首席書記官の職務

大法廷首席書記官等に関する規則の運用について(平成6年7月18日付の最高裁判所事務総長依命通達)によれば,首席書記官の職務は以下の通りです。なお,文中の規則は,大法廷首席書記官等に関する規則のことです。

1 指導監督
(1) 首席書記官が規則第3条第4項から第6項までの規定により裁判所書記官及び裁判所速記官(以下「裁判所書記官等」という。)の一般執務について行う指導監督((2)から(4)までにおいて「指導監督」 という。)については,次に定めるところによる。

ア 裁判所書記官等の事務が法律,規則,規程,通達等に従い適正かつ能率的に処理されているかどうかについて査閲する。
イ 査閲に当たっては,次に掲げる事項に重点を置く。
(ア) 事件に関する記録その他の書類の作成,整理及び保管に関する事項
(イ) 事件に関する法令,判例等の調査の補助に関する事項
(ウ) 事件に関する帳簿諸票の備付け等に関する事項
(エ) 事件に関する送達及び通知に関する事項
(オ) 保管金,押収物等の取扱いに関する事項
(カ) 予納郵便切手及び収入印紙の取扱いに関する事項
(キ) 録音反訳の利用に関する事項
(ク) 事件に関する速記及びこれに関する事務に関する事項 
ウ 査閲の結果その他の事由により必要があると認めるときは,裁判所書記官等の事務について下級裁判所事務処理規則(昭和23年最高裁判所規則第16号)第4条の部(同規則第10条の2第2項の規定により部とみなされるものを含む。以下単に 「部」 という。)の相互の間を調整し,裁判所書記官等に指示を与え,又はこれを指導する。
エ 裁判所書記官等の事務が適正かつ能率的に処理されるための諸施策を企画立案し, 及び実施する。
オ 裁判所書記官等の勤怠,執務の態度及ぴ行状に留意し,必要があると認めるときは, これに注意を与える。
(2) 首席書記官は,指導監督に関し,必要と認める事項について,当該裁判所書記官等の属する部の裁判官に意見を述べることができる。
(3) 首席書記官は,指導監督に関し,主任書記官,主任速記官,訟廷管理官,裁判員調整官又は速記管理官に補佐させることができる。
(4) 首席書記官の指導監督の権限は,裁判所書記官の補助者として部に配置された裁判所事務官に及ぶ。

2 訟廷事務
   首席書記官が規則第3条第4項から第6項までの規定によりつかさどる訟廷事務とは,次に掲げる事項に関する事項をいう。

(1)   事件の受付及び分配に関する事項
(2) 事件に関する記録の受領及び送付に関する事項
(3) 事件に関する帳簿諸票の整備に関する事項
(4) 国選弁護人に関する事項
(5) 押収物等の受入れ,仮出し及び処分に関する事項
(6) 事件報告の資料の収集等に関する事項
(7) 裁判事件票その他の裁判統計の資料の作成に関する事項
(8) 事件に関する記録その他の書類の保存,廃棄及び独立行政法人国立公文書館への送付並びに事件に関する帳簿諸票の保存及び廃棄に関する事項
(9) 当事者その他の関係人の事件に関する記録その他の書類及び証拠物の閲覧及び謄写に関する事項 
(10) 当事者その他の関係人の請求による事件に関する記録その他の書類の正本,謄本,抄本等の交付に関する事項 
(11) 裁判書,控訴趣意書,上告理由書等の浄書及び謄写に関する事項 
(12) 裁判官及び裁判所書記官のてん補に関する事項 
(13) 廷吏の配置及び指導監督に関する事項 
(14) 準備手続室,審判廷,調停室等の事件のために使用する各室の管理に関する事項
(15) 裁判事務用器具の使用の調整に関する事項 
(16) 過料の徴収に関する事項 
(17) 法廷警備等の連絡及び協議に関する事項 
(18) 録音反訳に係る庶務に関する事項
(19) 裁判員候補者名簿の調製,裁判員候補者への通知,裁判員候補者に対する調査その他の裁判員及び補充裁判員の選任に関する事項 
(20) 裁判所速記官のてん補に関する事項 
(21) 裁判所速記官の事務の連絡調整に関する事項

3 支部の裁判所書記官等に対する権限
   首席書記官は,当該裁判所の支部の裁判所書記官等の一般執務及び訟廷事務について指導監督することができる。


4 管内の下級裁判所の裁判所書記官等に対する権限
(1) 首席書記官は,当該裁判所の命により,管轄区域内の下級裁判所の裁判所書記官等の一般執務及び訟廷事務について指導監督することができる。

(2) 高等裁判所は,首席書記官が行う管轄区域内の地方裁判所の裁判所速記官のー般執務及び速記に関する訟廷事務についての指導監督に関し,当該高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の速記管理官に補佐させることができる。