今井理裁判官(53期)の経歴


生年月日 S47.11.25
出身大学 不明
定年退官発令予定日 R19.11.25
R5.4.1 ~ 東京地裁1刑判事
R2.4.1 ~ R5.3.31 山形地裁刑事部部総括
H28.4.1 ~ R2.3.31 東京地裁4刑判事
H25.4.1 ~ H28.3.31 札幌地裁1刑判事
H22.10.18 ~ H25.3.31 名古屋高裁1刑判事
H22.4.1 ~ H22.10.17 名古屋地裁判事補
H19.4.1 ~ H22.3.31 福岡地家裁判事補
H18.5.1 ~ H19.3.31 東京地裁判事補
H17.4.1 ~ H18.4.30 法務省民事局付
H12.10.18 ~ H17.3.31 東京地裁判事補

*0 以下の記事も参照してください。
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 判事補の外部経験の概要
・ 行政機関等への出向裁判官
*1 東京電力の旧経営陣3人が福島第一原発の事故を防げなかったとして検察審査会の議決によって強制的に起訴された裁判(NHK NEWS WEB「詳報 東電刑事裁判「原発事故の真相は」」参照)の裁判に関する東京地裁令和元年9月19日判決(担当裁判官は42期の永渕健一53期の今井理及び68期の柏戸夏子)には例えば,以下の判示があるのであって,結論として,3人の被告人に対して無罪を言い渡しました。
① その際(山中注:平成23年3月7日に東京電力が原子力安全・保安院に対して津波対策等について報告した際)、保安院側から「長期評価」を踏まえた対策工事を直ちに実施すべきであり、その対策工事が終わるまでは本件発電所の運転を停止すべきであるというような指摘がされることはなかった。
② 平成20年6月10日の被告人武藤への説明、平成21年4月ないし5月頃の被告人武黒への説明のいずれもがそうであったように、平成23年3月初旬までの時点においては、「長期評価」の見解は具体的な根拠が示されておらず信頼性に乏しいと評価されていたところ、そのような「長期評価」に対する評価は、相応の根拠のあるものであったというべきである。
③ 他の原子力事業者、行政機関、地方公共団体のいずれにおいても、「長期評価」を全面的に取り入れることがなく、東京電力社内、他の原子力事業者、専門家、行政機関のどこからも、対策工事が完了するまでは本件発電所の運転を停止すべきである旨の指摘もなかったことに照らせば、これら関係者にとっても同様であったとみるべきであって、平成23年3月初旬までの時点における原子力安全対策の考え方からみて、被告人ら3名の対応が特異なものであったとはいい難く、逆に、このような状況の下で、被告人ら3名に、10m盤を超える津波の襲来を予見して、対策工事が完了するまでは本件発電所の運転を停止すべき法律上の義務があったと認めるのは困難というべきである。
④ 確かに、被告人ら3名は、本件事故発生当時、東京電力の取締役等という責任を伴う立場にあったが、そのような立場にあったからといって、発生した事故について、上記のような法令上の規制等の枠組みを超えて、結果回避義務を課すに相応しい予見可能性の有無に関わらず、当然に刑事責任を負うということにはならない。
*2 東京電力HPの「賠償金のお支払い状況」によれば,2019年9月13日現在,本賠償の金額が約8兆9295億円であり,仮払補償金が約1529億円であり,合計9兆824億円です。
*3 日経新聞HPの「原発事故の賠償、4人世帯で9000万円 東電が実績公表」(平成25年10月26日付)には,「文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は25日、東京電力福島第1原子力発電所の事故の賠償実績を公表した。東電が帰還困難区域の住民に支払った額は4人世帯で平均9000万円だった。」などと書いてあります。

*4 Wikipediaの「第二次世界大戦後におけるドイツの戦後補償」には,「ドイツ連邦共和国が行った補償総額は、2009年時点で671億1800万ユーロに達する。」と書いてあります。
    七十七銀行HPに「ユーロ対円相場(仲値)一覧表 (2009年)」が載っていますところ,1ユーロ130円とした場合,ドイツの補償総額は8兆7253億4000万円となります。
*5 昭和60年8月12日発生の日本航空123便墜落事故では,平成元年11月22日,前橋地検に書類送検されていたボーイングの修理担当者4人,日本航空社員12人及び運輸省職員4人の合計20人が全員不起訴となり,平成2年7月19日,検察審査会で不起訴不当とされたボーイングの修理担当者2人及び日本航空社員2人が再び不起訴となりました(Wikipediaの「日本航空123便墜落事故」参照)。
    また,平成13年1月31日発生の日本航空機駿河湾上空ニアミス事故に関する最高裁平成22年10月26日判決櫻井龍子裁判官の反対意見には,「所論(山中注:弁護人の上告趣意)は,本件のようなミスについて刑事責任を問うことになると,将来の刑事責任の追及をおそれてミスやその原因を隠ぺいするという萎縮効果が生じ,システム全体の安全性の向上に支障を来す旨主張するが,これは今後検討すべき重要な問題提起であると考える。」と書いてあります。
*6 平成19年10月14日発効の日弁連の裁決には以下の記載があります(自由と正義2007年12月号198頁)。
    弁護士が告発をする場合は、弁護士は調査及び検討について一般人より高度の能力を有し、また弁護士法第1条及び第2条の趣旨は弁護士に対し被告発者の人権にも一般人以上に配慮することを求めているといえるから、弁護士には、告発の根拠の調査及び検討につき、一般人より高度な注意義務が課せられている。


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