司法に関する情報提供・公開の在り方に関する平成12年6月当時の裁判所の説明

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○最高裁判所が平成12年6月13日開催の第22回司法制度改革審議会配付資料として提出した,「国民がより利用しやすい司法の実現」及び「国民の期待に応える民事司法の在り方」に関する裁判所の意見8頁及び9頁には,以下の記載があります。
判決データを全てデータベースに保存して,外部からの閲覧・謄写の請求にも迅速に対応できるようにするという話はどうなったのかしら?という気がします。

3 司法に関する情報提供・公開の在り方
   先例的価値のある判例情報を積極的に公開していくことは紛争防止や解決にとって重要であると考えている。従来,先例的価値のある判例情報について,最高裁判所及び高等裁判所の判例集のほか,下級裁判所については,知的財産権などの特定の分野についての判例集の編集刊行を行ってきたが,国民のニーズに応え,迅速かつ容易な判例情報へのアクセスを可能にするため,平成9年にホームページをインターネット上に開設して,①最近の主要な最高裁の判決全文,②東京高地裁及び大阪高地裁を中心とした下級裁判所の知的財産権訴訟の判決全文を速報している(最高裁のホームページにはこれまで70万件近いアクセスがある。)。さらに,裁判所は,民間の判例雑誌社やマスコミからの依頼に対し,広く判例情報を提供しており,民間の判例雑誌という媒体で下級裁判所を含めた判例情報の提供がされているところ(判例時報,判例タイムズがそれぞれ年間700件から800件)であり,また,民間においても,各種のデータベース(判例マスター,判例体系データベース)が開発,販売されているところである。
また,事件情報として,個々の事件の判決へのアクセスについては,民事訴訟法でだれでも閲覧が可能であり,利害関係人であれば謄写も可能である。
裁判所としては,判例情報に対する国民のニーズの高まりに対応して,インターネットを活用するなど,今後とも,先例的価値のある判例情報について即時的確に公開していきたい。具体的には,最高裁及び高裁の判例について,過去に判例集に登載されたもののデータベースを構築し,これを公開していく準備を進めているところである。さらに,下級裁判所の判例情報の公開については,地裁の民事事件だけでも年間10数万件に及ぶ多数の下級裁判所の判決の中から,先例的価値のある重要なものをいかにして選別していくか,民間の判例雑誌等との役割分担をどう考えるのかという問題はあるが,少なくとも,国民のニーズが大きいと思われる一定の分野の下級裁判所の判決については,データベースを構築し,順次ホームページ上で公開していくことが必要ではないかと考えている。さらに,裁判所内部におけるOA化を推進することにより,将来的には,各庁ごとに判決データをすべてデータベースに保存していくことを考えており,これにより,検索等が容易化することから,外部からの閲覧,謄写の請求にも迅速に対応できることとなる。更に進んで,このデータベースへのアクセスを広く許すことについては,プライバシー(例えば,人事訴訟事件)や営業秘密を侵害しないか,謄写を利害関係人に限る現行法に抵触しないか,多数の判決を重要なものとそうでないものを未選別のままに公開することが利用者にとってかえって不便ではないかなどの検討すべき問題があると考えている。

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