取扱者カード交付要領(大阪府警察)→交通事故の報告等をした際に交付されるもの

取扱者カード交付要領(大阪府警察)は以下のとおりです。大阪府警察に対し,遺失の届出,被害の届出,交通事故の報告,警察相談又は行方不明者の届出をしたときに交付されるカードの様式等を定めています。

取扱者カード交付要領

第1 趣旨
   この要領は、府民等からの届出等を受理した際の、届出人等に対する取扱者カード(以下「カー
ド」という。)の交付に関し必要な事項を定めるものとする。
第2 カードの交付の目的
   カードの交付は、届出等を受理した者が届出人等に対して自己の所属及び姓、事後の問合せ先等を記載したカードを交付することにより、当該届出等を受理した者の責任の明確化及び行政サービスの向上を図ることを目的とする。
第3 カードの交付
   職員は、次に掲げる届出等を受理したとき(面接して受理したときに限る。)は、それぞれに定
めるカードに所定の事項を記入した上、届出人等に交付するものとする。ただし、当該届出等が粗
野又は乱暴な言動により不穏に行われた場合、カードを交付することにより今後の正常な業務が阻
害され、又は自己に危害が及ぶことが予想される場合等特別な事情があると認めるときは、カード
を交付しないことができる。
(1) 遺失の届出別記様式の(その1)
(2) 被害の届出別記様式の(その2)
(3) 交通事故の報告別記様式の(その3)
(4) 警察相談(警察署地域課員(大阪水上警察署及び関西空港警察署にあっては、地域交通課
員(交通係員を除く。) )が、交番、駐在所等において口頭によって受理した警察相談のうち、
現場等で措置を講じ、かつ、完結したものを除く。) 別記様式の(その4)
(5) 行方不明者の届出別記様式の(その5)
第4 カードの備付け等
   所属長は、必要なカードを届出等の受理の窓口、交番等に備え付けるとともに、庁外においても
カードを交付することができるよう、必要に応じて職員にカードを配布し、携帯させるものとする。
第5 留意事項
1 カードの交付の目的を考盧し、届出人等が受領を拒否したときは、無理にカードを交付する必
要はない。
2 カードは警察証明事務取扱要領(昭和41年1月18日例規(務・会・庶・交総)第5号)により
発行する警察証明等ではないので、カードを交付する際(警察相談を受理したときに交付する場
合を除く。) 、証明書としては使えない旨を説明すること。



昭和48年9月1日付の,日本損害保険協会及び日弁連交通事故相談センターの覚書(交通事故損害賠償に関するもの)

◯判例タイムズ943号(平成9年9月10日発行)5頁及び6頁に掲載されている,昭和48年9月1日付の,日本損害保険協会及び日弁連交通事故相談センターの覚書は以下のとおりです(第1の(1)ないし(4),第2の(1)ないし(6)とあるのは,原文どおりです。)。

覚書

   社団法人日本損害保険協会(以下甲という。)と日本弁護士連合会の要請を受けた財団法人日弁連交通事故相談センター(以下乙という。)とは、甲の社員である各損害保険会社(以下各社員会社という。)が家庭用自動車保険(以下新保険という。)を新たに発売するに際して、今後の任意自動車対人賠償責任保険の運用について、交通事故損害賠償をめぐる紛争当事者の正当な権利を擁護し、社会正義を実現する目的で、下記条項を相互に確認する。
第一 甲は下記1ないし4の甲または各社員会社の行う諸施策について提案し、乙はこれに同意した。
(1) 裁判所の認定基準に準ずる任意自動車対人賠償責任保険支払い基準を作成し、もって対人事故に係る保険金または損害賠償額の支払いの適正化を期する。
(2) 損害賠償額の算定、被害者との折衝等の業務を担当する職員に対しては、被害者の権利を侵すことのないように十分な指導、監督を行い、職員の資質の向上、能力の向上に万全を期する。
(3) 交通事故損害賠償をめぐる紛争について、和解のあっ旋を目的とする中立の機関を設置する。設置の場所その他の細目について甲は乙と協議する。
(4) 新保険について、対人事故に係る被保険者の負担すべき法律上の損害賠償責任の総額が確定していない場合でも、被保険者または被害者の申し出があったときは、被保険者が法律上の損害賠償責任を負担することが明らかである金額について、保険金または損害賠償額の内払いを行ない、被保険者および被害者の交通事故による経済的負担を軽減する。
第二 乙は下記1ないし6を提案し、甲および各社員会社はこれに同意した。
(1) 被害者の保険会社に対する直接請求権を新保険の約款上明記する。
(2) 各社員会社は、新保険について「保険会社による示談代行」など弁護士法違反の疑いがある宣伝、広告活動を行わない。
(3) 各社員会社は、新保険の約款賠償責任条項第五条による被害者との折衝等の業務については、弁護士との緊密な連携のもとに、公正かつ妥当な処理を行う。
(4) 各社員会社は、新保険の約款賠償責任条項第五条の業務については、必ず、会社の常勤の職員に担当させるものとし、代理店その他部外者に委嘱しない。また、担当職員の給与は、歩合制その他取扱件数に応じた報酬制度によっては支給しない。
(5) 各社員会社は、保険士その他非弁護士の交通事故への介入を防止するため、次の措置をとる。
① 被害者の親族以外の者が被害者の代理人として反復して損害賠償の請求を行った場合には、甲は各地域ごとに各社員会社の資料を整理して乙または乙の支部に通知する。
② 各社員会社は、上記の請求には原則として応じない。
(6) 各社員会社は、交通事故損害賠償をめぐる紛争当事者が事件について弁護士に相談し、または委任する機会を増大させるように配慮する。
   その方法および内容については,甲と乙が協議のうえ決定する。
第三 本覚書に記載された事項に関連する事項、その他任意自動車対人賠償責任保険に関する一切の問題を対象として、甲と乙とは、今後、定期および随時に協議を行うものとする。
   上記のとおり確認の証として、本覚書製本二通を作成し、甲・乙双方記名調印のうえ、各々その一通を保有し,各社員会社はそれぞれ副本一通を保有する。
昭和四十八年九月一日
甲  社団法人 日本損害保険協会
乙  財団法人 日弁連交通事故相談センター

*1 赤字部分の記載に基づき,任意保険会社は,交通事故の被害者に対し,治療費等の内払いを実施しています。
*2 「交通事故損害賠償をめぐる紛争について、和解のあっ旋を目的とする中立の機関を設置する」という点については,昭和48年9月1日付の「確認メモ」があり,裁定委員会(仮称)の設置が予定されていました。
   しかし,この点について日弁連の理事会で決着がつかなかった結果,日弁連交通事故相談センターは,昭和49年3月15日の理事会で,裁定委員会(仮称)の設置見合わせを決定しました。
*3 「裁判所の認定基準に準ずる任意自動車対人賠償責任保険支払い基準」については,日弁連交通事故相談センターと日本損害保険協会との定期的協議が実施されなくなったことから,約2年毎の改定作業にも日弁連交通事故相談センターの意図を反映することができず,「裁判所の認定基準に準ずる」内容とはなりえなくなっていました。
   そして,規制緩和問題等も出てきたことから,平成9年3月25日付の日本損害保険協会及び日弁連交通事故相談センターの確認書によって廃止されることとなりました。

「自動車損害賠償保障法及び関係政省令の改正等に伴う事務の実施細目について」と題する,国土交通省自動車交通局保障課長の通知(平成14年3月11日付)

「自動車損害賠償保障法及び関係政省令の改正等に伴う事務の実施細目について」と題する,国土交通省自動車交通局保障課長の通知(平成14年3月11日付)を以下のとおり掲載しています。
○文中にあるとおり,交通事故における任意保険会社の示談提示額は自賠責保険基準の支払額を下回ることは禁止されています。

国土交通省自動車交通局保障課長から社団法人日本損害保険協会会長・外国損害保険協会会長・全国自動車共済協同組合連合会会長・全国労働者共済生活協同組合再共済連合会理事長・全国トラック交通共済協同組合連合会会長・全国共済農業協同組合連合会代表理事会長・自動車保険料率算定会理事長あて

通知

自動車損害賠償保障法及び関係政省令の改正等に伴う事務の実施細目について

平成一三年六月に政府再保険の廃止及び被害者保護の充実を内容とする自動車損害賠償保障法(昭和三〇年法律第九七号。以下「法」という。)が改正され、また同年一二月に関係政省令が制定・改正され、それぞれ平成一四年四月一日から実施されることになったが、これらの改正等に伴う事務の実施については、次の実施細目のとおり取り扱うこととし、平成一四年四月一日から実施することとしたので、傘下会員、傘下組合等に周知願います。

なお、新法の経過措置規定により従前のとおり取り扱うこととしているものがあることを念のため申し添えます。

実施細目
1 政府再保険の廃止等
(1) 政府再保険の廃止
政府による再保険は、契約の始期が平成一四年四月一日以降のものから廃止する。従って、契約の始期が同日以降のものについては従前の手続きは必要としない。
(2) 追加保険料の廃止
追加保険料(追加共済掛金)の支払義務は、契約の始期にかかわらず、平成一四年四月一日以降に死亡した事案から廃止する。

2 支払基準(法第一六条の三関係)
法第一六条の三第一項の規定による支払基準として、別添のとおり「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」(平成一三年金融庁・国土交通省告示第一号。以下「支払基準」という。)を定めたので、平成一四年四月一日以降に発生した事故からこれに従つて支払うものとし、現行の自動車損害賠償責任保険(共済)支払基準は廃止する。ただし、平成一四年三月三一日以前に発生した事故については、なお従前の例による。

3 情報提供
書面の交付及び書面等による説明については、次のとおり行うものとし、平成一四年四月一日から実施するものとする。
なお、処理中の事案については、保険金(共済金)等の請求が平成一四年四月一日以降の場合は法第一六条の四及び法第一六条の五の規定を適用し、保険金等の請求は同年三月三一日以前であるが支払を行った日又は支払わないことを請求者に通知した日は同年四月一日以降の場合は法第一六条の四第二項又は第三項及び第四項並びに法第一六条の五の規定を適用することとする。
また、次の(一)から(四)までについては、被害者に対する情報提供を念頭においているが、被保険者(被共済者)に対する情報提供については、被害者のプライバシーに配慮しつつ必要な事項を行うものとする。
(1) 保険金(共済金)等の支払請求があった時(法第一六条の四第一項及び自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払の適正化のための措置に関する命令(平成一三年内閣府・国土交通省令第二号。以下「支払適正化措置省令」という。)第二条関係)
1) 非一括払の場合
支払基準の概要、保険金(共済金)等の支払の手続の概要及び指定紛争処理機関の概要を記載した書面を交付すること。
2) 一括払の場合
被害者と初期に接触した時点で次の事項を記載した書面を交付すること。
(i) 一括払制度の概要
(ii) 被害者は自賠責保険(共済)に直接請求できること
(iii) 一括払額は自賠責保険(共済)支払限度額内では自賠責保険(共済)の支払基準による積算額を下回らないこと
(iv) 自賠責保険(共済)支払基準の概要
(v) 指定紛争処理機関等紛争処理の仕組みの概要
(vi) 自賠責保険(共済)の請求から支払までの手続の概要等
(2) 保険金(共済金)等の支払いを行った時(第一六条の四第二項及び支払適正化措置省令第三条関係)
1) 非一括払の場合
事故の年月日、死亡、後遺障害、死亡に至るまでの傷害及び傷害ごとの支払金額を記載した書面を交付すること。
後遺障害の等級及び当該判断理由、減額を行った場合の減額割合及び当該判断理由並びにこれらに対する異議申立ての手続を記載した書面を交付すること。また、以下に掲げる事案については当該判断の理由を具体的に記載すること。
(i) 後遺障害のうち併合、加重及び相当の事案、外貌醜状の事案、並びに九級以上の神経系統の機能又は精神の障害及び胸腹部臓器の機能障害の事案
(ii) 重大な過失により減額を行った事案のうち、死亡事案及び傷害の程度等により被害者から事故状況の説明を受けることができなかった傷害事案
(iii) (ii)以外の重大な過失により減額を行った傷害事案のうち、異議申立により詳細に審査を行った事案
(iv) 受傷と死亡又は後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難なため、減額を行った事案
2) 一括払の場合
示談額提示の時点において、自賠責保険(共済)支払限度額内の事案については、示談提示額は自賠責保険(共済)支払基準に従って積算した額より低い額ではないこと及び自賠責保険(共済)支払基準の概要を(1)で交付した書面等を活用して説明すること。
認定結果の連絡時等において、後遺障害の等級及び当該判断理由、減額を行った場合の減額割合及び当該判断理由並びにこれらに対する異議申立ての手続を記載した書面を交付すること。
また、以下に掲げる事案については、当該判断の理由を具体的に記載すること。
(i) 後遺障害のうち併合、加重及び相当の事案、外貌醜状の事案、並びに九級以上の神経系統の機能又は精神の障害及び胸腹部臓器の機能障害の事案
(ii) 重大な過失により減額を行った事案のうち、死亡事案及び傷害の程度等により被害者から事故状況の説明を受けることができなかった傷害事案
(iii) (ii)以外の重大な過失により減額を行った傷害事案のうち、異議申立により詳細に審査を行った事案
(iv) 受傷と死亡又は後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難なため、減額を行った事案
(3) 保険金(共済金)等を支払わないこととした時(法第一六条の四第三項及び支払適正化措置省令第四条関係)
1) 非一括払の場合
事故状況の概要、被保険者(被共済者)に損害賠償の責任がない場合(無責事案、他人性がない事案、自損事故事案及び請求時効が完成している事案)の判断理由、事故により損害が発生していない場合(運行起因性のない事案、因果関係がない事案及び後遺障害非該当の事案)の判断理由及び保険会社(組合)がてん補の責を免れる場合(保険契約者(共済契約者)又は被保険者(被共済者)が悪意の事案)の判断理由を具体的に説明した書面を交付すること。
また、当該書面には、これらに対する異議申立ての手続を記載すること。
2) 一括払の場合
一括社が自賠社と連携して非一括払の場合と同様に行うこと。
(4) (2)又は(3)による交付又は説明等を行った後詳細な説明を求められた時(法第一六条の五第一項及び支払適正化措置省令第七条関係)
1) 非一括払の場合
(i) 損害の細目及びその積算根拠については、詳細を記載した書面を交付すること。この場合、法第一五条の規定に基づく被保険者(被共済者)からの請求又は法第一六条の規定に基づく被害者からの請求が競合している事案については、それぞれの請求者に支払われた額の詳細について記載する必要はなく、説明を求めた者に支払われたものについてその詳細を記載することとし、他の者に支払われたものについては、その額のみを記載すること。ただし、自賠責保険(共済)支払限度額を超える事案については、当該限度額を超えている旨の記載をもって足りることとする。
(ii) 後遺障害等級の判断理由の詳細については、「後遺障害等級認定票」、「後遺障害事案整理票」、「面接調査票」等を交付すること。
(iii) 減額を行った場合の減額割合の判断理由の詳細及び損害賠償責任が発生していないと判断した場合の判断理由の詳細については、「事故発生状況図」、減額適用上の過失割合、減額理由等を説明した書面を交付すること。
(iv) 事故により損害が発生していないと判断した場合の判断理由の詳細については、「因果関係事案整理票」等を交付すること。
(v) 保険会社等がてん補の責を免れる場合の判断理由の詳細については、事案に応じて具体的に説明した書面を交付すること。
なお、(i)から(v)に掲げる書面を既に交付している場合は、その旨を説明することとする。
2) 一括払の場合
自賠社において非一括払の場合と同様に行うこと。ただし、一括社が対応する場合は自賠社と連携して行うこと。
(5) (1)から(4)までに記載された事項以外についても、プライバシーの保護に配慮しつつ、できる限り情報提供するものとする。

4 保険金額(共済金額)(法施行令第二条、法施行令別表関係)
神経系統若しくは精神又は胸腹部臓器に著しい障害を残し介護を要する後遺障害の保険金額(共済金額)が、常時介護については四、〇〇〇万円に、随時介護については三、〇〇〇万円に引き上げられたが、複数の後遺障害を有する場合、自動車損害賠償法施行令(昭和三〇年政令第二八六号)別表第一内における併合及び同令別表第一と別表第二を通じての併合は行わないので注意すること。また、同令別表第一及び別表第二の障害が両方ある場合は支払基準の適用上被害者に有利なものを認定すること。

5 保険金(共済金)の支払に関する紛争処理制度(法第二三条の五~法第二三条の二一、支払適正化措置省令第一一条~第二六条関係)
保険金(共済金)等の支払いについて紛争が生じた場合の紛争処理機関として「財団法人自賠責保険・共済紛争処理機構」が設置され、公正中立で専門的な知見を有する弁護士、医師等で構成する紛争処理委員が調停を行うこととなった。
この機関は、法第二三条の五の規定に基づき国土交通大臣及び内閣総理大臣の指定を受けて自賠責保険(共済)に係る保険金(共済金)の支払いに関する紛争処理(調停)を行うもので、東京と大阪において平成一四年四月から業務を行うこととしている。

6 届出事案(法第一六条の六、法施行規則第三条~第三条の二関係)
法第一六条の六に定める届出については、死亡事案若しくは後遺障害事案のうち後遺障害等級第一級から第三級までに該当するもの若しくは併合、加重若しくは相当に該当するものについて保険金(共済金)等の支払いを行ったとき又は請求があったにもかかわらず3(3)により保険金(共済金)等を支払わないこととした理由を記載した書面を交付したときに行うものとし、平成一四年四月一日から適用するものとする。
なお、政府との間で再保険契約が成立しているものについては、従来通りの取り扱いをするものとし、届出は必要としない。

7 報告及び立入検査(第二三条の二関係)
別途通知する。

8 通達の廃止
次に掲げる通達は廃止する。ただし、1)及び2)について、平成一四年三月三一日以前に発生した事故については、なお従前の例によるものとし、3)、4)及び5)について、契約の始期が平成一四年三月三一日以前の契約については、なお従前の例によるものとする。
1) 「自動車損害賠償責任保険(共済)支払基準について」(昭和五〇年一月二二日付け自保第二五八号、最終改正平成一一年一二月二四日付け自保第二五六号)
2) 「自動車損害賠償責任保険(共済)支払基準における被害者に重大な過失がある場合の損害額等の減額の取扱いについて」(平成一〇年二月二〇日付け自保第三一号)
3) 「自動車損害賠償責任保険契約通知書の早期提出について」(昭和四二年五月一五日付け自再第二一五号)
4) 「自動車損害賠償責任再保険事業における再保険(保険)金請求添付書類について」(昭和五〇年三月三一日付け自再第七二号)
5) 「自動車損害賠償保障法施行規則の一部改正について」(平成五年七月二九日付け自保第二〇三号)

実況見分調書作成時の留意点

1(1)   加害者が不起訴になった場合,検察庁において供述調書が開示されることはない(刑事訴訟法47条本文参照)ものの,実況見分調書は開示されます。
   そして,過失割合が争いになった場合,実況見分調書は信用性の高い証拠として非常に重視されることとなります。
   そのため,警察の実況見分にはできる限り立ち会うようにするとともに,実況見分調書の作成に立ち会った場合,担当の警察官に対して事故当時の状況を正確に説明できるようにしてください。
(2)  事故直後に加害者が自分の非を認めていたという事実は,示談や訴訟においてあまり大きな意味を持たないのであって,実況見分調書の記載の方が遙かに大事です。

2 実況見分調書は,客観的に記載するように努め,被疑者,被害者その他の関係者に対し説明を求めた場合においても,その指示説明の範囲をこえて記載することのないように注意しなければならないとされています(犯罪捜査規範105条1項)。

(1) 警察に提出した診断書に書いてある加療期間が約3週間を超える交通事故の場合, 「過失運転致傷等事件に係る特例書式について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達)に基づき,実況見分調書,交通事故現場見取図,被疑者供述調書,被害者供述調書等が作成されることが多いです。
   これに対して,警察に提出した診断書に書いてある加療期間が約3週間以下の交通事故の場合,「過失運転致傷等事件に係る簡約特例書式について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達)に基づき,現場の見分状況書,被疑者供述調書,被害者供述調書等が作成されることが多いです(「交通事故事件の刑事記録」参照)。
(2) 実務上は,「現場の見分状況書」も含めて,「実況見分調書」と呼んでいます。4 警察官が交通事故現場の実況見分を行った際,被疑者,被害者その他の関係者の指示説明の範囲をこえて,特にその供述を実況見分調書に記載する必要がある場合,関係者の署名押印を求めてきますものの,署名押印は拒絶することができます(犯罪捜査規範105条2項前段・刑事訴訟法198条5項ただし書)。5 警察の実況見分に立ち会う際,道路標識の意味(運転免許 学科試験模擬問題集HP「道路標識の種類と意味」参照)を復習しておいた方がいいです。
   また,道路に引かれている黄色及び白色の線の意味,バイクのすり抜けの過失割合等については,「センターライン,車線境界線及びバイクのすり抜け」を参照して下さい。

6 「過失運転致傷等事件に係る特例書式の運用について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達) ,及び「過失運転致傷等事件に係る簡約特例書式の運用について」(平成26年5月14日付の警察庁交通局長・刑事局長通達)には以下の記載があります。
そのため,交通事故現場における加害者の態度等にかんがみ,加害者が警察に対して嘘の説明をしている可能性がある場合(例えば,先行車の進路変更に伴う交通事故において,進路変更前に方向指示器を出していなかったのに出していたと言い張る可能性がある場合),交通事故の態様に関して後日問題となるおそれが大きいなどと主張して,被害者立ち会いの下での実況見分調書の作成を警察に対して依頼した方がいいです。
立会人
  原則として当事者を立ち会わせること。ただし、当事者のいずれかが病院等に収容されたような場合は、立会可能な当事者等を立ち会わせること。
   病院等に収容された当事者が立会可能となった場合は、その段階でその者を立ち会わせて改めて実況見分を行うこと。ただし、1回目の見分により真相が究明され、後日問題となるおそれがない場合で、その見分を被疑者の立会いの下で実施しているときは、この限りでない。

7 弁護士によるマンガ交通事故相談HP「警察との関係」には,「実況見分が実施される時期は、法律の定めはないものの、概ね事故発生から1週間から1か月前後で実施されるようです。」と書いてあります。

8 「交通事故被害者が警察に対応する場合の留意点」も参照してください。

被害者に関する犯罪捜査規範の条文

◯被害者に関する犯罪捜査規範の条文は以下のとおりです。

(秘密の保持等)
第九条   捜査を行うに当たつては、秘密を厳守し、捜査の遂行に支障を及ぼさないように注意するとともに、被疑者、被害者(犯罪により害を被つた者をいう。以下同じ。)その他事件の関係者の名誉を害することのないように注意しなければならない。
2   捜査を行うに当たつては、前項の規定により秘密を厳守するほか、告訴、告発、犯罪に関する申告その他犯罪捜査の端緒又は犯罪捜査の資料を提供した者(第十一条(被害者等の保護等)第二項において「資料提供者」という。)の名誉又は信用を害することのないように注意しなければならない。

(関係者に対する配慮)
第十条   捜査を行うに当つては、常に言動を慎み、関係者の利便を考慮し、必要な限度をこえて迷惑を及ぼさないように注意しなければならない。

(被害者等に対する配慮)
第十条の二   捜査を行うに当たつては、被害者又はその親族(以下この節において「被害者等」という。)の心情を理解し、その人格を尊重しなければならない。
2   捜査を行うに当たつては、被害者等の取調べにふさわしい場所の利用その他の被害者等にできる限り不安又は迷惑を覚えさせないようにするための措置を講じなければならない。

(被害者等に対する通知)
第十条の三   捜査を行うに当たつては、被害者等に対し、刑事手続の概要を説明するとともに、当該事件の捜査の経過その他被害者等の救済又は不安の解消に資すると認められる事項を通知しなければならない。ただし、捜査その他の警察の事務若しくは公判に支障を及ぼし、又は関係者の名誉その他の権利を不当に侵害するおそれのある場合は、この限りでない。

(被害者等の保護等) 
第十一条   警察官は、犯罪の手口、動機及び組織的背景、被疑者と被害者等との関係、被疑者の言動その他の状況から被害者等に後難が及ぶおそれがあると認められるときは、被疑者その他の関係者に、当該被害者等の氏名又はこれらを推知させるような事項を告げないようにするほか、必要に応じ、当該被害者等の保護のための措置を講じなければならない。 

2   前項の規定は、資料提供者に後難が及ぶおそれがあると認められる場合について準用する。

(捜査の回避) 
第十四条   警察官は、被疑者、被害者その他事件の関係者と親族その他特別の関係にあるため、その捜査について疑念をいだかれるおそれのあるときは、上司の許可を得て、その捜査を回避しなければならない。

(親告罪の要急捜査)
第七十条   警察官は、親告罪に係る犯罪があることを知つた場合において、直ちにその捜査を行わなければ証拠の収集その他事後における捜査が著しく困難となるおそれがあると認めるときは、未だ告訴がない場合においても、捜査しなければならない。この場合においては、被害者またはその家族の名誉、信用等を傷つけることのないよう、特に注意しなければならない。

(現場における負傷者の救護等)
第八十五条   警察官は、現場を臨検した場合において負傷者があるときは、救護の処置をとらなければならない。
2   前項の場合において、ひん死の重傷者があるときは、応急救護の処置をとるとともに、その者から犯人の氏名、犯行の原因、被害者の氏名、目撃者等を聴取しておかなければならない。
3   前項の重傷者が死亡したときは、その時刻を記録しておかなければならない。

(現場における捜査の要点)
第九十条   現場において捜査を行うに当たつては、現場鑑識その他の科学的合理的な方法により、次に掲げる事項を明らかにするよう努め、犯行の過程を全般的に把握するようにしなければならない。
一   時の関係
イ 犯行の日時及びこれを推定し得る状況
ロ 発覚の日時及び状況
ハ 犯行当時における気象の状況
ニ その他時に関し参考となる事項
二   場所の関係
イ 現場に通ずる道路及びその状況
ロ 家屋その他現場附近にある物件及びその状況
ハ 現場の間取等の状況
ニ 現場における器具その他物品の状況
ホ 指掌紋、足跡その他のこん跡並びに遺留物件の位置及び状況
ヘ その他場所に関し参考となる事項
三   被害者の関係
イ 犯人に対する応接その他被害前の状況
ロ 被害時における抵抗、姿勢等の状況
ハ 傷害の部位及び程度、被害金品の種別及び数量等被害の程度
ニ 死体の位置及び創傷、流血その他の状況
ホ その他被害者に関し参考となる事項
四   被疑者の関係
イ 現場についての侵入及び逃走の経路
ロ 被疑者の数及び性別
ハ 犯罪の手段、方法その他犯罪実行の状況
ニ 被疑者の犯行の動機並びに被害者との面識及び現場についての知識の有無を推定し得る状況
ホ 被疑者の人相、風体、特徴、習癖その他特異な言動等
ヘ 凶器の種類、形状及び加害の方法その他加害の状況
ト その他被疑者に関し参考となる事項

 (資料を発見した時の措置)
第九十二条   遺留品、現場指掌紋等の資料を発見したときは、年月日時及び場所を記載した紙片に被害者又は第三者の署名を求め、これを添付して撮影する等証拠力の保全に努めなければならない。

 (実況見分調書記載上の注意)
第百五条   実況見分調書は、客観的に記載するように努め、被疑者、被害者その他の関係者に対し説明を求めた場合においても、その指示説明の範囲をこえて記載することのないように注意しなければならない。 
2   被疑者、被害者その他の関係者の指示説明の範囲をこえて、特にその供述を実況見分調書に記載する必要がある場合には、刑訴法第百九十八条第三項 から第五項 までおよび同法第二百二十三条第二項 の規定によらなければならない。この場合において、被疑者の供述に関しては、あらかじめ、自己の意思に反して供述をする必要がない旨を告げ、かつ、その点を調書に明らかにしておかなければならない。 

 (微罪処分の際の処置)
第二百条   第百九十八条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。
一   被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。
二   親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれらの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を与えて、その請書を徴すること。
三   被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当な方法を講ずるよう諭すこと。

都道府県公安委員会に対する苦情申出制度

1(1) 警察職員が,職務執行において違法,不当な行為をしたり,なすべきことをしなかったりしたことによって,何らかの不利益を受けた場合,都道府県公安委員会に対し,文書により苦情の申出をすることができます(警察法79条)。
そのため,例えば,実況見分における警察官の対応について違法不当な行為があった場合,都道府県公安委員会に対し,文書により苦情の申出をすることができます。
ただし,交通違反について,後日否認を申し出る場合,取り締まった警察署等に申し出る必要があります。
(2) 大阪府公安委員会に対する苦情申出については,大阪府警察HPの「苦情申出制度のご案内」を参照して下さい。

2(1) 都道府県公安委員会における苦情申出制度の運用状況については,警察庁作成の以下の資料を参照してください。
・ 平成23年中の苦情申出制度の運用状況について
・ 平成24年中の苦情申出制度の運用状況について
・ 平成25年中の苦情申出制度の運用状況について
・ 平成26年中の苦情申出制度の運用状況について
・ 平成27年中の苦情申出制度の運用状況について
・ 平成28年中の苦情申出制度の運用状況について
・ 平成29年中の苦情申出制度の運用状況について
・ 平成30年中の苦情申出制度の運用状況について
(2) 警察庁長官官房首席監察官が作成した文書です。

3 「交通事故被害者が警察に対応する場合の留意点」も参照してください。

被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録

「被害者等に対する不起訴事件記録の開示について」(平成20年11月19日付の法務省刑事局長依命通達)によれば,被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において,閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録は,以下のとおりです(意味の同一性を失わない限度で,閲覧・謄写を請求する側の表現に変えています。)。
○通達原文では,供述調書等につき,代替性がない場合,例外的に閲覧が認められ,供述者が死亡する「など」代替性がない場合,例外的に謄写が認められると書いてあります。
   そのため,例えば,供述者は生存しているが,その連絡先が不明である場合,供述調書の閲覧は認められるが,供述調書の謄写は認められないのかもしれません。

1 客観的証拠の閲覧
   被害者参加対象事件の被害者等については,「事件の内容を知ること」等を目的とする場合であっても閲覧が可能ですから,原則として,代替性の有無にかかわらず,相当でないと認められる場合を除き,閲覧が認められます。

  具体的な証拠の取扱いについては,以下のとおりです。
(1) 実況見分調書,検証調書及びこれらに関する写真撮影報告書等については,原則として,閲覧が認められます。
   ただし,立会人の特定に関する記載や立会人が写っている写真等は,立会人のプライバシーにかかわるものであり,これが公になることにより第三者の協力が得られないこととなるおそれがあることなどから,マスキング等の措置がなされることがあります。

  その他,例えば,犯罪に関する痕跡のない部屋の見取図や写真についても,関係者のプライバシーという観点から,マスキング等の措置がなされることがあります。
  また,立会人の指示説明部分については,供述調書に準ずるものとして取り扱われますし,犯行状況の再現等のために行われた実況見分や検証の調書等についても同様です。
(2) 死者の検視調書,死亡診断書,死体検案書,死体の鑑定書及びこれらに関する写真撮影報告書等については,当該死者の遺族又はその代理人たる弁護士からの請求である場合,原則として,閲覧が認められます。
   この場合,死体の写真については,死者の名誉やプライバシーを侵害するおそれが高いことから,原則として,マスキングの措置が講じられますが,遺族及びその代理人たる弁護士からの強い要望があり,他に特段の弊害があるとは認められない場合,閲覧が認められることがあります。

  その場合,事前に遺族等に対し,死体の写真が衝撃的でショックを受けるおそれがあることなどを十分説明し,状況に応じて再考を促すなど,十分な意思確認が行われます。
(3) 身体の鑑定書,身体検査調書,診断書及びこれらに関する写真撮影報告書等については,鑑定等の対象となった被害者本人若しくはその親族又はその代理人たる弁護士からの請求である場合,原則として閲覧が認められます。
(4) 精神鑑定書等については,鑑定の対象者のプライバシー性がきわめて高いことから,原則として,閲覧が認められません。
  ただし,開示に伴う弊害がなく,かつ,開示を必要とする特段の事情があると認められる場合に限り,閲覧が認められます。例えば,鑑定の対象者等又はその代理人たる弁護士の有効な同意があるような場合には,鑑定人に及ぶ影響や弊害等も踏まえ,閲覧が認められることがあります。
(5) 信号機サイクル表については,原則として閲覧が認められます。
(6) 証拠物の写真撮影報告書,鑑定書等については,証拠物の性状等の客観的な事実を示すものですから,原則として,閲覧が認められます。
(7) 関係者の飲酒の有無・アルコール濃度に関する飲酒検知管,鑑定書等については,対象者が生存していても,原則として,閲覧に応じ,又はその結果の照会に対して回答してもらえます。

(8) その他の交通事故鑑定,速度違反,出火原因鑑定等の鑑定書については,原則として,閲覧が認められます。

2 供述調書等の閲覧
   供述調書等については,関係者の名誉・プライバシー,今後の捜査一般の円滑な遂行を害するおそれが高いため,原則として閲覧が認められていません。
  ただし,閲覧請求に係る供述調書等が代替性のないものであるときは,相当でないと認められる場合を除き,例外的に閲覧が認められることがあります。
  このように,供述調書については,原則として閲覧が認められませんが,被害者等の要望に応じて,不起訴処分をする際に,検察官において,処分理由の説明の一環として,必要と認められるときは供述内容を口頭で説明するなどの配慮が行われることがあります。

3 謄写できる部分
(1)   謄写については,当該事件が被害者参加対象事件であるか否かにかかわらず,民事訴訟等において被害回復のため損害賠償請求権その他の権利を行使する場合に限り,必要性及び相当性が認められる部分について認められることになっていますところ,通常は閲覧できる範囲と謄写できる範囲は同じです。

(2)   供述調書等については,供述人が死亡するなど代替性がないと認められる場合を除き,謄写が認められません。

4 「交通事故事件の刑事記録の入手方法」も参照してください。

検番等の入手方法等

1 検番等の調べ方
(1) 被害者代理人である弁護士が大阪地検で起訴事件の刑事記録を入手する場合,①交通事故証明書に記載されている警察署に対し,弁護士会照会(弁護士法23条の2に基づく照会)を利用して送致日,送致番号,罪名,送致検察庁及び検番(=検察庁の事件受付番号)を調査します。
(2) 交通事故証明書の「照合記録簿の種別」が「物件事故」となっている場合,実況見分調書は存在しません。
   そのため,担当の警察署に対し,交通事故直後の診断書を持参して「人身事故」に切り替えてもらう必要があります。

2 大阪弁護士会の23条照会を利用する場合の提出書類
(1) 大阪弁護士会会員が同会の弁護士会照会を利用する場合,令和元年10月1日以降,往復のレターパック料金1040円,及び弁護士会照会の手数料4400円の合計5440円が必要となります。
(2) 大阪弁護士会館6階の総務部総合管理課に対し,照会申出書1部,照会書3部及び回答書1部並びにレターパック2部提出すればいいです。
   ただし,レターパック2部は6階で販売していますから,6階で購入した後に宛名書きをすればいいです。
(3) レターパックにつき,1部は,「お届け先」のおところとして照会先の住所を,「ご依頼主」のおところとして大弁の住所(6階にゴム印が置いてあります。)を,「品名」に「23条照会書在中」(6階にゴム印が置いてあります。)と記載すればいいです。
   もう1部につき,「お届け先」のおところとして大弁の住所を,「品名」として「23条照会書在中」(弁護士山中理司)と記載し,「ご依頼主」は空欄にしておけばいいです。
(4) 弁護士の職印を付く場所は,照会申出書にしかありません。
(5) 大阪弁護士会では,交通事故事案であっても照会先が警察署でない場合,交通事故証明書には関係者のプライバシー情報が多く含まれていることにかんがみ,弁護士会照会の照会書に疎明資料は添付しないのが原則になっています(月刊大阪弁護士会2019年2月号67頁)。


3 弁護士会照会の照会書の記載方法
   弁護士会照会の照会書における「2.申出の理由」及び「3.照会事項」は以下のとおり記載します。
① 「2.申出の理由」
   申出弁護士は,別紙交通事故証明書記載の交通事故(以下「本件交通事故」という。)について,依頼者より,加害者に対する損害賠償請求の依頼を受けており,事故態様を明らかにするため,刑事記録を閲覧・謄写する必要があります。
② 「3.照会事項」

   本件交通事故に関し,下記の者について,以下の事項にご回答下さい。
(1) 検察庁へ送致済ですか。
未送致の場合は送致後にご回答ください。
また,送致予定がない場合は,その旨をご回答ください。
(2) 送致済の場合は,送致日,送致番号,罪名,送致検察庁,検番。

(氏名) 「甲野太郎」及び「乙野次郎」

4 被害者本人が検番等を教えてもらえること
(1) 被害者本人が①本人確認書類(例えば,運転免許証)及び②交通事故証明書を持参して交通事故証明書に書いてある警察署交通課を平日に訪問すれば,弁護士会照会を利用しなくても検番等を教えてもらえます。
(2) 被害者本人が警察署に電話をしても本人確認ができませんから,検番等を教えてもらうことはできません。

5 検番に関する事件事務規程の定め
○事件受理の管理について定める事件事務規程5条は以下のとおりです。条文上は「検番」ではなく,「事件番号」と書いてあります。

1 事件担当事務官は,事件を受理したときは,検察システムによりその旨を管理するとともに,次の表に掲げる区別に従い,事件番号を事件記録表紙等に記入する。
受理の事由  事件番号の記入箇所
第3条第1号 送致(付)書の所定欄
同条第2号  移送書(甲)(様式第3号)又は移送書(乙)(様式第4号)
同条第3号  家庭裁判所で添付した送付書
同条第4号  直受事件表紙(様式第5号)を付し,その所定欄
同条第5号か 認知・再起事件表紙(様式第6号)を付し,その所定欄
ら第8号まで
2 事件番号は,第3条各号の所定の事由が生じるごとに,被疑者1名につき1番号を付し,暦年ごとに改める。この場合において,第3条第2号,第3号,第6号,第7号又は第8号に掲げる事由により受理手続をするときは,その事件が処理されたときに被疑者に付されていた事件番号の数に応じた事件番号を付するものとする。
3 被疑者の数が不明である事件については,その人員を1名として番号を付し,後に被疑者の数が判明した場合において,その数が2名以上であるときは,その1名を超える人員については,第3条第5号に掲げる事由があるものとして,新たに受理手続をするものとする。

4 事件番号は,「 年検第 号」と呼称する。

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刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)

1 検察庁での記録の閲覧・謄写
(1) 弁護人は,第1回の公判期日前に,検察官が取調べを請求する予定の証拠書類及び証拠物を閲覧する機会を与えられます(刑訴法299条,刑訴規則178条の6第1項1号参照)。

   そのため,加害者は,依頼している弁護人に依頼すれば,起訴事件の刑事記録を入手できます。
(2)ア 弁護人として大阪地検本庁で公判提出予定記録の閲覧をする場合,午前であれば11時40分までに,18階の窓口に,証拠書類閲覧・謄写申請書及び弁護人選任届等の写しを持参する必要があります。
   ただし,事前に予約をする必要はありません。
イ 弁護人として神戸地検本庁で公判提出予定記録の閲覧をする場合,神戸地検5階の会議室で閲覧することとなります。

2 検察庁の開示証拠の目的外利用の禁止
(1) 平成17年11月1日施行の刑訴法に基づき,被告人又は被告人であった者が,検察官において被告事件の審理の準備のために閲覧又は謄写の機会を与えた証拠(=開示証拠)に係る複製等を,刑事裁判以外の目的で,人に交付し,又は提示し,若しくはインターネットに載せることは禁止されています(刑訴法281条の4)。

   被告人又は被告人であった者がこれに違反した場合,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(刑訴法281条の5第1項)。 
(2) 東京地裁は,平成26年3月2日,法廷で警備職員にかみついた公務執行妨害事件の証拠を動画投稿サイト「ユーチューブ」に掲載した男性に対し,開示証拠の目的外使用の罪により,懲役6月,執行猶予2年の有罪判決を言い渡しました(ストーン・リバーブログ「やったな!証拠の目的外使用で逮捕・有罪!」参照)。

3 弁護人が被告人に検察庁の開示証拠を交付する場合の注意点
(1) 弁護士は,開示証拠の複製等を被告人に交付等するときは,被告人に対し,複製等に含まれる秘密及びプライバシーに関する情報の取扱いに配慮するように注意を与えなければなりません(開示証拠の複製等の交付等に関する規程(平成18年3月3日会規第74号)(平成18年4月1日施行)3条1項)。
   また,弁護士は,開示証拠の複製等を交付等するに当たり,被告人に対し,開示証拠の複製等を審理準備等の目的以外の目的でする交付等の禁止及びその罰則について規定する刑訴法281条の4第1項及び281条の5第1項の規定の内容を説明しなければなりません(開示証拠の複製等の交付等に関する規程3条2項)。
(2) 弁護士が被告人に刑事記録を交付する場合,事件の検討に直接関係しない犯罪被害者等の個人情報はマスキングすることがあります(東弁リブラ2014年8月号「開示記録を差し入れる際の注意点」参照)。
(3) 交通事故に関する被告人甲の刑事事件を担当した弁護士が後日,交通事故に関する甲の民事事件の代理人弁護士に対し,マスキングの処置といった秘密保持への配慮もなく刑事記録の全部を提供した場合,弁護士職務基本規程18条1項に違反することとなります(弁護士自治を考える会HPの2016年5月10日付の記事参照)。

4 裁判所提出記録の閲覧・謄写
(1)ア 弁護人は,起訴後,裁判所において,訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し,かつ,謄写することができます(刑事訴訟法40条,刑事訴訟規則31条及び301条)。
イ 略式請求手続においても,弁護人は訴訟記録の閲覧謄写ができます(はてなブログの「略式命令請求手続、訴訟記録の閲覧謄写」参照)。
(2) ちなみに,検察官は,起訴後,裁判所構外においても,訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し,かつ,謄写することができます(刑事訴訟法270条,刑事訴訟規則301条)。
(3) 被告人は,弁護人がついていない場合に限り,公判調書だけを閲覧することができる(刑事訴訟法49条,刑事訴訟規則50条)のであって,それ以外の刑事記録を閲覧することはできません。

5 被害者特定事項に関する配慮
(1) 証人等の安全が害されるおそれがある場合,弁護人は,被告人を含む関係者に対し,証人等の安全について配慮を求めることができます(刑訴法299条の2)。
(2) 被害者特定事項が明らかにされることにより,被害者等の安全が著しく害されるおそれがある場合において,検察官から配慮を求められたときは,弁護人は,被告人その他の者に被害者特定事項を知られないように配慮しなければなりません(刑訴法299条の3)。

6 民事事件等で起訴事件の刑事記録を利用したい場合
(1) 民事事件等で起訴事件の刑事記録を利用したい場合,検察官請求証拠又は弁号証として取り調べられた書証を刑事事件が係属している裁判所で謄写すればいいと思います。
(2)  平成18年3月3日の日弁連臨時総会の議事概要には,以下の記載があります。
   石崎和彦会員(第二東京)より、例えば、松川事件の広津和郎氏の場合のように、裁判所において取り調べ済みの捜査記録を報道機関などに資料として提示するなど、社会に向かって不当性を訴えていくことは、第4条に該当するか、また、第4条にただし書として、違法性がない旨を入れて頂きたいとの質問がなされた。これに対し、星副会長から、十分に理解のできることであるが、例えば、強姦事件の被害者の調書、有名人のプライバシーを記載した調書、企業秘密に属することが記載された調書などのように、公開の法廷において調べられた記録であれば、目的を問わず、どんな使用をしても懲戒の対象にはならない旨明文で言い切ってしまうことは賛成し難いが、被告人の防御のため、法廷で取り調べ済みのもの、現実に第三者の秘密、プライバシー、名誉が侵害されたのでなければ、多くの場合違法性が阻却されるであろうことは、刑訴法第281条の4第2項で考慮すべき事項として盛られていて、無罪を勝ち取るために闘っている弁護人が懲戒の対象になることは、例外的なケースであると思われ、ただ、自主判断事項なので、弁護士自治により我々が懲戒手続の中で判断することになるとの答弁がなされた。 

7 判決書謄本交付請求及び調書判決
(1) 弁護人が裁判所に対し,判決宣告の日から14日以内に判決書の謄本の交付請求をした場合(刑事訴訟法46条),判決書を必ず作成してもらえます(刑事訴訟規則219条1項ただし書)。

   しかし,弁護人が裁判所に対し,判決書の謄本の交付請求をしなかった場合,裁判所書記官が判決主文並びに罪となるべき事実の要旨及び適用した罰条を判決の宣告をした公判期日の調書の末尾に記載することで,判決書に代えることがあり(刑事訴訟規則219条1項本文),これを調書判決といいます。
(2) 判決書が作成された場合,調書判決と異なり,証拠の標目が記載されます(刑事訴訟法335条1項参照)し,通常は量刑の理由も記載されます。
(3) 弁護人が判決書の謄本の交付請求をする場合,1枚当たり60円の収入印紙が必要となります(刑事訴訟法施行法10条1項前段)。

7 「交通事故事件の刑事記録の入手方法」も参照してください。

刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)

以下の記載は,被害者又はその代理人弁護士が,加害者の刑事裁判係属中に,起訴事件の刑事記録を入手する場合に関する取扱いです。

1 第1回公判期日前の,最高検察庁の通達に基づく刑事記録の閲覧・謄写
(1) 第1回公判期日前の,最高検察庁の通達に基づく刑事記録の閲覧・謄写は,加害者の刑事裁判に対して被害者参加の申出をした被害者(刑事訴訟法316条の33以下)(以下「被害者参加人」といいます。)についてだけ認められています。
(2) 被害者参加人は,原則として,検察官請求証拠の閲覧が認められているものの,謄写までは認められていません。
   しかし,被害者参加人から委託を受けた弁護士が検察官請求証拠の謄写を求めた場合,謄写を求める理由や対象となる証拠の内容等に鑑みて,謄写の必要性が認められ,かつ,謄写に伴う弊害が認められないときであれば,被告人の身上調書,戸籍謄本,前科調書等を除く検察官請求証拠の謄写まで認められています。
(3)ア 「犯罪被害者等の権利利益の尊重について」(平成26年10月21日付の最高検察庁次長検事通達)4項には,以下の記載があります。
   対象被害者等から、検察官が証拠調べ請求をすることとしている証拠の開示を求められたときは、事案の内容、捜査·公判に支障を及ぼすおそれや関係者の名誉·プライバシーを害するおそれの有無·程度等を考慮して相当でないと認める場合を除き、当該証拠の閲覧を認めるなど、弾力的な運用に努められたい。なお、対象被害者等に証拠を開示するに当たっては、これにより知り得た事項をみだりに使用することのないよう注意を喚起するなど、適切な情報管理に配意されたい。
イ 「「犯罪被害者等の権利利益の尊重について(依命通達)」の発出について」(平成26年10月21日付の最高検察庁総務部長及び公判部長の通達)第3・3項(2)イには,以下の記載があります。
   被害者参加人が適切かつ効果的に訴訟行為を行うためには,あらかじめ,証拠関係を十分把握する必要があるし,被害者等が被害者参加の申出をするか否かを判断するに当たっても,証拠関係を十分に把握することが必要な場合もあると考えられる。そして,検察官手持ち証拠のうち,検察官が当該被告事件について証拠調べ請求をすることとしている証拠(以下「検察官請求証拠」という。)については,検察官が当該被告事件の罪体及び情状の立証に必要であると判断した証拠であるので,上記いずれの観点からも一般に開示の必要性が高いと考えられる一方,検察官証拠請求は,検察官が後に公判廷で明らかにすることを予定している証拠であるので,一般に開示による弊害も少ないと考えられる。そこで,本依命通達3の(2)後段は,対象被害者等から,検察官請求証拠の開示を求められたときは,原則としてその閲覧を認めるなど,弾力的な運用に努めることを求めるものである。
   同後段は,対象被害者等から証拠の開示を求められた場合に,検察官請求証拠については原則としてその閲覧を認めることとする点にその趣旨があるのであって,それ以外の検察官手持ち証拠の開示を一律に禁止する趣旨ではない。したがって,例えば,刑事訴訟法第316条の15第1項又は第316条の20第1項の規定により検察官が被告人又は弁護人に開示した証拠についても,開示の必要性及び開示に伴う弊害の有無·程度を考慮して相当と認められるときは,これを開示することとしても差し支えない。
   また,同後段は,閲覧の方法により開示することを原則としている。これは,証拠の謄写まで認めることとすると,種々の弊害が生じるおそれが大きくなることを考慮してのことである。したがって,同後段は,証拠の謄写を一律に禁止するものではなく,例えば,被害者参加人から委託を受けた弁護士から証拠の謄写を求められた場合において,謄写を求める理由や対象となる証拠の内容等に鑑みて,謄写の必要性が認められ,かつ,謄写に伴う弊害が認められないときは,証拠の謄写を認めて差し支えない。

2 第1回公判期日後の,犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写等
(1)   
犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写

ア 犯罪被害者保護法3条に基づく刑事記録の閲覧・謄写は,被害者参加人に限らず,被害者一般に認められています。
イ 加害者について刑事裁判が係属している場合,第1回の公判期日後,刑事事件の判決が確定するまでの間において,裁判所は,刑事裁判の被害者等から公判記録の閲覧又は謄写の申出があるときは,①閲覧又は謄写を求める理由が正当でないと認める場合及び②犯罪の性質,審理の状況その他の事情を考慮して閲覧又は謄写をさせることが相当でないと認める場合を除き,閲覧又は謄写をさせるものとすることとされています(犯罪被害者保護法3条1項)。
   つまり,被害者は,被害者参加の申し出をしていない場合であっても,第1回公判期日以降であれば,原則として,加害者の刑事裁判を担当している裁判所の刑事部で刑事記録の閲覧・謄写ができるということです。
ウ(ア) 裁判所は,刑事記録の謄写をさせる場合において,謄写した刑事記録の使用目的を制限し,その他適当と認める条件を付することができます(犯罪被害者保護法3条2項)。

   また,刑事記録を閲覧し又は謄写した者は,閲覧又は謄写により知り得た事項を用いるに当たり,不当に関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し,又は捜査若しくは公判に支障を生じさせることのないよう注意しなければなりません(犯罪被害者保護法3条3項)。
   そのため,実務上は誓約書の提出を条件に刑事記録のコピーを認めてもらいます。また,日を改めて刑事記録のコピーをする場合,改めて誓約書を提出する必要があります。
(イ) 犯罪被害者保護法3条に基づく閲覧・謄写の場合であっても,被告人の身上調書,戸籍謄本,前科調書等は通常,対象外となります。

(ウ) 犯罪被害者保護法3条に基づく閲覧・謄写の場合,刑事裁判に提出された記録だけが対象となります。
   そして,弁護人が「不同意」にした部分については,該当部分が黒塗りにされた状態で裁判所の記録となっていますから,そもそも閲覧すらできません。
エ 犯罪被害者保護法に基づく刑事記録の閲覧又は謄写は,判決書を謄写する場合であっても,当該被告事件の確定前に申出人の閲覧又は謄写が完了していなければなりません(法務省HPの「平成19年改正刑事訴訟法等に関する意見交換会」の第12回会合議事録2頁参照)。
オ 被害者が刑事記録の閲覧をする場合,刑事事件記録等閲覧・謄写票に150円の収入印紙を貼付する必要があります(裁判所パンフレット「犯罪によって被害を受けた方へ」参照)。
   日を改めて刑事記録の閲覧をする場合,改めて150円の収入印紙が必要となります。
カ 略式命令事件の場合,公判期日が存在しない点で犯罪被害者保護法3条の適用はないと解されていますから,被告事件の終結前に刑事記録を閲覧又は謄写をすることはできません。
キ 平成19年6月27日法律第95号(平成19年12月26日施行)による改正前は,当該被害者等の損害賠償請求権の行使のために必要があると認める場合その他正当な理由がある場合で,かつ,犯罪の性質,審理の状況その他の事情を考慮して相当と認めるときに限り,閲覧又は謄写が認められていました。

(2)   最高検察庁の通達に基づく公訴事実記載書面及び冒頭陳述の取り寄せ
ア 被害者が,被告人となっている加害者の刑事裁判を担当している検察官に依頼した場合,起訴状記載の公訴事実等の内容を記載した書面,及び冒頭陳述の内容を記載した書面を交付してもらえます。
イ 「「犯罪被害者等の権利利益の尊重について(依命通達)」の発出について」(平成26年10月21日付の最高検察庁総務部長及び公判部長の通達)第3・3項(1)には以下の記載があります。
   被害者等が, 自己を被害者等とする事件の真相を知りたいと思うのは当然のことであり,刑事司法が「事件の当事者」である生身の被害者等の権利利益の回復に重要な意義を有するものである以上,真相解明の途上である捜査段階においては十分な説明は困難であっても,事件を公判請求した場合には,当該事件の被害者等の要望に応じて,事件の内容,捜査·公判に支障を及ぼすおそれや関係者の名誉·プライバシーを害するおそれの有無・程度等を考慮しつつ, 公判における検察官の主張·立証の内容を分かりやすく説明するのが相当である。
   このような説明に関連して,被害者等の要望があれば,起訴状記載の公訴事実等の内容を記載した書面や,冒頭陳述に際してあらかじめ書面を作成して裁判所に提出した場合においては,当該冒頭陳述の内容を記載した書面を交付するのが相当である。ただし,これらの書面を交付するに際しては,関係者のプライバシー保護に適切に配意する必要があり、例えば,公判廷で明らかにされない関係者の氏名を伏せた書面を交付すること,第三者へこれらの書面が不当に流出することがないように被害者等に注意喚起することなどの配慮が求められる。

3 裁判所HPでの説明
   裁判所HPの「裁判手続 刑事事件Q&A」には以下の記載があります。
Q.訴訟記録の閲覧及び謄写とはどのようなものですか。
A.刑事事件においては,裁判が進行中の事件では,その訴訟記録を一般の人が閲覧したり謄写したりすることはできません。しかし,刑事事件の被害者等については原則として,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。また,閲覧謄写をしようとする事件の被告人等により行われた,その事件と同種の犯罪行為の被害者の方(同種余罪の被害者)は,損害賠償を請求するために必要があると認められる場合には,訴訟記録を閲覧したり,謄写したりすることができます。

4 「交通事故事件の刑事記録の入手方法」も参照してください。

西村謄写館及びOPO謄写センターと検察庁との間の協定書等

1(1) 大阪高検及び大阪地検と協定書等を作成している謄写業者(西村謄写館及びOPO謄写センター)の謄写業務のうち,紙媒体による謄写業務には以下の3種類があります。
① 対面業務式
   使用許可に係る設置場所に乾式複写機を設置し,謄写申請人の依頼を受けて,同人の代わりに事件記録等の謄写を行う業務
② セルフ式業務
   使用許可に係る設置場所に設置されている特定の乾式複写について,謄写申請人自らが行う事件記録等の謄写に利用させる業務
→ 大阪高検及び大阪地検の場合,1枚当たり20円を超えて設定することはできない反面,白黒コピーに限定されています。
③ 出張謄写業務
   大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁が管理する事件記録等の謄写について,謄写申請人の依頼を受けて,同人の代わりに当該事件記録等を管理する検察庁まで赴き,事件記録等の謄写を行う業務
(2) パソコン等を設置し,謄写申請人の依頼を受けて,同人の代わりにCD-R,DVD,BD-R,USBメモリ,フロッピーディスクその他の外部電磁的記録媒体に記録された情報を,別の外部電磁的記録媒体に謄写する業務は,対面式業務及び出張謄写業務に含まれる業務とされています。
   
2 西村謄写館が,大阪高検,大阪地検本庁,大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁が管理している事件記録等の謄写業務に関して,大阪高検及び大阪地検との間で作成している以下の文書を掲載しています。
① 平成26年4月1日付の事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年4月1日付の謄写対象物管理計画
③ 平成26年4月1日付の情報セキュリティ計画
→ 本文は全部黒塗りです。

3 OPO謄写センターが,大阪高検,大阪地検本庁,大阪地検岸和田支部,大阪区検察庁交通分室及び羽曳野区検察庁が管理している事件記録等の謄写業務に関して,大阪高検及び大阪地検との間で作成されている以下の文書を掲載しています。
① 平成26年4月1日付の事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年4月1日付の謄写対象物管理計画
③ 平成26年4月1日付の情報セキュリティ計画
→ 本文は全部黒塗りです。

4 西村謄写館が,大阪地検堺支部が管理している事件記録等の謄写業務に関して,大阪高検及び大阪地検との間で作成している以下の文書を掲載しています。
① 平成26年9月1日付の事件記録等謄写業務協定書
② 平成26年9月1日付の謄写対象物管理計画
③ 平成26年9月1日付の情報セキュリティ計画
→ 本文は全部黒塗りです。

5 以下の記事も参照してください。
① 謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所
② 西村謄写館及びOPO謄写センター
③ 交通事故事件の刑事記録の入手方法

西村謄写館及びOPO謄写センター

1 総論
(1) 西村謄写館は大阪地検本庁及び大阪地検堺支部の記録の謄写業務を担当し,OPO謄写センターは大阪地検本庁の記録の謄写業務を担当しています。

   その関係で,大阪地検本庁で刑事記録を謄写する場合,OPO謄写センター及び西村謄写館のどちらで謄写するかという,閲覧・謄写に関する申出書を提出する必要があります。
(2) OPO謄写センターは18階にある公判提出予定記録の閲覧部屋の隣にあり,西村謄写館は18階のOPO謄写センターの隣にあります。
   また,大阪地検が入居している大阪中之島合同庁舎は,1階から13階までは低層階エレベーターを使用し,13階から24階までは高層階エレベーターを使用しています。
   そのため,確定記録の閲覧場所である8階からOPO謄写センター及び西村謄写館が入居している13階に行く場合,13階で乗り換える必要があります。
(3) OPO謄写センターは,検察庁職員だった人が運営しているといわれています(友新会HPの「第6回 事件記録の謄写問題が解決-地検堺支部」参照)。

2 堺支部及び岸和田支部での謄写業務
(1) 平成21年3月までは,大阪弁護士協同組合が大阪地検堺支部の記録謄写業務を行っていたものの,同年4月以降,西村謄写館が大阪地検堺支部の記録謄写業務を行うようになりました(友新会HPの
「第6回 事件記録の謄写問題が解決-地検堺支部」参照)。
(2) 岸和田支部に保管されている刑事記録の謄写を西村謄写館に依頼する場合,西村謄写館が検察庁にその都度,コピー機を持ち込んでコピーしている関係で,枚数に応じた出張料を請求されます(全国弁護士協同組合HPにある,大阪弁護士協同組合の「当組合おすすめお役立ち情報」参照)。
(3) 平成29年4月現在,西村謄写館が岸和田支部に出張するのは週に1回だけですから,岸和田支部の刑事記録を謄写する場合,特に時間がかかります(早い場合は10日から2週間,長い場合は2ヶ月ぐらいらしいです。)。
   そのため,例えば,実況見分調書だけが欲しい場合,とりあえずは,デジカメ等で接写した上でプリントアウトしたものを利用した方がいいかもしれません。

3 謄写料金等
(1) 西村謄写館の謄写料金等
ア 令和元年10月時点のコピー謄写料金(基本)一覧表を掲載しています。

イ 大阪地検本庁,堺支部,岸和田支部及び羽曳野区検を通じて,公判前であると確定記録であるとを問わず,モノクロが1枚40円,カラーが1枚70円です(消費税0%と書いてあることの意味は不明です。)。
ウ 公判前であると確定記録であるとを問わず,堺支部への出張経費等は500円以上であり,大阪府下全域への出張経費は1000円以上であり,他府県への出張経費は1500円以上です。
   ただし,案件によりケースバイケースでとのことです。
エ 確定記録の場合,150円の印紙代が別途,実費として発生します。
オ 西村謄写館に謄写を依頼した場合,堺支部又は岸和田支部の記録についても,大阪弁護士会館北隣にある秋田ビル1階において,謄写料金と引換に刑事記録を交付してもらえます。

(2) OPO謄写センターの謄写料金等
ア 令和元年10月時点の謄写料金表を掲載しています。
イ 大阪地検本庁,堺支部,岸和田支部及び羽曳野区検を通じて,公判前であると確定記録であるとを問わず,税込みで,モノクロが1枚33円,カラーが1枚66円です。
ウ 大阪地検本庁の記録だけを取り扱っています。
エ 大阪市北区西天満1~6丁目とその一部周辺は,原則,平日(月~金曜日)夕方に弁護士事務所まで無料配達しています。
   また,同市中央区北浜1~4丁目及び同区今橋1~4丁目は,平日の月・水・金曜日の夕方に弁護士事務所まで無料配達しています。

6 謄写件数
(1) 西村謄写館
・ 訴訟記録謄写事務所(西村謄写館)の謄写件数等報告書(平成29年度分)
・ 訴訟記録謄写事務所(西村謄写館)の謄写件数等報告書(平成30年度分)
(2) OPO謄写センター 
・ 
OPO謄写センターの謄写件数等報告書(平成29年度分)
・ OPO謄写センターの謄写件数等報告書(平成30年度分)

7 電話番号
(1) 西村謄写館の電話番号は06-6455-2280(大阪地検18階)又は06-6364-2280(秋田ビル1階)です。

(2) OPO謄写センターの電話番号は06-4796-2299(大阪地検18階)です。

8 以下の記事も参照してください。
① 謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所
② 西村謄写館及びOPO謄写センターと検察庁との間の協定書等
③ 交通事故事件の刑事記録の入手方法

謄写業者,及び確定した刑事記録の保管場所

目次
第1 謄写業者

1 大阪地家裁及び大阪地検の場合
2 京都地家裁及び京都地検の場合
3 神戸地検の場合
4   謄写申請書等の書式
第2 確定した刑事記録の保管場所
1 一般的な取扱い
2 大阪地検の取扱い
第3 検察庁HPの説明
第4 関連記事

第1 謄写業者
1 大阪地家裁及び大阪地検の場合

(1)   刑事記録を謄写(コピー)する際に利用する謄写業者は以下のとおりです。
①  加害者の刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の場合(一般財団法人司法協会HPの「記録謄写(複写)」参照)
・ 大阪地裁本庁に係属している場合
   〒530-8521
   大阪市北区西天満2丁目1番10号 
   大阪高等・地方裁判所庁舎1階
   司法協会大阪出張所(電話:06-6336-1290)
・ 大阪地裁堺支部に係属している場合

   〒590-8511
   大阪府堺市堺区南瓦町2番28号
   大阪地家裁堺支部庁舎6階
   司法協会堺出張所(電話:072-227-4781) 
・ 大阪地裁岸和田支部に係属している場合
   〒596-0042
   大阪府岸和田市加守町4丁目27番2号
   大阪地家裁岸和田支部庁舎1階
   司法協会岸和田出張所(電話:072-441-4374)
(2)  加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録
・ 大阪地検本庁に保管されている場合
    西村謄写館(電話:06-6455-2280)又はOPO謄写センター(電話:06-4796-2299)
・ 大阪地検堺支部又は岸和田支部に保管されている場合
    西村謄写館(電話:06-6455-2280)
③ 不起訴事件の刑事記録
   ②の場合と同じです。
2 京都地家裁及び京都地検の場合
   京都地家裁の裁判記録の謄写については,京都弁護士協同組合HP「地家裁謄写について」が,京都地検の刑事記録の謄写については,京都弁護士協同組合HP「検察謄写について」が非常に参考になります。
3 神戸地検の場合
(1) 神戸地検の刑事記録の謄写については,兵庫県弁護士協同組合の謄写部が担当しています。
   神戸地検の刑事記録に関して謄写申請書を郵送する場合の宛先は,「〒650-0016 神戸市中央区橘通1-4-3」(兵庫県弁護士会と同じ住所です。)であるのに対し,謄写申請書を持参する場合,神戸地裁1階の謄写館室に持参します(全国弁護士協同組合HPにある,兵庫県弁護士協同組合の「当組合おすすめお役立ち情報」参照)。
(2) 兵庫県弁護士協同組合の「当組合おすすめお役立ち情報」には,①乾式複写機の設置場所及び謄写の形態,並びに②兵庫県内における記録謄写の申請先一覧表が載っています。
4   謄写申請書等の書式
(1) 愛知県弁護士協同組合HP「謄写申請用紙 一般向け」に以下の書式が載っています。謄写料金は1枚当たり44円(白黒)とのことです。
①裁判所用  記録謄写申請用紙
②検察庁   公判部用申請用紙 (公判提出予定記録・任意開示証拠など)
③検察庁   保存記録用申請用紙 (不起訴記録)
④検察庁   保管記録用申請用紙 (確定記録)
⑤処分調査票 (送付先FAX052-951-1695 名古屋地方検察庁記録係)
(2)   全国弁護士協同組合HPにある,熊本弁護士協同組合の「当組合おすすめお役立ち情報」に,不起訴記録閲覧・謄写申請書,保管記録閲覧請求書及び謄写申出書の書式が載っています。

第2 確定した刑事記録の保管場所
1 一般的な取扱い
(1) 
刑事事件について控訴又は上告された場合であっても,判決が確定した後は,第一審の裁判所を通じて対応する検察庁に送付されます刑事訴訟規則304条)。

   そのため,刑事記録の保管場所は,地裁が第一審の刑事事件の場合は地方検察庁であり,簡裁が第一審の刑事事件の場合(例えば,罰金の略式命令の場合)は区検察庁です(刑事確定訴訟記録法2条1項参照)。
(2) 高松高検HPの「刑事事件記録の閲覧・謄写」には,「刑事事件記録の閲覧・謄写の請求は,第一審の裁判をした裁判所に対応する検察庁の検察官に対して行えます。」と書いてあります。
(3)ア 道交法違反又は保管場所法違反の刑事記録については,本籍地方検察庁の検察官が保管検察官となる(刑事確定訴訟記録法付則6条・刑事確定訴訟記録法施行規則付則2項)ものの,保管検察官が保管しているのは交通切符等原票(交通切符の第2枚目,又は交通反則切符の第1枚目の裁判書)だけであり,それ以外の刑事記録は,第一審対応検察庁の検察官が保管検察官から嘱託を受けたものとして保管しています記録事務規程の改正について(平成25年3月19日付の法務省刑事局長の依命通達)第4の2(1)及び(2)参照)。
イ 電算処理の対象とならない犯歴の把握は,本籍地方検察庁の犯歴担当事務官が担当しています(犯歴事務規程7条5項,9条2項及び10条2項参照)。
2 大阪地検の取扱い
(1) 大阪の場合,大阪地検・大阪区検は,大阪池田区検,豊中区検,吹田区検,茨木区検,東大阪区検及び枚方区検に関する問い合わせを受け付けています。

   大阪地検岸和田支部・岸和田区検は,佐野区検に関する問い合わせを受け付けています。
   羽曳野区検は,富田林区検に関する問い合わせを受けて付けています(大阪地検HPの「管内検察庁の所在地・交通アクセス」参照)。
(2) 「大阪地検の記録事務取扱要領」も参照してください。 

第3 検察庁HPの説明
   京都地検HPの「検務部門の業務」「記録担当」には,以下の記載があります。
   裁判が終結するなど全ての手続が終了した書類(記録)を一定期間保管・管理しています。
記録の閲覧についても取り扱っています。ただし,法律により閲覧が制限されることがあります。
〇交通事故の記録については膨大な数が取り扱われているため,閲覧の申込みには次の点に留意願います。
(1) 警察から検察庁に書類が送付されているか。
   警察から書類が送付されていない場合,検察庁で処理できませんので,まず事故の取扱警察署に確認してください。
(2) 検察庁の処分等が終わっているか。
   捜査中の記録等は閲覧できないため,検察庁の事件担当に処分状況をおたずねください。
〇被害者の方については,当庁の被害者支援員に相談して頂ければ,閲覧までのアドバイスを受けることができます。

第4 関連記事
   以下の記事も参照してください。
① 西村謄写館及びOPO謄写センター
② 西村謄写館及びOPO謄写センターと検察庁との間の協定書等
③ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(被害者側)
④ 刑事裁判係属中の,起訴事件の刑事記録の入手方法(加害者である被告人側)
⑤ 加害者の刑事裁判の判決が確定した後の,起訴事件の刑事記録の入手方法
⑥ 不起訴事件記録(例えば,実況見分調書及び物件事故報告書)の入手方法
⑦ 被害者参加対象事件(例えば,人身の交通事故)において閲覧又は謄写の対象となる不起訴事件記録
⑧ 交通事故事件の刑事記録の入手方法
⑨ 実況見分調書等の刑事記録の保管期間