められないとの理解に立つものである。

4 所得区分に関する留意点

雑所得の収入が20万円以下の場合,所得税の確定申告は不要であるが,住民税の申告は別途必要である点に注意を要する(代官山税理士法人「雑所得は確定申告が必要?確定申告書への書き方や経費の範囲を解説」)。

所得区分に関しては,競馬の馬券の払戻金の所得区分も実務上しばしば問題となる。最高裁平成29年12月15日判決(平成28年(行ヒ)第303号,民集71巻10号2235頁)が示した判断枠組みの下では,馬券の払戻金は,一定の要件を満たす場合に例外的に雑所得となることがあるものの,通常は一時所得に区分される(国税庁「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」)。一時所得と雑所得とでは,外れ馬券の購入費用を必要経費に算入できるかどうかが異なるため,区分の違いは税額に直結する。

第4 株式譲渡益課税制度

1 特定口座と確定申告の要否

国税庁ホームページの「株式譲渡益課税制度」には,「個人の方が上場株式等を保有・譲渡した場合の金融・証券税制について(令和元年10月)」等が掲載されている。源泉徴収ありの特定口座を利用している場合,上場株式等の譲渡損失に係る損益通算及び繰越控除の適用を受けようとする場合を除き,上場株式等の譲渡所得について確定申告をする必要はない。

2 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除

上場株式等に係る譲渡損失の金額を翌年以後3年間にわたって繰り越すためには,その年分の確定申告をしておく必要がある(国税庁「令和7年分確定申告特集」)。この繰越控除は,特定口座(源泉徴収あり)を選択している場合であっても,確定申告をしなければ適用を受けることができない点に注意を要する。

3 上場株式等の配当・譲渡所得に係る個人住民税の課税方式

平成29年度税制改正により,上場株式等の配当所得等及び譲渡所得等について,所得税と個人住民税とで異なる課税方式(申告不要制度・総合課税・申告分離課税)を選択できることが一時期明確化されていた。しかし,令和4年度税制改正により,令和6年度分の個人住民税(令和5年分の所得)から,この選択制度は廃止されている。すなわち,令和6年度分以後の個人住民税では,上場株式等の配当所得等・譲渡所得等の課税方式は,所得税の確定申告における選択と一致させることとされ,所得税と住民税とで異なる方式を選ぶことはできない(姫路市「上場株式の譲渡所得及び配当所得の課税方式の選択(令和6年度以降廃止)」,柏市「上場株式等の所得に関する国税と異なる課税方式の選択」)。確定申告において上場株式等の配当所得等・譲渡所得等を申告した場合,その所得は住民税の合計所得金額にも算入されるため,国民健康保険料や各種所得制限の判定に影響し得る点にも留意する必要がある。

4 新NISAとの関係

令和6年(2024年)1月からは,非課税保有期間が無期限化され,制度が恒久化された新NISAが開始されている。新NISA口座内で生じた譲渡益及び配当は,日本国内の所得税及び住民税が非課税とされるため,原則として確定申告は不要である。ただし,新NISA口座で生じた譲渡損失は税務上ないものとみなされ,特定口座(課税口座)で生じた譲渡益と損益通算することはできない点に注意を要する。

第5 外国税額控除

1 制度の仕組みと日米租税条約

日本人が個人として米国株投資をする場合,日米租税条約(平成16年3月30日条約第2号)に基づき,配当所得については米国の源泉税が10%に軽減され,譲渡所得については日本の所得税及び住民税のみが課税される。米国での源泉徴収後になお生ずる日米間の二重課税は,外国税額控除(所得税法95条)によって解消することができる。なお,令和元年8月30日に発効した日米租税条約の改正議定書の内容は,主として法人間の配当・利子等に関するものであり,個人投資家には直接の影響がない(国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」)。

2 外国税額控除に関する明細書の書き方

楽天証券ホームページの「外国税額控除」には,外国証券に関する案内(権利配当等)及び外国税額控除に関する明細書の記載例が掲載されている。実務上は,本年中に納付する外国所得税額の欄について,利子・配当・譲渡益を国別に細かく分けず,集計した金額を一括して記載する取扱いも可能とされている。複数の国から所得を得ている場合には,この集計処理によって記載欄の不足を避けることができる。

3 投資信託等の分配時調整外国税相当額控除

平成30年度税制改正により,令和2年(2020年)1月1日以降,証券会社等が,外国所得税が課された公募投資信託等の収益分配金を支払う際に,あらかじめ二重課税調整計算を行う分配時調整外国税相当額控除の制度が導入されている(池田一暁公認会計士事務所「分配時調整外国税相当額控除について」)。この制度により,投資信託・上場投資信託(ETF)については二重課税が自動的に調整されるため,個別株のように確定申告で外国税額控除を申告する必要は原則としてない。

個別株投資における外国税額控除の実務上の計算方法については,みやした税理士事務所の「海外投資をする方の税金計算について【外国税額控除】」に,調整国外所得金額の算定方法(配当に係る負債利子控除後の金額,株式譲渡の場合は取得費及び譲渡費用控除後の金額となること)が解説されている。

第6 所得税等の計算サイト

所得税・住民税簡易計算機」には,「税金計算機(生命保険料控除、医療費控除、扶養控除、ふるさと納税対応)」が掲載されている。これらの簡易計算ツールは,確定申告書の作成に先立って概算の税額を把握する際の目安として利用できる。

第7 白色申告者の記帳義務等

1 記帳義務・帳簿等保存義務の拡大(平成24年度改正)

平成24年度の税制改正により,平成26年分以降の所得税の確定申告では,事業所得,不動産所得又は山林所得のある白色申告対象者は,収入の金額にかかわらず,記帳義務及び帳簿等保存義務を負うこととなった(マネーフォワードクラウド確定申告「白色申告の帳簿のつけ方や保存義務についてわかりやすく解説!」)。

2 収支内訳書の添付等が必要となる場合(令和2年度改正)

令和2年度の税制改正により,令和4年分以降の所得税の確定申告では,2年前の雑所得の収入金額が1000万円を超える場合は確定申告書に収支内訳書を添付する必要があり,2年前の雑所得の収入金額が300万円を超える場合は,現金預金取引等関係書類を保存する必要がある(国税庁「タックスアンサーNo.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」)。

3 電子帳簿保存法による電子取引データ保存の義務化

これらの記帳・保存義務とは別に,電子帳簿保存法上の電子取引データ保存義務が,令和6年(2024年)1月から全面的に適用されている。電子メールやウェブサイトを通じて授受した請求書・領収書等の電子取引データは,紙に印刷して保存するのではなく,タイムスタンプの付与や訂正削除履歴の残るシステムでの保存等,一定の要件を満たした電子データのまま保存することが義務付けられた。この義務は,青色申告者に限らず,事業所得等を有する白色申告者にも及ぶため,第7の1及び2の記帳・帳簿等保存義務とあわせて対応を要する。

第8 その他の関連資料・判例

1 法人税の青色申告承認取消処分に関する最高裁令和6年判決

所得税の確定申告そのものとは異なる場面であるが,法人税法127条1項の規定による青色申告の承認の取消処分については,その処分により制限を受ける権利利益の内容・性質等に照らし,その相手方に事前に防御の機会が与えられなかったからといって,憲法31条の法意に反するものとはいえないと判断した最高裁令和6年5月7日判決(令和5年(行ツ)第334号,最高裁判所第三小法廷,原審福岡高等裁判所)がある。青色申告の承認取消しに関する行政手続上の権利保障の限界を示した判例として参考になる。

2 関連記事

個人事業主の税金,労働保険及び社会保険の全体像については,「個人事業主の税金,労働保険及び社会保険に関するメモ書き」も参照されたい。

3 参考書籍

弁護士の確定申告実務に関する定番の解説書として,天賀谷茂・呉尚哲・熊澤直・名取勝也・吉川達夫(著者代表)『自分で進める 弁護士のための確定申告と税務 弁理士・司法書士対応』(第一法規)がある。

令和7年度税制改正による基礎控除・給与所得控除・特定親族特別控除の実務上の影響を,世帯構成別の計算例まで踏み込んで解説した書籍として,中島孝一・西野道之助・轟智明(共著)『令和7年度税制改正 基礎控除・給与所得控除・特定親族特別控除等の実務』(日本法令,令和7年8月)がある。

出典

法令・条約

  • 所得税法120条,124条,125条,126条,127条,73条,76条,83条,83条の2,84条,84条の2,86条,95条(e-Gov法令検索)
  • 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法9条,13条(e-Gov法令検索)
  • 日米租税条約(平成16年3月30日条約第2号)(外務省ホームページ)

裁判例

公文書

文献

  • 天賀谷茂・呉尚哲・熊澤直・名取勝也・吉川達夫(著者代表)『自分で進める 弁護士のための確定申告と税務 弁理士・司法書士対応』第一法規(発売の告知は令和4年12月確認)
  • 中島孝一・西野道之助・轟智明(共著)『令和7年度税制改正 基礎控除・給与所得控除・特定親族特別控除等の実務』日本法令,令和7年8月(弁護士ドットコムライブラリーで目次及び概要を確認)

ウェブ資料