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目次
第1 総論

第2 公文書に関する日弁連の立場等
1 公文書に関する日弁連の立場
2 個人情報保護法
3 裁判官の生年月日を開示すべきと判断するに至った経緯が分かる文書
4 官民データ活用推進基本法
第3 開示文書の利用目的は一切問われないこと等
1 開示文書の利用目的は一切問われないこと
2 Internet Archiveが裁判所からどのような許可を得ているかが分かる文書は存在しないこと等
3 国有財産法上は,金銭的価値が顕在化したものだけが管理されていること等
第4 名誉毀損又はプライバシー侵害が違法となる場合等(令和3年3月11日更新)
1 公共的事項に関する表現の自由及び事前抑制の許容範囲
2 表現の自由の制限に関する一般論,及び思想の自由市場への登場の重要性
3 名誉毀損の取扱い
4 プライバシー侵害の取扱い
5 表現の自由に関する東京弁護士会の会長声明等
第5 表現の自由として弁護士に許容される限度は,裁判官に許容される限度よりも相当大きいと思われること(令和3年3月11日追加)
第6 私のブログの便利情報
第7 平成29年8月10日以降の総閲覧数

1 総論
1 大阪弁護士会所属の弁護士山中理司(〒530-0047 大阪市北区西天満4丁目7番3号 冠山ビル3階 林弘法律事務所)が運営しているブログです。
2 交通事故事件を中心に私に法律相談をしたい場合,以下の記事を参照してください。
 私の略歴,取扱事件等
→ 平成17年3月に京大法学部を卒業し,同年4月に59期司法修習生(徳島修習)となり,平成18年10月に大阪弁護士会で弁護士登録をしました。
② 弁護士費用
③ 事件ご依頼までの流れ
④ 受任できない事件,事件処理の方針等
3 記事の更新時期については,「定期的に更新している記事」を参照してください。
4 電話番号は,「お問い合わせ」フォームに載せています。

西側から撮影した,林弘法律事務所が入居している冠山ビルの外観です。

第2 公文書に関する日弁連の立場等
1 公文書に関する日弁連の立場
(1) 「情報主権の確立に関する宣言」(平成2年9月28日付の日弁連人権擁護大会の宣言)には以下の記載があります。
     国が保有している国政関係の諸情報は、本来、主権者たる国民のものである。原則として、すべての国民に対し、それらの情報を知る権利が実質的に保障されていない限り、国民主権は成立しえない。
(2) 日弁連セミナー「公文書管理のあるべき姿~民主主義の根幹を支える基盤~」(平成31年2月22日開催)の案内HPには以下の記載があります。

    公文書は、「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るもの」です公文書管理法1条)。また、公文書は、行政の政策決定過程を明らかにするとともに、それを根拠付けるものです。公文書管理の重要性は、自治体でも変わりません。日弁連は、全国の自治体に対して、公文書管理条例を制定することを求めています。
2 個人情報保護法
(1) ①報道を業として行う者が報道の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合,及び②著述を業として行う者が著述の用に供する目的で個人情報を取り扱う場合,個人情報取扱事業者の義務等は適用されません(個人情報保護法76条1項1号及び2号)。 
    また,報道とは,不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせること(これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。)をいいます(個人情報保護法76条2項)。
(2) 個人情報取扱事業者は,国の機関,地方公共団体,報道機関等により公開されている要配慮個人情報については,あらかじめ本人の同意を得ないで取得することができます(個人情報保護法17条2項5号参照)。
(3)  日本書籍出版協会HPに掲載されている「個人情報保護法の概要と適用除外」が分かりやすいです。
   ただし,リンク先の50条は現在,76条となっています。
3 裁判官の生年月日を開示すべきと判断するに至った経緯が分かる文書
・ 裁判官の生年月日は,裁判官の略歴等の開示について(平成28年6月16日付の最高裁判所人事局長依頼)に基づいて開示されていますところ,平成29年3月23日付の理由説明書によれば,この文書以外にすべての裁判官の生年月日を開示すべきと判断するに至った経緯が分かる文書は最高裁判所に存在しません。
    そのため,裁判官の生年月日は個人の権利利益を侵害するおそれがない情報であるという判断は,従前の取扱いからの変更理由を最高裁判所の記録に残すまでもなく,最高裁判所の庶務を掌るに過ぎない最高裁判所事務総局(裁判所法13条)の人事局長限りで判断できる事項であったこととなります。

4 官民データ活用推進基本法
・ 官民データ活用推進基本法(平成28年12月14日法律第103号)11条1項は以下のとおり定めています。

   国及び地方公共団体は、自らが保有する官民データについて、個人及び法人の権利利益、国の安全等が害されることのないようにしつつ、国民がインターネットその他の高度情報通信ネットワークを通じて容易に利用できるよう、必要な措置を講ずるものとする。

第3 開示文書の利用目的は一切問われないこと等
1 開示文書の利用目的は一切問われないこと
・ 最高裁平成19年4月17日判決の裁判官藤田宙靖の補足意見には以下の記載があります。

    本件条例(注:愛知県公文書公開条例のこと。)をも含む我が国の情報公開法制は,「情報」そのものではなく,「情報」の記載された「文書」を開示の対象として採用しており,また,文書を特定して開示請求がされる以上,その開示が請求者にとってどのような意義を持つ(役に立つ)のか,また,開示された文書をどのような目的のために利用するのか等を一切問うことなく,(例外的に法定された不開示事由に該当する情報が記載された文書を除き)請求の対象とされた文書の全体を開示することを原則として構築されている。
2 Internet Archiveが裁判所からどのような許可を得ているかが分かる文書は存在しないこと等
(1) 令和元年5月22日付の司法行政文書不開示通知書によれば,部内における利用を前提とするものであり,裁判所職員において外部に公表,開示することが禁止されている司法行政文書のうち,司法行政文書開示手続により開示された部分を,一般の国民がインターネットで公表することが法的に禁止されているかどうかが分かる文書は存在しません。
(2) 令和元年8月9日付の司法行政文書不開示通知書によれば,Internet Archiveは,裁判所HPの過去のもの(特に,無断転載を禁じている写真,イラストおよび画像データ)をインターネット上で公表するに際し,裁判所からどのような許可を得ているかが分かる文書は存在しません。
3 国有財産法上は,金銭的価値が顕在化したものだけが管理されていること等
(1) 首相官邸の「電子行政オープンデータ実務者会談」の資料となっている「国有財産について」(平成25年1月24日付の財務省理財局国有財産調整課の文書)6頁には以下の記載があります。
    著作権法上、著作者の意図やその金銭的価値に関わりなく、著作権法上の要件に該当する著作物について著作権が生じることになるが、国有財産法上は、国が所有する著作権法上の著作権全てを管理の対象として想定しているわけではなく、金銭的価値が顕在化したものを管理すればよいとされている。
(2) 政府CIOポータル「オープンデータ基本方針」(平成29年5月30日付の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部・官民データ活用推進戦略会議 決定)には以下の記載があります。
     公共データは国民共有の財産であるとの認識に立ち、政策(法令、予算を含む) の企画・立案の根拠となったデータを含め、各府省庁が保有するデータはすべてオープンデータとして公開することを原則とする。
(3)ア 本ブログには,最高裁判所の著作権が設定されている文書(財務省HPの「著作権」参照)は掲載していませんし,最高裁判所その他の公的機関から著作権について文句をいわれたこともないです。
イ 私のブログとは全く関係ありませんが,アマゾンで販売されている「憲法関係答弁例集(第9条・憲法解釈関係) 平成28年9月内閣法制局 解説」(内外出版株式会社)につき,「(※注意)本書の公刊にあたって、内閣法制局は出版に関知しておりません。弊社が内閣法制局に行政文書の開示請求により複写物を得て、底本のまま製版したものです。」と書いてありますから,情報公開文書をそのまま出版しても全く問題ないのかも知れません。

第4 名誉毀損又はプライバシー侵害が違法となる場合等
1 公共的事項に関する表現の自由及び事前抑制の許容範囲
・ 最高裁大法廷昭和61年6月11日判決(北方ジャーナル事件上告審判決)は以下の判示をしています。
① 主権が国民に属する民主制国家は、その構成員である国民がおよそ一切の主義主張等を表明するとともにこれらの情報を相互に受領することができ、その中から自由な意思をもつて自己が正当と信ずるものを採用することにより多数意見が形成され、かかる過程を通じて国政が決定されることをその存立の基礎としているのであるから、表現の自由、とりわけ、公共的事項に関する表現の自由は、特に重要な憲法上の権利として尊重されなければならないものであり、憲法二一条一項の規定は、その核心においてかかる趣旨を含むものと解される。
② 表現行為に対する事前抑制は、新聞、雑誌その他の出版物や放送等の表現物がその自由市場に出る前に抑止してその内容を読者ないし聴視者の側に到達させる途を閉ざし又はその到達を遅らせてその意義を失わせ、公の批判の機会を減少させるものであり、また、事前抑制たることの性質上、予測に基づくものとならざるをえないこと等から事後制裁の場合よりも広汎にわたり易く、濫用の虞があるうえ、実際上の抑止的効果が事後制裁の場合より大きいと考えられるのであつて、表現行為に対する事前抑制は、表現の自由を保障し検閲を禁止する憲法二一条の趣旨に照らし、厳格かつ明確な要件のもとにおいてのみ許容されうるものといわなければならない。
2 表現の自由の制限に関する一般論,及び思想の自由市場への登場の重要性
・ 最高裁平成5年3月16日判決(教科書検定に関する国家賠償請求事件)は以下の判示をしています。
① 不合格とされた図書は、右のような特別な取扱いを受けることができず、教科書としての発行の道が閉ざされることになるが、右制約は、普通教育の場において使用義務が課せられている教科書という特殊な形態に限定されるのであって、不合格図書をそのまま一般図書として発行し、教師、児童、生徒を含む国民一般にこれを発表すること、すなわち思想の自由市場に登場させることは、何ら妨げられるところはない
② 憲法二一条一項にいう表現の自由といえども無制限に保障されるものではなく、公共の福祉による合理的で必要やむを得ない限度の制限を受けることがあり、その制限が右のような限度のものとして容認されるかどうかは、制限が必要とされる程度と、制限される自由の内容及び性質、これに加えられる具体的制限の態様及び程度等を較量して決せられるべきものである。
③ 所論引用の最高裁昭和五六年(オ)第六〇九号同六一年六月一一日大法廷判決・民集四〇巻四号八七二頁は、発表前の雑誌の印刷、製本、販売、頒布等を禁止する仮処分、すなわち思想の自由市場への登場を禁止する事前抑制そのものに関する事案において、右抑制は厳格かつ明確な要件の下においてのみ許容され得る旨を判示したものであるが、本件は思想の自由市場への登場自体を禁ずるものではないから、右判例の妥当する事案ではない。
3 名誉毀損の取扱い
(1) 社会的評価の低下の有無の判断基準
ア 新聞記事がたとえ精読すれば別個の意味に解されないことはないとしても,いやしくも一般読者の普通の注意と読み方を基準として解釈した意味内容に従う場合,その記事が事実に反し名誉を毀損するものと認められる以上,これをもつて名誉毀損の記事と目すべきことは当然であるとされています(最高裁昭和31年7月20日判決)。
イ テレビジョン放送をされた報道番組の内容が人の社会的評価を低下させるか否かについては,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断されます(最高裁平成15年10月16日判決)。
(2) 事実を摘示しての名誉毀損(事実摘示型名誉権侵害)の取扱い

ア 事実を摘示しての名誉毀損にあっては,その行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があったときには,右行為には違法性がなく,仮に右事実が真実であることの証明がないときにも,行為者において右事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば、その故意又は過失は否定されます(最高裁平成9年9月9日判決お,先例として,最高裁昭和41年6月23日判決及び最高裁昭和58年10月20日判決参照)。
イ  他人の名誉を毀損する事実を摘示した者は、その重要な部分について真実性を立証することによつて、免責を受けることができます(最高裁昭和58年10月20日判決)。
ウ 裁判所は,名誉毀損に該当する事実の真実性につき,事実審の口頭弁論終結時において客観的な判断をすべきであり,その際に名誉毀損行為の時点では存在しなかった証拠を考慮することも許されます(最高裁平成14年1月29日判決)。
エ テレビジョン放送をされた報道番組によって摘示された事実がどのようなものであるかという点については,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断されます(最高裁平成15年10月16日判決)。
オ 名誉毀損行為が公務員に関する事実に係る場合,真実であることの証明がある限り,名誉毀損罪が成立することはありません(刑法230条の2第3項)。
カ 「インターネット削除請求・発信者情報開示請求の実務と書式」78頁及び79頁には,検索結果(起訴猶予・略式請求)の削除請求に関して以下の記載があります。
     最終的に起訴猶予・略式手続となった事件では,事件から15年以上経過していても,前掲最三小決(山中注:最高裁平成29年1月31日決定のこと。)以降,裁判所は検索結果の削除決定を発令しなくなりました。判断内容はほぼ最三小決と同じで,「今なお公共の利害に関する事項である」としている印象です。
(3) 特定の事実を基礎とする意見ないし論評の表明による名誉毀損(意見論評型名誉権侵害)の取扱い等
ア 特定の事実を基礎とする意見ないし論評の表明による名誉毀損について,その行為が公共の利害に関する事実に係り,その目的が専ら公益を図ることにあって,表明に係る内容が人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない場合に,行為者において右意見等の前提としている事実の重要な部分を真実と信ずるにつき相当の理由があるときは,その故意又は過失は否定されます(最高裁平成9年9月9日判決)。
イ 新聞記事中の名誉毀損の成否が問題となっている部分において表現に推論の形式が採られている場合であっても,当該記事についての一般の読者の普通の注意と読み方とを基準に,当該部分の前後の文脈や記事の公表当時に右読者が有していた知識ないし経験等も考慮すると,証拠等をもってその存否を決することが可能な他人に関する特定の事項を右推論の結果として主張するものと理解されるときには,同部分は,事実を摘示するものとなります最高裁平成10年1月30日判決)。
ウ  名誉毀損の成否が問題となっている法的な見解の表明は,判決等により裁判所が判断を示すことができる事項に係るものであっても,事実を摘示するものとはいえず,意見ないし論評の表明に当たります(最高裁平成16年7月15日判決)。
(3) 噂,伝聞形式の表現による名誉毀損の取扱い
・  「人の噂であるから真偽は別として」という表現を用いて公務員の名誉を毀損する事実を摘示した場合において,刑法230条の2所定の事実の証明の対象となるのは,風評そのものの存在ではなく,その風評の内容たる事実が真実であることです(最高裁昭和43年1月18日決定)。
(4) 名誉毀損の成否に際して表現媒体の違いは関係がないと思われること
ア 新聞記事による名誉毀損にあっては、他人の社会的評価を低下させる内容の記事を掲載した新聞が発行され、当該記事の対象とされた者がその記事内容に従って評価を受ける危険性が生ずることによって、不法行為が成立するのであって、当該新聞の編集方針、その主な読者の構成及びこれらに基づく当該新聞の性質についての社会の一般的な評価は、右不法行為責任の成否を左右するものではありません(最高裁平成9年5月27日判決)。
イ インターネット上のウェブサイトに掲載された記事が,それ自体として一般の閲覧者がおよそ信用性を有しないと認識し,評価するようなものではありません(最高裁平成24年3月23日判決)。
(5) その他
ア 判例タイムズ1470号(2020年5月1日付)に「 名誉権に基づく出版差止め ―北方ジャーナル事件以降の裁判例の整理」(筆者は51期の廣瀬孝 札幌地裁5民部総括)が載っていて,そこでは,私人に対する表現行為における判断基準,出版後の差止めにおける判断基準,対象者の同定可能性,販売を終了した出版物及び回収請求の可否について論じています。
イ ウェブ連載版『最新判例にみるインターネット上の名誉毀損の理論と実務』第10回には以下の記載があります。
     最高裁が平成23年判決(山中注:最高裁平成23年4月28日判決のこと。)で地方新聞社をなぜ免責したかというと、そもそも地方新聞社自身で取材するのが期待できない状況があることを前提に、通信社が地方新聞社のかわりに取材をしたと言ってよいような密接な関係があった、そこで通信社が十分な取材をしていれば免責してあげよう。これが最高裁のいう「一体性」の背景にある利益衡量かなと思います。もしこの理解が正しければ、個々のインターネットユーザーに高度な取材を期待できず、少なくとも新聞社自身が一般のインターネットユーザーによる拡散やコメントを期待してSNSによるコメント機能を設けているような状況であれば、新聞社がインターネットユーザーのかわりに取材をしたといってよいような密接な関係があったと言えるのではないか、そしてそのような場合には、平成23年判決の法理を類推してインターネットユーザーを免責する余地があるのではないか。こういうことを考えています。
4 プライバシー侵害の取扱い
(1) 個人のプライバシーに属する事実をみだりに公表されない利益は,法的保護の対象となります(最高裁平成29年1月31日決定。なお,先例として,最高裁昭和56年4月14日判決最高裁平成6年2月8日判決最高裁平成14年9月24日判決最高裁平成15年3月14日判決及び最高裁平成15年9月12日判決参照)。
(2) プライバシー侵害については,その事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較衡量し,前者が後者に優越する場合に不法行為が成立します(最高裁令和2年10月9日判決。なお,先例として,最高裁平成6年2月8日判決及び最高裁平成15年3月14日判決)。
(3) プライバシー侵害又は名誉感情侵害がある場合において,侵害行為が明らかに予想され,その侵害行為によって被害者が重大な損失を受けるおそれがあり,かつ,その回復を事後に図るのが不可能ないし著しく困難になると認められるときは,差止請求まで認められます(最高裁平成14年9月24日判決参照)。
(4) 少年法61条が禁止しているいわゆる推知報道に当たるか否かは,その記事等により,不特定多数の一般人がその者を当該事件の本人であると推知することができるかどうかを基準にして判断されます(最高裁平成15年3月14日判決)。
5 表現の自由に関する東京弁護士会の会長声明等
(1) 「表現の不自由展・その後」展示中止を受け、表現の自由に対する攻撃に抗議し、表現の自由の価値を確認する会長声明(2019年8月29日付の東京弁護士会の会長声明)には以下の記載があります。
① 本年8月1日から10月14日までの予定で愛知県で開催されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が、開始からわずか2日後の8月3日に中止された。
 この企画展は、従軍慰安婦を象徴する「平和の少女像」や昭和天皇の写真を含む肖像群が燃える映像作品など、過去に展示を拒否されたり公開中止になったりした作品を展示したものであった。
 これらの作品は、観る人によって、好悪さまざまな感情を抱くものであろう。人それぞれの受け止め方があることは当然のことながら、異論反論その他主張したいことがあれば、合法的な表現行為によって対抗するのが法治国家であり民主主義社会である。
② 憲法21条で保障される表現の自由は、自己の人格を形成・発展させる自己実現の価値を有するとともに、国民が政治的意思決定に関与する自己統治の価値をも有する、極めて重要な基本的人権である。政治的表現が芸術という形をとって行われることも多く、芸術を含む多種多様な表現活動の自由が保障されることは、民主主義社会にとって必要不可欠である。 
 我々は、思想信条のいかんを問わず、表現の自由が保障される社会を守っていくことが重要であるという価値観を共有したい。
(2) 令和2年11月27日にZoomウェビナーで開催された,第31回近畿弁護士連合会人権擁護大会シンポジウム(第1分科会)のテーマは,「あいちトリエンナーレから考える表現の自由の現在(いま)」でした(大阪弁護士会HPの「第31回近畿弁護士会連合会人権擁護大会シンポジウム第1分科会「あいちトリエンナーレから考える表現の自由の現在(いま)」を開催します」参照)。

第5 表現の自由として弁護士に許容される限度は,裁判官に許容される限度よりも相当大きいと思われること
1 最高裁大法廷平成30年10月17日決定は以下の判示をしています。
    裁判の公正,中立は,裁判ないしは裁判所に対する国民の信頼の基礎を成すものであり,裁判官は,公正,中立な審判者として裁判を行うことを職責とする者である。したがって,裁判官は,職務を遂行するに際してはもとより,職務を離れた私人としての生活においても,その職責と相いれないような行為をしてはならず,また,裁判所や裁判官に対する国民の信頼を傷つけることのないように,慎重に行動すべき義務を負っているものというべきである(最高裁平成13年(分)第3号同年3月30日大法廷決定・裁判集民事201号737頁参照)。
2 弁護士の場合,職務の公正さは求められる(弁護士職務基本規程5条)ものの,一方当事者の代理人として活動する場合,職務の中立さは全く要求されませんし,裁判所において公正中立な審判者として活動することはありません(例えば,非常勤裁判官は民事調停又は家事調停しか担当しません。)。
    また,免責許可決定後に破産者の訴訟代理人をした事例において日弁連懲戒委員会の全員一致で対象弁護士が懲戒されなかった(「弁護士会副会長経験者に対する懲戒請求事件について,日弁連懲戒委員会に定型文で棄却された体験談(私が情報公開請求を開始した経緯も記載しています。)」参照)ことからしても,弁護士は裁判官ほど職務の公正中立さが求められるわけではありません。
    そのため,裁判官に対する表現の自由の制約根拠とされている事情の大部分は弁護士に妥当しませんから,表現の自由として弁護士に許容される限度は,裁判官に許容される限度よりも相当大きいと思います。


第6 私のブログの便利情報
1 「第74期司法修習の日程」に,司法修習に関する記事へのリンクを一通り貼っています。
2 裁判官の経歴については以下のとおり,修習期別にタグ付しています。
  1期   2期   3期  4期,  5期
  6期   7期,   8期,  9期10期
11期12期13期14期15期

16期17期18期19期20期
21期22期23期24期25期
26期27期28期29期30期
31期32期33期34期35期
36期37期38期39期40期
41期42期43期44期45期
46期47期48期49期50期
51期
52期53期54期55期
56期57期58期59期60期
61期62期63期64期65期
66期67期68期69期70期

 

第7 平成29年8月10日以降の総閲覧数
平成30年   1月18日:      7万4701件
平成30年   5月21日:   17万7258件
平成30年   9月20日:   30万件
平成30年11月28日:   40万件(69日後)
平成31年   1月20日:   50万件(53日後)
平成31年   3月   9日:   60万件(48日後)
平成31年   4月11日:   70万件(33日後)
令和元年   5月15日:   80万件(34日後)
令和元年   6月17日:   90万件(33日後)
令和元年   7月20日:100万件(33日後)
令和元年   8月11日:110万件(22日後)
令和元年   9月   8日:120万件(28日後)
令和元年   9月30日:130万件(22日後)
令和元年10月25日:140万件(25日後)
令和元年11月17日:150万件(23日後)
→ 同年12月9日,Count per dayのリセット(原因不明)により,9万件分ほど総閲覧数が減少する。
令和元年12月28日:160万件
令和2年1月15日:170万件(18日後)
令和2年2月1日:180万件(17日後)
令和2年2月26日:190万件(25日後)
令和2年3月13日:200万件(16日後)
令和2年4月1日:210万件(19日後)
令和2年4月18日:220万件(17日後)
令和2年5月8日:230万件(20日後)
令和2年5月23日:240万件(15日後)
令和2年6月11日:250万件(19日後)
令和2年6月28日:260万件(17日後)
令和2年7月15日:270万件(17日後)
令和2年8月3日:280万件(19日後)
令和2年8月21日:290万件(18日後)
令和2年9月8日:300万件(18日後)
令和2年9月25日:310万件(17日後)
令和2年10月12日:320万件(17日後)
令和2年10月29日:330万件(17日後)
令和2年11月17日:340万件(19日後)
令和2年12月5日:350万件(18日後)
令和2年12月19日:360万件(14日後)
令和3年1月6日:370万件(18日後)
令和3年1月20日:380万件(14日後)
令和3年2月2日:390万件(13日後)
令和3年2月16日:400万件(14日後)
令和3年2月28日:410万件(12日後)
令和3年3月12日:420万件(12日後)
令和3年3月26日:430万件(14日後)
令和3年4月6日:440万件(11日後)
令和3年4月18日:450万件(12日後)
令和3年5月1日:460万件(14日後)

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