第1 端子の形と機能を分けて選ぶ
ケーブルを選ぶ際は,端子が物理的に差し込めることと,必要な通信・充電・映像出力ができることを区別する。
USB Type-Cという形状だけでは,転送速度,USB Power Deliveryへの対応及び映像出力の可否は分からない。
接続元,接続先,ケーブル及び途中の変換アダプターの仕様を一組として確認することが重要である。
第2 ディスプレイケーブル
1 主な方式
| 方式 | 主な確認事項 |
|---|---|
| HDMI | 映像・音声の対応,端子サイズ,解像度・リフレッシュレート |
| DisplayPort | 映像・音声の対応,端子,機器・ケーブルの仕様 |
| DVI | DVI-D・DVI-I等の信号方式。基本的に映像用 |
| VGA | アナログ映像。一般に15ピンの端子を用いる |
| USB Type-C | 映像出力に対応するポート・ケーブル・変換機器か |
HDMIのタイプA・C・Dと,USB Type-Cは別の名称体系である。
D-subも端子群の呼称であり,すべてがVGAという意味ではない。
MHL等を用いる旧機種についても,microUSB端子があることだけで映像出力に対応すると判断しない。
2 映像の方向と電源を確認する
一般的なパソコンのHDMI出力は,別の映像機器からの入力端子ではない。
変換アダプターには,変換できる方向が決まっている製品もある。
モニターの入力切替,外部電源及び音声出力先も確認する。
ディスプレイの電源を切った際の認識やウィンドウ移動は,機器・OS・設定等による。
「DisplayPortでは必ず切断され,HDMIでは絶対に切断されない」と一律に説明すべきではない。
具体的な接続はディスプレイの接続・拡張・画面共有を参照されたい。
第3 USBの形状・転送速度・Thunderbolt
1 形状と規格名を混同しない
Type-A,Type-B,Mini-B,Micro-B及びType-Cは,端子形状を確認するための名称である。
Type-CにはUSB 2.0のデータ通信に対応する構成もあり,USB-IFは,Type-CがUSB 3.2・USB4又はUSB PDと同じ意味ではないことを明示している(出典①)。
端子内部の色だけで,すべての製品の性能を確定しない。
2 速度は具体的な表示を確認する
USB 3.0,USB 3.1 Gen 1及びUSB 3.2 Gen 1は,5Gbpsの系統を示す名称として使われてきた。
USB 3.2には5Gbps,10Gbps及び20Gbps等の区別があるため,「USB 3.2なら必ず20Gbps」とは限らない。
購入時は具体的な速度と必要な機能を確認する。
規格上の速度は,実際のファイル転送速度を保証するものではない。
保存装置,ポート,ケーブル及びハブ等の組合せで性能が制約される。
USB4についても,古い記事の「将来こうなる」という説明を現在の製品選定の根拠にしない。
3 Thunderboltは同じ形でも対応を確認する
Thunderbolt 3・4等でType-C形状が使われても,すべてのType-C機器がThunderboltに対応するわけではない。
接続する機器とケーブルの対応規格を確認する。
「上位互換だから何でも使える」という説明だけで選定を終えない。
第4 充電・USB PD・Lightning・Qi
充電には,充電器の出力,端末の対応,ケーブルの許容電力及び対応する充電方式が関係する。
USB PDはType-Cの形状そのものとは別の仕組みであり,USB-IFは対応構成で最大240Wまでの給電を説明している(出典①・②)。
すべての充電器やType-Cケーブルで,その電力を利用できるわけではない。
充電できてもデータ転送ができないケーブルがある。
端末のバックアップやテザリングでは,データ通信への対応も確認する。
LightningとType-Cのどちらを使うかはApple製品の機種によるため,「iPhoneならLightning」と固定して考えない。
Qi等によるワイヤレス充電も,端末と充電器の対応条件を確認する。
異常な発熱,変形又は破損がある場合は使用を中止し,メーカーの案内に従う。
第5 LANケーブルとPoE
Ethernetは通信方式であり,LANケーブルという物理的な配線と同義ではない。
カテゴリー,長さ,端子,配線状態及び接続機器の速度を確認する。
高いカテゴリーを選ぶだけで,契約回線や機器の上限を超えるわけではない。
PoEは,対応するネットワーク配線を通じて機器へ電力も供給する仕組みである。
すべてのLANポートが給電するわけではなく,給電側・受電側・ケーブルの対応を確認する。
ネットワーク構成はインターネット接続の基礎を参照されたい。
第6 コンセント・電源タップと接続前確認
コンセントは差込口,プラグは差し込む側である。
電源タップは定格と製品の注意事項に従い,過負荷,破損,ほこり及び無理な配線に注意する。
配線工事や修理が必要な場合は,自己判断で分解・改造せず,適切な業者へ相談する。
① 何をつなぐか,必要な機能は何かを確認する。
② 両機器の型番と公式仕様を確認する。
③ ケーブル・ハブ・変換機器の対応を確認する。
④ 接続後に,映像・音声・通信・充電を個別に試す。
⑤ 機器名,配線及び正常時の状態を記録する。
第7 関連記事と出典
IT関係のメモ書き及びWindowsの基本操作とサポート期限も参照されたい。
① USB-IF「USB Type-C and USB 2.0 Type-C Cable and Connector Language Usage Guidelines」(2023年3月20日版),特にPDF実頁3~5頁
https://www.usb.org/sites/default/files/usb_type-c_language_product_and_packaging_guidelines_20230320.pdf
② USB-IF「USB Charger(USB Power Delivery)」
https://www.usb.org/usb-charger-pd
③ ELECOM「映像の出力・入力はケーブル選びが重要!ディスプレイケーブルの種類と選び方」
https://www.elecom.co.jp/pickup/contents/00065/
④ PANDUIT「PoEをより快適に|ケーブルの選び方で環境を変えよう」
https://www.panduit.co.jp/column/naruhodo/7188/
⑤ ELECOM「電源タップ選び方ガイド」
https://www.elecom.co.jp/pickup/contents/00048/