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法廷における弁護士の起立問題

目次
1 法廷における弁護士の起立問題
2 関連記事その他

1 法廷における弁護士の起立問題
本記事の「起立問題」は,弁護士が法廷で発言するときに立つか,着席したまま発言できるかという問題です。
弁護士の懲戒一般を意味する「規律問題」とは異なります。
以下では,昭和27年当時の最高裁判所と日弁連の意見の違いを,通知とその別紙から整理します。

昭和27年11月29日付の通知には,同日付の事務総長から日弁連会長への回答,昭和27年7月10日付の日弁連の意見書,及び同年11月18日付の各弁護士会長宛て日弁連文書が収録されています。
以下の引用は,そのうち最高裁判所側の回答です。

・ 「法廷における弁護士の起立問題について」(昭和27年11月29日付の最高裁判所総務局長事務取扱通知)には,以下の記載があります。

   法廷において事件の当事者および関係人が発言に際して起立することは,久しきにわたって確立された慣行であり,今日まできわめて自然に励行されているところであります。
  そして,この慣行は,法廷の品位を保ち,手続が秩序正しく,かつ,円滑に行われる上によい効果をもたらすものであり,いまにわかにこれを改めねばならぬ理由はないものと思料します。ただ証人尋問に際して手控をとる場合等着席のままの発言が便宜である場合,発言者が裁判長の承認のもとに着席して発言することを妨げないことは申すまでもありません。
   なお,さきにこの問題について当方から口頭をもって連絡しましたところも,右と全く同じ趣旨であり,従って各弁護士会あてに発せられた昭和27年11月18日付日弁連総第189号に記載されたところは,当方の趣旨とするところと著しく相違するものであることを,念のため,申し添えます。

これに対し,別紙の日弁連の昭和27年7月10日付意見書は,弁護士が発言する際の起立・着席を自由とすることを求めています。
最高裁判所側の回答は,起立を確立した慣行として維持する考えを示しつつ,証人尋問中に手控えを取る場合等には,裁判長の承認の下で着席して発言することを妨げないとしています。
両者の見解が一致していたという資料ではありません。

この通知は,発言時の起立という当時の慣行と,着席を認める取扱いを知るための資料です。
通知だけを根拠に,現在のあらゆる手続で起立が法律上の絶対的義務である,あるいは自由に拒めると断定することはできません。
裁判長の秩序維持の権限や監置・過料との違いは,法廷警察権の解説(AI作成)を参照してください。

2 関連記事その他
(1) 石山豊太郎 京都地裁判事の「法廷礼法の在り方」では,「法廷における弁護士の起立問題について」(昭和27年11月29日付の最高裁判所総務局長事務取扱通知)について言及されています(昭和33年6月15日付の判例タイムズ81号40頁)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 司法研修所弁護教官の業務は弁護士業務でないものの,破産管財人として行う業務は弁護士業務であること