第1 公文書管理に関する経緯
① 昭和34年11月,日本学術会議会長から内閣総理大臣に対し,公文書の散逸防止と公開のための施設を必要とする勧告が出された。
② 昭和46年7月1日,国立公文書館が総理府の附属機関として,東京都千代田区北の丸公園に開館した。
③ 昭和62年12月15日,公文書館法(昭和62年法律第115号)が公布された。
④ 平成10年7月,筑波研究学園都市内につくば分館が設置され,同年10月1日に開館した。
⑤ 平成11年6月23日,国立公文書館法(平成11年法律第79号)が公布され,平成12年10月1日に施行された。
⑥ 平成13年4月1日,国立公文書館は独立行政法人となった。
⑦ 平成13年11月30日,国立公文書館アジア歴史資料センター(アジ歴)が開設された。
⑧ 平成21年7月1日,公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号)が公布され,平成23年4月1日に施行された。
平成15年以降,公文書管理制度の検討が本格化し,平成20年11月の公文書管理の在り方等に関する有識者会議最終報告を経て,公文書管理法の制定に至った。
同法は,行政文書の作成から保存,移管又は廃棄までの管理を統一的に定めるとともに,特定歴史公文書等の保存及び利用の仕組みを整備した。
第2 公文書館に関連する法律
公文書館に関連する主な法律は,次の3つである。
① 公文書館法
公文書館の目的,責務,専門職員及び資料の利用等に関する基本事項を定める法律である。
② 国立公文書館法
独立行政法人国立公文書館の目的,業務の範囲,関係機関との連携等を定める法律である。
③ 公文書等の管理に関する法律
行政文書及び法人文書の作成・整理・保存・移管・廃棄と,移管後の特定歴史公文書等の保存・利用等を一体的に定める法律である。
第3 国立公文書館の役割
1 保存・利用とデジタルアーカイブ
国立公文書館は,国の機関から移管を受けた歴史資料として重要な公文書等を適切に保存し,一般の利用に供する中核機関である。
特定歴史公文書等については,目録の作成,保存に必要な措置,利用請求への対応,展示,調査研究及び普及啓発等を行っている。
国立公文書館デジタルアーカイブでは,所蔵資料の目録情報を検索でき,画像が公開されている資料はインターネット上で閲覧できる。
アジア歴史資料センターは,国立公文書館,外務省外交史料館,防衛省防衛研究所等が保管するアジア歴史資料をデータベース化し,インターネットを通じて提供する電子資料センターである。
平成26年の資料に基づく諸外国の公文書館との職員数及び所蔵量の比較は,当時の制度検討には有用であるが,現在の人員,電子記録の取扱い及び収容能力を示す数値ではない。
そのため,現在の国際比較として利用するときは,基準年,統計定義及び電子資料の含め方を揃えた最新資料による必要がある。
2 東京本館とつくば分館
国立公文書館は,東京都千代田区北の丸公園の東京本館と,茨城県つくば市のつくば分館を運用している。
つくば分館は,行政機関等から移管される紙媒体の公文書等の受入れ,くん蒸,目録作成及び保存等を行っている。
つくば分館の閲覧室は,令和2年9月1日に閉室された。
つくば分館等の書庫で保存する特定歴史公文書等は,所定の手続を行った上で,東京本館の閲覧室で閲覧する。
利用方法と搬送日程は,国立公文書館の案内で確認できる。
3 新館の整備
新たな国立公文書館は,国会前庭地区に衆議院憲政記念館との合築により建設中であり,令和11年度末の開館が予定されている。
新館の開館後は,現在の東京本館とつくば分館に新館を加えた3館体制となる予定である。
第4 国会・裁判所の文書と国立公文書館
公文書管理法14条は,行政機関以外の国の機関が,内閣総理大臣との協議により,その保有する歴史公文書等を国立公文書館に移管できることを定めている。
この規定は,国会及び裁判所の文書について,それぞれの機関の独自の文書管理を前提としながら,歴史資料として国立公文書館へ移管する経路を設けたものである。
裁判所の事件記録及び司法行政文書には,それぞれ別個の保存・管理制度がある。
民事事件の判決原本等が国立公文書館に移管された経緯や,司法行政文書の移管については,次節の関連記事を参照されたい。
第5 関連記事
① 公文書管理法の概要(AIリライト)
② 司法行政文書に関する文書管理
③ 司法行政文書の国立公文書館への移管
④ 民事事件の判決原本の国立公文書館への移管
⑤ 令和6年全国統一運用・裁判所の特別保存制度
⑥ 記録の保存の在り方に関する委員会の議事要旨
出典
① 国立公文書館「国立公文書館概要」
② 国立公文書館「年表-公文書の世界」
③ 国立公文書館「つくば分館について」
④ 国立公文書館「令和2年9月1日以降における特定歴史公文書等の利用について」
⑤ 国立公文書館「特集 新たな国立公文書館に向けて」
⑥ e-Gov法令検索「公文書館法」
⑦ e-Gov法令検索「国立公文書館法」
⑧ e-Gov法令検索「公文書等の管理に関する法律」