裁判官及び検察官に超過勤務手当等が支給されない理由


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1 平成28年11月24日の元栄太一郎参議院議員(自民党)の質問に対する国会答弁資料
2 関連記事その他

1 平成28年11月24日の元栄太一郎参議院議員(自民党)の質問に対する国会答弁資料
(裁判官について)
・ 裁判官については,事件の適正,迅速な処理のために,夜間など一般職の職員の勤務時間外においてもこれに対処するということが要求される場合も少なくなく,一般職の職員と同様の勤務時間を観念することが困難。
・ そこで,裁判官については,時間外手当的な要素も考慮した上で,その職務と責任の特殊性を踏まえた報酬が設定されていることから,裁判官の報酬等に関する法律第9条第1項ただし書において,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給しないこととしている。
(検察官について)
・ 他方,検察官については,(一般職の職員の勤務時間,休暇等に関する法律の適用を受けるものの),事件の適正迅速な処理等のために,夜間などの勤務時間外においても対処することが要求されており,時間外に勤務した時間等を計測して給与上の措置を講ずるにはなじみ難い面がある。
・ 検察官については,裁判官の準じた俸給水準を設定しつつも,そのような特殊性を踏まえ,検察官の俸給等に関する法律第1条第1項ただし書において,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給しないこととしている。
(参考)
・ 一般の政府職員においても,管理・監督の地位にある一定範囲の職員(指定職俸給表適用職員等)については,超過勤務手当,夜勤手当,休日給等を支給をしないこととしている。
(検察官に労働基準法等の適用がないこと)
・ 検察官は,一般職の国家公務員に位置付けられるところ,一般職の国家公務員については,国家公務員法附則第16条の規定により,労働基準法や労働安全衛生法の諸規定は適用されないものと承知。


2 関連記事その他
(1) 「衆議院議員長妻昭君提出国家公務員の残業代に関する質問に対する答弁書」(平成27年4月3日付)には以下の記載があります。
     国家公務員の超過勤務手当は、関係法令に従い、公務のため臨時又は緊急の必要がある場合において、正規の勤務時間以外の時間において勤務することを命ぜられたとき、この命令に従い勤務した時間に対して支給されるものである。したがって、正規の勤務時間終了後、職員がこの命令を受けずに在庁している場合には、超過勤務手当は支給されないものであり、これは法令に従った取扱いである。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 時間外労働,休日労働及び深夜労働並びに残業代請求
・ 労働基準法に関するメモ書き
・ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
・ 判検事トップの月収と,行政機関の主な特別職の月収との比較
 裁判官の号別在職状況
・ 裁判官の昇給
・ 裁判官の給料と他の国家公務員の給料との整合性に関する答弁例


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