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日弁連の代議員会―構成・役員選任・制度の沿革(AIリライト)

第1 日弁連の代議員会の位置付け

1 代議員会とは

日弁連の代議員会は,各弁護士会が選任した代議員によって構成される日弁連の機関である(日弁連会則42条)。現在の通常の代議員会は,主として翌年度の副会長,理事及び監事並びに選挙管理委員会委員を選任するために開かれている。

日弁連会長は代議員会ではなく,会員による直接選挙で選ばれる。

2 総会及び理事会との関係

日弁連の重要な意思決定機関には,総会,代議員会及び理事会がある。代議員会の権限は創立時から同じではない。

平成23年2月9日の臨時総会による会則改正までは,会則改正及び特別会費の徴収について,総会の議決に加えて代議員会の議決も必要であった。同改正によってこれらの付議事項が削除されたため,現在の代議員会の中心的な役割は翌年度の役員等の選任である。

第2 代議員の人数,選任及び任期

1 選任数

各弁護士会は,まず3人の代議員を選任する。その上で,所属会員数が100人以下である弁護士会は1人を加え,所属会員数が100人を超える弁護士会は100人又はその端数を増すごとに1人を加える(日弁連会則43条)。

したがって,小規模な弁護士会にも4人の代議員が確保される一方,大規模な弁護士会には会員数に応じた代議員が加算される仕組みである。

2 選任時期及び任期

代議員は毎年2月に各弁護士会によって選任される。任期は同年3月1日から1年間であり,欠員が生じた場合の補欠代議員の任期は前任者の残任期間である(日弁連会則43条4項,44条及び45条)。

具体的な候補者の選び方は各弁護士会の規則及び運用によるため,全国一律ではない。

3 令和8年の代議員数

令和8年3月13日の代議員会における代議員総数は648人であった。このうち本人出席は312人であり,代理人によって行使された議決権は307個,議決権総数は619個であった。

第3 開催,出席及び代理

1 開催時期及び会場

近年の通常の代議員会は,おおむね3月の金曜日に弁護士会館で開催されている。

もっとも,曜日及び開催日は会則上固定されていない。日弁連会員用ページで確認できる範囲では,平成17年は木曜日に開催され,令和7年は3月14日,令和8年は3月13日に開催されているため,「毎年3月上旬の金曜日」とまではいえない。

2 本人出席及び代理

代議員は,同じ弁護士会に所属する他の代議員を代理人として議決権を行使させることができる。1人の代議員が代理できるのは5人までであり,委任状には所属弁護士会の会長による認証が必要である(日弁連会則52条)。

代議員本人の出席人数と,代理行使された議決権の個数は別の数字である。例えば,令和2年3月13日の代議員会は,代議員総数604人,本人出席242人,代理行使された議決権326個,議決権総数568個であった。

3 傍聴及び通常の議決

代議員会は,日弁連会員以外の者の傍聴を原則として認めない。ただし,会長の許可を得た者は傍聴できる(日弁連会則54条2項)。

通常の議案は,出席代議員の議決権の過半数で決する。これに対し,議長等又は役員の選任を選挙以外の方法で行うために必要な同意数は,次節のとおり別に定められている。

第4 議長,副議長及び役員の選任

1 議長及び副議長

代議員会の議長及び副議長は,原則として代議員による選挙で選ばれる(日弁連会則56条)。もっとも,出席代議員の過半数の同意があるときは,選挙以外の方法で選任できる(議事規程23条3項)。

2 副会長,理事及び監事

副会長,理事及び監事も,原則として代議員会の選挙によって選ばれる。ただし,出席代議員の3分の2以上の同意があるときは,役員選任規程5条により選挙以外の方法で選任できる。

議長及び副議長に必要な同意は過半数であるのに対し,役員に必要な同意は3分の2以上であり,両者を区別する必要がある。

日弁連会員用ページに掲載された通常代議員会の報告を確認すると,少なくとも平成18年度から令和8年度まで,毎年度,選挙によらない方法で副会長,理事及び監事が選任されている。

3 現在の役員定数

現在の日弁連の役員定数は,会長1人,副会長15人,理事75人及び監事5人である(日弁連会則56条)。会長は会員による直接選挙で選任されるのに対し,副会長,理事及び監事は代議員会で選任されるという違いがある。

第5 女性副会長及び女性理事に関する特別措置

1 女性副会長

日弁連は,平成29年12月8日の臨時総会で会則及び役員選任規程を改正し,平成30年度から女性副会長に関する特別措置を導入した。

副会長の定数は13人から15人に増員され,現在の会則は,15人のうち2人以上を女性会員から選任すると定めている。

この制度は,代議員会に先立つ推薦委員会による候補者推薦及び代議員会での選任手続を含むものである。制度の導入経緯については,日弁連の女性副会長も参照されたい。

2 女性理事

日弁連は,令和3年度から女性理事に関する特別措置を実施している。

理事の定数は71人から75人に増員され,現在の会則は,理事に占める女性会員の割合が30%以上となるよう努めるとともに,女性会員4人を選任しなければならないと定めている。

したがって,女性理事4人の特別選任は最低限の仕組みであり,理事全体の女性比率30%以上は努力目標である。両者は同じ意味ではない。

制度開始時の状況については,日弁連公式Xの令和3年3月12日投稿も参照されたい。

3 女性理事数の推移

法友会「政策要綱2025」が整理した令和3年度から令和7年度までの女性理事数は,次のとおりである。

年度女性理事数理事定数に占める割合
令和3年度20人26.7%
令和4年度16人21.3%
令和5年度19人25.3%
令和6年度18人24.0%
令和7年度15人20.0%

この実績からは,特別措置によって女性理事が毎年度選任されている一方,理事全体の女性比率は30%に達していないことが分かる。

第6 議案,発言及び議事録

1 議案の通知及び質問

代議員会に付する議案は,原則として会日の3週間前までに到達するよう,書面で代議員に通知しなければならない(議事規程30条)。

出席代議員は議題について質問できる。議長は議事を整理し,必要があると認めるときは発言時間を制限できる。

2 発言の手続

発言しようとする代議員は,挙手して議長と呼び,自己の氏名を告げ,議長の許可を得た後に発言する(議事規程36条)。

現行規程は「挙手」と定めており,「起立して議長と呼ぶ」とする説明は現行規程と一致しない。

議長の許可なく発言した場合,秩序を乱した場合又は弁護士の品位を傷つける言動をした場合,議長は発言の制止,取消しの命令,発言禁止又は退場命令をすることができる。

3 議事録及び情報公開

代議員会については議事録が作成される。議事規程は,議事を速記によって記録することができると定めているが,常に速記録を作成して議事録へ添付しなければならないと定めているわけではない。

日弁連会員は議事録を閲覧し,又は謄写できる。また,会長は議事録又はその概要を公表し,会員以外の者に閲覧又は謄写を認めることができる(議事規程41条及び41条の2)。

第7 代議員会の沿革

1 創立時の代議員会と会長選挙

日弁連は昭和24年9月に第1回代議員会を開催した。

創立時の代議員数については,日弁連の平成21年12月4日臨時総会の趣旨説明が288人とする一方,日弁連編『日弁連七十年』21頁は282人と記載しており,日弁連の公表資料相互に6人の差がある。原資料によってこの差を解消できなかったため,本記事ではいずれか一方を確定値として扱わない。

日弁連会長は,昭和49年度までは代議員会で選任されていたが,昭和50年度から全会員による直接選挙で選任されている。

2 平成21年及び平成22年の代議員数削減

平成21年度の代議員総数は724人であった。会員数の増加に伴い,代議員数,旅費等の負担及び会場確保が課題となったため,日弁連は平成21年12月4日の臨時総会で会則を改正した。

この改正により,1人の代議員が代理できる人数は平成22年1月1日から3人から5人へ増えた。

また,大規模な弁護士会について代議員を加算する単位は,平成22年末から会員50人ごとから100人ごとへ変更された。改正案の説明では,代議員総数は453人程度になると見込まれていた。

実際の代議員総数は,平成22年度の757人から平成23年度の486人へ減少した。

3 平成23年の付議事項削減

平成23年2月9日の臨時総会では,総会と代議員会による審議の重複,会員全体による審議の充実及び意思決定の迅速化等が議論された。

同日の会則改正により,会則改正及び特別会費の徴収を代議員会へ付議する制度が廃止された。

この改正後の通常代議員会は,政策上の一般的な意思決定機関というより,翌年度の役員等を選任する機関としての性格が明確になっている。

第8 近年の開催実績

1 代議員数及び出席状況

日弁連会員用ページの「総会・代議員会」に掲載された報告から,制度改正前後及び近年の主な数字を抜き出すと,次のとおりである。

年度代議員総数本人出席代理行使された議決権議決権総数
平成21年度724人630個
平成22年度757人688個
平成23年度486人457個
平成30年度581人573個
令和2年度604人242人326個568個
令和3年度614人214人354個568個
令和6年度638人568個
令和7年度634人597個
令和8年度648人312人307個619個

「議決権総数」は,本人が行使する議決権と代理人を通じて行使される議決権の合計である。本人出席者だけを見て出席率又は議決参加の規模を評価すると,代理制度の影響を見落とすことになる。

2 所要時間

代議員会の所要時間は毎年一定ではない。

日弁連会員用ページで開会時刻及び閉会時刻を確認できる範囲では,平成18年は約32分,平成30年は約100分であり,相当な幅がある。

最近では,令和6年が約77分,令和7年が約65分,令和8年が約62分であった。したがって,「毎年約1時間」と一律に説明するより,各年度の議事内容によって変動すると理解するのが正確である。

第9 関連記事

① 日弁連会則

② 日弁連の議事規程

③ 日弁連の役員選任規程

④ 日弁連の会長及び副会長

⑤ 日弁連の理事会及び常務理事会

⑥ 日弁連の総会,代議員会,人権擁護大会等

⑦ 日弁連の理事

第10 出典

1 現行規程

① 日本弁護士連合会「会則・会規等

② 日本弁護士連合会「日本弁護士連合会会則」42条~56条

③ 日本弁護士連合会「議事規程」23条,30条,36条,41条及び41条の2

④ 日本弁護士連合会「役員選任規程」5条

2 総会資料,会務資料及び沿革資料

① 日本弁護士連合会「平成21年12月4日臨時総会

② 日本弁護士連合会「平成23年2月9日臨時総会

③ 日本弁護士連合会会員用ホームページ「日弁連情報―総会・代議員会」平成17年度~令和8年度及び「理事会報告」平成29年度(最終確認令和8年7月29日)

④ 日本弁護士連合会編『日弁連七十年』21頁(令和元年)

⑤ 友新会「戦後の弁護士・弁護士会の友新会

3 文献及び統計資料

① 犬伏由子・井上匡子・君塚正臣編『レクチャージェンダー法〔第2版〕』法律文化社,令和3年,236頁~237頁

② 週刊東洋経済編集部『弁護士業界 最前線』東洋経済新報社,令和3年,4頁~5頁

③ 法友会「政策要綱2025」414頁~415頁