令和元年7月採用の国税審判官の研修資料


目次
1 令和元年7月の国税審判官の採用状況
2 新任審判官研修
3 短期研修「審判実務」
4 国税不服審判所の概要
5 国税不服審判所の定数
6 指定官職及び一般官職としての税務職員
7 関連記事その他

1 令和元年7月の国税審判官の採用状況
   令和元年7月10日付で,以下のとおり国税審判官(特定任期付職員)が採用されました。
札幌支部:1人(弁護士1人)
東京支部:5人(税理士3人,公認会計士2人)
名古屋支部:2人(税理士2人)
大阪支部:2人(弁護士2人)
広島支部:2人(弁護士1人,税理士1人)
高松支部:1人(公認会計士1人)
福岡支部:1人(公認会計士1人)
合  計:14人(弁護士4人,税理士6人,公認会計士4人)

2 新任審判官研修
   令和元年7月29日(月)に財務省本庁舎4階(国税不服審判所の大会議室(南430))で実施された研修の資料は以下のとおりです。
・ 令和元事務年度「新任審判官研修」資料一覧表
・ 新任審判官(新規採用者)研修日程表
・ 新任審判官(新規採用者)研修受講者名簿
・ 新任審判官(新規採用者)研修配席図
・ 審判所の役割・組織
・ 法曹出身者から見た国税不服審判所
・ 新任審判官研修(国家公務員倫理法関係)
・ 新任審判官研修(国家公務員の倫理)(国税庁人事課)
・ 新任審判官研修(ハラスメントの防止等)(国税庁人事課)
・ 国家公務員倫理教本(平成31年3月)(国家公務員倫理審査会)
・ 義務違反防止ハンドブック-服務規律の保持のために-(平成31年3月)(人事院)
・ 国家公務員倫理カード(国家公務員倫理審査会)
・ 監察官講話~非行の根絶~
・ 国税審判官(特定任期付職員)の採用について(令和元年7月10日付け)
・ 国税審判官(特定任期付職員)の支部別採用者内訳
・ 参考資料

3 短期研修「審判実務」
   令和元年7月30日(火)から同年8月2日(金)にかけて,税務大学校和光校舎で実施された,短期研修「審判実務」の資料は以下のとおりです。
(7月30日)
・ 「審判実務」時間割表
・ 和光校舎までの交通経路等について
・ 「審判実務」研修生名簿
・ オリエンテーション資料
・ 参考資料(法規集)
・ 審判所の現状と課題等
・ 審判所長講話
→ 当時の国税不服審判所長は,40期の脇博人裁判官です。
(7月31日)
・ 審査事務の概要1/32/3及び3/3
・ 審査事務の概要(参考資料)
・ 審判所事務運営の方針
・ 審査請求の基礎知識
(8月1日)
・ 裁決書起案の留意事項
・ 裁決書起案の留意事項(参考資料)
・ 審判所における審理の実際
(8月2日)
・ 裁決書の概要
・ 事例研究(演習問題)
・ 事例研究(解説)
・ 徴収関係審判実務
・ 徴収関係事件の審理の手引(執務参考資料)




4 国税不服審判所の概要
・ 「国税不服審判所の概要(令和元年度の文書)」には以下の文書が含まれています。

5 国税不服審判所の定数
・ 国税庁70年史「第2章 施設等機関その他」(末尾267頁)には,国税不服審判所の定数として以下の記載があります。
    国税不服審判所の定員は、平成21年度は477人であったが、平成23年度に2人、平成24年度に1人、平成25年度に2人、そして、平成29年度に1名が削減され471人となった(官職別の定員は、272ページのとおり。)。
    なお、国税不服審判所発足以来、平成31年4月までに国税庁の組織外から任用された者の数は、延べ375名であり、内訳は、裁判官90名、検察官58名、司法研修所終了者1名、大学教授等5名、弁護士64名、税理士39名、公認会計士等26名、裁判所書記官78名及び法務事務官14名である。そして、国税不服審判所長をはじめ、東京国税不服審判所長、大阪国税不服審判所長などの枢要な役職に、発足以来、裁判官又は検察官出身者が就任している。
    また、平成19年から、国税審判官として、弁護士、税理士、公認会計士又は大学教授若しくは准教授の職にあった経歴を有する民間専門家の公募を実施しており、平成23年度税制改正大綱を受けて、審理の中立性・公正性を向上させる観点から、国税審判官の外部登用を拡大し、平成25年7月には、事件を担当する国税審判官の半数程度の50名が外部登用者となった。その後、外部登用者の数は、例年50名程度で推移している。


6 指定官職及び一般官職としての税務職員
(1) 任命権者が国税庁長官である税務職員を指定官職といい,国税庁長官名義の厚紙の辞令(人事異動通知書)を受けます(公認会計士・税理士 大橋誠一事務所HP「【0048】指定官職」参照)ところ,①国税不服審判所については,所長,次長,部長審判官,国税審判官,国税副審判官,管理室長及び行政救済分析官が指定官職となり(同規程2条1項4号),国税不服審判所支部については,②各地の国税不服審判所長(例えば,東京国税不服審判所長),国税不服審判所沖縄事務所長,次席国税審判官,部長審判官,国税審判官,国税副審判官及び課長が指定官職となります(同規定2条1項5号)。
(2) 株式会社税経HP「10年職歴の読み方を無料配布しています。」に載ってある「国税局管内税務署 10年職歴の読み方」4頁には,「(山中注:特別国税調査官は)いわゆる「厚紙特官」と「薄紙特官」に分かれ、厚紙は副署長クラスの幹部職員、薄紙は課長・統括官クラスです。人事異動の際、国税庁長官発令の特官は厚い紙で、国税局長発令の特官は薄い紙の辞令が渡されることが由来です。」と書いてあります。
(3) 令和3事務年度の場合,浪人・留年・前職がない職員については,74から専科(大卒採用)の期別を差し引くとその職員の年齢となり,100から普通科(高卒採用)の期別を差し引くとその職員の年齢となります(公認会計士・税理士 大橋誠一事務所HP「【0013】期別から国税職員の年齢がわかる」参照)。


7 関連記事その他
(1) 弁護士・公認会計士和田和純ブログ「税務署と他の行政機関との情報共有」には以下の記載がありますところ,税務官署から事件記録等の閲覧謄写の要請があった場合の取扱いについて(平成3年10月31日付の最高裁判所総務局長の事務連絡)に基づく取扱いであるのかもしれません。
     第三者が裁判記録のコピーを入手しようとする場合、利害関係を疎明する必要がありますが(民訴法91条、家事事件手続法47条、254条参照)、行政機関には行政共助による閲覧謄写が認められています。
    この行政機関には国税不服審判所も含まれており、私が担当審判官となった事件のうち、3つの事件で謄写を行いました。
(2) 衆議院議員緑川貴士君提出国税庁職員の新任者研修に関する質問に対する答弁書(令和2年4月14日付)には以下の記載があります。
     税務大学校和光校舎において予定されていた令和二年度の専門官基礎研修については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況等を踏まえ、当分の間、自宅等においてオンライン等の方法により実施することとしたところである。
    また、御指摘の「和光市長から新任者基礎研修の中止の要請があったと言われている」ことについては、令和二年四月二日に和光市長から、税務大学校副校長に対し、専門官基礎研修の実施について見直すべきではないかとの意見が出されたところである。
(3) 日本公認会計士協会近畿会 会報 近畿C.P.A.ニュース(2018年7月10日号)の「「国税不服審判所」ってどんなところ?」には,「同時進行で担当する件数は、時期によって異なりますが、担当審判官としてだけでなく、参加審判官としての事案も含めると、一桁後半くらいの件数になります。」と書いてありますところ,審査請求事件の標準審理期間は1年です(平成28年4月1日付の不服申立てに係る標準審理期間の設定等について(事務運営指針)参照)から,参加審判官としての事案を含めた新件の配点は1ヶ月に1件あるかないかぐらいであるのかもしれません。
(4) 所得金額更正に関する審査請求の却下決定があつた場合でも,右却下が違法である場合には,右更正処分の取消を求める訴は審査の決定を経たものとして適法です(最高裁昭和36年7月21日判決。なお,最高裁令和4年12月13日判決の裁判官宇賀克也の反対意見で言及されています。)。
(5)ア 税務調査に関して,国税庁HPに以下の資料が載っています。
・ 国税通則法第7章の2(国税の調査)等関係通達の制定について(法令解釈通達)
・ 調査手続の実施に当たっての基本的な考え方等について(事務運営指針)
・ 税務調査手続に関するFAQ(税理士向け)
→ 高原誠一郎税理士事務所HP「税務調査手続等に関するFAQ(職員用)」が載っています。
・ 税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)
イ 公認会計士・税理士大橋誠一事務所ブログには例えば,以下の記事が載っています。
・ 【0198】国税不服審判所の研修体系(その1)
→ 新任審判官研修につき,「7月下旬から8月初旬にかけて、埼玉県和光市にある税務大学校において「審判実務研修」が行われますが、これに先立ち、前日午前中に審判所本部に新任の任期付審判官が集まり、審判所本部所長、管理室長などから、国家公務員としての基本ルール及び審判所事務の基本的な知識の習得を目的とした研修が行われます。」などと書いてあります。
・ 【0195】国税不服審判所の裁決書1本当たりの原価
→ 「上記1.の4,831百万円を上記2.の354本で除すると、裁決書1本当たりの予算(会計でいう原価)は1,300万円台に達することになります。」と書いてあります。
ウ ~目からウロコ~元国勢調査感の税務調査と税務実務ブログ「裁決事例を反論根拠に使う場合の順番・注意点」が載っています。
(6)ア 国税不服審判所に関する,以下の文書を掲載しています。
・ 事務計画の策定、進行管理の実施及び実績報告等について(平成10年6月17日付の事務運営指針)(令和元年6月21日最終改正)
・ 仮マスキング済裁決書の作成について(平成28年3月24日付の国税不服審判所長の指示)
・ 本部支援事件の処理体制の整備について(平成28年6月23日付の国税不服審判所長の指示)
・ 本部照会必須事件一覧(平成31年2月末現在)
・ 「同席主張説明・審理手続の計画的遂行・口頭意見陳述の実践マニュアル」について(平成30年6月19日付の審判所情報第1号)
・ 「証拠の閲覧・写しの交付マニュアル」について(平成30年6月19日付の審判所情報第2号)
・ 証拠の開示について(平成28年7月7日付の国税不服審判所長の指示)
・ 裁決結果及び裁決要旨の公表手続について(平成23年3月29日付の事務運営指針)(平成29年最終改正)
・ 国税通則法第99条の通知の可能性のある事件の対応について(平成28年6月23日付の国税不服審判所長の通知)
・ 国税不服審判所の重要先例事件一覧表,個別管理重要事件一覧表及び本部協議事件一覧表(令和2年1月末現在)
・ 国税不服審判所の本部照会数一覧及び相互審査照会数一覧(令和2年2月末現在)
・ 国税不服審判所の情報共有事件件数(令和2年1月末現在)
・ 国税不服審判所の審査請求事件の請求,処理及び未済の状況(平成26会計年度から平成30会計年度まで)
・ 国税不服審判所の審査請求事件処理状況表(本支所別延件数)(平成30年度分)
・ 国税不服審判所の審査請求事件処理状況表(税目別延件数)(平成30年度分)
・ 東京国税局の考査課情報
→ 令和2年令和3年令和4年
・ 東京国税局の考査課情報(令和元年6月・128号)(OB税理士との会合の自粛等について)
・ 東京国税局の考査課情報(令和3年7月・第145号)(OB税理士との会合について)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の国税不服審判所長
 国税庁長官及び東京国税局長の事務引継資料(令和元年7月頃の文書)



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