開示請求の対象となった司法行政文書に第三者に関する情報が記録されている場合の取扱い

○開示請求の対象となった司法行政文書に第三者に関する情報が記録されている場合の取扱いにつき,司法行政文書開示手続の手引(第一部・総論編)27頁及び28頁には以下の記載があります。

第三者に対する意見聴取(取扱要綱記第9,総長通達記第1の6,13条,運用要領12頁)
(1) 意見聴取
開示の申出があった司法行政文書に裁判所及び開示申出人以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合において, 当該情報が不開示情報に該当するか否か疑義があるときは, 当該第三者に対し,開示についての意見を求めるものとされている(取扱要綱記第9の1)。
裁判所の司法行政文書開示手続において,第三者に対する意見聴取を行う例として多く見られるのは,他の行政府省が発出した通達類を別紙として引用している裁判所発出の通知類が開示対象となった場合である 25 。
法13条においては,国の機関,独立行政法人等,地方公共団体及び地方独立行政法人(以下「国の機関等」という。)は,意見聴取の対象たる「第三者」に含まれていないことから, これらの国の機関等に対する意見聴取は,適宜口頭又は文書による意見照会という形で行うこととされている(運用要領13頁)。
しかし,司法行政文書開示手続においては,国の機関等に対する意見照会と,それ以外の第三者に対する意見聴取の場合で手続を異にする旨の規定はなく,一律に総長通達別紙様式第4による照会書を送付する取扱いになっている(取扱要綱記第9の1,総長通達記第1の6(1))。
取扱要綱上,この意見聴取の手続は,開示申出ごとに行うことが予定されていると解される。したがって,同一文書が複数回対象文書となった場合は,同一の第三者に対し,原則としてその都度照会書を送付するのが相当である。
しかし,同一文書について同一の第三者に対して意見聴取をする時期が非常に近接しているなど,正式な意見聴取を繰り返す必要が認められない場合には,法13条の趣旨を踏まえ,例えば, 口頭による意見照会の結果を電話聴取書に残し,意見書(総長通達別紙様式第5)に代える運用も許容されると考えられる 26 。
(2)第三者に対する通知
(1)により意見を求められた第三者から司法行政文書の開示に反対する意見が提出されたにもかかわらず, これを開示するときは,開示申出人に対し開示する旨の通知を発した日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置くものとし,開示する旨の通知を発した後直ちに,当該意見を提出した第三者に対し,開示することとした旨及びその理由並びに開示を実施する日を書面(総長通達別紙様式第6)で通知するものとされている取扱要綱記第9の2,総長通達記第1の6(2))。
これは,苦情の申出の期間が経過する前であっても,開示が実施されてしまえば,第三者が苦情の申出をする実益が失われてしまうことになるので,開示する旨の通知を発した日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置くこととされたものである。したがって, このような場合に,開示する司法行政文書の枚数が15枚以下(29頁総論編11(3惨照)であっても司法行政サービスとして開示通知書とともに当該司法行政文書の写しを送付することがないように留意する必要がある(開示に代わる情報の提供においても同様である。) 27 。

25 第三者に対する意見聴取を行うのは,第三者が作成名義になっている文書に限られず,裁判所が作成した文書中に第三者に関する情報が記録されている場合もあり得る。

26 下級裁判所における司法行政文書開示手続において,中央官庁(衆議院及び参議院並びに日本弁護士連合会については中央官庁又はこれに準ずるものとして扱われる(平成6年7月22日付け最高裁総一第182号事務総長依命通達「下級裁判所事務処理規則の運用について」記第5)。)に対して第三者照会を行う場合には,下級裁判所事務処理規則27条により,最高裁判所を経由する必要があることに留意する。

27 開示の実施は,司法行政文書を開示する旨の通知を発した日から原則として30日以内に行うものとされているが,開示申出人に対し開示する旨の通知を発した日と開示を実施する日との間に2週間を置いたときにはこの限りでない(取扱要綱記第10の3ただし書後段)。ただし, 30日以内に開示を実施することができない場合は,延長通知を発する必要がある。

* 裁判所の情報公開は,以下の文書に基づいて実施されています。
① 裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱(平成27年7月1日からの実施分)
② 裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱の実施の細目について(平成27年4月6日付の最高裁判所事務総長通達)
③ 情報公開に関する運用要領(平成27年7月1日版)
④ 司法行政文書開示手続の手引(平成29年3月21日版)第一部・総論編第二部・各論編別紙1~別紙26及び参考資料
⑤ 司法行政文書の開示に伴う開示文書の謄写の取扱いについて(平成22年10月19日付の,最高裁判所事務総局秘書課と司法協会総務部の申合せ)
⑥ 司法行政文書及び保有個人情報の開示の実施に伴う開示文書の謄写の取扱いについて(平成27年3月25日付の,最高裁判所事務総局秘書課と司法協会の申合せ)

裁判所の情報公開に関する通達等

1 裁判所の情報公開に関する通達等を以下のとおり掲載しています。

① 裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱(平成27年7月1日からの実施分)

② 裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の取扱要綱の実施の細目について(平成27年4月6日付の最高裁判所事務総長通達)

③ 情報公開に関する運用要領(平成27年7月1日版)

④ 司法行政文書開示手続の手引(平成29年3月21日版)第一部・総論編第二部・各論編別紙1~別紙26及び参考資料

⑤ 司法行政文書の開示に伴う開示文書の謄写の取扱いについて(平成22年10月19日付の,最高裁判所事務総局秘書課と司法協会総務部の申合せ)

⑥ 最高裁判所通知通達回答集(平成31年3月現在)の目次1/2及び2/2

2 全般的な話については,「裁判所の情報公開」を参照してください。

司法行政文書に関する文書管理

1(1) 司法行政文書とは,裁判所の職員が職務上作成し,又は取得した司法行政事務に関する文書,図画及び電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)であって,裁判所の職員が組織的に用いるものとして,裁判所が保有しているものをいいます(「司法行政文書の管理について」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第1.2(1))。
(2) 司法行政文書の定義は,行政機関情報公開法2条2項の行政文書の定義と同じです。

2(1) 「司法行政文書の管理について」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第2が司法行政文書の管理体制について定めています。
(2) 最高裁判所事務総局秘書課長,高等裁判所事務局長,地方裁判所事務局長及び家庭裁判所事務局長は,総括文書管理者となります。
最高裁判所事務総局秘書課長が指名する者(司法行政文書の管理に関する事務を所管する秘書課参事官),高等裁判所事務局総務課長,地方裁判所事務局総務課長及び家庭裁判所事務局総務課長は,副総括文書管理者となります。
(3)   最高裁判所の事務総局等の課の文書については最高裁判所の事務総局等の課の長が,最高裁判所の裁判部の文書については訟廷首席書記官及び最高裁判所事務総局総務局第一課長が,下級裁判所の課の文書については下級裁判所の課の課長が,下級裁判所の裁判部の文書については主席書記官及び首席家庭裁判所調査官が文書管理者となります。
また,最高裁判所の事務総局等の課については,審査官等のうち文書管理者が指名する者が文書管理担当者となり,最高裁判所の裁判部については訟廷首席書記官が文書管理担当者となり,下級裁判所の課については企画官等のうち文書管理者が指名する者が文書管理担当者となり,下級裁判所の裁判部については訟廷管理官,主任書記官,主任家庭裁判所調査官等のうち文書管理者が指名する者が文書管理担当者となります。

3(1) 下級裁判所事務局の場合,事務局長はすべての「課」「係」の文書へのアクセス権を持ちます。
しかし,課長は自分の属する「課」の「係」の文書にしかアクセス権がありませんし,係長は自分の「係」の文書にしかアクセス権がありません。
そのため,事務局職員が他の課又は係の文書を利用したい場合,司法行政文書の閲覧又は借り出しの手続(「下級裁判所における司法行政文書の管理の実施等について」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総局秘書課長通達)第6)をとる必要があります。
(2) 裁判所事務官から見れば,同じ課に属していても,それぞれの係で実際,何がなされているかを知ることは難しいのであって,ピラミッド構造の底辺部に行くほど,横の連絡が取れなくなっているといわれます。
つまり,隣の「シマ」のことはなかなか分からないといわれています。
(3) 平成26年2月17日,裁判所職員用ポータルサイト(J・NETポータル)における,本庁,支部,簡裁等の間の情報共有を目的とした新規コンテンツ「高地家簡裁掲示板」が利用できることとなりました(「「高地家簡裁掲示板」の運用開始について」(平成26年2月3日付の最高裁判所事務総局情報政策課参事官の事務連絡)参照)。
そのため,隣の「シマ」のことが以前よりは分かるようになっているのかもしれません。

4(1)ア 「司法行政文書の管理について」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)は,別表「司法行政文書の保存期間基準」において,司法行政文書の保存期間(1年間から30年間)を定めています。
イ 「司法行政文書の保存期間基準」は,公文書等の管理に関する法律施行令8条及び別表とかなり似ています。
(2) 最高裁判所の司法行政文書について保存期間が到来した場合において保存期間が延長されなかった場合,歴史資料として重要な司法行政文書は国立公文書館に移管され,それ以外の司法行政文書は廃棄されます。
(3) 下級裁判所の司法行政文書について保存期間が到来した場合において保存期間が延長されなかった場合,国立公文書館への移管手続が存在しないことから,すべて廃棄されます。

5 文書管理等に関する事務調査報告書を以下のとおり掲載しています。
① 平成29年度分

6 裁判所の場合,直ちに廃棄される司法行政文書がたくさんあります(「裁判所の情報公開」参照)。

民事事件の裁判文書に関する文書管理

1(1) 民事事件の裁判文書の作成は,民事部訟廷事務室事件係の受付から開始しますところ,同係の受付は以下のような流れとなります。
① 閲読
・ 受領した訴状等の書類について不備がある場合,受付日付の表示をする前に,提出者に書類を返却し,補正した後に書類を再提出するように指示してくることがあります。
② 受付日付の表示
・ 受付日付印を書類の第1頁の余白の見やすい場所に押します。
③ 帳簿への搭載
④ 符号及び番号の記載
・ 民事事件については,民事事件記録符号規程,行政事件記録符号規程,刑事事件記録符号規程,家庭事件記録符号規程等に基づき,事件番号を付けます。
・ 例えば,地方裁判所における民事通常訴訟事件の符号は「ワ」であり,簡易裁判所における民事通常訴訟事件の符号は「ハ」です。
・   外部HPの「事件記録符号」に,それぞれの事件の記録符号が書いてあります。
⑤ 収入印紙の消印等
(2) 受付手続を終えた書類のうち事件簿に搭載した書類については,表紙を付し,必要な用紙を加えて,記録を編成します。
(3)ア 記録の編成を終えた場合(記録を編成しない書類にあっては,受付手続を終えた場合),裁判事務の分配の定めにしたが,速やかにこれを民事部に配布します。
民事事件の分配の具体的方法は,下級裁判所事務処理規則6条に基づき,それぞれの裁判所の事務分配で定められています。
イ 全国の高等裁判所,地方裁判所及び家庭裁判所の事務分配については,「現職裁判官の分布表,全国の地裁の本庁及び支部ごとの裁判官数」を参照して下さい。
(4) 受付及び分配については,事件の受付及び分配に関する事務の取扱いについて(平成4年8月21日付の最高裁判所事務総長通達)(受付分配通達)で定められています。

2(1) 事件処理は民事部の裁判官の下で行われますところ,その過程で代理人弁護士等から準備書面,書証等の書類が提出され,裁判所では口頭弁論調書,判決書等の書類が作成されます。
これらの書類は,当該事件を担当する裁判所書記官によって編成され,事件記録としてまとめられてきます。
(2)ア 民事事件記録の具体的な編成方法は,民事訴訟記録の編成について(平成9年7月16日付の最高裁判所事務総長通達)(民事編成通達)に書いてあります。
これによれば,弁論関係書類(第一分類),証拠関係書類(第二分類)及びその他の書類(第三分類)に分けて編成され(いわゆる「三分方式」),それぞれについてつづりこむ順序と書類が定められています。
イ 刑事事件記録では,五分方式が採用されています。
(3) 口頭弁論調書等の作成方法については,民事事件の口頭弁論調書等の様式及び記載方法について(平成16年1月23日付けの最高裁判所総務局長,民事局長及び家庭局長通達)(民事調書通達)に書いてあります。
(4) 事件係属中に裁判所で保存されている事件記録及び事件書類は,当事者のほか,第三者による閲覧の対象となります(民事訴訟法91条1項)。
具体的な手続は,事件記録等の閲覧等に関する事務の取扱いについて(平成9年8月20日付の最高裁判所総務局長通達)(閲覧等通達)に書いてあります。
(5) 事件記録は,訴訟が終わるまでの間,「事件記録の保管及び送付に関する事務の取扱いについて」(平成7年3月24日付の最高裁判所総務局長通達)(保管送付通達)に基づき,その事件を担当する裁判所書記官によって執務室内のキャビネットやロッカーで保管されます。

3(1)ア 保管者である裁判所書記官が訴訟関係人,他の裁判所等に事件記録を貸し出す場合,事件記録出納簿に所要の記載をし,その「受領印」に事件記録の受領者の認印を受けます。
イ   訴訟関係人,他の裁判所等に事件記録を郵送し,又は使走して貸し出す場合,事件記録出納簿の「備考」にその旨を記載します。
この場合いのいては,事件記録の受領者から事件記録の預かり証等を提出させることによって,「受領印」への認め印に代えるものとされています。
(2) 保管者である裁判所書記官が,特定の事件を担当する裁判官,民事調停官,家事調停官,精神保健審判員,労働審判員,裁判所調査官,家庭裁判所調査官,家庭裁判所調査官補,裁判所速記官,参与員,司法委員,専門委員又は精神保健参与員に当該事件の記録を貸し出す場合,貸出カード等に貸出日,借受日,返還日等を記載して,その出納を明らかにします。
ただし,即日に返還される場合,適宜の方法により,その出納を把握すれば足ります。
(3)ア 移送決定の確定,上訴の提起,上訴判決等の確定,上訴の取下げ等によりほかの裁判所に事件記録を送付する場合,裁判所書記官は記録送付書を作成し,事件記録とともに送付します。
イ 移送決定の確定又は上訴判決等の確定により他の裁判所に事件記録を送付する場合,当該裁判の原本を分離し,その正本を作成して記録に添付します。
ウ 民事又は行政の上告提起事件及び上告受理申立て事件の表紙には,上告等事件記録の表紙を用い,これを上告状又は上告受理申立書がつづられている事件記録の表紙の上につづります。
(4) 事件記録の貸出及び送付については,「事件記録の保管及び送付に関する事務の取扱いについて」(平成7年3月24日付の最高裁判所総務局長通達)(保管送付通達)で定められています。

4(1) 事件記録は,訴訟が終結した後,訟廷事務室記録係で保管されます。
その際,事件記録から,事件書類(例えば,判決原本及び和解調書)が分離されます。
そのため,民事事件の裁判文書には,民事事件記録及び事件書類があることとなります。
(2) 事件記録等保存規程別表第一・3項によれば,民事通常訴訟事件の事件記録は5年,和解調書は30年,判決原本は50年,保存されます。
これに対して,事件記録等保存規程別表第一・1項によれば,訴え提起前の和解事件(即決和解事件)の場合,事件記録は3年,和解調書は30年,保存されます。
(3) 事件終了後に裁判所で保存されている事件記録及び事件書類は,当事者のほか,第三者による閲覧の対象となります(民事訴訟法91条1項)。
具体的な手続は,事件記録等の閲覧等に関する事務の取扱いについて(平成9年8月20日付の最高裁判所総務局長通達)(閲覧等通達)に書いてあります。
(4) 事件記録については,事件記録等保存規程(昭和39年12月12日最高裁判所規程第8号)(保存規程)9条に基づく特別保存の対象とならない限り,保存期間が満了した次の年度で廃棄されます。
(5) 記録の廃棄は,訟廷管理官(訟廷管理官の置かれていない裁判所にあっては訟廷事務をつかさどる主任書記官,主任書記官の置かれていない裁判所にあっては上席の裁判所書記官)が立ち会った上,焼却,細断又は消磁の方法により行い,細断をしたものについては,物品管理官又は分任物品管理官に引き継がれます(保存通達第5.3)。
(6) 昭和30年までに完結した民事事件の判決原本,及び最高裁判所において特別保存の対象となっていた事件記録については,国立公文書館に移管されました。

5 民事事件の裁判文書については,受付から廃棄又は移管に至る過程を単一のルール(例えば,文書管理規則)で定められているわけではなく,執務ごとにそれぞれ別個の規程や通達で定められています。
そのため,裁判所書記官は人事異動のたびに規程や通達をはじめから勉強する必要があることとなります。

6 訟廷事務とは,①訟廷事務室事件係で行われる受付から分配までの過程,及び②訟廷事務室記録係で行われる訴訟完結後の事件記録の保存・廃棄等の過程をいいます。

7 当事者の住所の秘匿希望に関する事務連絡等を以下のとおり掲載しています。
① 被害者特定事項の秘匿決定がされた事件における被害者等の住所等の取扱いについて(平成25年6月28日付の最高裁判所事務総局刑事局第二課長及び総務局第三課長の事務連絡)
② 人事訴訟事件及び民事訴訟事件において秘匿の希望がされた住所等の取扱いについて(平成25年12月4日付の最高裁判所事務総局家庭局第二課長,民事局第二課長及び総務局第三課長の事務連絡)
③ 被害者特定事項の秘匿決定がされた事件における被害者等の住所等の取扱いについて(平成26年9月24日付の最高裁判所事務総局刑事局第二課長及び総務局第三課長の事務連絡)
④ 秘匿情報の適切な管理について(平成27年2月19日付の最高裁判所事務総局総務局第一課長,民事局第一課長,刑事局第二課長及び家庭局第一課長の事務連絡)
⑤ 家事事件手続における非開示希望情報等の適切な管理について(平成28年4月26日付の最高裁判所事務総局家庭局第二課長及び総務局第三課長事務連絡)

8 閉庁時間中に裁判所の夜間郵便受け等に投かんされた書類の取扱いについて(平成27年9月1日付の最高裁判所事務総局総務局第一課長,民事局第一課長,刑事局第一課長,行政局第一課長,家庭局第一課長事務連絡)を掲載しています。

9 平成29年12月19日付の司法行政文書不開示通知書によれば,一般人が特定の事件に関する当事者名及び判決日を伝えて民事事件記録係に問い合わせをした場合,当該事件の事件番号を教えることになっていることが分かる文書は存在しません。

10 「裁判文書の文書管理に関する規程及び通達」も参照してください。

裁判文書及び司法行政文書がA4判・横書きとなった時期

1 裁判文書の場合
(1)   平成13年1月1日からA4判・横書きとなるとともに,参考書式の仕様は1行37文字・1頁26行・左余白30㎜・上余白35㎜とされました(日弁連HPの「裁判文書」参照)。
(2) 平成12年12月31日までは,かつての民事訴訟規則(平成10年1月1日廃止)6条が「訴訟書類には、できる限り、日本工業規格B列四番の用紙を二つに折ったもの又は日本工業規格B列五番の用紙を使用しなければならない。ただし、図面、統計表その他これに準ずるものについては、この限りでない。」と定めていたため,B判・縦書きでした。
(3) 裁判文書の表記方法につき,裁判文書作成の技術HP「裁判文書表記法」,及び実務の友HP「裁判文書(裁判所提出書類)の標準的な書式,表記法」が参考になります。
(4) 以下の文書を掲載しています。
① 判決書の書式等の標準的な設定について(平成29年7月24日付の最高裁判所総務局長等の書簡)
② 判決書の書式等の標準的な設定に従った参考書式等の送付について(平成29年7月24日付の最高裁判所総務局第一課長,民事局第一課長,刑事局第一課長等の事務連絡)

2 司法行政文書の場合
(1)   昭和61年1月1日,縦書きから左横書きとなりました。
(2) 平成 7年1月1日,A判の用紙が使用されるようになりました(①司法行政文書の用紙規格及び左横書きについて(平成6年9月1日付の最高裁判所事務総長依命通達)及び②司法行政文書の用紙規格及び左横書き実施要領について(平成6年9月1日付の最高裁判所事務総局秘書課長依命通達))。
(3) 例えば,最高裁判所裁判官会議議事録に「部の事務を総括する裁判官の名簿」についていえば,昭和62年度分(昭和61年12月作成)からB判・横書きとなり,平成8年度分(平成7年12月作成)からA4判・横書きとなりました。

司法行政文書の国立公文書館への移管

1 裁判所及び国会は,内閣総理大臣と協議して定めることにより,歴史公文書の適切な保存のために必要な措置を講ずるものとされています(公文書管理法14条1項)。
内閣総理大臣は,裁判所及び国会との合意により,歴史公文書の移管を受けることができます(公文書管理法14条2項)ところ,あらかじめ国立公文書館の意見を聴くことができます(公文書管理法14条3項)。

2 内閣総理大臣及び最高裁判所長官は,平成21年8月5日,「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置について」という申合せをしました(改正前の国立公文書館法15条1項参照)。
これにより, 裁判所の過去の主要な活動を跡づけるために必要な,司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事項に係る意思決定等が記録された司法行政文書について保存期間が満了した場合,国立公文書館に移管されることとなりました(国立公文書館HPの「司法府から国立公文書館への公文書の移管について」参照)。
3(1) 内閣府大臣官房長及び最高裁判所事務総局秘書課長及び総務局長は,平成25年6月14日,「歴史資料として重要な公文書等の適切な保存のために必要な措置について(平成21年8月5日内閣総理大臣・最高裁判所長官申合せ)の実施について」という申合せをしました(公文書管理法14条1項参照)。
(2) 当該申合せでは,保存期間が満了した以下の司法行政文書が国立公文書館に移管されることとなりました。
ア   司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事項に係る意思決定を行うための決裁文書(当該決裁文書と一体不可分の記録であって,当該決裁文書の内容又は当該意思決定に至るまでの審議,検討若しくは協議の過程が記録されたものを含む。)
イ   司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事項に係る意思決定に基づく裁判所の事務の実績が記録されたもの
ウ   次のいずれかに該当するもの
①   保存されている期間が30年以上である文書(保存期間が30年未満であっても,当該文書の保存期間及び保存期間の満了する日を延長した結果として30年以上となるものを含む。)
②   最高裁判所がその施策等を一般に周知させることを目的として作成した広報誌,パンフレット,ポスター,ビデオ等の広報資料
③   予算,決算に関する送付文書等の毎年又は隔年等に定期的に作成される文書のうち,(2)エの規定により,内閣総理大臣が最高裁判所長官と移管について協議し,包括的な合意に達したもの
④   (2)オの規定により,合意した特定の国政上の重要事項等に関連して作成された文書であって,内閣総理大臣が最高裁判所長官と移管について協議し,合意に達したもの
エ   裁判所の保有する司法行政文書であって,アからウまでのいずれにも該当しないもののうち,結果として司法制度上多大な影響を及ぼすこととなった事項について記録されたものその他内閣総理大臣が国立公文書館において保存することが適当であると認めるものであって,内閣総理大臣が最高裁判所長官と移管について協議し,合意に達したもの

4 内閣府大臣官房公文書管理課長及び最高裁判所事務総局秘書課長及び総務局第一課長は,平成25年6月14日,
「歴史資料として重要な公文書等の内閣総理大臣への移管手続について」という申合せをしました。

歴史資料として重要な公文書等として内閣総理大臣に移管すべき司法行政文書,及び公文書等移管計画

1 「内閣総理大臣への司法行政文書の移管に関する事務の取扱いについて」(平成22年3月30日付の最高裁判所事務総長依命通達)別表によれば,歴史資料として重要な公文書等として内閣総理大臣に移管すべき司法行政文書の類型は以下のとおりです。
① 規則,規程等関係
(1) 最高裁判所規則及び最高裁判所規程の制定及び改廃に関する文書
(2) 通達及び通知のうち重要なもの
(3) 規定の解釈及び運用基準に関する文書
(4) (1)に掲げる文書に係る各府省庁との申合せに関する文書
② 裁判官会議等関係
(1) 裁判官会議に関する文書
(2) 常置委員会に関する文書
③ 予算,決算関係
(1) 予算書及び予算参考書に関する文書
(2) 予算要求に関する文書
(3) 決算書及び決算参照書に関する文書
(4) 決算の説明に関する文書
(5) 歳入主計簿及び歳出主計簿に関する文書
(6) 国有財産に関する文書
④ 基本計画等関係
司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な事務の方針及び計画に関する文書
⑤ 国際条約等関係
(1) 条約その他の国際約束の署名及び締結に関する文書
(2) 国際会議の取決めに係る記録のうち重要なもの
⑥ 組織,定員関係
(1) 組織の設立,変更及び廃止に関する文書
(2) 定員の変更及び廃止に関する文書
⑦ 審議会等関係
(1) 規則制定諮問委員会の諮問,答申,建議,意見及び議事録のうち重要なもの
(2) その他委員会,研究会等の報告書及び議事録のうち重要なもの
⑧ 事務総局会議関係
事務総局会議に関する文書のうち重要なもの
⑨ 国会関係
(1) 国会答弁に関する文書
(2) 国会提出に関する文書
⑩ 争訟関係
行政不服審査に関する文書
⑪ 統計関係
(1) 統計の企画及び公表資料の作成に関する文書
(2) 統計を作成するための調査に関する文書
⑫ 人事関係
(1) 職員の任免,身分,賞罰,恩給及び給与その他の人事に関する内規を定めた文書のうち特に重要なもの
(2) 審議会等の委員の任免関係に関する文書
⑬ 栄転,表彰関係
叙位,叙勲,褒章及び各種表彰に関する文書のうち重要なもの
⑭ 事故等関係
震災等自然災害関係等に関する文書のうち重要なもの
⑮ 調査,研究関係
(1) 司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な意思決定又はその遂行に反映させるために実施した調査又は研究の経緯に関する文書
(2) 司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な意思決定又はその遂行に反映させるために実施した調査又は研究の結果報告書
⑯ 司法行政に係る重要な政策関係
司法行政に係る重要な政策等裁判所の運営上の重要な意思決定及び当該意思決定に基づく司法行政事務の実績が記録されたもの
⑰ その他
・   最高裁判所長官と内閣総理大臣が合意して移管の対象と認める国政上重要なもの又はそれに準じるもの

2(1) 内閣総理大臣が最高裁判所長官に通知した,司法行政文書に関する公文書等移管計画を以下の通り掲載しています。
① 平成23年度分(平成24年3月22日付)
② 平成24年度分(平成25年3月28日付)
③ 平成25年度分(平成26年3月31日付)
④ 平成26年度分(平成27年3月30日付)
⑤ 平成27年度分(平成28年3月22日付)
⑥ 平成28年度分(平成29年3月30日付)
⑦ 平成29年度分(平成30年3月30日付)
(2) 公文書等移管計画は,歴史資料として重要な公文書等を移管する計画を年度ごとに定めた文書です。

司法行政文書開示請求の対象とならないとされた下級裁判所の司法行政文書

○司法行政文書には,裁判事務に関する文書は含まれず,裁判事務に関する文書には,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載し,裁判所の裁判部において管理している文書が含まれます。
ただし,下級裁判所事務局が司法行政事務を処理する目的で取得した場合,司法行政文書開示請求の対象になるみたいです(平成28年度(情)答申第7号(平成28年9月1日答申)平成30年度(情)答申第24号(平成31年3月15日答申)等参照)。
○行政機関の場合,行政文書該当性については,対象となる文書に係る具体的・客観的状況に基づいて判断すべきものであり,行政機関内部における一般的な取扱いや,行政機関の職員の主観的な認識といった事情により,その判断が左右されるものではありません(内閣法制局長官の国会答弁資料に関する平成28年度(行情)答申第646号(平成29年1月17日答申)9頁)。
これに対して司法行政文書の場合,裁判所内部における一般的な取扱いや,裁判所職員の主観的な認識といった事情により,司法行政文書に該当するかどうかの判断が左右されている気がします。
〇刑事裁判における公判前整理手続の場合,警察官が私費で購入したノートに記載し,一時期自宅に持ち帰っていた取調べメモについても証拠開示を命じられることがあります(最高裁平成20年9月30日決定参照)。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,下級裁判所の以下の文書は司法行政文書開示請求の対象とならないそうです。

1 弁護士が後見人として一定以上の財産を預かる場合,不正をチェックするために別の弁護士を「後見監督人」として付ける運用の基準を定めた文書(平成27年度(情)答申第3号(平成28年3月8日答申)
→ 「(1) 取扱要綱記第2本文は,「裁判所は,その保有する司法行政文書の開示の申出があった場合は,何人に対しても,当該司法行政文書を開示するものとする。」と定め,取扱要綱記第1は,「この取扱要綱において「司法行政文書」とは,裁判所の職員が職務上作成し,又は取得した司法行政事務に関する文書,図画及び電磁的記録(略)であって,裁判所の職員が組織的に用いるものとして,裁判所が保有しているものをいう。」と定めている。そして,司法行政文書には,裁判事務に関する文書は含まれず,裁判事務に関する文書には,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載し,裁判所の裁判部において管理している文書が含まれると解される。
(2) そこで,本件開示申出文書について検討すると,本件開示申出文書について,最高裁判所事務総長は,後見監督人の選任等に係る個々の事件処理の参
考とするために,当該裁判に密接に関連する事項について東京家庭裁判所の複数の裁判官等が申合せを行った結果を記載した文書であることから,司法行政文書には該当しないと説明する。後見監督人の選任は,家庭裁判所が行う審判事項であり,その法律上の要件は「必要があると認めるとき」とされているにすぎないから(民法849条,家事事件手続法39条参照),後見監督人の選任に係る運用の基準は,家庭裁判所が行う後見監督人選任の審判という裁判に密接に関連する事項に係るものといえ,この点に関する上記説明は合理的である。
また,最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書は,東京家庭裁判所及び立川支部の裁判部である家事部で管理していると説明するところ,上記のような本件開示申出文書の性質に照らすと,この点に関する説明も合理的である。
そうすると,本件開示申出文書は,裁判所の職員が作成したものではあるが,裁判事務に関する文書であるということができるから,取扱要綱記第1にいう「司法行政事務に関する文書」には当たらないというべきであり,その結果,本件開示申出文書は,取扱要綱記第2本文に定める司法行政文書の開示の手続の対象となる司法行政文書には該当しないのであって,同手続の対象とはならない文書であると認められる。」そうです。

2 ①破産管財人の報酬を決定する基準が書いてある文書,及び②破産管財人の報酬の目安が分かる文書(平成27年度(情)答申第4号(平成28年3月8日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件各開示申出文書が存在するとすれば,それらは,破産事件における破産管財人の報酬決定を行う際の基準又は目安について記載された文書であるから,個々の破産事件の処理の参考とするために,裁判事項ないし裁判に密接に関連する事項について複数の裁判官等が申合せを行った結果などを記載したものであるから,専ら裁判事務に関して作成された文書であって,司法行政事務に関して作成された司法行政文書ではないと説明する。破産管財人の報酬の額は,個別の事件ごとに,当該事件の破産管財人につき,その都度裁判所が定めるものであるから(破産法87条1項参照),破産管財人の報酬決定の基準やその目安は,破産管財人の報酬決定という裁判に密接に関連する事項に係るものといえ,この点に関する上記説明は合理的である。
また,最高裁判所事務総長は,神戸地方裁判所において司法行政事務を所掌する事務局に所属する職員がこれらの文書を取得したこともないと説明するところ,上記のような本件各開示申出文書の性質に照らすと,この点に関する説明も合理的である。
そうすると,本件各開示申出文書は,裁判所の職員が作成したものではあるが,裁判事務に関する文書であるということができるから,取扱要綱記第1にいう「司法行政事務に関する文書」には当たらないというべきであり,その結果,本件各開示申出文書は,取扱要綱記第2本文に定める司法行政文書の開示の手続となる司法行政文書には該当しないのであって,同手続の対象とはならない文書であると認められる。」そうです。

3  成年後見人の選任に関して,東京家庭裁判所が特定の団体らとの間で取り交わしている文書(平成27年度(情)答申第5号(平成28年3月8日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件各文書は,後見人選任の審判の用に供するために,東京家庭裁判所の裁判部の一部門である家事第一部2係(後見センター)で取得し,保存していると説明する。本件開示申出の内容に照らすと,本件各文書がいずれも外部の団体から東京家庭裁判所の裁判部が取得した文書であると解されることや,成年後見人の選任が家庭裁判所によって行われる裁判事務であること(民法849条参照)を総合すると,上記の説明は合理的であり,本件各文書は,専ら後見人選任の審判という裁判事務のために用いるものとして東京家庭裁判所の裁判部で取得した文書で,裁判部で管理しているものであると認めることができる。
そうすると,本件各文書は,いずれも取扱要綱記第1にいう「司法行政事務に関する文書」には当たらないというべきであるから,これらは同記第2本文に定める司法行政文書の開示の手続の対象となる司法行政文書には該当しないのであって,同手続の対象とはならない文書である。」そうです。

4 東京地裁民事21部の事務処理要領(平成28年度(情)答申第7号(平成28年9月1日答申)
→ 「本件開示申出文書について検討すると,これは,東京地方裁判所の裁判部である民事第21部の事務処理要領であるから,個々の事件処理の参考とするために作成されたもので,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載したものであると考えられる。
そして,最高裁判所事務総長は,東京地方裁判所の事務局が本件開示申出文書を司法行政事務を処理する目的で取得したことはないと説明するところ,この説明が不合理であるとうかがわせる事情はないから,本件開示申出文書は裁判部において管理されているものと認められる。この点について,苦情申出人は,不適切な郵便切手の管理に関する調査に関連して司法行政部門が本件開示申出文書を取得しているはずであると主張するが,そのような調査に際し,調査対象となる裁判部における事務処理要領を取得する必要があるとする具体的な事情はうかがわれないから,そのような事実を認めることはできない。」そうです。

5 東京家裁における,本人死亡後の後見等監督に関する運用が書いてある文書(平成30年度(情)答申第24号(平成31年3月15日答申)
→ 「苦情申出人が開示を求める文書は,本人死亡後の後見等監督という裁判事務に関する文書と解される。また,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,東京家庭裁判所の事務局及び訟廷事務室において,本件開示申出文書を司法行政目的で取得したことはないとのことであり,このことは当委員会庶務において確認された。」そうです。

6 名古屋高等裁判所が特定の裁判官を懲戒処分とした際に作成し,又は取得した文書(平成31年度(情)答申第2号(平成31年4月19日答申)
→ 「憲法78条は「裁判官の懲戒処分は,行政機関がこれを行ふことはできない」と,裁判所法49条は「裁判官は,職務上の義務に違反し,若しくは職務を怠り,又は品位を辱める行状があつたときは,別に法律で定めるところにより裁判によつて懲戒される」とそれぞれ定めており,裁判官分限法及びこれに基づく裁判官の分限事件手続規則において,裁判官の懲戒に関する事件の裁判管轄や手続について規定されていることからすれば,本件開示申出文書は裁判事務に関する文書と解される。」そうです。

不開示事由に該当するとされた下級裁判所の司法行政文書

最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書には不開示情報が含まれています。
行政機関情報公開法6条2項は,「開示請求に係る行政文書に前条第一号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。」と定めており,その意義につき,最高裁平成19年4月17日判決の裁判官藤田宙靖の補足意見が参考になります。

1 「東京地裁が,平成28年1月までに,60代の女性書記官を1ヶ月の停職処分にした際に作成し,又は取得した文書」のうち,被処分者の氏名等(平成28年度(情)答申第6号(平成28年9月1日答申)
→ 「原判断庁が本件各対象文書のうち不開示としたのは,①被処分者の氏名,②級号俸,③事件番号,④刑事裁判との関係欄の年月日,⑤具体的な事件に係る期日の月日,⑥事件当事者の呼称,⑦書証番号,⑧被処分者による行為の月日(同人が自己の事務の誤りに気付いたり,認識した月日を含む。)及び⑨被処分者が誤って作成した期日呼出状に記載された期日の年月日の情報(以下「本件不開示情報」という。)である。
本件各対象文書記載の情報(文書2の書式に相当する情報を除く。)は,全体として被処分者を識別することができることとなる情報(法5条1号)に相当する情報であるが,そのうち本件不開示情報以外の情報は,「懲戒処分の公表指針」に従って,報道機関を通じて公表した情報であることから,慣行として公にされる情報(法5条1号イ)に相当する情報であり,本件不開示情報は,同号ただし書イ,ロ及びハのいずれにも相当しない情報である。さらに,本件不開示情報のうち,上記②及び④を除く情報は,事件当事者を識別することができることとなる情報若しくは個人の権利利益を害するおそれのある情報(法5条1号)又は法人等の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある情報(法5条2号イ)に相当する情報である。」そうです。

2 平成28年5月27日の,小池裕最高裁判所判事の水戸地方裁判所視察に関する視察日程案,視察日程細目(平成28年度(情)答申第14号(平成28年10月24日答申)
→ 「最高裁判所は,司法権及び司法行政権の最高機関であるから,最高裁判所判事が要人として犯罪行為等の標的となることは否定できない。そして,憲法週間における最高裁判所判事による下級裁判所の視察が毎年行われるものであることも考慮すると,視察の際の日程等の詳細が公になると,それを蓄積して移動手段や日程等の傾向を分析され,今後の視察の行動を予測されるなどして,犯罪行為等の実行に利用されるおそれがある」そうです。

3 特定の裁判官の退官願のうち,作成年月日,当該裁判官の署名及び押印並びに退官願の理由を記載した部分(平成28年度(情)答申第20号(平成29年2月24日答申)
→ 「本件対象文書を作成した年月日及び退官を願い出る理由については,官報等により公表されているものではないから,法5条1号ただし書イに相当するものではない」そうです。

4 特定裁判官が有報酬兼業として自分名義の著作を販売することを許可してもらうために,東京高等裁判所との間で授受した文書(平成28年度(情)答申第24号(平成29年3月17日答申)
→ 「裁判所法52条2号は,裁判官は,在任中,最高裁判所の許可のある場合を除いて,報酬のある他の職務に従事することができない旨規定しているから,特定の裁判官が報酬のある他の職務に従事することの許可を求めた文書の存否を答えることは,当該裁判官が報酬のある他の職務に従事し,又は従事しようとしている事実の有無に係る情報を明らかにすることと同様の結果を生じるものと認められる。
そして,特定の裁判官が報酬のある他の職務に従事し,又は従事しようとしているか否かという情報は,当該裁判官の個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名等により当該裁判官という特定の個人を識別することができるものに当たると認められる。そして,当該情報は,法5条1号ただし書イに規定する法令の規定により又は慣習として公にされ,又は公にすることが予定されている情報であるとは認められないし,同ハに規定する当該裁判官の職務遂行に係る情報であるとも認められない。したがって,当該情報は,法5条1号の不開示情報に相当すると認められる。
この点について,苦情申出人は,当該裁判官が,自分名義の著作を販売していることを自身のツイッターで宣伝していることをもって,慣行として公にされている情報であると主張するが,苦情申出人が主張するような事実をもって当該裁判官が申出に係る許可を受けたか否かに係る情報が,慣行として公にされているとは認められない。さらに,他に裁判官が報酬のある他の職務に従事し,又は従事しようとしているか否かを公表する慣行があると認めるに足りる事情はない。したがって,苦情申出人の上記主張は失当である。」そうです。

5 岡口喜一裁判官に対する厳重注意に関する文書(平成29年度(情)答申第2号(平成29年4月28日答申)
→ 「本件注意は,下級裁判所事務処理規則21条に基づくものであり,同条は,「高等裁判所長官(略)は,所属の裁判所の監督に服する裁判所職員に対し,事務の取扱及び行状について注意を与えることができる。」と規定している。
上記の最高裁判所事務総長の説明及び口頭説明の結果を踏まえるならば,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的実質を含んだ処分とは異なるものであると判断される。
そして,裁判官については,憲法上その独立が強く保障されており,懲戒処分も,裁判官分限法に基づく分限裁判によって行われることとされていて(裁判所法48条,49条参照),下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意がされたとしても,そのことにより,当該裁判官に具体的な不利益が課されることは,予定されていない。また,裁判官の懲戒である分限裁判が確定したときは,官報に掲載して公告されることとされている(裁判官の分限事件手続規則9条)のに対し,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,公表が予定されていない。
下級裁判所事務処理規則21条に基づく裁判官に対する注意が上記のような性質のものであることからすると,その運用自体が裁判官の個人的事情に関わる機微なものであるというべきであり,その手続きについては,当該裁判官の行状等の改善に対する実効性を確保する目的で,適切な時期に効果的な形でされるべきであるという観点等から慎重であるべきものと認められる。したがって,司法行政手続の中でその運用においてどのような手続がとられるのか,文書が作成されるのか,作成されるとしてどのような文書が作成,管理,保存されるのかなどについて,本来,これを公にすると,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意という人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
そうすると,本件については,本件対象文書の存否を答えるだけで,上記のような人事管理に係る事務の遂行に支障を及ぼすおそれがある情報を開示することになるというべきであり,当該情報は,法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する情報であるから,原判断においては,取扱要綱記第5に基づき,本件対象文書の存否を明らかにしないで不開示とすべきであったと認められる。」そうです。
→ 東京高裁長官が下級裁判所事務処理規則21条に基づき注意を与える際の事務手続が分かる文書が存在しないことは,平成29年3月23日付の司法行政文書不開示通知書によって明らかにされています。

6 名古屋高裁がマスコミに提供した,名古屋高裁平成28年11月28日判決(被告人は藤井浩人美濃加茂市長)の判決要旨(平成29年度(情)答申第4号(平成29年5月25日答申)
→ 「判決要旨の作成は,報道機関からの申請を受けて対応するのが一般的であるところ,この判決要旨の交付申請は,報道機関の取材活動そのものである。当該申請が個別の記者の独自の取材活動の一環として行われた場合はもとより,幹事社を経由しての司法記者クラブ全体からの申請で行われた場合であっても,判決要旨が作成されたことが公開され,報道機関の取材活動の存在,内容が推知されてしまうことは,取材源の秘匿を基本原則とする報道機関と裁判所との信頼関係を大きく損なうおそれがあり,ひいては,裁判報道に係る広報事務の遂行を困難にする可能性が高い。」そうです。

7 文書管理簿(投書等)のうち,内容,提出方法及び備考の各欄(平成29年度(情)答申第5号(平成29年6月9日答申)
→ 「宛先欄の不開示部分のうち個人名以外が記載されている部分には,東京高等裁判所の特定部署等の名称が記載されており,これらの記載部分は,投書等の内容を推測させるものであるから,公にしたときには投書等を行った個人の権利利益を害するおそれがあるものと認められる。
また,内容欄には,投書等の概要として個人の氏名,投書等を行った者の意見や信条等が記載されており,このうち個人の氏名は,個人識別部分である。その他の記載部分については,意見や信条等が記載されていることからすれば,公にしたときには個人の権利利益を害するおそれがあるものと認められる。
さらに,提出方法等欄には,東京高等裁判所の特定部署等に関する記載及び投書等が郵送で提出された場合の消印が押された郵便局名の記載があり,このうち特定部署等に関する記載については,宛先欄と同様に判断すべきである。また,郵便局名の記載については,投書等を行った者の最寄りの郵便局である蓋然性があると考えられるところ,当委員会庶務に調査させた結果によれば,人口の少ない地域に複数の郵便局が存在する例もあることから,投書等を行った者の住居を推測することが可能である。よって,この記載も,個人識別部分に該当すると判断すべきである。
さらに,備考2欄の不開示部分には,東京高等裁判所を含む複数の裁判所の特定部署に関する記載や,投書等を行った者に関する情報等の記載があり,これらの記載については,宛先欄及び内容欄と同様に判断すべきである。」そうです。

8 札幌高裁が所持品検査の実施に関して民間業者との間で締結している契約書(平成30年度(情)答申第1号(平成30年6月15日答申)
→ 「当委員会において本件開示文書を見分した結果,本件不開示部分には,警備業務の具体的な内容や警備体制が記載されていることが認められる。このような記載内容に照らすならば,本件不開示部分を公にすることにより,警備レベルの低下を招くことになり,警備事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

9 大阪高裁が入庁検査の実施に関して民間業者との間で締結している契約書(平成30年度(情)答申第2号(平成30年7月20日答申)
→ 「当委員会において本件開示文書を見分した結果,本件不開示部分には,警備業務の具体的な内容や警備体制が記載されていることが認められる。このような記載内容に照らせば,本件不開示部分を公にすることにより,警備レベルの低下を招くことになり,警備事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

10 東京高等裁判所において特定の裁判官のツイートに関する抗議を受けた際に作成し,又は取得した文書(平成30年度(情)答申第9号(平成30年9月21日答申)
→ 「本件開示申出の内容からすれば,本件開示申出文書の存否を明らかにすると,特定の裁判官が私的にツイートした内容に関して第三者から抗議がされた事実の有無が公になると認められる。このような情報は,法5条1号に規定する不開示情報に相当する。苦情申出人は,上記の事実は慣行として公にされていると主張するが,最高裁判所事務総長の説明によれば,裁判所として公表したことはないとのことであり,同号ただし書イに相当するとは認められない。」そうです。

11 特定の裁判官がツイッターに投稿した件に関して東京高等裁判所が作成した全文書(平成30年度(情)答申第22号(平成31年3月15日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件対象文書の全体について,氏名等の個人識別情報のほか,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意に関する情報が記録されていることが認められる。そこで検討すると,同条に基づく注意は,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的な効果を伴わない措置であると解される。また,同条に基づく注意を実施する手続等に関する定めはない。そうすると,同条に基づく注意の性質上,その運用自体が個人的事情に関わる機微なものというべきであり,本件対象文書中の同条に基づく注意に関する情報については,その内容に照らして,これを開示することにより,人事管理に係る事務について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるものと認められる。」そうです。

12 東京高等裁判所が作成し,又は取得した同裁判所に所属する裁判官のツイート内容を印刷した文書(平成30年度(情)答申第23号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,本件開示申出文書は,裁判官の私的領域における言動についての文書であり,裁判官という自己の身分を明らかにした上での私的領域における言動については,その内容次第では裁判所又は裁判官の信用の失墜につながり得ることから,人事上の措置等に関係する文書となり得る性質を有するものであって,本件開示申出文書の保有の有無を明らかにすると,人事上の措置の必要性から作成,取得,管理,保存される文書の存否や内容を推認ないし憶測させることになり,人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,取得,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるとのことである。本件開示申出の内容からすれば,このような説明の内容が不合理とはいえず,本件開示申出文書の保有の有無を明らかにすることにより,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められる。」そうです。

13 東京高等裁判所長官,東京高等裁判所事務局長及び特定の東京高等裁判所判事の間で特定の日時に行われた会話に関する文書(平成31年度(情)答申第3号(平成31年4月19日答申)
→ 「本件開示申出文書が特定の日時に東京高等裁判所長官,東京高等裁判所事務局長及び特定の東京高等裁判所判事の間で行われた会話に関する文書であることを踏まえれば,本件の開示申出に係る会話は人事管理に関する内容となり得るものといえ,本件開示申出文書の存否を明らかにすると公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

14 東京高等裁判所が特定の裁判官のブログに関して作成し,又は取得した文書(平成31年度(情)答申第4号(平成31年4月19日答申)
→ 「本件開示申出の内容からすれば,本件開示申出文書の存否を明らかにすると,特定の裁判官が特定のブログを管理しているという個人に関する情報が公になると認められる。
また,最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書の存否を明らかにすると,人事上の措置等の必要性から作成,取得,管理又は保存がされる文書の存否や内容を推認させ,又は憶測させることになり,人事管理に係る事務に関与する判断権者等に対し,文書の作成,取得,管理又は保存について好ましくない影響が生ずること等によって,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると説明する。本件開示申出文書が裁判官の私的領域における言動についての文書であることを踏まえれば,私的領域における言動については,本来はその個人の領域に属するものではあるが,その内容次第では裁判所の信用の失墜につながり得ることから,人事上の措置等に関係する文書となり得る性質を有するものである。よって,そのような性質を有する本件開示申出文書の存否を明らかにすると公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

下級裁判所が直ちに廃棄しているとされた司法行政文書

最高裁平成26年7月14日判決によれば,行政機関の情報公開の場合,ある時点において当該行政機関の職員が当該行政文書を作成し,又は取得したことが立証された場合において,不開示決定時においても当該行政機関が当該行政文書を保有していたことを直接立証することができないときに,これを推認することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を個別具体的に検討すべきものとされています。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書は下級裁判所が直ちに廃棄しているそうです。

1 神戸地裁における,①視察の日時時刻,発着地,事項,配車,乗員,随行の秘書官等の詳細が記載されている基本日程及び詳細日程,③最高裁判所判事との座談会の出席者名簿及び座談会席図,④庁内巡視の順序が分かる文書並びに⑤最高裁判所判事との懇親会の出席者名簿(平成27年度(情)答申第2号(平成28年2月18日答申)
→  「苦情申出人が存在するはずであると主張する①から⑤までの文書のうち②の文書以外の文書については,その標題や最高裁判所事務総長の説明に照らすと,最高裁判所判事の視察に関する具体的な日程,出席者及び巡視の流れを記載した当該視察の際に必要となるものといえるが,その後にわたって意思決定に至る過程や事務の実績を検証するために必要とされる内容のものではないといえるから,神戸地方裁判所においてはこれらを内容が軽微かつ簡易なものとして,短期保有文書として扱っていたとする最高裁判所事務総長の説明に不合理な点はない。そして,これらの文書の内容に照らせば,視察日から2か月近くが経過した本件開示申出の時点で廃棄していたとの取扱いは,事務処理上必要な期間が満了したときに廃棄されたものとして,上記各通達の定めに従ったものであるといえ,他にこれらの文書の存在をうかがわせるような事情はない。」そうです。

2  平成28年1月1日の神戸地裁所長交代時の引継書(添付書類を含む。)(平成28年度(情)答申第4号(平成28年7月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,現在の神戸地方裁判所長に確認したところ,事務の引継ぎに際しては,メモ程度のものは作成されたが,それは,現所長が前所長から受け取り,読んだ後,必要がなくなったので,1週間程度で廃棄したとのことであったとし,所長の事務の引継ぎの性質に照らすと,これは合理的であると説明する。
上記の説明は,神戸地方裁判所長の事務の引継ぎに際して作成されたメモは,引継ぎを受けた現所長個人の責任で保有し,その個人にとって必要な限度で利用した上で廃棄したというものと解されるのであり,このことは,所長の事務の引継ぎという事務の内容に照らして,不合理なものとは認められない。
」そうです。

3 直近に開催された,首席家庭裁判所調査官協議会及び家事事件担当裁判官等協議会に関する配付資料(平成28年度(情)答申第5号(平成28年7月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件各開示申出文書が短期保有文書として随時廃棄して差支えない文書であり,既に廃棄されているとする原判断庁の説明は合理的であると説明する。本件各開示申出文書は,いずれも,東京高等裁判所で開催された協議会の配付資料で,最高裁判所から東京高等裁判所を通じて協議員に対して協議の参考として配布された文書であるというのであるから,その用途は,協議員が協議の参考にするに止まり,東京高等裁判所においてこれに基づく事務等が予定されているものとは認められない。そうすると,協議会が終了すれば,東京高等裁判所において保有する必要性がなくなるものであるということができるから,東京高等裁判所において,これらについて,保存期間を1年以上にする必要がない短期保有文書として扱っていることは,前記1の各通達に沿った取扱いであり,相当である。以上によれば,本件開示申出の時点において,本件各開示申出文書が,いずれも廃棄済みであって存在しないとする原判断庁の説明は合理的であり,これを覆すに足りる事情はない。
この点につき,苦情申出人は,平成25年2月改訂のJ・NETポータル民事情報データベース操作マニュアル<一般ユーザ編>に,平成19年度の協議会資料が存在するような記載部分があることをもって,本件各開示申出文書が存在すると主張するが,上記の記載は,本件各開示対象文書に係る協議会とは全く別の年度に開催された協議会に関するものである上,マニュアル上の記載が実際の文書の存在を推認させるものでないことはいうまでもないのであるから,採用の限りでない。」そうです。

4 東京地裁立川支部長が東京地裁本庁に定期的に送付している,支部の状況報告に関する書面(平成28年度(情)答申第12号(平成28年10月24日答申)
→ ①幹部連絡会の報告資料(月に一度行われる幹部連絡会において,支部長が所長に対して支部の状況を口頭報告する際に使用する補助資料)及び②裁判官会議終了後に行われる概況説明の資料(所長や支部長らが出席する裁判官会議終了後,出席者らが参加し,各部署から口頭で行われる概況説明の際に使用する補助資料)につき,
「上記(1)の説明によれば,資料の配布等の庶務を担当する部署では文書1及び文書2のいずれについても会議又は説明の終了後に廃棄をしたというのであるところ,上記(1)のとおり,幹部連絡会及び概況説明が,いずれも通達等に開催根拠がなく,組織的意思決定を予定していないものであることからすれば,文書1及び文書2について,そのように取り扱っていることは合理的である。したがって,当該部署において保有していた文書1及び文書2は,いずれも廃棄済みであると認められる。
また,上記(1)の説明によれば,文書1及び文書2の配布を受けた参加者は,手持ち資料として持ち帰ることはあっても,その保有又は処分については,参加者個人の自由な判断に委ねられていたというのであり,上記のとおりの幹部連絡会及び概況説明の性質に照らせば,当該説明も合理的であるといえるから,参加者が本件開示申出の時点で文書1又は文書2を保有していたとしても,それは,東京地方裁判所が組織的に用いるものとして保有しているものではなく,司法行政文書を保有していることにはならないことは明らかである。」そうです。

5 東京高裁が,平成30年1月10日にエレベーターの使用中止を決定した際に作成した文書(決裁文書及び裁判所内の回覧文書を含む。)(平成30年度(情)答申第15号(平成31年1月18日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,本件開示申出文書に該当する文書として,管理職員から職員へ口頭で周知するために,その内容を記載した文書が作成されたが,当該文書は,エレベーター使用停止の措置について,管理職員から職員に対して口頭で周知を行うに当たり,その内容を正確に伝える目的に基づく短期保有文書であり,職員へ口頭で周知したことによりその目的が達成され,事務処理上保有しておく必要がなくなったことから廃棄したとのことであり,本件開示申出の内容に照らして検討しても,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

6 旭川地方裁判所が司法研修所に対して司法修習生の一部を配属換えする原因となった事実関係について報告した文書(平成29年度(情)答申第21号(平成30年3月23日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認したところ,旭川地方裁判所では,上記の事実関係に関する文書のうち,本件対象文書以外の文書については,標準文書保存期間基準に照らして短期保有文書として取り扱うことが相当であることから,配属換えの手続が終了して,当該文書を保有する必要がなくなった後に廃棄した」そうです。

 

下級裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書

○裁判所の職員は,文書管理者の指示に従い,裁判所における経緯も含めた意思決定に至る過程及び裁判所の事務の実績を合理的に跡付け,又は検証することができるよう,処理に係る事案が軽微なものである場合を除き,司法行政文書を作成しなければなりません(「司法行政文書の管理について(通達)」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第3.1。なお,公文書等の管理に関する法律4条参照)。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の文書は下級裁判所が作成又は取得していないそうです。

1 ①広島高等裁判所長官の事務引継書,及び②広島高等裁判所長官が交代した場合,どこに挨拶回りをすることになっているかが分かる文書(平成28年度(情)答申第8号(平成28年10月11日答申)
→ ①の文書につき,
「高等裁判所長官が行う事務の内容からすれば,その具体的な内容については,当該高等裁判所の職員から説明を受けることがふさわしいものが少なくないと考えられ,また,そのような説明によって事務を処理することで支障が生じるような事情もうかがわれない。そうすると,高等裁判所長官の交代に伴い事務引継書を作成することを予定するような定めはなく,他に,事務引継書が作成されていることをうかがわせる具体的な事情がないことも併せ考慮すれば,上記の説明は,合理的であるということができ,広島高等裁判所において,本件開示申出文書1を保有していないものと認められる。」そうです。

2 ①東京高等裁判所長官の事務引継書,及び②東京高等裁判所長官が交代した場合,どこに挨拶回りをすることになっているかが分かる文書(平成28年度(情)答申第9号(平成28年10月11日答申)
→ ①の文書につき,
「最高裁判所事務総長は,東京高等裁判所長官の交代時においては,後任者が最高裁判所事務総長であったところ,最高裁判所と東京高等裁判所の各庁舎は近接した場所に位置しているため,事務引継ぎは前任者から後任者へ口頭で行われ,事務引継書を作成していないと説明する。
前任者と最高裁判所事務総長であった後任者とが口頭で事務の引継ぎを行うことができたとする上記説明は,最高裁判所と東京高等裁判所の地理的関係に照らせば不合理とはいえない。また,高等裁判所長官が行う事務の内容からすれば,具体的な事務については,当該高等裁判所の職員から補充の説明を受けることがふさわしいものが少なくないとも考えられ,それにより事務に支障が生じるような事情もうかがわれない。
そうすると,高等裁判所長官の交代に伴い事務引継書を作成することを予定するような定めはなく,他に,事務引継書が作成されていることをうかがわせる具体的な事情がないことも併せ考慮すれば,本件開示申出文書1を作成していないとする上記説明は,合理的であるということができ,東京高等裁判所において,本件開示申出文書1を保有していないものと認められる。」そうです。

3 東京高等裁判所管内の裁判官の期別名簿(平成28年度(情)答申第10号(平成28年10月11日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書について,東京高等裁判所管内の裁判官を修習期ごとに並べた名簿と特定すべきと説明するところ,本件開示申出に係る申出書の記載に照らし,上記の特定は合理的である。
そして,同説明によれば,東京高等裁判所において本件開示申出文書は作成し,又は取得しておらず,事務処理上その必要もないとのことであるところ,当該説明が不合理であるとする事情もうかがわれない。」そうです。

4 交通の分野において,大阪地裁を中心とし,京都,神戸等の裁判所の専門部が平成27年度に集まり,情報交換を行った際に,神戸地裁が作成し,又は取得した文書(情報交換に際しての配付資料を含む。)(平成28年度(情)答申第16号(平成28年12月2日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明及び本件対象文書の見分の結果を併せると,本件協議会は,京都地方裁判所,神戸地方裁判所及び大阪地方裁判所の民事交通損害賠償事件担当裁判官が出席して,本件懇談会は,大阪高等裁判所管内の地方裁判所の民事交通事件担当裁判官が出席して,いずれも民事交通事件に関する裁判事務の在り方等について協議することを目的とする会合であると認められるから,その配布資料が存在したとしても,その内容は裁判事務に関するものであると推察され,神戸地方裁判所の事務局において司法行政文書として保有する必要のあるものではないと考えられる。この点について,委員会庶務に調査させたところ,これらの会合の配布資料については,主催する大阪地方裁判所の裁判官から,他の裁判所の出席裁判官に宛てて直接送付されたとのことであり,上記のとおりのこれらの会合の性質に照らせば,そのような手続が踏まれたことも合理的といえる。」そうです。

5 東京高裁が平成28年6月21日付で岡口基一裁判官を口頭注意処分した際に作成した文書(平成29年度(情)答申第1号(平成29年4月28日答申)
→  「本件注意は,憲法及び裁判所法により身分が保障された裁判官に対するものであることや,当該裁判官の特定の行状に関してその改善を求める内容のものであって,当該裁判官個人の私的な事柄に関するものであること等を考慮すると,本件注意の意思決定の過程において文書が作成されなかったとしても,不合理とはいえず,他に本件開示申出文書が存在することをうかがわせる事情はない。」そうです。

6 東京高裁長官が下級裁判所事務処理規則21条に基づき注意を与える際の事務手続が分かる文書(平成29年度(情)答申第7号(平成29年7月24日答申)
→ 「下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的な効果を伴わない措置であると解されるし,同条によれば,高等裁判所においては,専ら高等裁判所長官の責任において注意の要否やその態様等を決することが予定されており,注意の方法や文書の作成の要否等に関する定めはない。」そうです。

7 平成29年度中に実施された,東京家裁専門部・集中部と,東京三弁護士会との間の懇談会における配布資料及び懇談結果を記載した文書(平成30年度(情)答申第12号(平成30年12月21日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間,本件申出に係る専門部又は集中部と東京三弁護士会又は東京の各弁護士会との間で懇談会を開催していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

8 平成29年度中に実施された,東京地裁専門部・集中部と,東京三弁護士会との間の懇談会における配布資料及び懇談結果を記載した文書(平成30年度(情)答申第13号(平成30年12月21日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間,本件申出に係る専門部又は集中部と東京三弁護士会又は東京の各弁護士会との間で懇談会を開催していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

9 東京高等裁判所が平成28年6月21日付けで特定の裁判官を口頭注意処分した際に作成した文書(平成30年度(情)答申第22号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書2について,本件開示申出文書1のうち下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意に係る意思決定に関する文書と特定したものであり,したがって,別紙記載の各文書が同じ文書であるとはいえず,東京高等裁判所において本件開示申出文書2を保有していない旨を説明する。本件開示申出文書2は,特定の裁判官に対する注意のとき又は注意に供するために作成した文書と解するのが相当であるから,上記特定は妥当である。そして,同条に基づく注意に係る意思決定を行うに際し,文書の作成が必ず求められるものではないことからすれば,東京高等裁判所において本件開示申出文書2を保有していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

司法行政文書開示請求の対象とならないとされた最高裁判所の文書

○行政機関の場合,行政文書該当性については,対象となる文書に係る具体的・客観的状況に基づいて判断すべきものであり,行政機関内部における一般的な取扱いや,行政機関の職員の主観的な認識といった事情により,その判断が左右されるものではありません(内閣法制局長官の国会答弁資料に関する平成28年度(行情)答申第646号(平成29年1月17日答申)9頁)。
これに対して司法行政文書の場合,裁判所内部における一般的な取扱いや,裁判所職員の主観的な認識といった事情により,司法行政文書に該当するかどうかの判断が左右されている気がします。
〇刑事裁判における公判前整理手続の場合,警察官が私費で購入したノートに記載し,一時期自宅に持ち帰っていた取調べメモについても証拠開示を命じられることがあります(最高裁平成20年9月30日決定参照)。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,最高裁判所の以下の文書は司法行政文書開示請求の対象とならないそうです。

1 憲法週間における最高裁判所判事の視察に際して受領した各高等裁判所及びその管内に関する概況説明資料(平成28年度(最情)答申第19号(平成28年6月28日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,最高裁判所判事が憲法週間に各地の裁判所を視察する際には,視察を受ける裁判所において,当該裁判所の事件動向等のほか,所在する都道府県の地域性及び特色について説明を受けていると聞いているが,最高裁判所事務総局において,当該説明に際して使用される資料の提出を求めてはおらず,当該文書を取得していないと説明するところ,最高裁判所事務総局が,上記資料を利用し,又はこれを保存する必要性はうかがわれないから,上記説明は合理的であると認められる。」そうです。

2 ①最高裁判所事務総長の事務引継書,及び②最高裁判所事務総長が交代した場合,どこに挨拶回りをすることになっているかが分かる文書(平成28年度(最情)答申第27号(平成28年9月1日答申)
→ ①の文書につき
「事務総長の説明によれば,事務総長の交代に当たり,事務引継書を組織的に作成することを予定するような定めはなく,それを作成するか否かは前任者個人の判断に委ねられているとのことである。また,実際に作成されたメモも,前任者個人の判断で作成されて直接後任者に交付され,あくまで個人の手持ち資料として後任者限りで使用及び保管がされているとのことである。
上記の説明を踏まえると,当該メモの作成・利用・保存・廃棄については,そのいずれの過程においても組織としての関与は何ら存在せず,事務総長個人の便宜的判断に委ねられているものと認められるのであって,たとえ事務総長が当該メモをたまたま廃棄せずに保有していたとしても,そのことのみをもって,最高裁判所の職員が組織的に用いるものとして最高裁判所が保有しているものということはできず,当該メモは,取扱要綱記第1に定める司法行政文書に当たらないと認められる。」そうです。
→ ②の文書につき
「事務総長が交代した場合に,どこに挨拶回りをするかについては,何ら定めはなく,そもそも挨拶は儀礼上のものにすぎないと考えられることからすると,一般的にその役職に応じた挨拶回り先として想定されるところがあったとしても,実際にどこに挨拶に行くかについては,個々の事務総長の意向によるとする説明が不合理とはいえない。」そうです。

3 新任の最高裁判所判事が着任したときの事務手続について書いてある文書(平成28年度(最情)答申第38号(平成28年12月2日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書に当たり得るものとして,認証式及び就任行事に関する事務手続を記載した文書と考えたとのことであるが,本件開示申出に係る申出書及び最高裁判所事務総局職員による開示申出人からの電話聴取の内容から,上記の解釈は妥当であると考えられる。
そして,最高裁判所事務総長の説明によれば,認証式については,それを実施する宮内庁から取得した文書も,最高裁判所事務総局が作成した文書もないとのことである。また,就任行事の実施に係る内容やスケジュールの確定は,担当部署の職員が口頭での確認により行っており,他の部署との連絡も口頭又は電話で行っていて,就任行事に関する事務手続について,担当係員が個人的にメモを作ることはあっても,司法行政文書は作成していないとのことである。最高裁判所判事についての認証式及び就任行事に関する事務手続は,これらの行事が滞りなく行われることを目的とするものであると考えられることからすると,事務手続に関して司法行政文書を作成していなかったとしても不合理とはいえず,これらを作成していたことをうかがわせる事情は見当たらない。」そうです。

4 最高裁判所規則(平成28年度(最情)答申第39号(平成28年12月2日答申)
→  「最高裁判所規則は,憲法77条1項の規則制定権に基づき,最高裁判所裁判官会議の議決により訴訟に関する手続,弁護士,裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について定められるものである(裁判所法12条1項参照)。これは,議決後,官報により公布することとされているから(裁判所公文方式規則2条),これにより広く周知が図られている。また,最高裁判所規則の条文については,不特定多数の者に販売することを目的として発行されている法令集等により容易に入手が可能である。それにもかかわらず,これを司法行政文書の開示手続の対象とした場合,図書館代わりの利用など当該手続を設けた趣旨に合致しない利用が見込まれるから,当該手続の対象とする必要はないというべきである。」そうです。
・ 内閣府情報公開・個人情報保護審査会の平成26年度(行情)答申第74号(平成26年6月5日答申)が参照されたみたいです。
また,総務省情報公開・個人情報保護審査会平成29年度(行情)答申第124号(平成29年6月28日答申)も同趣旨の答申をしています。
・ 現行日本法規は税込みで27万円します(ぎょうせいオンラインの「現行日本法規」参照)し,大阪弁護士会の図書室には置いてありません。
また,法務年鑑(平成27年)81頁によれば,現行日本法規の編成は, 本文50編100巻(125冊),索引3巻,旧法令改廃経過1巻,主要旧法令5巻,参照条文索引3巻及び法定刑一覧一覧の刑113巻(138冊)となっています。
平成27年中に発行した追録は,第10592号から第10891号までの300追録107,622頁です。

5 最高裁判所の各小法廷の審議期日表(平成30年度(最情)答申第45号(平成30年11月16日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,本件開示申出文書は,審議事件について,審議期日及び審議期日における審議順序が決まった後に,裁判手続である審議及びその準備のために作成されているものであって,司法行政事務の用に供されるものではないとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

6 裁判書の表示ハンドブック(平成30年度(最情)答申第50号(平成30年11月16日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,本件開示申出文書は,最高裁判所の裁判書で用いられる具体的な表示の方法が記載されている文書であり,専ら裁判書の作成のために利用されるものであるとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

不開示事由に該当するとされた最高裁判所の司法行政文書

最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書には不開示情報が含まれています。
行政機関情報公開法6条2項は,「開示請求に係る行政文書に前条第一号の情報(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において、当該情報のうち、氏名、生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは、当該部分を除いた部分は、同号の情報に含まれないものとみなして、前項の規定を適用する。」と定めており,その意義につき,最高裁平成19年4月17日判決の裁判官藤田宙靖の補足意見が参考になります。

1 高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長会同に関する文書のうち,特定の団体の立場姿勢に対する忌憚のない評価等(平成27年度(最情)答申第1号(平成27年12月25日答申)
→ 裁判所の事務に関連する裁判所と外部との間の意見交換の現状について,所長の認識等が記載されていることが認められ,これを公にすると,外部との信頼関係が損なわれるなどし,その結果,裁判所の事務の性質上,その適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるそうです。

2 裁判官の転勤の内示時期の目安が分かる文書(平成27年度(最情)答申第5号(平成28年2月22日答申)
→ 「裁判官は,憲法上その職務の独立性が保障されるとともに,身分が保障されており(憲法76条3項,78条),また,身分保障の現れとして,その意思に反して,転官や転所をされることはないとされている(裁判所法48条)。したがって,裁判官の異動時期の目安を含めた人事管理に係る情報については,裁判官の独立を確保するため,非常に高い機密性が求められる機微な情報であるということができ,本件対象文書に記録されている上記のような情報を公にすると,それを知った裁判官の異動を望み,あるいは望まない関係者などから不当な働き掛け等がされるなどして,今後の裁判官の人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められることから,本件対象文書に記録された情報は,その文書の標題部分や発出者名等も含め,全体として法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する情報に当たると認められる。」そうです。

3 「これからの後見監督の在り方について(参考資料)」と題する文書のうち,監督区分等(平成27年度(最情)答申第6号(平成28年2月23日答申)
→ 監督対象事件を分類した監督区分に関し,各区分に分類される事案の具体的内容や,区分ごとの監督方法などが記載されていることが認められるところ,これらの具体的内容が公になると,各区分の事案の内容や監督方法等の分析を行って,監督強化のための措置を免れたりする者が出現する可能性や,自己の監督の内容を知って,不正行為やその隠蔽を行う者が出現する可能性があるといえ,その結果,家庭裁判所による不正の兆候等の把握に支障が生じて,後見監督事務の性質上,その適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるそうです。

4 司法修習生考試結果集計表のうち,各科目における「(うち予備試験資格者)」及び「(うち予備試験資格者以外)」の「優」,「良」,「可」及び「不可」の「人員」及び「割合」を示す部分(平成28年度(最情)答申第5号(平成28年4月14日答申)
→ 「不開示部分に記載された情報は,いずれも,個人の氏名等の特定の個人の識別を直ちに可能とする情報ではない。しかし,司法修習生考試の受験者中予備試験資格者の人数が第66期については40人,第67期でも112人であり,他方で,本件各対象文書の原判断において開示された部分によれば,各科目で「不可」となった者が,司法修習生全体でも多くて1.06パーセントと極めて少なく,予備試験資格者で「不可」となった者は極めて少ないと容易に推認されることからすると,司法修習を終えた者の氏名が官報公告されていることなどから,司法修習生の一部の者らの間では,予備試験資格者で司法修習生考試に不合格となった者の特定が可能になる。そして,上記のとおり各科目で「不可」となった者の数が極めて少なく,予備試験資格者で「不可」となった者の数も極めて少ないと推認されることからすると,不開示部分に記載されている情報は,予備試験資格者で特定の科目につき「不可」となった者を特定することができる可能性がある情報であるという上記(2)の最高裁判所事務総長の説明は,不合理とは言い難い。そうすると,不開示部分に記載されている情報は,一体として,予備試験資格者で特定の科目で「不可」となった者を特定することができる情報として,法5条1号に相当する情報であるということができ,同号ただし書イからハまでに相当する事情は認められない。また,上記に述べたところからすれば,不開示部分については,その全てが特定の個人を識別することができることとなる部分に該当し,あるいは個人の権利利益を害するおそれのある情報であるから,取扱要綱記第3の2に定める部分開示の対象ともならない。」そうです。

5 裁判所業務に必要なサイトをまとめたホワイトリスト(平成28年度(最情)答申第7号(平成28年4月14日答申)
→ 「近時の官公庁や民間企業に対するサイバー攻撃が多発している現状に照らすと,国の機関であり,多数の個人情報を取り扱う裁判所の情報セキュリティは,厳しく守られるべき状況にあるといえ,情報セキュリティに関連する情報は十分に秘匿すべき情報であるということができるところ,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,本件存否情報は,裁判所の情報ネットワークの仕組みやサイバー攻撃のきっかけ等を推測させる情報であると認められる。」そうです。
→ 平成27年11月の「全司法新聞2229号」には,「接続制限の代替方策として、別回線でのインターネット接続を可能とする端末の増設と、業務に必要なサイトのホワイトリストへの追加を要求していくことをあわせて確認しました。」と書いてあります。
そのため,裁判所にホワイトリストが存在することは,全司法労働組合によって公表されています。

6 裁判官昇給候補者名簿の氏名,期別,昇給号報,官職名等(平成28年度(最情)答申第13号(平成28年6月3日答申)
→ 具体的に昇給する者の期別や昇給号報,その人数等の情報が含まれていることが認められるところ,そのような情報は,最高裁判所事務総長が説明するとおり,人事事務担当者等の一部の関係職員以外には知られることのない性質のものであると推測される。

7 司法修習生組別一覧表のうち,司法修習生の氏名が記載されている部分(平成28年度(最情)答申第26号(平成28年9月1日答申)
→ 司法修習生は,法5条1号ただし書ハの「公務員等」に相当する者には該当しないそうです。

8 具体的な職名,級についてどのような考え方に基づいて定数配付を行っているのかが分かる文書(平成28年度(最情)答申第30号(平成28年10月24日答申)
→ 「本件対象文書の見分の結果及び最高裁判所の職員の口頭説明の結果を総合すると,定数配布とは,級別定数の範囲内で適任者を適正に昇格させるために用いられる手法であると認められる。そして,本件対象文書の見分の結果によれば,本件対象文書には,その手法に関する事項の一部が記載されているところ,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,具体的な手法の内容は,ごく一部の職員にしか知られることのない極めて機密性の高い性質のものであり,たとえ標題だけが知られることになったとしても,裁判所の人事管理に関して無用の憶測を呼ぶなどするおそれがあるとのことであり,当該説明が不合理とはいえない。そうすると,人事管理に係る事務という公平性と機密性が要求される事務の性質上,本件対象文書に記録された情報については,標題も含めた全体について,これを公にすると,これを知った者に無用な憶測を生じさせたり,さらには,職員の適正かつ円滑な職務遂行に好ましくない影響が及ぶなどして,裁判所の人事事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。」そうです。

9 最高裁判所裁判官会議議事録の本文部分の署名及び印影(平成28年度(最情)答申第36号(平成28年12月2日答申)
→ 「最高裁判所裁判官会議の議長である最高裁判所長官及び秘書課長の署名及び印影は,いずれも法5条1号に規定する個人に関する情報であって特定の個人を識別することができるものに相当するところ,最高裁判所事務総長の説明によれば,裁判所においても,行政府省と同様に,職員の職務の遂行に係る情報に含まれる当該職員の氏名は,特段の支障の生ずるおそれがある場合を除き公にすることとして取り扱っているとのことである。そこで,検討すると,裁判官会議の議事録の署名及び印影は,職務の遂行に係る情報であるというべきであるが,その固有の形状が文書の真正を示す認証的機能を有しており,そのような署名や印影を公にすれば,これを偽造され悪用されるなどして,個人の権利利益を害するおそれがあるといえる。」そうです。

10 最高裁判所の庁舎平面図のうち,傍聴人や裁判所見学者が立ち入る場所を除く場所に係る部分(平成28年度(最情)答申第48号(平成29年3月17日答申)
→ 最高裁判所の庁舎は,その多くの部分が一般の来庁者の出入りが想定されていない建物であり,入構するには原則として許可が必要であることや,内部に最高裁判所判事室や事務総局の中枢部分などがあることからすると,全体として高度なセキュリティの確保が要請されており,庁舎の部屋の配置等を公にすることにより,全体として警備事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるそうです。
→ 最高裁判所には,大法廷棟,小法廷棟,図書館棟,裁判官棟,裁判部棟,事務北棟及び事務西棟の7つの建物があります(裁判所HPの「裁判所施設の耐震性に係るリスト(平成22年7月)」参照)ところ,その位置関係も不開示情報だそうです。
なお,裁判官棟のIs値は0.27となっていますところ,外部HPの「耐震性能とIs値(耐震指標)について」によれば,Is値が0.6以下の建物については耐震補強の必要性があると判断されます。また,一般財団法人日本耐震診断協会HPの「耐震診断の基準(is値)」のほか,「建築物の耐震診断及び耐震改修の促進を図るための基本的な指針」(平成18年1月26日国土交通省告示第184号)別表第六(リンク先のPDF28頁)によれば,Isが0.3未満の場合,「地震の震動及び衝撃に対して倒壊し,又は崩壊する危険が高い。」と書いてあります。

11 平成27年度裁判官異動計画(平成29年度(最情)答申第4号(平成29年5月25日答申)
→ 「裁判官は,憲法上,その職務の独立性が保障されるとともに,身分が保障されている(憲法76条3項,78条)。また,その身分保障の現れとして,裁判官がその意思に反して転官や転所をされることはない(裁判所法48条)。これらの規定の趣旨に照らすと,裁判官の人事管理に係る情報については,裁判官の独立を確保するため,非常に高い機密性が求められる機微な情報であるということができ,本件対象文書に記録されている上記のような情報を公にすると,裁判官の異動を望み,あるいは望まない関係者等から不当な働き掛け等がされるなどして,今後の裁判官の人事管理に係る事務に関し,適正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められるから,本件対象文書に記録された情報は,その文書の標題部分や発出者名等を含め,全体として法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する。」そうです。

12 ①第68期導入司法修習生名簿(和光寮50音順)及び②第69期導入司法修習生名簿(和光寮50音順)(平成29年度(最情)答申第10号(平成29年6月9日答申)

→ 「司法修習生は,司法修習生間のやり取り等を通じて各司法修習生の修習地及び組についての情報を得ていることが少なくないという最高裁判所事務総長の説明は不合理とはいえないこと,本件対象文書には,司法修習生の氏名が50音順に記載されており,音によっては一人又は少数の氏名しか記載されていない部分もあることからすれば,修習地及び組の情報と照らし合わせることにより,入寮者の特定が可能となる場合があると考えられる。」から,修習地及び組は不開示情報に該当するそうです。

13 最高裁判所長官室の写真,最高裁判所判事室の写真及び最高裁判所首席調査官室の写真(平成29年度(最情)答申第27号(平成29年8月7日答申)
→ 「本件不開示部分のうちその余の部分については,その記載等の内容からすれば,上記部分を公にすると,最高裁判所長官室,最高裁判所判事室及び最高裁判所首席調査官室の位置及び構造が明らかになるものと認められる。そうすると,最高裁判所長官及び最高裁判所判事は,裁判所の業務に係る意思決定において極めて重要な役割を担っており,最高裁判所首席調査官は,最高裁判所の裁判所調査官の事務を総括していることから,いずれも襲撃の対象となるおそれが高く,上記各室は極めて高度なセキュリティが要請されるという最高裁判所事務総長の上記説明が不合理とはいえず,上記部分を公にすることにより,庁舎管理事務及び警備事務に支障を及ぼすおそれがあると認められる。」そうです。

14 司法修習生名簿(ひかり寮・部屋別)(平成29年度(最情)答申第46号(平成29年10月23日答申)
→ 「苦情申出人は,司法修習生の修習地,組及び室番号について,公にしても個人の権利利益を害するおそれがないなどと主張するが,司法修習生は司法修習生間のやり取り等を通じて各司法修習生の修習地,組,室番号についての情報を得ていることが少なくないという最高裁判所事務総長の説明する内容が不合理とはいえず,これらの情報を照らし合わせることにより,入寮者の特定が可能となる場合があると考えられる。」そうです。

15 69期の判事補志望者に対して実施した,最高裁判所の面接選考に関する文書(実施日時,実施場所,実施方法,面接担当者の肩書及び氏名等が書いてある文書をいうものの,これに限られない。)(平成29年度(最情)答申第52号(平成29年12月1日答申)
→ 「本件不開示部分のうち面接時間については,この記載を明らかにすることにより,結果として,面接に要する個別の時間を明らかにすることになるから,今後の人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある」そうです。

16 『弁護実務修習に対して望むこと』について(平成28年9月28日付の司法研修所事務局長通知)(平成30年度(最情)答申第3号(平成30年4月20日答申)
→ 「見分の結果によれば,本件開示文書は,分野別実務修習のうち弁護修習の指導担当者等に対して,指導に関する指針や具体的な留意事項等を示したものであり,本件不開示部分には,弁護実務修習の具体的な指導方針及び内容が記載されていることが認められる。このような記載内容に照らすならば,本件不開示部分が公にされた場合には,司法修習生の中には,それに焦点を絞ることに注力し,自らの課題を自覚した上での積極的かつ主体的な取組をしなくなるなど,上記修習の目的にそぐわない行動をとる者が出るおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

17 平成29年10月24日に実施した,71期司法修習生採用希望者に対する面接に関して作成し,又は取得した文書(面接人数,実施日時,実施場所,実施方法,面接担当者の肩書及び氏名等が書いてある文書を想定しているものの,これに限られない。)(平成30年度(最情)答申第10号(平成30年5月25日答申)
→ 「本件不開示部分のうち面接対象者の出頭場所以外の記載部分については,見分の結果,司法修習生採用選考面接に係る申込者数や面接対象者数等が記載されていることが認められる。その記載内容に照らすならば,これらの記載部分を公にすることによって,面接の規模や形式等が明らかになり,どのような者が面接対象者になるかなどの推測がされて,今後の司法修習生の採用事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

18 平成30年4月任官の弁護士任官者に対して実施した,最高裁判所の面接選考に関する文書(実施日時,実施場所,実施方法,面接担当者の肩書及び氏名等が書いてある文書をいうものの,これに限られない。)(平成30年度(最情)答申第13号(平成30年5月25日答申)
→ 「本件不開示部分のうち面接及び健康診断の時間については,各受験者についてこれらの情報を明らかにすることで,結果として面接に要する個別の時間等を明らかにすることとなり,今後の人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な運営の確保に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

19 司法修習終了証の書式が分かる文書(最新版)(平成30年度(最情)答申第23号(平成30年7月20日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件対象文書には,司法修習終了証書について,証明文言を含む書式全体が記載されていることが認められる。このような記載内容に照らせば,同証書は,司法修習生の修習を終えたことを要件とする弁護士登録のために必要な書類となる(弁護士法4条参照)ほか,公的機関及び民間企業等にも提出されることが想定される重要な証書であるため,その書式が明らかになると,当該書式を参考として司法修習終了証書を偽造することが容易になり,ひいては同証書の提出先において偽造された証書を真正なものと誤信するおそれが高まるから,司法修習の終了という重要事項に関する証明事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

19 第71期司法修習生の採用選考申込みにおいて不合格となった人の数が分かる文書(平成30年度(最情)答申第25号(平成30年7月20日答申)
→ 「原判断においては,本件開示文書のうち不採用者名簿について,標題を除く部分が余白を含めて不開示とされているところ,見分の結果によれば,本件不開示部分には少人数である不採用者が記載されていることが認められる。このような記載内容に照らせば,本件不開示部分の記載内容から不採用者の数が明らかとなり,ひいては不採用者が特定される可能性や不採用となった理由が特定される可能性があるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

20 選択型実務修習における自己開発プログラムの内容が分かる文書(新第64期,新第65期,第67期及び第68期分)(平成30年度(最情)答申第26号(平成30年8月24日答申)
→ 「見分の結果によれば,本件対象文書は,①各配属庁会からの報告書の本文,②別紙である自己開拓プログラム審査結果報告書及び③司法修習生から提出された自己開拓プログラム申出書(申請書)によって構成されており,本件不開示部分は,①各配属庁会からの報告書の本文のうち報告書を提出した裁判所の庁名,修習地等,②別紙である自己開拓プログラム審査結果報告書のうち報告書を提出した裁判所の庁名,修習地,承認・不承認の別,修習生氏名,修習先,特記事項等,③司法修習生から提出された自己開拓プログラム申出書(申請書)のうち報告書を提出した裁判所の庁名,申出書提出先名,修習生氏名,班,修習生の印影,配属弁護士会,修習期間,修習先の名称・代表者・住所・電話番号・担当者の役職及び氏名,修習の目的,修習の内容,承認・不承認の別,不承認の理由,裁判所の受付印等であることが認められる。
このような記載(印影部分を含む。)の内容に照らせば,本件不開示部分は法5条1号に規定する個人識別情報と認められる。苦情申出人は,局長通知を
挙げて,自己開拓プログラムの修習先の名称等は不開示情報ではないと主張するが,局長通知の記載内容は承認又は不承認とされた修習先の例示としての抽象的なものにとどまることからすれば,本件対象文書に記載又は押捺がされた個別具体的な修習先の名称等が慣行として公にされているとは認められず,かつ,同号ただし書ロ及びハに掲げる情報に相当する事情も認められない。」そうです。

21 70期二回試験において,試験時間終了後も紐を結び続けていた司法修習生の行為に関して作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第29号(平成30年8月24日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,70期司法修習生考試において,試験時間終了後も紐を結び続けていた司法修習生の行為に関する司法行政文書が存在しているか否かを答えるだけで,該当する司法修習生の有無や当該行為に対する考試委員会の評価・判断等に関する情報を開示することになり,その結果,法5条6号に規定する不開示情報である応試者のどのような行為が不正行為として評価されるか(評価されないか)といった考試事務に関する情報が明らかとなって,今後の考試における不当な行為を容易にするなどのおそれが生じるとのことである。そして,本件開示申出文書の性質に照らして検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

22 平成29年1月18日に開催された最高裁判所裁判官会議議事録(平成30年度(最情)答申第32号(平成30年9月21日答申)
→ 「本件不開示部分のうちその余の記載部分については,その記載内容に照らせば,罷免された司法修習生に係る個人識別情報と認められ,同号ただし書イからハまでに相当する事情は認められない。また,これらの記載部分については,司法修習生の人事事務に関する担当者等の一部の関係職員以外には知られることのない秘密性の高い情報であり,特に罷免理由を公にすると,どのような事案で罷免されるのかといった内容が明らかになるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえず,司法修習生の罷免に係る事務に支障が生じるおそれがあると認められるから,法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する。」そうです。

23 昭和24年10月17日の最高裁判所裁判官会議の議事録(平成30年度(最情)答申第34号(平成30年9月21日答申)
→ 「本件不開示部分のうち「第二小法廷の判決に関する問題について」に係る議事の記載部分については,その記載内容に照らせば,裁判官会議決定に至る経緯等が記載されており,本件対象文書が約69年前に作成されたものであることを踏まえても,上記記載部分を公にすると非違行為に関する調査手法等を明らかにすることとなり,今後の人事管理事務に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえず,法5条6号に規定する不開示情報に相当すると認められる。」そうです。

24 未済事件一覧表(平成27年10月7日現在)(平成30年度(最情)答申第35号(平成30年10月19日答申)
→ 「苦情申出人は,日弁連と個人を当事者とする事件に係る当事者名について,慣行として公にされている情報である旨を主張する。しかし,本件対象文書が原判断の時点における未済事件の係属状況等を記載したものであることからすれば,裁判が確定した事件について当該裁判に係る情報が日弁連の機関紙等に掲載されるからといって,慣行として公にされている情報とはいえないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。その
ほか,法5条1号ただし書イからハまでに相当する事情は認められない。
また,本件不開示部分のうち備考欄及び事件進行状況欄の記載については,事件に関する具体的な進行状況や今後の進行予定等が記載されていることからすれば,これらの情報を開示すると,具体的な事件における裁判体の判断等が明らかになるなど,裁判事務に支障を来すおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえず,同条6号に規定する不開示情報に相当すると認められる。」そうです。

25 司研別館ガイド,各階平面図等(平成30年度(最情)答申第39号(平成30年10月19日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件不開示部分は,司法研修所別館及びなごみ寮の施設に係る施錠の状況及び解錠方法,司法研修所別館及びなごみ寮が所在する敷地への入構方法,建物内の各部屋の配置,電話番号,ファクシミリ番号及び内線番号,IT整備状況並びに具体的なセキュリティ対策に関する情報と認められる。このような記載内容に照らせば,本件不開示部分を公にすると,庁舎管理事務及び警備事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるほか,職務に関係のない問合せやファクシミリ送信によって職務に必要な連絡に支障が生じ,裁判所の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあり,また,サイバー攻撃の際の糸口等を推測させ,情報セキュリティの確保に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

26 70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則19条に基づく報告書(平成30年度(最情)答申第41号(平成30年11月16日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件対象文書は,70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則(平成29年最高裁判所規則第4号による改正前のもの)19条に基づく報告書であり,司法修習生の氏名や行状等が記載されていることが認められる。このうち司法修習生の氏名や行状等の記載部分については,法5条1号に規定する個人識別情報と認められ,同号ただし書イからハまでに相当する事情も認められない。また,本件対象文書の性質及び内容を踏まえると,標題等を含む本件対象文書全体について,これを公にすると,司法修習生の罷免事由に関する調査事項,司法修習生の弁明書及び提出された資料の内容が明らかになり,今後の公正かつ円滑な調査及び資料収集事務に好ましくない影響を与えるなど,適正な司法修習生の罷免手続事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

27 「裁判所庁舎設計基準」及び「裁判所庁舎設計標準図」(平成30年度(最情)答申第48号(平成30年11月16日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件対象文書は,全国の裁判所庁舎を設計する際の庁舎の各室や設備などの各種基準等が記載された文書であり,本件不開示部分には,室名や当該室の仕様等が記載されていることが認められる。このような記載内容に照らして検討すれば,裁判所庁舎においてはセキュリティの確保が要請される場所が広く存在し,本件不開示部分が開示された場合には,庁舎管理上の問題や警備上の問題が生じるおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

28 「平成27年2月13日付け報告書」及び「平成27年2月13日付け事実経緯報告書」(平成30年度(最情)答申第51号(平成30年12月21日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件対象文書は,平成25年度(第67期)司法修習生考試について生じた運営上の問題に関して作成された報告書及び事実経緯報告書であり,本件不開示部分は,本件対象文書の作成者の氏名や押印等,法人の業務内容及び印影のほか,答案管理や監督員の対応等の司法修習生考試の実施事務に関する記載であることが認められる。このような記載内容に照らして検討すれば,本件対象文書の作成者の氏名や押印等については法5条1号に規定する不開示情報に相当し,法人の業務内容及び印影については同条2号イに規定する不開示情報に相当するほか,司法修習生考試の実施事務に関する記載については,これを公にすると試験妨害行為や不正行為が容易となる等,試験に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

29 J・NETポータルに掲載されている渉外レポート(第9号)(平成30年度(最情)答申第52号(平成30年12月21日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,外国要人等が我が国の裁判所を訪問した際に撮影された写真や訪問者の氏名及び肩書,面談の内容であることが認められ,その撮影や記載の内容を踏まえて検討すれば,他国又は国際機関との信頼関係に基づいて作成されたものであり,これらを公にすると他国又は国際機関との信頼関係が損なわれるおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

30 平成29年1月1日以降に最高裁判所が取得した,日弁連の懲戒処分に関する裁決取消訴訟の判決書(平成30年度(最情)答申第58号(平成31年1月18日答申)) 
→ 「平成28年弁護士懲戒事件議決例集は,日本弁護士連合会が編集・発行する刊行物で,日本弁護士連合会懲戒委員会,同綱紀委員会及び同綱紀審査会において1年間の議決例の中から先例的価値のあるものを選択・編集して収録しているものであるし,ウェブブログについても,私的に設けられたもので,独自の編集に基づいて掲載しているものであるから,これらに掲載される情報について直ちに慣行として公にされ,又は公にすることが予定されているものとはいえないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

31 第70期司法修習生から提出された,二回試験終了後の海外旅行に関する承認申請書(平成30年度(最情)答申第60号(平成31年1月18日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件不開示部分は,司法修習生及び司法研修所職員の印影のほか,日付(受付印の日付部分を含む。),当該司法修習生に係る組番号,配属先,氏名,電話番号,旅行先,目的,期間,同行者,連絡先等の記載である。このような記載内容を踏まえて検討すると,司法修習生の氏名や司法修習生及び司法研修所職員の印影が法5条1号に規定する個人識別情報に相当することは明らかであり,その余の記載についても,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法修習生は相互のやり取りを通じて様々な情報を得ていることが少なくなく,また,日付から旅行出発日を推認することができるため,本件対象文書に記載された司法修習生を特定することができるということであり,その内容が不合理とはいえない。」そうです。

32 平成30年春の勲章受章者名簿(内定)(平成30年度(最情)答申第66号(平成31年2月22日答申)
→ 「見分の結果によれば,本件不開示部分には,叙勲の内示を受けた官職及び内定者数が記載されていることが認められる。これらの記載内容に照らし
て検討すれば,実際の受章者数は内定者の辞退や推薦取消等により内定者数から減少する場合があり,官職及び内定者数を開示すると,受章に至らなかった者の有無及び人数が明らかになり,それによって,受章に至らなかった具体的理由を第三者から追及されたり,様々な誤解を招いたりするおそれがあり,適正な栄典事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

33 「平成29年12月28日付け支給調書」及び「平成29年12月27日付け「平成28年度(第70期)司法修習生考試の採点謝金について」で始まる文書」(平成30年度(最情)答申第69号(平成31年2月22日答申)
→ 「苦情申出人は,支給金額等は同条2号に規定する事業を営む個人の当該事業に関する情報である旨を主張する。しかし,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法修習生考試における答案採点事務は,考試委員会委員及び考査委員としての職務遂行の一環としてされたものであって,弁護士として業務を行うものではないとのことであり,事業を営む個人の当該事業に関する情報とは認められない。」そうです。

34 平成30年1月24日付け民事局長事務連絡「民事調停委員の再任等について」(平成30年度(最情)答申第75号(平成31年2月22日答申)
→ 「見分の結果によれば,本件不開示部分には,民事調停委員の再任に当たっての留意点等が記載されている。そして,民事調停委員の選任事務については広く関心を持つ組織や個人が存在すると考えられるところ,これらの記載内容を踏まえて検討すれば,本件不開示部分に記載されている民事調停委員の再任に当たっての留意点等の情報が公になると,不正確な理解が広まるなどして,民事調停委員の選任事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

35 検事採用願(平成30年度(最情)答申第76号(平成31年3月15日答申)
→ 「本件対象文書を見分した結果によれば,本件不開示部分は,別紙2記載4及び5の文書のうち,検事採用の面接選考における面接官の着眼点又はこれを推知させる内容が記載されている部分であることが認められる。
最高裁判所事務総長は,本件不開示部分のうち,別紙3記載の各部分については開示するのが相当と考えるが,それ以外の部分については,検事の採用における着眼点の一端を推知させる情報が記載されており,これを公にした場合,当該情報を得た司法修習生の言動に不測の影響を及ぼし,検事の採用に当たっての正当な評価が困難となって,法務省における円滑な採用事務に支障を及ぼすおそれがあると説明する。このような説明の内容及び見分の結果を踏まえて検討すると,別紙3記載の各部分については,検事の採用における着眼点の一端を推知させる情報ではあるものの,その記載内容に照らして,採用事務に支障を及ぼすおそれがあるとまでは認められない。その一方,本件不開示部分のうち別紙3記載の各部分を除く部分については,検事の採用における着眼点を推知させる情報が記載されており,これを公にした場合には,採用事務に支障を及ぼすおそれがあると認められる。」そうです。

36 裁判官任官希望者に対する健康診断,採用面接等の予定(平成30年度(最情)答申第84号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件不開示部分のうち,健康診断及び採用面接の各実施日については,これらが公になると,健康診断及び採用面接の実施を妨害されるなどして,円滑な判事補採用手続の進行に支障を及ぼすおそれがあるから,各実施日が経過するまでは不開示事由があり,また,採用内定通知発送日については,裁判官任官希望者に限ってあらかじめ伝えているものであり,これが公になると,日程に変更が生じた場合に無用の混乱を招くなどして,円滑な判事補採用手続の実施に支障を及ぼすおそれがあるから,採用内定通知発送日が経過するまでは不開示事由があると説明する。本件開示文書を見分した結果によれば,本件不開示部分には,健康診断及び採用面接の各実施日並びに採用内定通知発送日が具体的に記載されていることが認められ,これらの記載内容を踏まえて検討すれば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

37 70期二回試験に関する司法修習生考試受験票のひな形(平成31年度(最情)答申第2号(平成31年4月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件対象文書について,司法修習生考試会場における応試者確認のための重要な書面であり,その書式が明らかになると,偽造等が容易となり,試験に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるから,全体として法5条6号柱書及び同号イに規定する不開示情報に相当すると説明する。本件対象文書の性質及び見分の結果を踏まえると,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

38 平成13年3月14日付の最高裁判所調査委員会の調査報告書(古川龍一事件)における古川龍一判事の妻の氏名(平成31年度(最情)答申第3号(平成31年4月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,官報に掲載された裁判官分限事件の裁判書中では妻の名前が明らかにされているものの,妻自身は民間人であり,同人の逮捕から相当の期間が経過していること,裁判所ウェブサイトの裁判例情報に掲載されている同事件の裁判書では,妻の名前は仮名処理されていることが認められ,これらの事情を踏まえて検討すれば,元判事の妻の名前について,現時点では慣行として公にされている情報とは認められず,同号ただし書イに相当しない。また,同号ただし書ロ及びハに相当する事情も認められない。」そうです。

39 第69期導入修習カリキュラムの概要(平成31年度(最情)答申第4号(平成31年4月19日答申)
→ 「苦情申出人は,同種の文書が開示された例を挙げて,本件不開示部分は法5条6号に規定する不開示情報に相当しないと主張する。しかし,当委員会庶務を通じて確認したところ,最高裁判所において本件の開示申出を受けて本件開示文書について検討した結果,本件不開示部分について不開示事由があると判断したとのことであり,本件不開示部分の記載内容に照らして検討すれば,本件不開示部分を開示すると,司法修習生が希望する進路や成績評価に影響があると推測される部分に焦点を絞って学修したり,事前課題の模範解答案が流布して安易に利用されたりして,修習の目的が達成されず,修習事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明が不合理とはいえない。」そうです。

40 「採用選考申込者のうち,修習に耐えられる健康状態ではないという理由で不採用にした際に作成した文書」及び「採用申込みに当たって虚偽の申告をしたという理由で採用内定を取り消した際に作成した文書」(平成31年度(最情)答申第6号(平成31年4月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,不採用者等に関
する文書の存否を明らかにすると,仮に不採用者等が存在する場合であっても少数であるから,不採用者等を知る特定人からは,当該不採用者等の不採用又は採用内定取消しの理由が明らかとなり,それをもって個人の権利利益を害するおそれがあるなどと説明する。このような説明の内容を踏まえて検討すれば,不採用者等が存在する場合には,当該不採用者等に関して入手可能な他の情報と併せることにより,当該不採用者等が特定されて,不採用又は採用内定取消しの理由が明らかとなるおそれがあると認められ,この情報は,法5条1号に規定する不開示情報に相当する。」そうです。

41 司法行政文書管理状況の監査の手引(平成31年度(最情)答申第7号(平成31年4月19日答申)
→ 「本件開示文書が監査事務に携わる職員のための手引として作成されたものであることは,原判断において開示された部分から明らかであるところ,見分の結果によれば,本件不開示部分には,監査の手法,監査のスケジュール,重点監査項目,監査の対象等に関する事項が記載されていることが認められる。このような記載内容を踏まえれば,本件不開示部分が公になると,管理の実情を正確に把握することが困難になること等から,把握した実情を踏まえて必要な指導を行うことにより司法行政文書の適正な管理に資することを目的とする監査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

最高裁判所が直ちに廃棄しているとされた司法行政文書

最高裁平成26年7月14日判決によれば,行政機関の情報公開の場合,ある時点において当該行政機関の職員が当該行政文書を作成し,又は取得したことが立証された場合において,不開示決定時においても当該行政機関が当該行政文書を保有していたことを直接立証することができないときに,これを推認することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を個別具体的に検討すべきものとされています。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書は最高裁判所が直ちに廃棄しているそうです。

1 ①最高裁判所が平成27年1月1日以降,報道機関に対して提供したプレスリリースペーパーのうち,人事の報道発表及び死亡の報道発表,及び②最高裁判所が平成27年1月1日以降,報道機関に対して提供した最高裁判所の判決要旨・骨子(平成27年度(最情)答申第4号(平成28年2月18日答申)
→ ①の文書につき,
「報道発表及び最高裁判所内周知のために作成するもので,報道発表分については,報道機関に配布することでその目的を果たすことから,報道機関に配布するための部数しか作成しておらず,仮に余部が生じた場合であっても,これは事務処理上使用することが予定されておらず,保有する必要がないため,短期保有文書として随時廃棄しており,最高裁判所内周知分については,回覧等により周知が終了することでその目的を果たしており,その後は事務処理上保有する必要がなくなるため,短期保有文書として最高裁判所内周知後に随時廃棄している。」そうです。
→ ②の文書につき,
「本件開示申出文書1の報道発表分と同様のものであり,余部が生じた場合であっても,短期保有文書として随時廃棄している。」そうです。

2 女性裁判官(簡裁判事は除く。)の人数が分かる文書(全国の合計人数の他,最高裁判所及び全国の下級裁判所ごとの人数が分かる文書(平成28年度(最情)答申第23号(平成28年7月15日答申)
→ 「苦情申出人は,最高裁判所が内閣府男女共同参画局に対してデータを提供するために作成した文書が別に存在すると主張する。しかし,本件対象文書が公表されるものであり,また,最高裁判所にも提供されるものであることからすると,最高裁判所が内閣府男女共同参画局にデータを提供するために何らかの文書を作成したとしても,最高裁判所において,提供後もこれを保有し続けなければならない事務の必要があるとする事情はうかがわれない。そうすると,最高裁判所において,当該文書をデータ提供後すぐに廃棄していたとしても不合理とはいえないから,当該文書を最高裁判所において保有していないことは,何ら不合理ではない。」そうです。

3 憲法週間における最高裁判所判事の視察に関する文書等(平成28年度(最情)答申第31号(平成28年10月24日答申)
→ 岡部喜代子最高裁判所判事の視察に関する視察基本日程,視察詳細日程,座談会の出席者名簿及び座談会席図,庁内巡視の順番が分かる文書,懇親会の出席者名簿につき,「短期保有文書として扱い,遅くとも視察の日が経過すれば,事務処理上必要な期間が満了したものとして廃棄しているとする最高裁判所事務総長の説明は,合理的である。」そうです。

4 平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書(HPに掲載されている文書は除く。)(平成28年度(最情)答申第33号(平成28年10月24日答申)
→ 最高裁判所事務総長の記者会見(Youtube動画「ハンセン病隔離法廷「違法」と謝罪 最高裁、憲法判断は示さず」参照)が終了してから2日以内に廃棄されたそうです。
→ 裁判所HPの「ハンセン病を理由とする開廷場所指定に関する調査報告書及び最高裁判所裁判官会議談話について」に調査報告書及び最高裁判所裁判官会議談話が載っています。

5 高等裁判所長官事務打ち合わせに関する配付資料(平成28年度(最情)答申第34号(平成28年12月2日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,事務打合せは,司法行政上の課題に関しての情報共有や認識共有を図ることを目的とする打合せであり,その設置や開催について定めた最高裁判所規程等はないとのことであるから,そのような事務打合せの性質に照らすと,事務打合せの際に配布された資料について,最高裁判所において,短期保有文書として扱っていることは不合理とはいえない。そして,最高裁判所事務総局において,事務処理上必要があるとして保有していた別紙記載6及び12から24までの各文書以外の文書は,事務打合せ終了後速やかに廃棄されているとする説明に不合理な点も見当たらない。」そうです。

6 最高裁判所調査官室が判例時報へ投稿するに当たり作成した文書(平成28年度(最情)答申第37号(平成28年12月2日答申)
→ 最高裁調査官室が,判例時報に対し,「最高裁民事破棄判決等の実情」及び「許可抗告事件の実情」を投稿するに当たり,①民事の上告事件,上告受理申立て事件及び許可抗告事件の新受件数・既済件数,②破棄判決・破棄決定の件数を把握するために作成した文書に関して,
「最高裁判所事務総長の説明によれば,判例時報に「最高裁民事破棄判決等の実情」及び「許可抗告事件の実情」を執筆,投稿するに当たり,そこに記載する事件数を把握する方法として,執筆者から要望があった場合には,最高裁判所においてメモを作成し,執筆者に提供しているが,当該文書は執筆者に交付済みであり,最高裁判所は,これに関する司法行政文書は保有していないとのことである。」そうです。

7 第70期司法修習生の導入修習の週間日程表(平成29年度(最情)答申第7号(平成29年6月9日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,内容が軽微かつ簡易な司法行政文書であって,その保存期間を1年以上とする必要のないものについては,通達上,短期保有文書として事務処理上必要な期間が満了したときに廃棄するものとされているところ,週間日程表は講義等の日程等を週ごとに司法修習生に周知するために作成されるものであり,当該週が経過すれば保有しておく必要がなくなるものであるから,平成28年12月11日以前の分の週間日程表についても,当該週が経過した後,その事務処理に必要な期間が過ぎたため廃棄したとのことである。
上記の説明につき検討すると,本件開示申出文書が講義等の日程等を司法修習生に周知するために作成されるものであり,その内容も司法研修所で行われる講義の日程等を週ごとの一覧表にしたものであることからすれば,当該週が経過した後に保有する必要がなくなったとして廃棄したという上記説明の内容は,不合理とはいえない。」そうです。

8 第69期司法修習生のB班週間日程表(平成29年度(最情)答申第8号(平成29年6月9日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,内容が軽微かつ簡易な司法行政文書であって,その保存期間を1年以上とする必要のないものについては,通達上,短期保有文書として事務処理上必要な期間が満了したときに廃棄するものとされているところ,週間日程表は講義等の日程等を週ごとに司法修習生に周知するために作成されるものであり,当該週が経過すれば保有しておく必要がなくなるものであるから,平成28年11月13日以前の分の週間日程表についても,当該週が経過した後,その事務処理に必要な期間が過ぎたため廃棄したとのことである。
   上記の説明につき検討すると,本件開示申出文書が講義等の日程等を司法修習生に周知するために作成されるものであり,その内容も司法研修所で行われる講義の日程等を週ごとの一覧表にしたものであることからすれば,当該週が経過した後に保有する必要がなくなったとして廃棄したという上記説明の内容は,不合理とはいえない。」そうです。

9 旭川地方裁判所が司法研修所に対して司法修習生の一部を配属換えする原因となった事実関係について報告した文書(平成29年度(最情)答申第72号(平成30年3月23日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認したところ,司法研修所では,本件対象文書以外の文書については,標準文書保存期間基準に照らして短期保有文書として取り扱うことが相当であることから,配属換えの手続が終了して,当該文書を保有する必要がなくなった後に廃棄したとのことである。配属換えの手続の性格及び当委員会において見分した本件対象文書の記載内容を踏まえるならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

10 最高裁判所及び下級裁判所の裁判官及び裁判所職員の平成28年の懲戒処分及び監督上の措置各件の発表の有無がわかる文書すべて(平成30年度(最情)答申第15号(平成30年6月5日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,最高裁判所において探索した結果,本件開示申出文書はそのデータを含めて廃棄済みであるとのことであり,本件開示申出文書に係る事務処理の性質等に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

11 「裁判官が所持する裁判書の写し等の廃棄に関する申合せ(平成29年12月18日高等裁判所長官申合せ)を作成するに至った経緯が分かる文書(平成30年度(最情)答申第46号(平成30年11月16日答申)
→ 「苦情申出人が主張する司法行政文書は,本件申合せに先立って行われた裁判書の写し等の廃棄に関する照会に係る文書と解されるところ,このような文書の性質に照らせば,本件開示文書以外の文書は本件申合せが作成された後に廃棄されたという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

12 40期から48期までの間の,司法修習開始時点における,司法修習生配属現員表(平成30年度(最情)答申第70号(平成31年2月22日答申)
→ 「本件開示申出文書は,その性格上,昭和61年から平成6年にかけて作成され,又は取得されたものというべきであることからすると,保存期間経過後又は用済み後に廃棄されたものと考えられるとのことである。この点につき,本件開示申出文書が昭和61年から平成6年にかけて採用された司法修習生を対象とするものであり,その頃に作成され,又は取得されたものというべきであることからすれば,探索の結果,本件開示申出文書は見当たらず,保存期間経過後又は用済み後に廃棄されたと考えられるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

最高裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書

○裁判所の職員は,文書管理者の指示に従い,裁判所における経緯も含めた意思決定に至る過程及び裁判所の事務の実績を合理的に跡付け,又は検証することができるよう,処理に係る事案が軽微なものである場合を除き,司法行政文書を作成しなければなりません(「司法行政文書の管理について(通達)」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第3.1。なお,公文書等の管理に関する法律4条参照)。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書は最高裁判所が作成又は取得していないそうです。

1 最高裁秘書課が視察基本日程(案)を作成する際に使用している事務処理要領その他これに類する文書(平成27年度(最情)答申第7号(平成28年2月23日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,視察基本日程(案)は,秘書課で作成又は確認をしているが,その作成又は確認は,その都度個別に検討して行っており,およそ事務処理要領等を作成する必要はなく,それを用いなくても事務処理に支障は生じないというのであるところ,事務視察が,視察者,視察先,視察の時期等によってその内容が異なるものであり,視察基本日程(案)に記載すべき日時や視察内容等の具体的な内容も,個別の視察に応じてその都度検討すべきものであることは容易に想像できるところであるから,上記の説明は合理的であるということができる。」そうです。

2 平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡裁判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書(平成27年度(最情)答申第8号(平成28年2月23日答申)
→ 「本件開示申出文書は,平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡易裁判所判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書であるところ,最高裁判所事務総長の説明によれば,全国の裁判官は,他に転任する場合の任地希望等をカードに記載して,最高裁判所事務総局人事局長に提出するとのことである。
そうすると,人事局においては,各裁判官がカードに記載した任地希望を把握していることになるが,同説明によれば,人事局が人事異動計画の原案の立案等をする際には,各カードを個別に確認すれば足り,その記載内容を集計する必要はなく,現にその集計は行っていないというのである。人事異動事務が,任地希望を一つの考慮要素としつつも他の要素を含めて総合的に勘案して個別に検討すべき性質の事務であることに照らせば,上記説明に不合理な点は見当たらない。」そうです。

3 下級裁判所裁判官指名諮問委員会における,年度ごとの重点審議者の数が分かる文書(平成15年度以降の分)(平成27年度(最情)答申第10号(平成28年3月23日答申)
→ 「下級裁判所裁判官指名諮問委員会は,下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則(平成15年2月26日最高裁判所規則第6号)に基づき設置され,裁判官,検察官,弁護士及び学識経験のある者のうちから最高裁判所が任命した11人の委員で組織される委員会(同規則5条,6条)であり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を裁判所法40条1項の規定により指名することの適否その他同項の規定による指名に関する事項を審議すること等の事務をつかさどるものである(同規則2条)。最高裁判所事務総長の説明によれば,重点審議者とは,同委員会において実質的な審議を行うため,多数の指名候補者の中から,指名の適否について慎重な判断を要する者として振り分けられたものであるところ,同委員会における審議が,上記のとおり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を指名することの適否等についてされるものであることからすると,重点審議者は,各諮問に応じ,審議対象となった者の中から,個別具体的な事情により振り分けられるものであり,その数を調整する必要があるとは認められない。また,上記の説明を前提にすると,下級裁判所裁判官指名諮問委員会において各重点審議者に係る指名の適否についての審議が終了すれば,当該諮問に係る審議対象者のうち何人が重点審議者に振り分けられたかという情報は,同委員会においても,また,その庶務を処理する最高裁判所事務総局総務局においても,その後の事務を遂行する上で必要なものではなくなるというのが合理的である。
以上を総合すると,諮問ごとの重点審議者の数という情報をその後の事務処理上保有する必要性は認められず,したがって,年度ごとの重点審議者の数を集計した文書を保有すべき事情も認められない。」そうです。

4 ①平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,持ち回り審議事件と審議室審議事件の事件数が分かる文書,及び②平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,調書決定(民事訴訟規則50条の2)で終結した事件数が分かる文書(平成28年度(最情)答申第2号(平成28年4月14日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,持ち回り審議と期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数は,いずれも,最高裁判所における事件管理システムには入力項目がなく,統計報告の対象ともされていないのであって,他にこれらに係る事件数は把握していないから,本件各開示申出文書はいずれも作成し,又は保有していないとのことである。
そこで検討すると,最高裁判所事務総長から提出された資料を見分した結果によれば,事件管理システムの入力画面には,個々の事件が持ち回り審議又は期日審議のいずれの方法で行われたかについてや,調書決定で終結したか否かについての入力項目がないことが認められるから,事件管理システムから持ち回り審議の事件の数,期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数を把握することはできないと認められる。また,これらの事件の数は,いずれも統計報告の対象ともされていないことが認められ,他に,これらの事件の数を把握する方法があることはうかがわれない。」そうです。

5 ①司法修習生の兼業許可の具体的基準を定めた文書,及び②司法修習生の実務修習庁会を決定する基準が書いてある文書(平成28年度(最情)答申第3号(平成28年4月14日答申)
→ ①の文書につき,
「司法修習生は,その修習期間中,その修習に専念しなければならないこととされ(裁判所法67条2項),最高裁判所の許可を受けなければ,他の職業に就き,若しくは財産上の利益を目的とする業務を行うこと,すなわち兼職や兼業をすることができないものとされ(規則2条),修習専念義務が課されている。また,最高裁判所は,司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは,その司法修習生を罷免することができる(同法68条)とされており,司法修習生には品位保持義務が課されている。
さらに,司法修習生は,修習にあたって知った秘密を漏らしてはならない(規則3条)とされ,高い識見と円満な常識を養い,法律に関する理論と実務を身につけ,裁判官,検察官又は弁護士にふさわしい品位と能力を備えるように努めなければならない(規則4条)とされているから,司法修習生は,その地位の性質上,当然に中立公正性を保持しなければならないということができる。
そうすると,司法修習生から兼業の許可の申請を受けた最高裁判所としては,司法修習の性質上,その兼業の内容等が,上記のような裁判所法又は規則に定められた修習専念義務,品位保持義務及び中立公正性に抵触しないか否かを判断する必要があるということができ,これらが一種の基準となっていると解することができる一方,それ以上の詳細な具体的な基準を作成することは,兼業許可の制度の運用を硬直化することになりかねないとも考えられる。
また,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,平成25年度の司法修習生及び平成26年度の司法修習生についての兼業許可については,上記の裁判所法又は規則上の義務等を考慮して個別に判断する方法で運用されているところ,その許否の判断は適切に行われていると認められる。」そうです。
→ ②の文書につき,
「最高裁判所事務総長は,司法修習生の実務修習庁会については,希望及び具体的事情を勘案して決定しており,基準を定めていないと説明するところ,司法修習生の実務修習庁会の決定事務が,基準を定めなければできない性質のものであるとは認められず,他にその基準が存在することをうかがわせる事情も見当たらない。苦情申出人が主張する司法修習生の人数や予算も,基準の存在を基礎づけるものとはいえない。」そうです。

6 ①平成27年度予算における,裁判官の号別定数が分かる文書,②下級裁判所における指定職相当の裁判官2567人の内訳が分かる文書及び③下級裁判所におけるその他の裁判官1160人の内訳が分かる文書(平成28年度(最情)答申第4号(平成28年4月14日答申)
→ ①の文書につき,
「裁判所職員については,本件対象文書である「平成26年度一般会計予算」の「裁判所職員予算定員及び俸給額表」に級別内訳が記載されているところ,これは,裁判所職員臨時措置法において準用する一般職の職員の給与に関する法律第8条により,予算の範囲内で,職務の級の定数を設定し,又は改定することができ,その定数の範囲内で,職務の級を決定することとされていて,これに基づき級別定数が定められていることによるものと解される。
一方,裁判官については,その受ける報酬その他の給与について規定した裁判官の報酬等に関する法律には,裁判官の号別定数を設定する旨の規定はなく,他にこれを設定する旨の最高裁判所規則その他の定めも見当たらない。このことは,裁判官の報酬が,憲法上保障されているもので,ある程度の予算の制約があるとはいえ号別定数を設定して決定することになじまないことと考えられることとも整合する。」そうです。
→ ②の文書につき,
「最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,裁判官の報酬その他の給与に係る予算要求の過程において,本件対象文書以外の本件開示申出文書2に該当する文書を作成し,保存する必要はなく,現に保存させていないとのことであって,当該説明に特段不自然,不合理な点は見当たらず,他に当該説明を覆す事情も認められない。」そうです。

7 最高裁判所が日本弁護士連合会等に対し,新任の最高裁判所判事の推薦を依頼する際,どのような文書を授受することになっているかが分かる文書(平成28年度(最情)答申第10号(平成28年4月27日答申)
→ 「最高裁判所の職員は,内閣に対してどのような意見を述べるか,推薦依頼をするかなどについては,最高裁判所長官がその都度決めることであり,これらをどのような方法によって行うかを含め一切の事柄が,そのときどきの最高裁判所長官の判断に委ねられているから,最高裁判所事務総局としては,その立場上どのような文書を授受するかを定めた文書は作成していない旨を説明する。最高裁判所長官が内閣に対して述べる意見が,最高裁判所裁判官の任命等という高度な人事に関する事柄を対象としていることや,その意見が慣例として述べられているにすぎないことからすると,意見を述べるための準備行為等について,最高裁判所事務総局が組織として何らの定めも設けていないことは,不自然なこととはいえない。
また,日本弁護士連合会は,「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」を定め,同会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考のために最高裁判所裁判官推薦諮問委員会を設置しているが,上記運用基準にも,誰に対して推薦をするのか,推薦に当たってどのような書面を作成するのかなどについての定めはなく,同基準の存在をもって,本件各開示申出文書の存在を推認することもできない。」そうです。

8 最高裁判所常置委員会の議事録及び配付資料(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申)
→ 「苦情申出人及び最高裁判所事務総長から提出された資料に基づき検討すると,苦情申出人が指摘するとおり,昭和27年議事録には,常置委員会は,原則として毎週1回定期に開くものとする旨が記載されている。しかし,昭和27年議事録には,司法行政事務のうち,特に重要なものを除くその余は常置委員会に取り扱わせ,その結果は裁判官会議に報告することと記載され,他方で,裁判官会議は,毎月1回定期に招集し,緊急の必要のあるときに限り,随時招集すれば足りるものとするなどと記載されている。このことに照らすと,当時は,司法行政事務について,通常のものは常置委員会が取り扱うこととし,これを定期的に開催していたものと考えられる。他方で,平成26年12月3日の裁判官会議の議決では,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する」とされていることからすると,遅くともこの時点においては,司法行政事務を処理するのは裁判官会議によるのを原則とし,特別の事情が生じた場合などに常置委員会を開催することとされていたものと認められる。この点について,最高裁判所事務総長は,最高裁判所においては,昭和37年頃までは常置委員会が月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されないこととなったこと,一方で,裁判官会議については,昭和38年頃からほぼ毎週1回開催されていることが認められ,これらの事実に照らすと,昭和38年頃からは,毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる旨説明するところ,この説明は,上記の資料の記載に沿うものといえる。」そうです。

9 裁判官の転出に関する約束を書面でする扱いの詳細を定めた文書等(平成28年度(最情)答申第12号(平成28年6月3日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,裁判官については,異動条件を記載した異動に関する承諾書が作成されることがあるとのことであり,承諾書が作成されるのは,裁判官が,裁判所法上,その意思に反して免官,転官,転所等をされることはないとされている(同法48条)ことによると解される。しかし,同説明によれば,異動条件については,全国を異動する必要がある裁判官について,適材適所の原則による異動を確保しつつ,機会均等を図るため,紳士協定的な約束として,従前からの慣行となっているとのことであり,法令等に基づくものではないと解される。また,裁判官の異動について,何らかのルールがあることもうかがわれない。そうであるとすれば,異動条件の内容は,異動対象となる裁判官ごとに,その固有の諸事情に応じて定められた個別的な性格のものであって一般性がないものと認めるのが相当である。」そうです。

10 最高裁判所事務総局情報政策課長の事務引継書(平成28年度(最情)答申第14号(平成28年6月3日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,上記人事異動に際し,事務の引継ぎが,口頭で行われており,事務引継書は作成されていないと説明する。
同説明によれば,同日付けの人事異動により情報政策課長となった者は,それ以前は東京地方裁判所判事であったというのであるから,最高裁判所に出向いて前任の情報政策課長から口頭で引継ぎを受けることは十分に可能であったと解される。また,情報政策課が所管する事務は,情報化の推進及び情報セキュリティの確保に関する事項等であるから,それらの事務の内容については,着任後に部下職員から口頭で補充説明を受けることがふさわしいものも少なくないと考えられる。」そうです。

11 ①「直近に開催された,最高裁刑事局と全国検察審査協会連合会との懇談会に関する文書(出席者名簿,配付資料,議事要旨等)」及び②「直近に開催された,全国検察審査協会連合会定例総会に関して,最高裁が全国検察審査協会連合会との間で授受した文書」(平成28年度(最情)答申第16号(平成28年6月28日答申)
→ 「検察審査会は,検察審査会法に基づき設置された機関であり,検察審査会事務官が裁判所事務官の中から命じられる(同法20条)ものの,裁判所とは別の独立した機関である。また,全検連は,最高裁判所事務総長の説明によれば,検察審査員の経験者等で構成される任意団体である検察審査協会の全国組織である。そうすると,全検連と最高裁判所が何らかの関わりを持っていることが当然であるとは考えられず,ほかに関わりがあることを示す具体的な資料はない。」そうです。
→ ちなみに,辻恵衆議院議員(民主党)は,平成22年10月22日の衆議院法務委員会において,「実際、この検察審査協会連合会は毎年大会を開催していて、例えば平成十年、第四十四回大会は、帝国ホテルで、会員が千二百六十三名集まって、来賓として当時の山口最高裁長官ほか十五名が出席をしている。毎年、最高裁の刑事局と懇談会もしている。最高裁の長官がわざわざ出ていって、しかも、審査員と補充員のOBが任意に組織しているという団体が、毎年帝国ホテルや有名なホテルで千人規模の大会を開いている。この審査協会に最高裁なり公的な機関が関係しているというふうに私は本当に疑わざるを得ないというふうに思います。」などと発言しています。

12 司法試験受験資格による司法修習生採用者数の内訳が分かる文書等(69期関係)(平成28年度(最情)答申第20号(平成28年6月28日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,第68期司法修習生までの司法修習生に係る本件各開示申出文書の内容に相当する文書については,顧問会議資料とするため,法曹養成制度改革推進室からの作成及び送付の依頼があったことから,これらを作成していたが,第69期司法修習生に係るものについては,いずれの機関からもその作成の依頼を受けていないため,作成していないと説明する。」と記載されています。

13 司法行政文書及び裁判文書に該当しない,裁判所で開示の対象にしていない文書についての管理の取扱方法を定めた通達その他の文書(平成28年度(最情)答申第21号(平成28年7月15日答申)
→ 「本件文書は,司法行政文書及び事件記録等保存規程に挙げられている各種事件記録以外の裁判事務に関する文書であるから,例えば,裁判官が裁判事務に関して申し合わせた内容を記載した文書のように,裁判事務のために用いるものとして作成し,又は取得した文書で,裁判所の裁判部において管理しているものが含まれると考えられる。そうすると,本件文書は,専ら裁判所の裁判部において作成され,保管されるものであって,司法行政部門が作成したり保管したりするものではないのであるから,その管理方法について規律する通達等を作成することによって,司法行政部門が本件文書の作成や保管の在り方に関与することは,相当でないと考えられる。最高裁判所事務総長が,本件文書について,個別の裁判と密接な関連性のある文書であり,裁判における審理及び判断の作用に影響を及ぼす可能性のあるものであることから,その作成,保存等の管理の在り方について司法行政作用である通達等で一律に規律することは相当でないと説明するのも,同様の趣旨であると解される。」そうです。

14 山口地裁所長が山口家裁所長を兼任するようになった経緯が分かる文書(平成28年度(最情)答申第22号(平成28年7月15日答申)
→ 「委員会庶務に調査させたところ,平成27年12月16日付けで,山口地方裁判所長について,兼ねて山口家庭裁判所判事に補する旨及び山口家庭裁判所長を命ずる旨の発令がされたことが確認された。
この人事異動について,最高裁判所事務総長は,裁判官会議における決定の際,人事局長が説明をしているが,その説明内容が記載された文書は存在しな
い旨説明する。また,この点について,委員会庶務において最高裁判所の担当部局である人事局の担当者から意見を聴取したところ,上記のような裁判官会議における説明内容については,通常は文書を作成するものではないとのことであった。本件開示申出に係る事項が,人事に関する事項であり,その性質上,そのような事項について詳しい理由を記載した文書が作成されていないとしても,何ら不合理とは考えられないのであって,本件開示申出に係る事項について詳しい理由について記載した文書を作成することはないという上記の各説明は,合理的であるというべきである。」そうです。

15 裁判に密接に関連する文書の内閣総理大臣への移管方法について,最高裁判所が内閣府との間で取り交わした文書(平成28年度(最情)答申第24号(平成28年7月15日答申)
→ 「事件記録に該当しないものの裁判に密接に関連する文書とは,最高裁判所事務総長が説明するとおり,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載し,裁判所の裁判部において管理している文書等をいうものと解されるところ,そのような文書を内閣総理大臣に移管することについて取り交わした文書が本件各申合せとは別に存在することをうかがわせるような事情は何ら見当たらない。」そうです。

16 修習資金貸与要綱第31条の住所等届出書の提出状況が分かる文書等(平成28年度(最情)答申第32号(平成28年10月24日答申)
→ ①年度ごとに,住所等届出書の提出状況が分かる文書,②年度ごとに,住所等届出書の提出を怠った結果,期限の利益を喪失した人の数が分かる文書,③年度ごとに,変更事項届出書の提出状況が分かる文書,④年度ごとに,繰上返還申請をした人の数が分かる文書,⑤年度ごとに,返還期限の猶予を受けた人の数が分かる文書,⑥年度ごとに,返還免除を受けた人の数が分かる文書,及び⑦年度ごとに,修習資金貸与金の回収状況が分かる文書は,そもそも作成していないそうです。

17 新任の最高裁判所判事が着任したときの事務手続について書いてある文書(平成28年度(最情)答申第38号(平成28年9月6日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,認証式については,それを実施する宮内庁から取得した文書も,最高裁判所事務総局が作成した文書もないとのことである。また,就任行事の実施に係る内容やスケジュールの確定は,担当部署の職員が口頭での確認により行っており,他の部署との連絡も口頭又は電話で行っていて,就任行事に関する事務手続について,担当係員が個人的にメモを作ることはあっても,司法行政文書は作成していないとのことである。最高裁判所判事についての認証式及び就任行事に関する事務手続は,これらの行事が滞りなく行われることを目的とするものであると考えられることからすると,事務手続に関して司法行政文書を作成していなかったとしても不合理とはいえず,これらを作成していたことをうかがわせる事情は見当たらない。」から,存在しないそうです。

18 平成28年9月29日に死亡した花村良一裁判官の同月1日から同月29日までの出勤状況が分かる文書(平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申)
→ 「裁判官については,勤務時間法や給与法の適用がなく,勤務時間を把握するための文書の作成を義務付けた法令等の定めはない。また,裁判官の報酬は,裁判官の報酬等に関する法律に基づき支給されているから,報酬の支給に関して裁判官の出勤状況が分かる文書の作成の必要もない」から,存在しないそうです。

19 最高裁が,平成27年8月末の概算要求に向け,全国の裁判所の職員給与の状況を分析し,将来予測などを行い,どのような要求を立てるべきか検討し,関係部署と調整した上で,案をまとめ,予算要求を行った際に作成した文書(平成28年度(最情)答申第44号(平成29年2月24日答申)
→ 「口頭説明の結果によれば,本件資料の作成に当たっては,最高裁判所事務総局人事局の担当者において最高裁判所内部の関係部局との調整を行うが,その過程で,最高裁判所事務総局人事局において組織的に保有すべき文書を作成することはないとのことである。級別定数改定業務が予算の範囲内で各種の調整を重ねながら行うものであることからすると,本件資料を作成するまでの間に,担当者間でさまざまな案がやりとりされることはあると考えられるが,本件資料のみならず,その段階の案が記載されたものを組織的に保有していなければ,級別定数改定業務やそれに関連する業務に支障を来すとまでは考えられず,そのような文書を組織的に用いるものとして保有していることをうかがわせる事情も見当たらない。」から,存在しないそうです。

20 新任判事補を採用する際の内部手続が分かる文書(平成28年度(最情)答申第45号(平成29年2月24日答申)
→ 平成15年7月1日開催の下級裁判所裁判官指名諮問委員会(第2回)議事要旨以外に存在しないそうです。

21 最高裁判所裁判官の出勤簿(平成28年度(最情)答申第47号(平成29年2月24日答申)
→ 平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申)と同じ理由により存在しないそうです。

22 選択型実務修習の実施通知(平成28年度(最情)答申第49号(平成29年3月17日答申)
→ 司法研修所は,選択型実務修習の実施者ではないし,配属庁会から取得するなどして保有していることもないそうです。

23  最高裁法廷(大・小)の過去10年間程度の開廷状況の資料(開廷回数が分かるもの)(平成28年度(最情)答申第50号(平成29年3月17日答申)
→  「過去の開廷状況とは,最高裁判所に係属した事件について弁論期日や公判期日等が開かれた場合に関する具体的な回数や日時等をいうものと考えられるところ,最高裁判所の司法行政事務において,そのような過去の開廷状況に関して統計をとるなどの必要性があるとする具体的な事情はうかがわれない」そうです。

24 第70期司法修習予定者の実務修習希望地調査表(平成29年度(最情)答申第1号(平成29年4月28日答申)
→ 第69期司法修習予定者までと異なり,事務の合理化の観点から作成するのを止めたそうです。

25 第69期司法修習生組別志望等調査表(平成29年度(最情)答申第3号(平成29年4月28日答申)
→ 第68期司法修習生までと異なり,事務の合理化の観点から作成するのを止めたそうです。

26 「裁判所が,市民後見人に対し,民法714条1項に基づく監督義務者の損害賠償責任をどのように説明することになっているかが分かる文書」及び「裁判所が,市民後見人に対し,後見業務に関する損害賠償責任保険への加入を勧奨するために使用している文書」(平成29年度(最情)答申第9号(平成29年6月9日答申)
→ 「市民後見人を含む成年後見人の民法714条1項に基づく損害賠償責任に関する説明について,最高裁判所において統一的な運用を定めなければならない必要性があるとは認められず,最高裁判所においてこれを定めていることをうかがわせる事情も認められないことからすれば,最高裁判所において統一的な運用を定めたことはなく,これに関連した文書を作成し,又は取得していないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」とか,「家庭裁判所が市民後見人を含む成年後見人を選任し,監督する権限を有するからといって,家庭裁判所において,市民後見人に対し,後見業務に関する損害賠償責任保険への加入を勧奨すべき立場にあるということはできないし,そのほかに家庭裁判所がこれを勧奨していることをうかがわせる事情も認められないことからすれば,最高裁判所においてこれを勧奨するための文書を作成し,又は取得していないという上記説明の内容は,不合理とはいえない。」そうです。

27 導入修習の期間中にあった,裁判官任官ガイダンスで使用した文書(平成29年度(最情)答申第17号(平成29年7月3日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明は,司法研修所が裁判官任官に関するガイダンスを組織として実施することはないというものであり,その内容が不合理とはいえない。」そうです。

28 「司法研修所の寮の入寮及び退寮に係る司法研修所内部の事務手続が書いてある文書」(平成29年度(最情)答申第19号(平成29年7月3日答申)
→ 「苦情申出人は,司法研修所事務局職員がどの時点でどのような配置に付いていて,どのような事務を担当するのかを定めた文書が存在するはずであると主張するが,そのような文書が入寮及び退寮に関する司法研修所内部の事務手続を記載した文書として作成されていることをうかがわせる事情は認められない」そうです。

29 「平成28年6月16日付で,すべての裁判官の生年月日を開示すべきと判断するに至った経緯が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第20号(平成29年7月24日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明は,従前,最高裁判所判事,高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長以外の裁判官の略歴等について,裁判所が保有する文書の開示を求められた場合には,出生の年月日を不開示としていたが,その後,裁判官の略歴について改めて検討を行った結果,全ての裁判官について開示するものと整理して,平成28年6月16日付け最高裁人任第773号人事局長依頼「裁判官の略歴等の開示について」を発出したというものであり,上記の検討及び整理の内容を考慮しても,その経緯を記載した文書を作成していないとの上記説明の内容が不合理とはいえない。また,当委員会庶務を通じて確認した結果,本件苦情申出後の探索によっても,本件開示申出文書に該当する文書は存在しないとのことであった。そのほか,本件開示申出文書に該当する文書の存在をうかがわせる事情は認められない。」そうです。

30 「裁判所職員採用試験における論文試験(小論文),専門試験(記述式),政策論文試験(記述式)及び人物試験の得点分布が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第21号(平成29年7月24日答申)
→ 「苦情申出人のいう第2次試験及び第3次試験については,これらの試験の方式等を考慮するならば,直ちに得点分布が分かる文書を作成する必要があるとはいえず,これらの試験について得点分布が分かる文書を作成していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

31 「平成28年中に実施された,最高裁と日本裁判所書記官協議会との間の座談会,懇談会等に関する文書」(平成29年度(最情)答申第22号(平成29年7月24日答申))
→ 「苦情申出人は,本件不開示部分について,本件団体側の出席者は裁判所書記官という公務員であるから,公務員の職務の遂行に係る情報といえると主張する。しかし,本件団体が任意団体であり,私的な団体であることからすれば,その会員が本件団体の主催する座談会に出席することは,私的な行為であり,公務員の職務遂行に係る行為とは認められない。」そうです。

32 「平成26年4月1日から平成27年10月15日までの間に,最高裁判所に挨拶回りに来た団体名が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第23号(平成29年7月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書について,いずれも作成し,又は取得する必要がない,と説明する。この点につき,そもそも挨拶回りは儀礼上のものにすぎない上,挨拶回り先について何らの定めもないことからすれば,挨拶回り先は個々の異動者の意向等を勘案して個別に決められるものであり,これが分かる文書を作成し,又は取得する必要はなく,また,最高裁判所において挨拶回りに来た団体名を記録に残しておく必要もない,という上記説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。」そうです。

33 「過労自殺の労災認定が,過失相殺なしで1億円以上の損害賠償責任が発生することと直結しつつあることに関する裁判所の問題意識が書いてある文書」(平成29年度(最情)答申第25号(平成29年7月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所においては,「過労自殺の労災認定が,過失相殺なしで1億円以上の損害賠償責任が発生することと直結しつつあること」に関するテーマを取り上げた研究会を実施しておらず,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在しなかったとのことである。申出の対象とされたテーマの性格等に照らすならば,このような説明の内容は不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。」そうです。

34 最高裁判所事務総長室の写真が含まれる文書(平成29年度(最情)答申第28号(平成29年9月11日答申)
→ 「最高裁判所事務総長室において行事等を公開して実施することはないため,工事以外に同室の写真が撮影される機会はなく,また,探索の結果,同室については写真が添付された工事の報告書等は存在しないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

35 「最高裁が69期司法修習予定者から回収した,民事裁判アンケート用紙及び刑事裁判アンケート用紙の回答内容を取りまとめた文書」(平成29年度(最情)答申第29号(平成29年9月11日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果,69期司法修習予定者に対して実施されたアンケートは,法科大学院における民事実務及び刑事実務の基礎科目の履修状況等について回答を求めるものであったと認められる。そうすると,当該アンケートの目的を達するためには,各組の担当教官において担当組分の状況を把握すれば足り,回答内容を取りまとめる必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

36 「現職裁判官全員の性別が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第30号(平成29年9月11日答申)
→ 「司法行政事務を処理するに際し,現状において,現職裁判官全員の性別を確認する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

37 「現職裁判官全員について10年の任期満了日が記載された文書」(平成29年度(最情)答申第31号(平成29年9月11日答申)
→ 「司法行政事務を処理するに際し,現状において,一覧性を有する文書によって現職裁判官全員の任期満了日を確認する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

38 「新たに司法修習生を採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書(裁判所HPに掲載されたことがある文書は除く。)」(平成29年度(最情)答申第33号(平成29年9月11日答申)
→ 「審査基準及び選考要項には,司法修習生の採用選考における審査基準等が記載されているところ,これらの記載内容を踏まえて検討すれば,そのほかに本件開示申出文書に該当する文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。また,当委員会庶務を通じて確認したところ,審査基準は裁判所ウェブサイトに掲載されており,選考要項は一定期間裁判所ウェブサイトに掲載されていたとのことであるから,いずれも本件開示申出文書に該当しない。」そうです。

39 「裁判官の場合,在職中の求職がどのように規制されているかが分かる文書(最新版)」(平成29年度(最情)答申第35号(平成29年10月2日答申)
→ 「裁判官については,国家公務員に対する在職中の求職の規制(国家公務員法106条の3)が適用されず,これを準用する法令もないことを踏まえて検討すれば,本件開示申出文書に該当する文書を作成し,又は取得していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

40 「69期司法修習生の二回試験当日に配布された科目ごとの起案要領」(平成29年度(最情)答申第36号(平成29年10月2日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,第69期司法修習生考試について応試者に交付された「平成27年度(第69期)司法修習生考試応試心得」は,全科目共通のものとして作成されており,答案作成に関する注意事項等を記載した応試要領部分を含めて,考試の実施に当たり必要な事項が記載されていると認められる。これを踏まえて検討すれば,科目別の起案要領を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

41 「最高裁判所裁判官が退官するときの事務手続が書いてある文書(最新版)」(平成29年度(最情)答申第37号(平成29年10月2日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書は,最高裁判所判事の退官日及び近接する二,三日間に行われる最高裁判所判事退官に伴う諸行事に関する事務手続を記載した文書を指すものと解されるところ,最高裁判所判事の退官に伴う行事として挨拶回りが実施された例はあるが,挨拶回りに関する司法行政文書は作成していないなどと説明する。この点につき,そもそも挨拶回りは儀礼上のものにすぎない上,挨拶回り先について何らの定めもないことからすれば,挨拶回りについては,担当部署において退官する最高裁判所判事の意向を確認した上で,実施の有無,内容及びスケジュールを確定しており,これらの事務手続は口頭で行われていて,司法行政文書を作成する必要はないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

42 「司法修習生考試に不合格となった者を再び採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第38号(平成29年10月2日答申)
→ 「本件開示文書には,司法修習生の採用選考における審査基準が記載されているところ,その記載内容を踏まえて検討すれば,司法修習生であった者が考試を再度受験するために再採用される際には,本件開示文書に基づいて審査が行われるのであり,本件開示文書以外に司法行政文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

43 「平成22年11月頃,社会人で合格した修習生が民間企業などに身分を残したまま,休職扱いで修習できるよう,兼職許可の運用を見直した際に作成した文書」(平成29年度(最情)答申第40号(平成29年10月2日答申)
→ 「司法修習生の兼業許可については,法令の基準に沿った運用がされていて,最高裁判所において具体的な基準を定めた文書を保有していないことは,既に当委員会で明らかにしたところである(平成28年度(最情)答申第3号参照)。これを踏まえて検討すれば,司法修習生の兼業許可の運用を緩和した際,最高裁判所において作成した文書が見当たらないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

44 「昭和46年4月に司法修習生を罷免した際の最高裁判所裁判官会議議事録」(平成29年度(最情)答申第47号(平成29年12月1日答申)
→ 「最高裁判所の職員の口頭説明によれば,裁判官会議議事録については保存期間満了後もその保存期間を延長して保有しているところ,本件開示申出文書については,原判断を行うに際して探索しただけでなく,本件苦情申出後にも,最高裁判所が保有する裁判官会議議事録等のファイルを精査し,司法修習生に関する事務を取り扱う部署においても探索したが,本件開示申出文書に該当する議事録は見当たらなかったとのことであり,最高裁判所における探索の対象や方法等に不合理な点は認められない。」そうです。

45 「最高裁判所が,内閣に対し,下級裁判所裁判官に任命されるべき者を指名するに当たり,任命予定者よりも1名多く指名することとなっている根拠が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第48号(平成29年12月1日答申)
→ 下級裁判所裁判官に任命されるべき者として最高裁判所が指名すべき人数については,法令上,特段の定めはない。また,最高裁判所の職員の口頭説明によれば,以前は任命されるべき人数より1名多く指名するのが通例であったが,下級裁判所裁判官指名諮問委員会が設置された現在では任命されるべき人数と等しい人数を指名しており,これらの事務は慣例によって運用しているものであるから,文書を作成する必要はないとのことである。」そうです。46 「平成29年4月19日付の最高裁人事に関する挨拶回りについて,最高裁に来訪した者やその所属等を記録したり,日程を調整したりした際に作成した文書」(平成29年度(最情)答申第49号(平成29年12月1日答申))
→ 「平成29年4月19日付けの最高裁人事は,裁判官の定年退官に伴う一連の人事と認められ,このような人事に関連して,最高裁判所において挨拶回りに訪れた者やその所属等を記録に残しておいたり,日程を調整する際に文書を作成したりする必要はなく,他の機関から文書を取得したこともないとする説明は不合理とはいえない。」そうです。

47 「平成29年4月任官の弁護士任官者に対して実施した,最高裁判所の面接選考に関する文書(実施日時,実施場所,実施方法,面接担当者の肩書及び氏名等が書いてある文書をいうものの,これに限られない。)」(平成29年度(最情)答申第50号(平成29年12月1日答申)
→ 「受験者の面接及び健康診断の時間については,これらの記載部分を明らかにすることは,結果として,面接に要する個別の時間等を明らかにすることになるから,今後の人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある」そうです。

48 「裁判所採用情報ナビゲーター『さいたん』の発案から採用に至るまでの経緯が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第51号(平成29年12月1日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,裁判所採用情報ナビゲーター「さいたん」については,利用規約によってその使用目的等が定められているのみであるなどと説明する。この説明につき,当委員会庶務を通じて確認したところ,上記利用規約を作成するまでの事務は口頭で行われたとのことである。上記利用規約の内容及び「さいたん」の作成に際して費用が発生していないこと(平成29年度(最情)答申第2号参照)に照らして検討するならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

49 「修習資金貸与金の管理マニュアル(裁判所HPに掲載しているものは除く。)(最新版)」(平成29年度(最情)答申第55号(平成29年12月22日答申)
→ 「修習資金貸与要綱には,修習資金の貸与から返還に至るまでの事務について具体的に記載されていることからすれば,管理マニュアルを作成する必要がないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

50 「判事補採用時点における新任判事補の出身大学の分布が分かる文書(55期から69期までの分)」(平成29年度(最情)答申第56号(平成30年1月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,このような文書を作成する必要性はないので,本件開示申出文書を作成し,又は取得していない」そうです。

51 「第69期司法修習生の事前課題に関する模範答案,参考答案その他司法研修所教官室が作成した答案」(平成29年度(最情)答申第63号(平成30年2月23日答申)
→ 「司法修習は,法曹に共通して必要とされる法的問題の解決のための基本的な視点や考え方を学ばせることを目的としており,正解を重視しているものではなく,事前課題について,模範答案,参考答案等は作成していない」そうです。

52 「第69期判事補の,司法研修所における成績分布が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第64号(平成30年2月23日答申)
→ 「司法研修所では,各期の司法修習生の成績分布を示した文書を作成する必要性がないことから,成績を集計,整理するなどして成績分布が分かるような文書を作成することはしていない」そうです。

53 「判事補採用時点における新任判事補の出身法科大学院の分布が分かる文書(65期から69期までの分)」(平成29年度(最情)答申第66号(平成30年2月23日答申)
→ 「このような文書を作成する必要性はないので,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえ」そうです。

54 「最高裁判所と法務省民事局,刑事局及び訟務局との間で実施された会合に関する文書」(平成29年度(最情)答申第71号(平成30年3月23日答申)
→ 「本件開示申出日現在,最高裁判所と法務省民事局,法務省刑事局又は法務省訟務局との間で開かれる会議,協議会等は存在せず,また,開催時期を問わず,広く最高裁判所において保管するファイルを探索するなどして確認したが,本件開示申出文書に該当する文書は見当たらなかった」そうです。

55 「平成13年12月頃に開催された,『裁判官の在り方を考える』と題した研究会の速記録及びそのダイジェスト版」(平成29年度(最情)答申第73号(平成30年3月23日答申)
→ 「本件開示申出の内容を踏まえると,研究会が開催された平成13年12月頃から15年以上が経過しており,本件開示申出文書に該当する文書が30年の保存期間を設定すべきものとは考え難い」そうです。

56 「最高裁が,朝日新聞社等の報道各社からの依頼に基づき,第24回国民審査を受ける最高裁判所裁判官のアンケート回答を送付した際に作成し,又は受領した文書」(平成30年度(最情)答申第5号(平成30年4月20日答申)
→ 「国民審査に付された最高裁判所裁判官から受け取ったアンケート回答書は報道機関に送付済みであり,そのほかに作成し,又は取得した文書はない」そうです。

57 「司法研修所が作成に関与したツイッターアカウントの一覧が書いてある文書」(平成30年度(最情)答申第6号(平成30年4月20日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所は,ツイッターを業務として利用しておらず,ツイッターアカウントの作成に関与したことはないから,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

58 「最高裁が,全国の下級裁判所に対し,公判前整理手続を短くするように指示した文書(最新版)」(平成30年度(最情)答申第12号(平成30年5月25日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,公判前整理手続の性質上,最高裁判所が下級裁判所に対して,その期間を短縮するよう指示することはないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

59 「新任の司法研修所弁護教官に交付している,司法研修所弁護教官の職務内容に関する説明文書(最新版)(裁判所HPに掲載されている文書は除く。)」(平成30年度(最情)答申第20号(平成30年7月20日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,新たに委嘱された司法研修所弁護教官に対しては,同教官の職務内容について必要に応じて他の弁護教官等から説明を行っており,司法研修所として説明文書を作成・交付する必要がないとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

60 「平成30年1月の最高裁判所長官交代に際して作成された事務引継書及び関連資料」(平成30年度(最情)答申第22号(平成30年7月20日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所長官の交代に当たり,事務引継書を組織的に作成することを予定するような定めはなく,事務引継書は必ず作成しなければならないものではない上,本件開示申出を受けて最高裁判所内を探索したものの,本件開示申出文書は存在しなかったとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

61 「民事,刑事及び行政の上告事件,抗告事件等に関する調査官報告書の様式を定めた文書」(平成30年度(最情)答申第27号(平成30年8月24日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は作成し,又は取得していなかったとのことであり,調査官報告書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない。苦情申出人は,雑誌に掲載された記事を挙げて,本件開示申出文書は存在すると主張するが,当該記事の内容を見ても,調査官報告書について特定の書式が定められているという趣旨まで読み取ることはできない。」そうです。

62 70期問研起案の成績分布が分かる文書(平成30年度(最情)答申第28号(平成30年8月24日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,各司法修習生が作成した問研起案の評価は行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,問研起案の成績自体の分布を独立して把握する必要がないことから,成績の分布を示した文書は作成し,又は取得していないとのことであり,問研起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえて検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

63 最高裁が,日弁連に対し,70期二回試験の結果を伝えるために送付した文書(平成30年度(最情)答申第30号(平成30年8月24日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する司法行政文書はなく,最高裁判所が日本弁護士連合会に対して70期司法修習生考試の結果を文書で伝えたことはないとのことであり,本件開示申出文書の性格に照らすならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

64 裁判所法の一部を改正する法律(平成29年4月26日法律第23号)に関する国会答弁資料(平成30年度(最情)答申第36号(平成30年10月19日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認したところ,最高裁判所において探索した結果,本件開示申出文書を保有していないとのことであり,本件開示申出文書の性格に照らしても,本件開示申出文書を保有していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

65 70期二回試験の答案採点謝金の採点単価が分かる文書(歳出概算要求書は除く。)(平成30年度(最情)答申第37号(平成30年10月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,第70期司法修習生考試の答案採点謝金については,個々の採点者ごとに支払金額を決定しており,答案ごと又は答案1枚当たりの採点単価や採点謝金の基準を別途定めていないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

66 最高裁が,平成19年頃,裁判所の記録謄写業務公募制を採用するに至った経緯が分かる文書(平成30年度(最情)答申第40号(平成30年10月19日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,最高裁判所においては,本件通達の廃止時の記録を含めて探索したものの,本件開示申出文書に該当する文書は見当たらなかったとのことであり,探索の方法を含め,本件開示申出文書に該当する文書を保有していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

67 第70期司法修習生の全国一斉検察起案に関する文書のうち,成績分布表,結果報告書及び起案成績が検察官採用にどのように影響するかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第42号(平成30年11月16日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において各司法修習生が作成した全国一斉検察起案の評価を行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,本件開示申出文書は作成し,又は取得していないとのことであり,全国一斉検察起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえて検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

68 民事訴訟において弁論を終結してから2か月以内に判決を出さない場合,どこにどのような報告をしなければならないかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第43号(平成30年11月16日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在しないとのことであり,本件開示申出の内容及び民事訴訟法251条1項の趣旨・目的に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。苦情申出人は,市販されている書籍の記載内容から,本件開示申出文書が存在する旨を主張するが,当該記載内容は上記の説明の合理性を疑わせるに足りる具体的な根拠を示すものではない。」そうです。

69 民事裁判の弁論準備手続期日につき,どのような場合に,期日に出席していない裁判所書記官が期日調書を作成できることになっているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第53号(平成30年12月21日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在せず,また,裁判所書記官の臨席の要否は裁判官の判断によるものであり,この判断は司法行政文書により明らかにされる性質のものではないと説明する。本件開示申出の内容に照らして,このような説明の内容は不合理とはいえない。」そうです。

70 裁判所入り口に備え付けている開廷表につき,どのような場合に当事者名を記載しないこととしているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第59号(平成31年1月18日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,開廷表の記載事項は,通達等で定められているものではなく,どのような場合に当事者名を記載しないこととしているかについては,事案ごとに個別具体的な事情に応じて裁判体が判断しているのが実情であるとのことであり,本件開示申出文書について最高裁判所において探索したものの,その保有の事実は認められなかったとのことであって,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

71 最高裁判所調査官室の勉強会における配付資料(直近に行われたもの)(平成30年度(最情)答申第61号(平成31年1月18日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所調査官個々人の研究,研さんを図るために勉強会が実施されることはあるものの,このような性格の勉強会において,司法行政文書を作成し,又は取得することは予定されておらず,最高裁判所において探索したものの本件開示申出文書を保有していなかったとのことである。調査官個人の研究や研さんを図るという勉強会の性格からすれば,司法行政上,このような性格の勉強会について記録や資料を残す必要があるとは考えられず,探索の結果,本件開示申出文書を保有していないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

72 ①修習生バッチの製造委託の契約書,②修習生バッチの再発行手数料が分かる文書,③修習生バッチをねじ式からピンで留めるタイプに改造できることに関する案内文書(平成30年度(最情)答申第62号(平成31年1月18日答申)
→ ①の文書につき,
「平成26年度に修習生バッジの調達を行った記録が保存されているものの,当該調達については,会計法第29条の8第1項ただし書並びに予算決算及び会計令第100条の2第1項第1号により,契約書の作成が省略され,契約事務取扱規則第15条に定める請書その他これに準ずる書面の徴取も行われていないとのことである。当委員会庶務において確認したところ,平成26年度に行われた修習生バッジの調達における契約金額は,会計法第29条の8第1項ただし書並びに予算決算及び会計令第100条の2第1項第1号により,契約書の作成を省略することができる場合に該当するものと認められ,また,このような契約の目的及び契約金額に照らして検討すれば,契約事務取扱規則第15条に定める請書その他これに準ずる書面の徴取も行われていないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
→ ②の文書につき,
「司法修習生のバッジを再交付するために要する手数料等を司法修習生から徴収していないため,作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
→ ③の文書につき,
「司法修習生のバッジはねじ式のものではないため,作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

73 ①裁判所の公用電子メールの保存期間が分かる文書,②司法行政文書に関する電子データの保存期間が分かる文書(平成30年度(最情)答申第63号(平成31年1月18日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,電磁的記録である司法行政文書の保存期間については,平成24年12月6日付け最高裁秘書第003545号事務総長通達「司法行政文書の管理について」等の司法行政文書の保存期間に係る規定が適用されるため,必ずしも本件開示申出文書を作成する必要はないとのことであった。このような本件開示申出文書の性格に照らして検討するならば,探索したものの本件開示申出文書の保有の事実はなかったという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

74 最高裁判所が,職員団体等に対する法人格の付与に関する法律に基づき,特定の団体に関して作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第71号(平成31年2月22日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,職員団体等に対する法人格の付与に関する法律に基づき作成し,又は取得した文書を探索したところ,対象となる文書は存在せず,また存在した形跡もなかったとのことであり,裁判所の職員により構成される職員団体に係る上記法律の適用関係に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

75 どのような司法行政文書について,謄写は認められないものの,閲覧は認めるという司法行政文書開示決定を出すことになっているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第72号(平成31年2月22日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,開示の実施方法としては,取扱要綱記第10の1において,文書及び図画については,これの閲覧をさせ,又は写しの交付を求める者に自らの費用で謄写をさせることにより行うと定めるほかに,特に定める規定はなく,運用に当たって,個別の案件ごとに開示対象文書の性質等を踏まえて判断しているものであって,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

76 最高裁判所が修習給付金について必要経費として控除することができる経費があるかどうかを検討した際に作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第77号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において,修習給付金のうち基本給付金及び住居給付金について,必要経費として控除することができる費用が存在するか検討したが,この検討内容については,文書を作成するほどの複雑な内容のものではなかったことから,文書を作成していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

77 平成30年1月16日時点の判事の現在員が1999人であり,判事補の現在員が819人であることを最高裁判所が調べた際に作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第78号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所においては,毎年12月1日現在の判事及び判事補の現在員を算出しており,12月1日以外の基準日の現在員を算出する必要が生じた場合には,直近に算出した12月1日時点の数値をもとに,同日以降の任官者数,退官者数等を集計して算出するところ,平成30年1月16日時点の現在員の算出に当たっても同様の方法を取ったことから,その過程で司法行政文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

78 新任の最高裁判所調査官に対し,その職務内容を説明するときに使用している文書(平成30年度(最情)答申第80号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,新任の最高裁判所調査官に対しては,その職務内容について,他の最高裁判所調査官等から必要に応じて説明を行っており,最高裁判所として新任の最高裁判所調査官に対して職務内容を説明するための文書を作成する必要はないとのことである。最高裁判所調査官の職務に照らして検討しても,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

79 71期問研起案の成績分布表,結果報告書及び起案成績が判事補採用にどのように影響するかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第81号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において各司法修習生が作成した問研起案の評価を行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,本件開示申出文書は作成し,又は取得していないとのことであり,問研起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

80 司法行政上の職務に関する規則1項に基づき,最高裁判所が指定する,判事又は判事補をもって充てる司法行政上の事務を掌る職が分かる文書(平成30年度(最情)答申第82号(平成31年3月15日答申)
→ 「司法行政上の職務に関する規則1項は,「司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち,最高裁判所において指定するものは,判事又は判事補をもってあてる」と定めるところ,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所裁判官会議において個別の裁判官の転補等に係る議決をすることをもって,司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っているため,当該議決とは別に該当する職の指定についての文書や該当する職を一覧的に記載した文書を作成してはいないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

81 最高裁判所事務総長が判事をもって充てられていることの法的根拠が分かる文書(平成30年度(最情)答申第83号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長については,裁判所法53条の規定によれば,最高裁判所に置くことが定められているが,そのほかにその職の資格等についての規定はなく,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,判事の官職を保有させたまま最高裁判所事務総長に任命することはしておらず,判事をもって充てられているわけではなく,したがって,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

82 精密検査が必要と判定された結果,最高裁判所での健康診断を実施した際に作成した文書(71期司法修習生採用手続におけるもの)(平成31年度(最情)答申第6号(平成31年4月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,申出時点において直近に実施された第71期司法修習生採用選考手続において,最高裁判所での健康診断を実施していないから,作成し,又は取得していないと説明しており,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。